声の饗宴!イタリアオペラの醍醐味満点
東京二期会2016年2月公演G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』

女と男が愛と憎悪をひたすらに歌い上げる『イル・トロヴァトーレ』は、ヴェルディの数ある傑作の中で、最も声の饗宴を楽しめる作品といえるでしょう。
4役の主要ソリストにはそれぞれすばらしく印象的なアリアが用意されていますので、今回はそれをご紹介。
201512_il_trovatore.jpg 【人物相関図】
マンリーコは・・・
後述のレオノーラの恋人で、運命のいたずらからアズチェーナに息子として育てられました。実はルーナ伯爵の実弟なのですが、そうとは知らずレオノーラを巡って伯爵と激しく争います。
当演目の題名役たるマンリーコはテノール役の花形の一つ。第3幕の激情的なアリア“見よ、恐ろしい炎を”(Di quella pira)は、このオペラのハイライトと言うべき曲。
レオノーラは・・・
マンリーコの恋人で、舞台となるスペインのアラゴン公爵付きの女官で、『椿姫』のヴィオレッタや、『リゴレット』のジルダのように、意志の強い女性です。
レオノーラには2曲の大きなアリアがあり、第1幕“あれは静かな夜だった”(Tacea la notte placida)と、第4幕“恋はばら色の翼に乗って”(D'amor sull'ali rosee)は共に場面は違えど愛するマンリーコへの思いが強く込められた名曲です。
ルーナ伯爵は・・・
レオノーラに横恋慕するアラゴンの貴族です。敵役ではあるのですが、本質的に誇り高く、決して悪人ではありません。マンリーコを探し続けていた実の弟と気付かず、最終的には処刑命令を下してしまう、ある意味一番過酷な運命を背負っている役柄です。
第2幕の“君がほほ笑み”(Il balen del suo sorriso)はレオノーラへの真摯な思いが胸を打ちます。
アズチェーナは・・・
先代のルーナ伯爵に母親を殺されその復讐を果たすことを胸に秘めた、この物語の端緒を担う人物です。当初は復讐のためのコマとして育てたマンリーコに愛情を持ってしまっている節があり、物語に複雑さを与える役どころ。
第2幕のアリア“炎は燃えて”(Stride la vampa!)はこのオペラの悲劇を生む火刑の炎や、彼女の復讐の思いを込めた曲で、アズチェーナの最大の聞かせどころでもあります。
公演では名アリアの数々にどうぞご注目下さい!
★ナクソス・ミュージック・ライブラリで楽曲を試聴いただけます>>NML_trovatore.jpg

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PDFちらし
■■■ 公演情報 ■■■
パルマ王立歌劇場とヴェネツィア・フェニーチェ劇場との提携公演
《東京二期会オペラ劇場》
G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』
オペラ全4部・日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
日時:2016年2月
     17日(水) 18:30開演
     18日(木) 14:00開演
     20日(土) 14:00開演
     21日(日) 14:00開演
会場:東京文化会館 大ホール
料金:S席13,500円~C席8,000円
指揮:アンドレア・バッティストーニ
演出:ロレンツォ・マリアーニ
管弦楽:東京都交響楽団

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2016年2月公演 G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』 - 東京二期会オペラ劇場

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