【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ピンカートン役 宮里直樹インタビュー「ピンカートンの感情が感情が音やフレーズに全て表れている」

東京二期会2022-2023シーズンは、9月8日(木)プッチーニ『蝶々夫人』から開幕!
今回も、インタビュー形式で本公演のキャストをご紹介してまいります。
初日と3日目のピンカートン役をつとめるテノール宮里直樹は、2017年の栗山昌良演出『蝶々夫人』に続いての出演です。若々しいだけでないノーブルな声で、確かな様式感をもった歌唱は、多くのファンと指揮者、オーケストラからの信頼厚いところ。「第九」演奏会やNHKニューイヤーオペラコンサートなど、数多くの出演を果たしています。
『蝶々夫人』の本番に向けて、話を聞きました。

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テノール 宮里直樹

――ピンカートンは、どのような役、人物でしょうか。

宮里: ピンカートンは一言で言うなら「最低な男」ですね。誠実さがなく、初めから蝶々さんを伴侶としてではなく「女」として遊びで結婚してしまう。人としては尊敬できる人物ではないですね。ただ傷付けるつもりではなかったので、良く言えば唯々自分の気持ちや欲求に素直な人物とも言えなくもないかなぁと。

――「最低の男」を演じるのも苦労があるかと思いますが、このピンカートン役の見せどころ、聴かせどころを教えてください。

宮里: ピンカートンは良くも悪くも自分の心の内を全て曝け出しているので、軽薄さだったり、優しさであったり怒りだったり、強引さであったり、その時その時の感情が音やフレーズに全て表れているので、オペラ全体的に彼の「人間性」を見て頂けたらと思います。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ピンカートン役

――ピンカートン以外で、宮里さんが『蝶々夫人』で好きなところを教えてください。

宮里: 第2幕の最後の蝶々さんのアリアが個人的に一番好きですね。18歳で自分の幕を閉じる事を決意した蝶々さんの悲痛の叫びと息子への愛。管楽器が鳴り響く中で、優しい母の愛とも取れる優しいハープの音を聴くと涙が止まらなくなります。

――18歳で命を絶った蝶々さん。悲痛なシーンですね。蝶々さんも現代に生きていたら、ちょうど高校生の年齢で、持ち前の天真爛漫さで青春を謳歌していたかもしれませんね。宮里さんは、どのような高校時代を過ごしていたでしょうか。

宮里: 僕の高校時代は、高校3年の夏まではヴァイオリニストを志していたので、日々のヴァイオリンの練習、ピアノ、ソルフェージュ、加えて市民オーケストラに入っていたので音楽漬けの高校時代でしたね。その中で普通に恋愛も謳歌していたし、自分の好きな事をしていました。やりたい事を出来る、させて貰える事がどれだけ恵まれていた事かを最近よく考えさせられます。

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221年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より フェントン役

――音楽の糧を存分に吸収していた時代だったのですね。最後に、お客様に向けてメッセージをお願いいたします。

宮里: 最高の歌手陣と、指揮のバッティストーニ、そして御年96歳になられる演出の栗山先生と作り上げる『蝶々夫人』。貴重な機会なので、楽しみながらしっかり気を引き締めて本番まで作って行きたいと思います。忘れられないような素敵な舞台になるよう頑張りますので、楽しみにしていてください。

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▼『蝶々夫人』公演情報ページはこちら
2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ピンカートン 宮里直樹 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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