いよいよ公演迫る!今年のニューフェイスが一堂に「二期会新進声楽家コンサート」

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員20名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート「二期会新進声楽家の夕べ」。

開催を目前に控え、出演者たちを代表してバリトン宮下嘉彦とテノール河野大樹からメッセージ動画が届いておりますのでご紹介します。

*     *     *



河野) 2022年10月4日、東京文化会館 小ホールにて「二期会新進声楽家コンサート」が開催されます。

宮下) 第65期マスタークラスを修了した、総勢20名の出演者で演奏いたします。

河野) 私、テノール河野大樹は、オペラ『椿姫』より「彼女の元を離れて」を演奏します。

宮下) そして私、バリトンの宮下嘉彦が、ロッシーニの『セヴィリアの理髪師』より「私は街の何でも屋」。そして僕たち二人で、ビゼーの『真珠採り』から「聖なる神殿の奥深く」を演奏いたします。

河野さん、今回の意気込みなんかありますか?

河野) そうですね。あの、高音はテノールとして もちろんのこと、低音をバリトンに負けないように頑張りたいと思います!

…宮下さんは?

宮下) 僕ですか?そうしましたらですね、僕の高音はテノールの河野さんに負けないように、しっかり張り上げて!頑張りたいと思います。

宮下・河野) それでは皆さま、会場でお待ちしておりまーす!!

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二期会のニューフェイスたちの今後の活躍にご注目ください!!
2201004shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第65期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2022年10月4日(火) 18:30開演(17:45開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口改札より徒歩1分)
料金:(全指定席) ¥3,000 《予定販売数終了》
出演者と演奏プログラム:
<第1部>
1. 松原愛実(ソプラノ)
  ドニゼッティ 『ドン・パスクワーレ』より “あの眼差しに騎士は”
2. 東原佑弥(テノール)
  プッチーニ 『ラ・ボエーム』より “冷たい手を”
3. 佐藤香菜(ソプラノ)
  ドニゼッティ 『シャモニーのリンダ』より “私の心の光”
4. 指出麻琴(ソプラノ)
  トマ 『ハムレット』より “さようなら、信じてくれと彼は言った”
5. 向笠愛里(ソプラノ)
  プーランク 『ティレジアスの乳房』より “いいえ、ご亭主様”
6. 芳賀あずさ(ソプラノ)
  シャルパンティエ 『ルイーズ』より “その日から”
7. 佐藤新菜(ソプラノ)
  ヨハン・シュトラウス 2世 『こうもり』より “田舎娘を演じるときは”
8. 外崎広弥(バリトン)
  ヴェルディ 『ファルスタッフ』より “これは夢か?それとも現実か”
9. 太田友梨(ソプラノ)
  グノー 『ロミオとジュリエット』より
    “ああ、なんという戦慄が!? 愛の神よ、私に勇気をお与えください”
10. 根本璃音(ソプラノ)
  ヴェルディ 『リゴレット』より “慕わしい人の名は”
11. 河野大樹(テノール)、宮下嘉彦(バリトン)
  ビゼー 『真珠採り』より “聖なる神殿の奥深く”(二重唱)

<第2部>
12. 松浦友香(ソプラノ)
  ヴェルディ 『イル・トロヴァトーレ』より “穏やかな夜”
13. 根岸茉由(ソプラノ)
  ドニゼッティ 『アンナ・ボレーナ』より “私の生まれたあのお城”
14. 鈴木遥佳(ソプラノ)
  プッチーニ 『マノン・レスコー』より “一人寂しく捨てられて”
15. 中尾奎五(バリトン)
  モーツァルト 『フィガロの結婚』より “もう訴訟に勝っただと”
16. 鈴木香栞(ソプラノ)
  プッチーニ 『蝶々夫人』より “ある晴れた日に”
17. 佐藤 瞳(ソプラノ)
  團 伊玖磨 『夕鶴』より “与ひょう、私の大事な与ひょう”
18. 川越未晴(ソプラノ)
  ロッシーニ 『セビリアの理髪師』より “今の歌声は”
19. 七澤 結(ソプラノ)
  グノー 『ファウスト』より “宝石の歌”
20. 河野大樹(テノール)
  ヴェルディ 『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』より
    “彼女のそばを離れて ~ 燃える心を”
21. 宮下嘉彦(バリトン)
  ロッシーニ 『セビリアの理髪師』より “私は町の何でも屋”
(ピアノ)髙木由雅

▼公演詳細ページはこちらから
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

●お問合せは 《予定販売数終了》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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11/17(木)「第99回二期会オペラ研修所コンサート」プログラムが決定、本日よりチケットを発売しました!

先日公演情報を発表いたしました、今年11月に開催の「二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。定期試験により選抜された、予科・本科・マスタークラス各期の成績優秀者17名が出演いたします。
このたび、各出演者の得意としている曲や、研修所の授業の中で深く学んだ曲など、たくさんのオペラ・アリアや重唱の中から、予定プログラム全曲が決定しました。一人ひとりの特色が溢れる、多彩な内容となっております。
将来の二期会を担う若き才能の競演に、どうぞご期待ください。
チケットは本日9月13日(火)より一般発売が開始となりました。

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221117institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2022 関連公演》
第99回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2022年11月17日(木) 18:30開演(17:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定)A席¥3,000、B席¥2,000
   《9月13日(火)よりチケット一般発売》
出演:
【ソプラノ】東 幸慧、市野梨沙、岩谷香菜子、大井川由実、河向来実、小谷美佳、舘野真由花、田中沙友里、中江万柚子、藤田真由、松原三和、宮原唯奈、守木詩織
【メゾソプラノ】田中未来
【テノール】栗田宰早
【バリトン】亀山泰地、室岡大輝
【ピアノ】平川寿乃
予定プログラム:
<第1部>
1. 田中未来
  ロッシーニ『アルジェのイタリア女』より “酷い運命よ!”
2. 松原三和
  ヴェルディ『シチリア島の夕べの祈り』より “アリーゴよ!ああ心に語れ”
3. 市野梨沙
  マスネ『マノン』より “私が女王様のように街を歩くと”
4. 宮原唯奈
  メノッティ『泥棒とオールドミス』より “私を盗んで”
5. 守木詩織
  グノー『ロメオとジュリエット』より “私は夢に生きたい”
6. 大井川由実
  ヴェルディ『群盗』より “あなたは私のカルロの胸に”
7. 亀山泰地
  プッチーニ『エドガール』より “この恋を、俺の恥を”
8. 藤田真由
  ヴェルディ『リゴレット』より “慕わしい人の名は”
9. 中江万柚子・室岡大輝
  ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より “聞いておるな?...ご覧ください、この苦い涙が”

<第2部>
10. 舘野真由花・東 幸慧
  R.シュトラウス『アラベラ』より “もし私にふさわしい人がいるなら”
11. 栗田宰早
  ビゼー『カルメン』より “おまえが投げたこの花は(花の歌)”
12. 岩谷香菜子
  ロッシーニ『ブルスキーノ氏』より
    “ああ、あなたは追いやろうとしています ~ ああ、いとしい花婿をお与えください”
13. 田中沙友里
  ヴェルディ『仮面舞踏会』より “死にましょう でもその前に”
14. 小谷美佳
  ドニゼッティ『シャモニーのリンダ』より “私の心の光”
15. 河向来実
  ドニゼッティ『カテリーナ・コルナーロ』より “来ておくれ”
16. 室岡大輝
  ヴェルディ『運命の力』より “運命の封書よ”
17. 東 幸慧
  ドリーブ『ラクメ』より “若いインドの娘はどこへ”
18. 舘野真由花
  シャルパンティエ『ルイーズ』より “あの日以来”
19. 中江万柚子
  ヴェルディ『仮面舞踏会』より “あの草を摘み取って”

▼コンサート概要ページはこちら
第99回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

▼北とぴあ国際音楽祭(2022年11月5日(土)~12月15日(木))の情報はこちら
北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 公益財団法人 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は、発売日より公演一週間前までに、公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください。
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい
*未就学児のご入場はお断り申し上げます


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東京二期会2022-2023シーズン開幕!9/8(木)初日『蝶々夫人』~公演当日のご案内

東京二期会の2022-2023シーズンは、9月8日(木)に新国立劇場オペラパレスにて初日を迎える、〈二期会創立70周年記念〉東京二期会オペラ劇場 G.プッチーニ作曲『蝶々夫人』で開幕いたします。

東京二期会が大事にしてきた、正統的で美しい栗山昌良演出の『蝶々夫人』が、ついに新国立劇場オペラパレスに初登場! 今年96歳を迎えた栗山は、戦後日本のオペラ界を牽引した一人であり、その最高傑作と言われる『蝶々夫人』の舞台は、細部まで無駄なく美しく、作品の音楽性を損なうことなく伝えてきました。
指揮は、2012年東京二期会『ナブッコ』でのセンセーショナルな日本デビューから10周年を迎えたアンドレア・バッティストーニ。
管弦楽はバッティストーニの日本デビュー以来、協働を続ける東京フィルハーモニー交響楽団。
蝶々夫人役には世界各地の劇場で同役を歌い絶賛されてきた大村博美と木下美穂子。そのほか、ピンカートンには若きテノールのトップを競う宮里直樹と城 宏憲。シャープレスには今井俊輔、成田博之。スズキには山下牧子、藤井麻美など、二期会70周年記念公演の名に相応しい最高のキャストでお贈りします!

尚、このたびの公演は新型コロナウイルス感染防止対策を行って開催させていただきます。 ご来場のお客様にはこちらのご案内をあらかじめお読みの上、ご理解、ご協力くださいますようお願いいたします。
主催公演開催時における、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する対策とお願い

それでは、期間中の公演当日のご案内を致します。 9/9(金)11:00情報更新
二期会創立70周年記念公演《東京二期会オペラ劇場》 2022年9月公演
ジャコモ・プッチーニ作曲 『蝶々夫人』 オペラ全3幕
<日本語字幕付き原語(イタリア語)上演>
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会
当日券と公演タイムテーブルのご案内
 
9月8日
(木)
9月9日
(金)
9月10日
(土)
9月11日
(日)
当日券
S,A,B,C,D,学
S,A,B,C,D,学
B,C,学
S,A,B,C,学
当日券販売
/窓口受付
17:00~
12:30~
12:30~
12:30~
開場
17:30
13:00
13:00
13:00
開演
18:30
14:00
14:00
14:00
第1幕
約55分
休憩 25分
19:25~19:50
14:55~15:20
14:55~15:20
14:55~15:20
第2・3幕
約85分
終演予定
21:15
16:45
16:45
16:45
新国立劇場
=アクセス=
<鉄道>
[京王新線(都営地下鉄新宿線直通)]※京王線は止まりません
「初台駅」中央口直結
詳しい行き方、お車でご来場のお客様は新国立劇場ウェブサイトをご覧ください
>>アクセス - 新国立劇場
◆上記、当日券は9/9(金)11:00現在での発売予定です。以降の販売状況により、発売予定券種が更新される場合がございますので、あらかじめご了承ください。
◆新型コロナウイルス感染対策の開催ガイドラインに従って開催いたします。ホール客席は歌唱を伴うステージとお客様との十分な距離を確保するため、1階席の1~3列目は販売致しません。それにより最前列が4列目となりますが、以降の座席は前後左右の間隔を空けない通常配席での販売となります。
◆本公演では「当日学生席」を発売致します。公演当日開演90分前より開場受付にて2,500円で発売致します。ご希望の方はご本人の学生証を必ずお持ちください。
◆公演タイムテーブルは総稽古の実測時間を元にしておりますが、当日の演奏・進行により変わってくる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

▼『蝶々夫人』公演情報ページはこちら
2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場


●公演に関するお問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ピンカートン役 城 宏憲インタビュー「2幕以降、『愛の二重唱』の旋律が幾度となく繰り返されるんです」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビューは第6回を迎えました。今回は、ピンカートン役 城 宏憲の登場です。
2016年『イル・トロヴァトーレ』マンリーコに急遽代役出演したのが二期会デビュー。これが大成功で迎えられ、その後も『トスカ』カヴァラドッシ、『ノルマ』ポリオーネ、『椿姫』アルフレード、『アイーダ』ラダメス、『カルメン』ドン・ホセなど東京二期会ほか主要プロダクションで主役に立ち続けています。
今年に入って新国立劇場『さまよえるオランダ人』エリックに代役出演し、ワーグナー・デビューも果たした城。来年2月には、ついに『トゥーランドット』カラフも控え、今最も波に乗るプリモ・テノールです。真摯な歌い口から切々と訴えてくるような抒情性は、城ならではのもの。『蝶々夫人』を前にして、話を聞きました。

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2016年2月 東京二期会オペラ劇場『イル・トロヴァトーレ』より マンリーコ役(撮影:三枝近志)

――ピンカートンは、どのような役、人物でしょうか。

城: アメリカ海軍の若き士官で、階級は中尉です。祖国には許嫁がいながら、赴任先の長崎で芸者の蝶々さんと仮初(かりそめ)の結婚をしてしまいます。結婚は「999年間」の契約で、家まで借りて「100円」を支払ったのだと、悪びれる様子もなく領事シャープレスに伝えるピンカートン。善良なシャープレスは、彼の軽はずみな行動を注意しますが、ピンカートンは全く聞く耳を持ちません。そこへ、長崎の丘を登って盛大な花嫁行列が...。ここに、後の悲劇を招くピンカートンという人物の欠点が見えます。若さ故なのか、はたまた生粋のヤンキーの性分なのか、彼は目の前の快楽を味わう事以外には考えが及ばないのです。嵐を呼ぶ男と言えば聞こえが良いので、「立つ鳥跡を濁す」これが、都合が悪くなるとお茶を濁す彼にはピッタリ。

――あまり褒められたキャラではないピンカートンを城さんがどう作りあげるか興味あるところですが、この役の見せどころ、聴かせどころを教えてください

城: ピンカートンは決して悪役ではありません。かと言って、単純な二枚目でもないんですね。改訂版ではしっかりと反省して(懺悔のアリアを歌って)、袖に下がります。実は、この役の見せどころは、そんなどっちつかずな優柔不断なキャラクターにあるのかも知れません。金払いのいい豪快な軍人でありながら、異国の女性に惚れ込んでしまった哀れな若者であり、そして、用が済んで熱が冷めればせっせと仕事に戻って、祖国で嫁さんを捕まえて長崎へ舞い戻ってきてしまうという......言うなればまさに女たらし、そして人たらし。堅実な仕事人シャープレスとは反対で、やる事が全て裏目、裏目にでて、最後はまるで自分の靴の紐を踏んで坂を転げていく様なもんです。でもね、他人事に思えないのは何故でしょう。きっとリアル(現実)にこういう人って居るんですよ。Dovunque al mondo,どの世界でもね。

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2017年2月 東京二期会オペラ劇場『トスカ』より カヴァラドッシ役(撮影:三枝近志)

――ピンカートンは、目の前の人や物事に対してよくしようとするあまり、結局辻褄が合わなくなってしまうという。今の城さんの解釈を聞いて、ピンカートンという人物のリアル度が増したように感じました。実は今の「日本の優しい男子」というほうがリアルかも(?)

城: この役の聴かせどころはずばり「愛の二重唱」。これは本当に美しい。ピンカートンの旋律からも本物の愛の香りがします。それが唯一、この人物の「救い」なんですよね。

――おそらく蝶々さんへの想い「だけ」は本当だったのでしょうね。でも、帰国すれば、本当の妻にも本当の愛があって。優しさゆえに行動には責任がないといいますか......。そのほかで、城さんが『蝶々夫人』で好きなところはどこでしょうか。

城: まず、ひとつ(笑)。シャープレスの再婚の勧めに「ああ、彼は私を忘れたのかしら」と嘆いて、一度奥に引っ込む蝶々さん。この後のシーンは、涙なしに観劇したことは一度もありません。好きとか嫌いとか、そういう話ではない。正にカタルシスですね。
ふたつめ!先程、第1幕の「愛の二重唱」の話をしましたけど、第2幕以降、この愛の旋律が幾度となく繰り返されるんです。涙を流した後、まるで音の波で追い打ちをかけるように。
ピンカートンの乗船するアブラハム・リンカーン号が長崎に入港してきた後、蝶々さんは「彼は帰ってくる、そして私を愛してる!」と叫びます。この時に壮大に流れるのは愛のテーマ。出迎えのために婚礼の夜の帯を締める時も、そう。ここは愛の宵のテーマ。ピンカートンを想う度、健気なまでの愛の芳香が、旋律から満ち溢れるんですよね。人を信じるとは、正に陶酔である。それを、プッチーニは「愛」のテーマを流用して観客に伝えています。時にそれは耽美的ですらあります。

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2020年2月 東京二期会オペラ劇場『椿姫』より アルフレード役(撮影:三枝近志)

――第1幕のラストを飾るテーマが第2幕以降に展開していくのですね。私たちがこの悲劇を、本当に切なく感じてしまうのは、プッチーニによるこのテーマの「仕掛け」があるように思いました。さて、城さんは、蝶々さんと同い年である高校時代をどのように過ごしましたか?

城: 15歳というと、丁度クラシック音楽を始めた頃ですね。18歳で大学に合格し上京するまで、音楽科のある地元の高校に通っていたのですが、この3年間は本当に無我夢中でした。たとえるなら、泳げない子が音楽の海に飛び込んで、初めは溺れかけていて、手取り足取り教えていただいて3年かけて少しずつ泳げるようになった、と言う感じです。だから、音楽を奏でながら、まず呼吸が出来る様になるのが、第一の目標でした。声楽ですから、呼吸するのは当然といえば当然なんですけど(笑)。

――泳のたとえがすごくわかりやすいですね!息継ぎも上達していく、と。

城: 青春を謳歌するって言うイメージは、この時期の自分の中にはありませんでした。掴んだ、音楽という「生きがい」を、決して離さないように、見失わないように。周りのサポートのお陰でなんとか大洋に出る事が出来た、そういう3年間でした。今思えば、あの頃の僕は何か大きな愛で守られていたんだと思います。

――最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

城: 作曲家プッチーニが求めた、究極のリアリズム。日本の古典美を踏襲しつつ、人物の内面まで深く写してしまう栗山先生の『蝶々夫人』は、真の日本の宝です。今、継承しなくては失われつつあるその美学を、チーム一丸となって過不足なくお客様に届けたいですね。「お前が言うな!」とお叱りを受けるかも知れませんが、ピンカートンが愛した可憐な蝶々さん...その美しくも壮絶な人生を、その最後の一息まで間近で感じていただきたいと思います。
新国立劇場を舞台に全編イタリア語で紡ぐ、悲劇マダマ・バタフライ。現代最高の熱血オペラ指揮者、アンドレア・バッティストーニの指揮のもと、舞台史にその名を刻む不朽の名作を、東京二期会が心を込めてお送りいたします。どうぞ、お楽しみください。

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▼『蝶々夫人』公演情報ページはこちら
2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ピンカートン 城 宏憲 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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9/18(日)開催「五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念 清水勇磨バリトンリサイタル」~WEBマガジン「ONTOMO」にインタビュー掲載

これまでに多くの逸材を輩出してきた五島記念文化賞。その受賞者たちは海外研修ののち、トップアーティストとして活躍を続けています。
このたび平成29年度、第28回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞したバリトン清水勇磨が、 9月18日(日)に東京文化会館 小ホールにおいて研修帰国記念リサイタルを開催いたします。

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清水勇磨 ©井村重人

清水は、同賞受賞後、イタリア・ボローニャ歌劇場付設オペラ研修所にて研鑽を積みました。その間、ボローニャ歌劇場公演『椿姫』ジェルモン役、『セビリアの理髪師』フィガロ役等に抜擢されるなどし、帰国後も数々のオペラに出演しています。特に昨年以降、東京二期会において、『タンホイザー』ヴォルフラム役、『ファルスタッフ』フォード役、『エドガール』フランク役、『パルジファル』アムフォルタス役と出演が続き、いずれも高い評価を得ています。

今回のリサイタルに向け、Webマガジン「ONTOMO」にて音楽ライターの室田尚子氏によるインタビューを受け、プロになるまでの歩み、ボローニャでの研修で得たことなどを話しています。

▼インタビューはこちらからお読みください
清水勇磨 バリトンの俊英がイタリアで体に叩き込んだオペラの神髄を披露する演奏会 - Webマガジン「ONTOMO」

今回のリサイタルでは、前半にイタリア古典歌曲をはじめとする歌曲、後半をイタリアのオペラ・アリアとし、イタリアで学び得たことを披露いたしますので、どうぞご期待ください。

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ちらし(PDF)ダウンロード


■■■ 公演情報 ■■■
五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念
清水勇磨 バリトンリサイタル

日時:2022年9月18日(日) 14:00開演(13:30開場)
会場:東京文化会館 小ホール 【アクセス
  ・JR線「上野駅」公園口改札より 徒歩約1分
  ・地下鉄銀座線、日比谷線「上野駅」7番出口より 徒歩約5分
  ・京成線「京成上野駅」正面口改札 徒歩約7分
出演:清水勇磨(バリトン)
   藤川志保(ピアノ)
料金:全席指定 一般4,500円、ペア8,000円 (税込)
     ※ペア券はお一人につき1ペアまで(二期会チケットセンター電話受付のみの取扱い)

〈予定プログラム〉
<第1部>
スカルラッティ作曲 “陽はすでにガンジス川から”
ジョルダーニ作曲 “いとしい女よ”
ボンチ―ニ作曲 歌劇『グリゼルダ』より “お前を賛える光栄のために”
ドゥランテ作曲 “愛に満ちた乙女よ”
グルック作曲 “ああ私の優しい熱情の”
リスト作曲 「ペトラルカの3つのソネット」
 1. 平和を見いだせず、そして戦う気にもならず
 2. 祝福あれ、あの日、あの月、あの年
 3. 私は地上で天使の姿を

<第2部>
レオンカヴァッロ作曲 歌劇『道化師』より “よろしいですか?紳士淑女の皆様!”
プッチーニ作曲 歌劇『エドガール』より “この愛を、この恥を”
プッチーニ作曲 歌劇『妖精ヴィッリ』より “私の娘の聖なる魂が”
ヴェルディ作曲 歌劇『アッティラ』より “フン族と休戦だと~運命の賽は投げられた”
ヴェルディ作曲 歌劇『ドン・カルロ』より “私の最期の日”
ヴェルディ作曲 歌劇『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』より “プロヴァンスの海と陸”
ヴェルディ作曲 歌劇『ファルスタッフ』より “夢かまことか”
チレア作曲 歌劇『アドリアーナ・ルクヴルール』より “モノローグの始まりがここに”
ジョルダーノ作曲 歌劇『アンドレア・シェニエ』より “祖国の敵か”

▼公演情報ページはこちら
清水勇磨 バリトンリサイタル - 主催・制作コンサート - 二期会21

●ご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

●チケット取扱
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650 (10:00~18:00)
チケットぴあ (Pコード:214-252)

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ゴロー役 升島唯博インタビュー「1幕はほとんどずっと舞台に出て、歌っていない場面でもゴローの動きで周りの状況を描写しています」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。第5回は、ゴロー役のテノール升島唯博が登場します。
長くドイツ各都市のオペラハウスで実績を重ね、鍛え上げてきたブレのない響きと明瞭な語感を強みとし、東京二期会や新国立劇場の公演で絶えず出演を果たしています。
『フィガロの結婚』『魔笛』『フィデリオ』『ばらの騎士』『サロメ』など、やはり正統的なドイツ語を活かしたレパートリーの中、『蝶々夫人』ゴロー役は、2017年の今回のプロダクションに続く出演となりました。
本番に向けて升島に話を聞きました。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ゴロー役(写真左)

――ゴローは、どのような役、人物でしょうか。

升島: ゴローは女衒(ぜげん)という、いわゆる人身売買業者になりますが、今の時代でいうと水商売へのスカウトマンのような感覚でしょうか。蝶々夫人もどこかでスカウト、もしくは売り飛ばされたところを、ゴローによって遊郭に斡旋されたのでしょう。

――アンダーグラウンドな商売のように思われますが、このオペラの中では、かえってあっけらかんとした明るさも持ち合わせたキャラクターですね。ゴロー役の登場シーンについて見せどころ、聴かせどころを教えてください。

升島: ゴローはこのオペラで最初に登場する人物です。そこに続いてすぐにピンカートンが登場するのですが、ゴローは様々な場面で状況を説明する働きをするキーマンです。1幕はほとんどずっと舞台に出ていますが、歌っていない場面でもゴローの動きで周りの状況を描写しています。ぜひ栗山昌良先生の仰る「脇役の動き次第で主役が生きる」演技を観ていただきたいと思います。

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2019年11月 東京二期会オペラ劇場『天国と地獄』より マーキュリー役(写真中央)

――たしかに、ピンカートンを連れてくるのも、結婚式の斡旋をするのも、第2幕でヤマドリとの縁談をアレンジするのも、すべてゴローによるもの。仕事人ですね!そのほか、個人的に『蝶々夫人』で好きなところがありましたら、教えてください。

升島: この暗い内容のオペラの中で唯一コミカルな場面の、ヤマドリが登場するシーンです。音楽も少し軽いですし、オペラ全体の緊張を少し緩めて笑える場面なのではないでしょうか。

――ヤマドリのライトモティーフ(?)に「宮さん、宮さん」の旋律が使われているところも、コミカル感があって、聴きどころになっているでしょうか。
さて、今回、キャストの方に蝶々さんと同じ15~18歳のときの思い出を教えていただいています。升島さんはどのような高校時代を過ごしていましたでしょうか。


升島: 蝶々さんの生きていた時代と違い、私が高校生として生きていた1990年代は様々な選択肢のある時代でした。50万円以上していたパソコンでしたが、一般家庭にも持っている人が出てきており、今では当たり前のように存在するWindowsというOSが初めて一般向けに発売されました。新し物好きの私は、知り合いの家にあったパソコンを一緒に触って遊んでいました。その他にもサッカー、バスケットボール、卓球など、興味のあることを広く浅く体験していました。

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2021年9月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』より モノスタトス役

――升島さんの守備範囲の広さがうかがえる高校時代のエピソードですね。最後に、本番への意気込み、メッセージをお願いいたします。

升島: ゴローという役は、いわゆる脇役です。物語の中心となる人物たちを浮き立たせるには、この脇役がどれだけその場面を描写しているか、関係性を表現できるかにかかっていると言っても過言ではありません。その究極の域まで近づける為に、本番まで精進していきたいと思います。そしてこの素晴らしく完成された美の舞台を、ご覧いただいた皆様と共有できれば幸いです。

*     *     *


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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ゴロー 升島唯博 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ヤマドリ役 畠山 茂インタビュー「蝶々さんを救う方法はこれしかない、と思って求婚します」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。第4回は、杉浦隆大に続いて、ヤマドリ役のバスバリトン畠山 茂をご紹介します。
「バスバリトン」と紹介してしまいましたが、本人曰く、正確には「バッソ・ブッフォ」。おどけた、道化的なバスを主要なレパートリーとする声種(典型的なのは『ドン・パスクワーレ』の題名役など)ですが、近年は、その作品への深い洞察力をもって『サロメ』『ルル』『金閣寺』などシリアスなドラマでもその個性を発揮しています。
これまで幾度も演じてきたヤマドリで、今回はどのようなアプローチをするのでしょうか。 話を聞きました。

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2011年2月 東京二期会オペラ劇場『サロメ』より ユダヤ人5役(写真左)

――ヤマドリは、どのような役、人物でしょうか。

畠山: 地元の金持ちであり、身分もあり、蝶々さんを気に入っている。蝶々さんさえ「再婚」を承諾するならば彼女を幸せにできると思っているが、全く受け容れられない──という人ですよね。
世の中には色々な演出があり、彼を成金の嫌な奴のように描いたり、見るからに振られて当然なコミック役のように位置づけたりするものもあるかと思いますが、私が栗山昌良演出でヤマドリを演じるときに気をつけているのは、余り嫌な奴とか振られて当然な人物にしないこと、です。あんなのと結婚するくらいなら当然ピンカートンを待つよね、という印象を大きく与えてしまうと、蝶々さんの愛や覚悟を卑小化させて、逃げのニュアンスを加えてしまうおそれがあるからです。

――周囲の人が「悪役」ではなく当時の価値観から見て「真っ当」であればあるほど、蝶々さんの純粋さが際立つのですね!
それでは、ヤマドリ役の登場シーンについて見せどころ、聴かせどころを教えてください。


畠山: あのシーンでは、ヤマドリに限らず、どの役も大きな「歌」を歌っていません。ですので、とても演劇的に対話、または対話の断絶が進みます。
先程のご質問への答とも関わってきますが、ヤマドリは何も助平心だけからではなく、こうすれば蝶々さんを救える、救う方法はこれくらいしかない、とも思って求婚していると思います。当時の認識としても、蝶々さんがヤマドリ家に入って安楽に暮らす、というのは世間では普通に取り得る方法だったでしょう。
お客様が終演後にあれこれ思い返す中に、あそこで受け容れるのも普通の人ならありだった、思えばあれが、破滅を免れる最後の機会だったかも──というイメージが少しでも残れば、冥利です。

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2014年4月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ヤマドリ役(写真左)

――少し調べたら、ヤマドリは「公爵」なので、明治の華族制でもほんとうに少数の最高位なのですね!当然、皇族ともつながる可能性もあって、当時この話を振ってしまう人は、蝶々さん以外ありえなかったのでは……と思えます。
ヤマドリのシーン以外で、好きなところがありましたら、ひとつ教えてください。


畠山: ピンカートンの船が港に入ってきたことを告げる、大砲の音。
舞台袖にいても客席にいても画面を観ていても録音を聴いていても、あそこで必ずのように私の胸に何かが込み上げます。歌でも音楽でもない、ただ一つの「音」ですが、劇中で最も劇的だと感じます。

――プッチーニの音楽がメロディックなだけに、そこはとても衝撃を受けますね。
さて、今回は、キャストのみなさんに、蝶々さんとおなじ15~18歳のときことを聞いています。畠山さんはどのような高校時代を過ごされたでしょうか。


畠山: 高校生のときは、高松第一高校の音楽部で合唱に励んでいました。毎年のように全国大会に出ていました。夏休みもほぼ毎日、練習していたと思います。 そのついでのように音楽科に進学していて、そちらも忙しかったですね。何しろ、中学校までは特別な音楽教育は受けていなかったので、大変でした。ピアノやらソルフェージュやら……。

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2022年2月 東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』より バルトロ役(写真右端)

――高松第一高校から二期会会員になった歌手がたくさんいますね。伝統的に、音楽の礎作りと、何より続けて学びたいという喜び作りがすごくしっかりされているだろうと思っています。
最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。


畠山: この栗山プロダクションでのヤマドリ役は、今回で何度目でしょうか。もう二十年ほど関わらせていただいていますが、最初は若いなりにもがいていたものが、ヤマドリを実感できる実年齢になってきたかもしれません。今だから見えるもの、感じられるものを色に出せれば、と思っています。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ヤマドリ 畠山 茂 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ヤマドリ役 杉浦隆大インタビュー「ヤマドリにとって蝶々さんは他に代えがたい特別な女性」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。続いて第3回は、ヤマドリ役のバリトン杉浦隆大をご紹介します。
2021-2022シーズンにおいて大活躍だった杉浦。2021年9月『魔笛』から、11月『こうもり』、2022年4月『エドガール』、7月『パルジファル』と計4公演に出演しました。そして、新シーズンの開幕にも登場いたします!
栗山昌良演出『蝶々夫人』には、2017年に続いて2度目。前回は神官役でした。今回は、ヤマドリ公爵役を務めます。
『蝶々夫人』には、蝶々さんの純粋な想いに対立するように、日本の「世間」側の人物たちが描かれます。信仰をつかさどるボンゾや、江戸から明治に時代が移った際のいわゆる「勝ち組」ともいえるヤマドリ公爵、そして、抜け目ないゴロー、お付きのスズキまで。しかし、誰も決して蝶々さんの敵ではなく、悪者でもないことがキャストひとりひとりの言葉から伝わってきます。
ヤマドリについて、まずは杉浦に話を聞きました。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より 神官役

――ヤマドリは、どのような役、人物でしょうか。

杉浦: ヤマドリは、ゴローの仲介で蝶々さんを嫁に迎えたいと思っている大金持ちです。
ヤマドリには少し前までたくさんの妻がいましたが、蝶々さんを迎えるためにその妻たちと離婚し、蝶々さんにだけ愛を誓うと話しています。
ヤマドリは蝶々さんのことを、他の女性とは別格の扱いをしてでも妻として迎えたいほどに魅力的で特別な女性だと思っているのです。

――ヤマドリも、蝶々さんには特別な想いを寄せていたのですね。彼女の境遇を哀れに思っていたところもあったのでしょうか。それでは、ヤマドリ役の登場シーンの聴かせどころについて教えてください。

杉浦: ヤマドリが登場するシーンは短いので、すべてが聴かせどころですが、蝶々さんにまったく相手をしてもらえず、ため息をついて「さようなら。けれど望みはまだ...(持ち続けます)」と言って去ろうとするあたりが一番かと思います。

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2022年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エドガール』より フランク役(写真左)

――杉浦さんの去り姿を想像すると、ヤマドリに同情してしまうお客様もいらっしゃるような気が…ヤマドリの登場シーン以外で、好きなところがありましたら教えてください。

杉浦: ヤマドリが去ってからの、蝶々さんとシャープレス2人のシーンが好きですね。
ピンカートンからの手紙をシャープレスが読み上げるのですが、蝶々さんのあまりの嬉しそうな態度にシャープレスは読み続けることを断念してしまいます。手紙の内容が絶縁状だったからです。そしてこのシーンの最後に、蝶々さんはピンカートンとの間にできた子どもをシャープレスに見せます。
ここでシャープレスが子どもの存在に気がつかなければ、オペラのクライマックスはまた違うものになるのではないかと思います。それほど重要で見応えのあるシーンだと思います。

――「むしろ、シャープレスに子どもを見せなければ…」とか、『蝶々夫人』は、感情移入がしやすいせいか、思わず「たら・れば」を想像してしまいますね。
さて、このオペラは、蝶々さんが15~18歳のときの物語で、もし「現代に生まれていたら」、天真爛漫に高校生活を謳歌していたかもしれませんね。そこで、杉浦さんはどのような高校時代を過ごされたでしょうか。


杉浦: 中学生時代に吹奏楽部でチューバを吹いていたので、高校は金管楽器ができるところを探し、オーケストラ部がある高校に入りました。そこでトロボーンを吹いていました。それがとても楽しくて、大変な部分もありましたが、トロンボーンのことばかり考えていたと思います。

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2022年7月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より 第2の聖杯の騎士役(写真中央左)

――高校時代にトロンボーンで培われた音楽が、今の豊かなバリトンにつながっているように感じられました。最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

杉浦: このプロダクションに出させていただくのは2回目でして、前回は神官を歌わせていただきました。別の役でまた出演させていただけることは本当に嬉しい限りです。ヤマドリは、登場シーンこそ少ないですが、とても重要な役だと把握しております。しっかりとヤマドリを演じられればと思います。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ヤマドリ 杉浦隆大 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ゴロー役 大川信之インタビュー「個人的に、ゴローの“四小節のアリア”と呼んでいます」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー第2弾は、ゴロー役の大川信之です。
『魔笛』『椿姫』『カルメン』『トゥーランドット』『メリー・ウィドー』『こうもり』など、数多くの東京二期会公演に出演してきた実力派テノール。作品に対する深い探究心で立体的な人物像を描き出し舞台に立つ姿勢は、指揮者、演出家、そして共演者からの信頼厚く、稽古場ではいつも「頼れる兄貴」的存在。数多のキャリアを重ねてきた大川ですが、実は今回『蝶々夫人』は初舞台!その本番に向けて話を聞きました。

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2014年9月 東京二期会オペラ劇場『イドメネオ』より アルバーチェ役(写真右)

――大川さん演じるゴローとは、どのような人物でしょうか。

大川: 職業でいうと結婚斡旋人(周旋屋)。 裕福な男性に女性を紹介するわけですが、その業務に伴い、様々な人とのネットワーク、コネクションを持ち、その中で結婚に限らず、様々な案件の仲介をして生計をたてている「よろず屋」の様な存在だったのではないかと個人的に想像しております。外交官や他国の軍人とも交渉できる知識や最新の情報に長じています。
人物像は、一言でいって、とにかくお金大好き人間。お金がたんまり稼げるなら、人がいやがるダーティーな仕事も率先してやれちゃう抜け目ないハイエナ、こうもり的な男。表と裏社会を自由に渡り泳ぎます。
そんな所がみんなには疎ましがられて軽蔑されるけど、困った事があると頼りにされる、誰からも一目置かれる存在…と私は思っております。

――周囲は「ゴローは悪い奴」と決めつけながら、利用したいときには利用する、という…今の話で、ゴローの存在のリアリティが見えてきました。
それでは、ゴロー役の見せどころ、聴かせどころを教えてください。


大川: ゴローが入ってくると、新しい情報や人物が登場するので、それまでの流れを断ち切るような音楽が流れます。
個人的に大事にしたい聴かせどころは、第2幕でヤマドリ、シャープレス含め3人で蝶々さんに、3年帰ってこないピンカートンは忘れて早く次の旦那に落ち着きなさいと諭すシーンで、「夫に見捨てられた妻は離縁されたのと同じだ」と嫌みをいう台詞です。中傷なのですが、ほんのりゴローの諦観といいますか人間味が香ってくるようです。プッチーニ先生が何とも表現しがたいコード進行の素敵な旋律をつけています。その前後の蝶々さんとの会話は胸の奥をくすぐられるような切ない音楽です。前述の台詞を個人的に“ゴローの四小節のアリア”と密かに呼んでます。

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2021年8月 東京二期会オペラ劇場『ルル』より 画家役(写真中央右)

――ゴローは、蝶々さんに対して嫌味を言いながら、自分に対しても言い聞かせていたのかもしれないですね。ゴローの生き方にも切なさを覚えました。 その他『蝶々夫人』で大川さんが好きなところはありますか。

大川: 今回蝶々夫人という作品に初めて関わらせて頂くので、全体的にまだ把握してない事が多すぎるのですが… 自分が属してる文化宗教人間関係も棄てた、または捨てられたのに、新しく属そうとしたものからも棄てられるという立場に置かれた蝶々さんの生き様、あるいは死に様を、共感、感動してもらえるように頑張ります。時代場所を問わず日本に限らず世界のどこでも起こり得たようなケースを素材にしてここまで深い作品に仕上げるプッチーニ先生は凄いですね!

――『蝶々夫人』は、蝶々さんが15~18歳のときの物語です。大川さんは、蝶々さんと同年代をどのように過ごしていたでしょうか。(蝶々さんのように)一途に取り組んでいたことなどもあれば教えてください。

大川: 自然の中で半野人(?)のような生活を楽しんでいました。土台を作れましたし、まさに青春を謳歌してたと思います。一途に、というのはなかったと思いますが…、ハモる事(コーラス)は大好きでしたね。

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2021年11月 東京二期会オペラ劇場『こうもり』より ブリント役(写真中央)

――最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

大川: 今日現在、まだ本格的な立ち稽古は始まっていませんが、今持ってる作品理解、ゴローという役の理解が、演出家や指揮者の求めによって、変化したり気付かされたりしながら、自分にしか出来ないゴローを演ずるのを楽しみにしています。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ゴロー 大川信之 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ピンカートン役 宮里直樹インタビュー「ピンカートンの感情が感情が音やフレーズに全て表れている」

東京二期会2022-2023シーズンは、9月8日(木)プッチーニ『蝶々夫人』から開幕!
今回も、インタビュー形式で本公演のキャストをご紹介してまいります。
初日と3日目のピンカートン役をつとめるテノール宮里直樹は、2017年の栗山昌良演出『蝶々夫人』に続いての出演です。若々しいだけでないノーブルな声で、確かな様式感をもった歌唱は、多くのファンと指揮者、オーケストラからの信頼厚いところ。「第九」演奏会やNHKニューイヤーオペラコンサートなど、数多くの出演を果たしています。
『蝶々夫人』の本番に向けて、話を聞きました。

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テノール 宮里直樹

――ピンカートンは、どのような役、人物でしょうか。

宮里: ピンカートンは一言で言うなら「最低な男」ですね。誠実さがなく、初めから蝶々さんを伴侶としてではなく「女」として遊びで結婚してしまう。人としては尊敬できる人物ではないですね。ただ傷付けるつもりではなかったので、良く言えば唯々自分の気持ちや欲求に素直な人物とも言えなくもないかなぁと。

――「最低の男」を演じるのも苦労があるかと思いますが、このピンカートン役の見せどころ、聴かせどころを教えてください。

宮里: ピンカートンは良くも悪くも自分の心の内を全て曝け出しているので、軽薄さだったり、優しさであったり怒りだったり、強引さであったり、その時その時の感情が音やフレーズに全て表れているので、オペラ全体的に彼の「人間性」を見て頂けたらと思います。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ピンカートン役

――ピンカートン以外で、宮里さんが『蝶々夫人』で好きなところを教えてください。

宮里: 第2幕の最後の蝶々さんのアリアが個人的に一番好きですね。18歳で自分の幕を閉じる事を決意した蝶々さんの悲痛の叫びと息子への愛。管楽器が鳴り響く中で、優しい母の愛とも取れる優しいハープの音を聴くと涙が止まらなくなります。

――18歳で命を絶った蝶々さん。悲痛なシーンですね。蝶々さんも現代に生きていたら、ちょうど高校生の年齢で、持ち前の天真爛漫さで青春を謳歌していたかもしれませんね。宮里さんは、どのような高校時代を過ごしていたでしょうか。

宮里: 僕の高校時代は、高校3年の夏まではヴァイオリニストを志していたので、日々のヴァイオリンの練習、ピアノ、ソルフェージュ、加えて市民オーケストラに入っていたので音楽漬けの高校時代でしたね。その中で普通に恋愛も謳歌していたし、自分の好きな事をしていました。やりたい事を出来る、させて貰える事がどれだけ恵まれていた事かを最近よく考えさせられます。

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221年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より フェントン役

――音楽の糧を存分に吸収していた時代だったのですね。最後に、お客様に向けてメッセージをお願いいたします。

宮里: 最高の歌手陣と、指揮のバッティストーニ、そして御年96歳になられる演出の栗山先生と作り上げる『蝶々夫人』。貴重な機会なので、楽しみながらしっかり気を引き締めて本番まで作って行きたいと思います。忘れられないような素敵な舞台になるよう頑張りますので、楽しみにしていてください。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ピンカートン 宮里直樹 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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