テノール福井 敬、今秋ウィーン・フィル「第九」に出演。指揮者のズービン・メータとは3度目の共演。

二期会のみならず、日本を代表するテノール福井 敬が、今秋10月12日(水)サントリーホールにて開催されるウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2016 ベートーヴェン「第九交響曲」のソリストとして出演します。
指揮はズービン・メータ。80歳をむかえる世界的マエストロとの「第九」は、これが3度目となります。最初は2011年4月10日。東京文化会館でのNHK交響楽団との東日本大震災の犠牲者追悼と復興を祈念した特別なステージでした。前回は、2014年11月。イスラエル・フィルとモーリス・ベジャール・バレエ団との特別公演では、海外から招聘されていたテノールに代わり急遽出演し、大きな喝采を浴びました。
過去2回の実績を通し指揮者からの信頼を十分すぎるほど勝ち得て、今回はウィーン・フィルとの共演が実現。サントリーホール開館30周年記念としての今回の「第九」は、案の定というか、残念ながらチケットは発売まもなく予定販売数を終了し、夏以降の二次発売を待たなければならなくなっています(まだチャンスはあるみたいです!)。
すでに東京二期会9月公演『トリスタンとイゾルデ』の稽古も始まっている中、福井に話を聞きました。
201606_fukui_kei.jpg 福井 敬
――指揮者のズービン・メータ氏にはどのような印象がありますか?
福井: 本当に確固たる揺るぎない意志をもった指揮されるマエストロです。
やはり最初の2011年のステージは深く印象に残っています。あのときは、マエストロの人類に対する愛情や想いが、第1楽章から4楽章までのすべての音に含まれていて、演奏者だけでなく、聴いてくださる方々とともに祈りの境地に達するようでした。私だけでなく、そこにいた皆様が同じ感情を抱いていました。
私たちソリストの主体性を尊重され、「どう歌いたいか」と聞いてくださいます。それを受け入れたうえで、ご自身の確固たる音楽を作られる。二度目の共演のときはバレエの方ともご一緒しましたが、マエストロの音楽が決してぶれないので、私たち音楽家だけでなく、バレエの方も本当に自由に表現されていました。
――これまで多くのオーケストラと共演を重ねてきた「第九」で、今回はウィーン・フィルとの共演です。
福井: 音楽家として本当に特別なことですから、共演を楽しみたい、楽しめたらいいなあ、という想いです。「どういう音が鳴るのだろう」という期待感や、「その響きの中に自分が浸れる」という幸せは、何ものにも代えがたいものがあります。
オーケストラという存在はそれぞれに特徴があって、個性的です。それぞれに違う響きの中に入ることが特別なことですし、楽しみでもあります。その中で、私は私のできる音楽をやりたいと思います。
――9月には『トリスタンとイゾルデ』二期会初演での大役も待っています。
  いつも最高レベルのパフォーマンスを披露するための秘訣、心がけがあれば教えてください。
福井: ひとつひとつのことに新鮮な気持ちであること、でしょうか。さまざまなプロダクションに参加させていただけることに幸せを感じますし、オペラで自分を表現できることにも、大いに幸せを感じています。何よりも、聴きに来られた皆様が喜んでくださる、楽しんでくださるのを感じることが一番の喜びです。「このオペラは感動的だ」とか「いい曲だな」と思ってくださるために、私たちは存在しています。そのために自分がもがいたり苦しんだりするのは当然のことで…心がけというか、そのようなことをいつも思っています。
――ありがとうございました。

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ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2016 大和証券グループ Presents ズービン・メータ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(10/12) - サントリーホール
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2016年9月公演 R.ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』 - 東京二期会オペラ劇場
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