2008年06月 アーカイブ

アリアドネの歓び、ツェルビネッタの輝き

東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』、6月26日(木)から29日(日)まで4日間の公演の幕が下りました。
ご来場ありがとうございました。
●公演ギャラリー●・・・2日目の公演から 撮影:三枝近志
(画像をクリックすると拡大表示されます)

横山恵子の風格にあふれるプリマドンナぶり 
左はテノール歌手(青柳素晴) 後ろにエコー(谷原めぐみ) 右はナヤーデ(吉村美樹)


作曲家 小林由佳は、今回が二期会オペラデビュー。才能あふれる青年作曲家を溌剌と演じました。


ベテラン田辺とおるが演じるちょっと意地悪な執事。(右は初鹿野剛が演じる音楽教師)


きらきらと輝く安井陽子のツェルビネッタ。仕草、眼差し、微笑み、すべてがツェルビネッタそのもの。大アリア「偉大なる王女様」は、高音の跳躍が続き、技巧的にも非常に難しい曲。1人舞台は10分以上ありますが、跳ねるように、嬉しそうに歌うツェルビネッタに客席は魅了され、息をのみます。満場の喝采!!


ツェルビネッタとその仲間の道化たち
安井陽子との息もぴったり。アンサンブルの出来は公演全体の印象を左右しますが、ダンスも相まって、客席からは笑いも!


アリアドネを守るエコーたち、この衣裳は、動いた時に、羽根の飾りがゆれてとても美しい。


艶やかなアリアドネ(横山恵子)に応える柔らかく甘いバッカスの声(青柳素晴)。シュトラウスならではの、音の波に浸る幸せ。

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「ムジークテアター」  オペラの制作現場からーその15

 ベルリン・コーミッシェ・オーパは旧東独時代から原則全てのオペラをドイツ語で上演してきた歴史がありますが、その劇場を第二次世界大戦直後に創設したのは演出家フェルゼンシュタインでした。その彼が唱えたのがこの言葉です。彼は最低でも8週間の立ち稽古を行い、人間ドラマを完璧に表現できるまで徹底的に歌手達を鍛え上げたのです。この劇場でフェルゼンシュタインの助手として直接薫陶を受けた日本オペレッタ協会の寺崎裕則会長によれば「歌芝居」という表現になりますが、その著書「音楽劇の演出」には、それまでのオペラを「装置衣裳付き独唱会」としたフェルゼンシュタインの演出哲学が詳しく述べられています。〈従来の、「耳と目の悦楽」に新たに「心」を加えた。「心」とは演劇的な面、ドラマの部分である。観客は、オペラに「耳と目の悦楽」の他に、「心」の悦楽があることを知った。〉とあります。
 二期会は、創立50周年記念事業を契機にして幾つかのドイツの歌劇場と国際共同制作に取り組みました。これらのプロジェクトで起用した演出家は何れも欧州でも有数の評価を得ており、しかもこのドラマ重視の流れを組んだ方々だったため、我々は二期会オペラの制作を通じて期せずしてムジークテアター流オペラ制作を経験できました。これは我々にとって極めて重要な経験でした
 来日した演出家に共通していたのは、歌っている人は勿論ですが、その歌を聞いている相手の歌手がその歌にどう反応するかの表現こだわったことでした。ドラマは二人のダイアログが基本だというわけです。2分間のシーンに2時間以上をかけるのは珍しいことではなく、何度も繰り返して根気よく稽古をします。演出家自身が演技をやってみせるのですが、それを真似するだけとダメがでます。自分独自の身のこなしが反射的にできるようになるまで作り込んでいくのです。歌手は本来役者ではないので、このような訓練を受けて初めて身体で感情を表現できるテクニックを身につけていきました。
 稽古を繰り返す度に歌いながら演技をしますから、当然毎回フルヴォイスで歌うことはできません。ところが、演技のテンションはぎりぎりまで上げ、声を抜くというのは簡単なようで難しいテクニックです。身体までテンションが下がってしまうと、演技も緊張感を欠くことになります。できるまで何度も繰り返すことで、身体コントロールで集中度を上げていく濃密な稽古が、こうして1か月以上続くことになります。ただ厳しいだけではなく、演出家が目指すドラマの表現に達するまで、妥協することなく仕上げていくことの大切さを、参加した全員が共有できたことが大きな収穫だったわけです。
 このようにして出来上がった舞台は、観客の心をとらえて放しません。そこまでいけば、ドラマの時代背景が現代に変わっても、舞台装置が抽象的なものに変わっても、十分に成り立つだけの緊張感溢れるドラマが展開するムジークテアターが現実のものとなるのです。 (常務理事 中山欽吾)

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夢の架け橋 ─ 鵜山仁演出『ナクソス島のアリアドネ』開幕

ウィーンのあるお屋敷で、『ナクソス島のアリアドネ』が上演される・・・
そんな設定で幕が開けるR.Straussのオペラ『ナクソス島のアリアドネ』。
芸術至上主義の気位の高いオペラ組と、臨機応変、芸達者揃いの踊り子、道化組。
オペラとコミックと同時に上演するハメになった。舞台上で、舞台が演じられる、劇中劇の中で、見せる役者たちの素顔や本音。R.シュトラウスならではの流麗さと軽やかさの中に、どちらが現実の舞台で、どちらが演じられている舞台か、混乱していく面白さ。
ラルフ・ワイケルト氏が、熟知したシュトラウスの音楽を巧みに操る中、演出鵜山仁が仕組んだ、人間のドラマが描かれます。
劇中の劇、を見る皆様は、劇の中のお客様、
二つの世界の架け橋を、是非、観にきてください。
≪公演の模様(撮影:鍔山英次)≫
アリアドネを慰める道化とツェルビネッタたち。中央が涙にくれるアリアドネ(佐々木典子)
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自由、素直さ、可憐なきらめきが、音楽にも台詞にも凝縮された難役ツェルビネッタを、見事に幸田浩子が体現。
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最後は、高橋淳のバッカス登場で大団円。
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初日のカーテンコール
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『ナクソス島のアリアドネ』公演詳細ページをみる

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『ナクソス島のアリアドネ』いよいよ初日!
公演タイムテーブルと当日券販売予定のご案内

東京二期会オペラ劇場2008年6月公演 R.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』の公演が迫りました。
当日の公演タイムテーブルと当日券販売予定を次の通りご案内いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

6月26日(木)
6月27日(金)
6月28日(土)
6月29日(日)
当日券販売開始
17:00~
17:30~
12:30~
12:30~
販売予定券種
S,A,B,C,D
S,A,B,C
S,A,B,C
S,A,B,C,D
開場
17:30
18:00
13:00
13:00
開演
18:30
19:00
14:00
14:00
プロローグ
約45分
休憩予定時刻
19:15~19:35
19:45~20:05
14:45~15:05
14:45~15:05
オペラ
約85分
終演予定
21:00
21:30
16:30
16:30

※当日の販売状況により、券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
『ナクソス島のアリアドネ』公演詳細ページをみる

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6月公演『ナクソス島のアリアドネ』残席状況

東京二期会オペラ劇場6月公演 R.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』の公演が目前に迫りました。
現在の残席状況は次の通りとなっております。
6月24日現在

6月26日(木)
18:30
6月27日(金)
19:00
6月28日(土)
14:00
6月29日(日)
14:00
S席
A席
B席
C席
D席


凡例 ◎…100以上 ○…50~99 △…25~49
   ▲…10~24  ●…1~9   ×…予定販売数終了

お座席によっては販売終了となることがございます。ご希望のお座席は、お早めにお求めください!
チケットのお申込は 電話03-3796-1831 ファクス03-3796-4710

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カウンターテナー彌勒忠史、著書刊行

二期会カウンター・テノール会員、彌勒忠史著『イタリア貴族養成講座』が6月17日に集英社新書より刊行されました。
ルネサンス文化華やかなりし時代、宮廷生活の実態とは・・・。当時のヨーロッパ貴族が競って読んだ本をひもとき、食事や音楽、ダンス等、セレブの心得を紹介。
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下記HPより試し読みページがご覧になれます。
集英社新書『イタリア貴族養成講座』—本物のセレブリティとは何か - 集英社新書

 
彌勒 忠史(みろく ただし)プロフィール
 一九六八年、東京都生まれ。千葉大学大学院修了。東京藝術大学声楽科卒業。カウンターテナー歌手。「バッハ・コレギウム・ジャパン」に参加後、一九九九年より、ヨーロッパを中心としてリサイタル、オペラ、テレビ・ラジオ出演。また、CD録音などの活動を行う。イタリア国立G・フレスコバルディ音楽院講師を経て、東京藝術大学声楽科助手、学習院生涯学習センター講師。「在日本フェッラーラ・ルネサンス文化大使」の称号も持つ。二期会会員

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林美智子出演「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2008」放送

今年のゴールデンウィークに開催された「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2008 シューベルトとウィーン」の一大クラシックイベントからメゾ・ソプラノ林 美智子が出演した演奏会がNHK-BSハイビジョンで放映されます。
是非ご覧下さい。
◆◆放送予定◆◆
【NHK-BShi】「ハイビジョン・クラシック倶楽部」
 6月25日(水)6:00〜6:55
 7月2日(水)13:00〜13:55 [再]
 *放送日時は予告なく変更される場合がございますのでご了承ください。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2008
2008年5月5日公演収録 東京国際フォーラムホールC
シューベルト:劇付随音楽『キプロスの女王ロザムンデ』作品26 D797
よりロマンス「満月は輝き」
ペーテル・チャバ(指揮)
林 美智子(メゾ・ソプラノ)
フランス国立ロワール管弦楽団
晋友会合唱団
IMG_7427.JPG マエストロ ペーテル・チャバ氏と林美智子
IMG_7446.JPG アーティスティック・デレクター ルネ・マルタン氏と林美智子

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『二期会Week in サントリーホール2008〜愉しみの刻〜』盛況のうちに幕

毎回趣向を凝らし、歌手ひとりひとりの魅力が、存分に発揮される“二期会Week”。今年も多くのお客様をお迎えし、盛況のうちに閉幕しました。
第一夜 今をときめくオペラ界のいい女(プリマ)。田尾下哲氏(演出)により、洗練されたステージで魅せました。
2008week1.JPG 左から田尾下、腰越、加賀、吉原、薗田、石野
第二夜 セノオ楽譜の展示は、やさしくて懐かしい雰囲気。進取の気性に富み、また積極的に西洋の音楽を学んだ大正時代。昭和は遠く、大正はさらに遠い。けれども「大正デモクラシー」と呼ばれた時代の華やかさがしのばれたのではないでしょうか。
2008week2-1.jpg 左から紙谷、鵜木、里中、星野
2008week2-2.JPG 会場に展示されたセノオ楽譜
第三夜  ミシラン紀行、燻し銀のリートの夕べ
年月を経て、ほろ苦くしみじみと聴かせるドイツリートの魅力。熟練のピアニスト、オレスタ・スィブリフスキーの深い音色に、若き日の外国旅行を思い出した方も多いのでは? 庄司の真摯な音楽と、近藤の円熟の歌唱。まさに大人の一夜。
2008week3.JPG 左から庄司、近藤、スィブリフスキー
第四夜  めくるめくパワフルな一夜
オペラは、眉しかめたお金持ちだけの楽しみではありません。若くして、オペラの世界に飛び込んだ歌手たちが、自らクラシックのファンを増やしたい!と企画しました。感性にビリビリ響くオペラの魅力。若手歌手陣を支えてくださった、懐深く愉快な名ピアニスト山田武彦氏にも盛大な拍手!
2008week4-1.JPG 左から与那城、大隅
第五夜  四畳半って・・・
サントリーホールに再び亀さん現わる。昨年の評判を聞きつけて、今年もお客様満員、沸かせる芸の域。日々色々ありますが、夫婦って不思議、いいものですね。
2008week5.jpg 亀山勝子
第六夜  プリマドンナオペラ『ルクレツィア・ボルジア』
ドニゼッティ随一の傑作でありながら、我が国では一度も本格舞台上演されたことはない、という幻の名作。それならば、と満を持して二期会の本格派イタリアオペラ歌手が集結、一夜だけの上演に漕ぎつけた。オペラ界の信頼厚い服部容子氏が、濃く深くドニゼッティの音楽をピアノで画き出し、石鍋多加史の渋い声が、愛と権力にまみれたボルジア家の悲劇に迫る。オペラ劇場の興奮そのままにざわめいた一夜でした。
2008week6.JPG 左から石鍋、服部、大塚、高橋、手嶋、山田
第七夜  二期会の歴史を支えて半世紀
思えば半世紀。その道は平坦ではありませんでした。戦前、戦後の昭和の時代、日本で西洋音楽、しかもオペラ劇場のない国でオペラ歌手を志すということは、現代から考えても非常に険しく遙かな道でした。メールも、電子辞書も、格安航空券もない時代に、ヨーロッパに憧れ、声の力を信じて歩んでまいりました。でも、舞台には愉しい思い出もたくさん! 今日まで、多くのお客様に喜んでいただいた歌を、皆様にも。
尚、当日は体調不良により、瀬山詠子、中村健の両名が出演を辞退いたしました。楽しみにしてくださったお客様には申し訳ございませんでした。
2008week7-1.JPG 飯山
2008week7-2.JPG 宮原
2008week7-3.JPG 栗林

ご来場いただきました皆様には心より御礼申し上げます。
来年もブルーローズでお会いできること願いつつ。

二期会Week in サントリーホール【公演情報】

『二期会Week in サントリーホール2009〜愉しみの刻〜』のお知らせ
来年もサントリーホール(ブルーローズ)で開催いたします。
期間は2009年6月15日(月)〜21日(日)
更にパワーアップしたラインナップに乞うご期待!

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「楽譜を選ぶ」  オペラの制作現場からーその14

 ある演目のオペラ上演を計画する際、どのプロダクションでも同じ楽譜で上演するわけではありません。楽譜には色々な版が存在するからです。今回はその裏話をお話ししましょう。そんなの常識だと仰せのファンの方は、しばらく目をつぶっていてください。
 かつては、オペラの興行師が作曲家に依頼してオペラを作ることが多かったので、例え初日を開けても不評であればどんどん変更を要求し、人気歌手の技巧に合わせてアリアを作曲させて挿入したりと、随分生臭い話しがあったようです。時代や劇場の性格に応じて、セリフを入れた版とレチタティーヴォといわれる歌唱でアリアをつないでいく版が両立しているケースもあります。さしずめ「カルメン」はこのケースで、パリのオペラ・コミークでの上演を前提に作曲したビゼーのオリジナル版は当然セリフ入りのものでしたが当初不評でした。初演後まもなくビゼーは死んでしまって、代わりにギローがレチタティーヴォ版を作り大ヒットしたことはよく知られています。
 古いオペラでは、スコアが部分的に欠落したり残っていなかったりするケースがあり、後世の研究によって補完されたり、前記のような度重なる改作の中から決定版として出版したりすることも稀ではありません。複数の版があると、どれを選ぶかが問題となり、制作する側のこだわりとなります。
 一方、作曲された時代のオペラの上演環境もあって、4時間を超える長大な曲も多く存在します。現在は、途中カットして休憩込みで3時間半程度にすることが広く行われていますが、一方で無削除版と銘打って全曲完全上演を目指す動きもあり、観客にとって選択の幅は広がっています。このようなことが行われるのは、オペラは完全無欠の音楽というより、歌と音楽の力によって人間ドラマをはるかに説得力のあるものに変えていくという性格があるからですし、前述のように色々な版が並列で存在するという事情もあるのです。
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                  撮影 鍔山英次
 二期会ではモーツァルト年の2006年に日生劇場で「コジ・ファン・トゥッテ」(上記写真参照)を上演しましたが、この時は通常はカットされることの多いフェランドのアリアを演奏したのです。姉妹の恋人が変装して、それぞれ別の方を口説くという筋で、このシーンは最後まで抵抗していた姉のフィオリディリージがこのテノール泣かせの長大なアリアを聴く内に遂に陥落するという部分で、そのアリアを聴きながら彼女が悩みに悩む様子が演出の宮本亜門によって活写され、ドラマとして圧倒的な説得力を持ったことを思い出します。(常務理事 中山欽吾)

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林美智子オフィス設計CMに出演中!

メゾソプラノ会員の林美智子が、6月1日より1年間 株式会社オフィス設計 のイメージパートナーとしてCMに出演中です。
是非ご覧下さい。
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◆CM放映番組
 フジTV「報道2001」(毎週日曜日7:30〜)
(他TBS、テレビ東京の特別番組、海外の日本人向けJSTVにも放送されます。)
尚、オフィス設計のHPからもご覧頂けます。(IEのみ)
オフィス設計TVCM「オペラ」篇 - 株式会社オフィス設計 http://www.officesekkei.com/

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『ナクソス島のアリアドネ』稽古場から

しとしと雨降りが多い6月ですが、稽古場にはカラッと晴れたナクソス島のビーチが出現。キャストたちは、思い思いにストレッチをしたり、楽譜を確認したり、久しぶりの共演となる顔ぶれもあって、よい雰囲気の中、稽古が進められています。
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『ナクソス島のアリアドネ』は、“劇中劇”が鍵となる設定ですから、出演する歌手たちは、オペラの中では“役者”を演じます。さらに、劇中の“劇”が始まる前の場面では、“演じていない役者”を演じるわけです。何だか鏡の中の鏡、みたいです。
R.Straussは、作曲家、指揮者として、歌劇場に日常的に出入りしていました。気位の高い女優や、プリマドンナ、テノール歌手・・・戯画化しつつ本音も交え、「ナクソス島のアリアドネ」が書かれました。寓意、洞察、暗示、裏にも表にも仕掛けがあり、鵜山氏の緻密な演出が注目されます。指揮者のラルフ・ワイケルト氏も稽古場に姿を見せました。いよいよ公演に向け、期待が高まります。(担A.M)
P6070031.JPG エコー(妖精たち)
P6070053.JPG 犬の縫いぐるみの登場シーンは?
zerb.jpg ツェルビネッタはパラソルの下・・・
『ナクソス島のアリアドネ』公演情報 - 東京二期会オペラ劇場

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飯塚新人音楽コンクール入賞者速報

去る6月8日に福岡県飯塚市で開催された飯塚新人音楽コンクールにおいて、真野路津紀(ソプラノ会員)が第1位、谷原めぐみ(同)が第3位にそれぞれ入賞いたしました。
尚、第3位の谷原めぐみは東京二期会オペラ劇場2008年6月公演『ナクソス島のアリアドネ』にエコー役で出演予定です。
写真:真野路津紀(左)と谷原めぐみ
   会場の飯塚市文化会館イイヅカコスモスコモンにて
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飯塚新人音楽コンクール - 飯塚文化連盟
『ナクソス島のアリアドネ』公演情報 - 東京二期会オペラ劇場

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2008年2月公演『ワルキューレ』ノーカット版で放映されます!

2008年2月に東京文化会館にて上演された、東京二期会オペラ劇場『ワルキューレ』がNHK-BSハイビジョンでノーカット放映されます!
是非ご覧ください!
◆チャンネル:NHK-BShi
◆番組名:ハイビジョンウィークエンドシアター
 東京二期会オペラ劇場『ワルキューレ』2月23日公演
◆放送日時:6月14日(土)21:00−翌01:08
*放送日時は予告なく変更される場合がございますのでご了承ください
番組詳細ーハイビジョンウィークエンドシアター - NHK
公演記録ー『ワルキューレ』 - 東京二期会オペラ劇場

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二期会Week in サントリーホール開催中!

二期会Week in サントリーホールがいよいよ開幕しました。
昨日は第一夜の“ウーマンINドレス&タキシードの愉しみ”。
タキシードに身をつつんだメゾソプラノ加賀ひとみをめぐり、様々な愛の形が演奏されました。
お足元の悪い中、多くのお客様にご来場いただきました。
活躍目覚しい田尾下哲さんの演出により華々しい一週間が幕開けしました。
そして本日は第二夜。大正、昭和に出版されたセノオ楽譜を題材に当時の訳による外国の歌曲や、あまり演奏されない日本歌曲の名曲の数々をご紹介します。
また、普段見ることが出来ないセノオ楽譜も会場に展示いたします。
本日もサントリーホール ブルーローズにて19時開演です。乞うご期待!
第一夜の舞台から
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第一夜の出演者(左から田尾下、腰越、加賀、吉原、薗田、石野)
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二期会Week in サントリーホール【公演情報】
当日券情報と演奏予定曲詳細は6月8日の記事をご参照ください。

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二期会Week in サントリーホール“愉しみの刻”
演奏予定曲と当日券情報について

いよいよ6月9日(月)より始まる、「二期会Week in サントリーホール“愉しみの刻”」の演奏予定曲詳細と当日券の発売予定をご案内致します。
●演奏予定曲(PDFファイル)以下のリンクをクリックして下さい
 演奏予定曲一覧(1)
 演奏予定曲一覧(2)
●当日券情報(6月6日18時現在)

公演日  開場   開演  終演予定 当日券発売
第一夜/6月9日(月)
ウーマン IN ドレス&タキシードの愉しみ
18:30 19:00 21:00 あり 18:00〜
第二夜/6月10日(火)
大正ロマンのかをりの愉しみ
18:30 19:00 21:00 若干 18:00〜
第三夜/6月11日(水)
ミシラン発行(見知らん?)・三つ星リートの愉しみ
18:30 19:00 21:00 あり 18:00〜
第四夜/6月12日(木)
オペラ嫌いに襲いかかるめくるめくオペラの愉しみ
18:30 19:00 21:00 あり 18:00〜
第五夜/6月13日(金)
“四畳半”の愉しみ
18:30 19:00 21:00 なし 予定数終了
第六夜/6月14日(土)
かくも深きルクレツィア・ボルジアの愉しみ
17:30 18:00 20:00 若干 17:00〜
第七夜/6月15日(日)
深く濃く芳醇な歌声の愉しみ
17:30 18:00 20:00 若干 17:00〜

※当日券発売を行う場合でも、販売終了となることが予想されます。
 是非お早めにお求めください。
二期会Week in サントリーホール公演詳細ページ

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「コンラッド東京」タイアップ宿泊プラン
“オペラ ナイト”『ナクソス島のアリアドネ』のごあんない

前回、昨年11月公演『天国と地獄』で好評につき完売となりました「コンラッド東京」とのタイアップ宿泊プラン“オペラ ナイト”を、6月公演R.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』においてもご用意いたしました。
『ナクソス島のアリアドネ』のご鑑賞と、「コンラッド東京」ガーデンスイートをペアでご利用できる“限定”宿泊プランです。
期日は6月27日(金)・28日(土)・29日(日)の3日間、1日3室限定となっております。
オペラをお楽しみいただいた後は、東京ベイを一望できるガーデンスイートでお寛ぎください。
conrad_tokyo_logo.gifプラン詳細はこちらをご覧ください
コンラッド東京 webサイト

東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』公演詳細

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オペラ劇場仕様の話し(2) 「ホールの響き」 オペラの制作現場からーその13

 クラシック音楽でホールの響きがどれだけ大切かは、例えばウィーンの楽友会協会ホールやニューヨークのカーネギーホールの名前を挙げるまでもなく、強調してもし過ぎることはないでしょう。中でもオペラは舞台上で歌う歌手達とオーケストラの掛け合いがその醍醐味ですから、舞台前面のピットから上部に向かって響いてくるオケの音に対して、舞台上の歌声をうまく乗せて、ホールの残響特性によって美しい響きにすることが大切です。
 舞台の上で歌う声は歌手のテクニックによって、例えピアニッシモでも遠くに飛ばせることができます。しかし、その途中で、床や舞台装置の壁でうまく反響し、オーケストラ・ピットから出てくる音と共鳴しつつ、更に会場の側壁や天井で色々な角度に反射して、シャワーのように客席に降って来ます。よい劇場と言われるホールは、様々に反響する音が直接飛んでくる音とお互いに重なり合っていく、ホールに特有の残響(ホールトーン)がバランスの取れた心地いい響きになっているわけです。
 舞台上でも、奥の方で歌う声は天井部分が吊りもの(舞台装置や布製の背景)を格納するフライタワーになっているので前に飛び難く、人の動きが激しくなった最近の演出では、できるだけ多くの席からオーケストラとバランスしたよい響きが聴けるように、背景や天井をしつらえた舞台装置で、舞台奥で横を向いて歌う場合でも、反響を含めた音量で客席に声を飛ばす工夫が行われています。
  舞台稽古での最終段階では、客席の各ポイントで音楽のバランスを確かめて、歌う位置やオケピットの深さを微妙に変えたりして音響バランスの調整をします。それでも、ごく稀ではありますが、どうしても舞台上の異なる場所で歌う声のバランスが取れないような時に、弱い場所の音を拾って響きを補強することがあります。できるだけ多くの客席から音楽を楽しんでいただくための、芸術表現として許されるぎりぎりの総合調整の一環といえるでしょう。(常務理事 中山欽吾)

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二期会Week in サントリーホール“愉しみの刻” いよいよ公演間近!

6月9日(月)より15日(日)までの7日間、サントリーホール小ホール「ブルーローズ」にて、二期会Week in サントリーホール愉しみの刻(とき)を開催致します。
二期会創立50周 年記念「30日連続演奏会」が契機となり、毎年開催されるようになった「二期会週間」は、6回目を迎える本年名称も新たに生まれ変わりました。
会場となるサントリーホール小ホールも改修工事を終え、昨年9月1日にリニューアル・オープンしブルーローズというすてきな愛称がつきました。
思春期の燃えるような純愛から大人の愛の世界へとドレスとタキシード姿の女性歌手たちがへ誘う「第一夜」。そして竹久夢二などによる装画が施されたセノオ楽譜を展示しながら、“宵待草”“カチューシャの唄”“待ちぼうけ”“庭の千草”等大正ロマンの時代を感じさせる名曲の数々をお楽しみいただく「第二夜」。それに続く5日間もそれぞれに趣向を凝らし、風味の異なる美味しいワインをいただくような馥郁(ふくいく)たる一夜をお過ごしいただけることでしょう。
皆様のご来場をスタッフ、キャスト一同、心よりお待ち申しあげております。
【公演情報】
日時:2008年6月9日(月)〜15日(日)
   月〜金は19:00開演、土・日は18:00開演
会場:サントリーホール 小ホール「ブルーローズ」
公演詳細はこちらをご覧ください→二期会Week in サントリーホール“愉しみの刻”
≪≪第一夜の稽古風景から≫≫
(写真左)左から加賀、吉原 (写真右)左から田尾下、加賀、吉原、薗田、腰越、石野
20080531008.jpg 20080531020.jpg
≪≪第二夜に展示予定の楽譜表紙≫≫
左から「別れし宵」「庭の千草」「船うた」
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ソプラノ会員 箭竹律子(やたけのりこ)
ドイツ・ゲルゼンキルヒェン市立歌劇場「オテロ」デズデーモナにデビュー

ソプラノ会員箭竹律子(ドイツ在住)は、ゲルゼンキルヒェン歌劇場(Musiktheater im Revier,Gelsenkirchen) で専属歌手として活躍しています。
今回の「オテロ」は、ゲルゼンキルヒェン、ダブリン、リューベックとヨーロッパの3つの歌劇場の共同制作によるもので、箭竹律子は2008年1月27日にゲルゼンキルヒェンのプレミエで、デズデーモナを歌い大好評を博しました。
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指揮はサムエル・ベヒリ(ゲルゼンキルヒェン市立歌劇場音楽監督)、演出はダブリン歌劇場監督のディーター・ケーギ。オテロ役は、ミラノ、スカラ座日本公演等で、これまでにも何回か来日しているキース・オルセン。
MiR-Musiktheater im Revier(ゲルゼンキルヒェン歌劇場)ウェブサイト(ドイツ語)

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