カテゴリーアーカイブ: インタビュー

11月15日「第101回二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(3)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第101回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
いよいよ公演まであと2週間ほどに迫りました。各出演者からのメッセージ第3回目は、マスタークラスの出演者(後半)です。今回演奏するアリアへの想いや、コンサートに向けた意気込みなどが寄せられました。

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68_morikawa_tomoya.jpg■森川 知也(バリトン/第68期マスタークラス)
プッチーニ『エドガール』より “この愛は、私の恥”

まだまだ未熟ではありますが、ご来場いただいた方の誰か1人だけでもその人の人生に触れる方ができるような歌を歌えるよう、日々精進しております。今回の曲は自分の恋を恥じている曲、しかしその中にある本当の感情というのは何なのか追求しつづけた結果を出せればと思います。

68_katou_shiho.jpg■加藤 静帆(ソプラノ/第68期マスタークラス)
ドヴォルザーク『ルサルカ』より "月に寄せる歌"

この度、「研修所コンサート」に出演させていただくこととなり、大変光栄に感じております。今回演奏致します『ルサルカ』のアリアは、尊敬する師匠が研修生の時に同じ舞台で歌った曲であり、より一層感慨深く、身が引き締まる思いです。これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちを胸に、聴いてくださる皆様のお心に届くよう、精一杯演奏させていただきます。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

68_sahashi_jun.jpg■佐橋 潤(バリトン/第68期マスタークラス)
ヴェルディ『ドン・カルロ』より “私の最後の日が”

この度、「研修所コンサート」にて私の歌を皆様に聴いていただけること、大変嬉しく思っております。今回のコンサートでは、かねてより歌いたいと考えていた曲、"Per me giunto"を歌うことにしました。ドン・カルロのロドリーゴという人物のキャラクター性、音楽性を精一杯表現出来るように歌います。皆様、ぜひお聴きください。

68_kosaku_honoka.jpg■小作 ほの香(ソプラノ/第68期マスタークラス)
バーンスタイン『キャンディード』より “着飾ってきらびやかに”

この度は素晴らしい舞台に、素敵な仲間と共に立たせて頂けること大変嬉しく思います。今回歌わせて頂く曲は、ミュージカル/オペレッタ/オペラ…どれとも分類しがたい稀有な舞台作品『キャンディード』の有名なアリア。自分にとって挑戦的な選曲ですが、皆さまに楽しんで頂けるようなパフォーマンスをお届けできればと思っております。

68_kawai_maoko.jpg■川合 真桜子(ソプラノ/第68期マスタークラス)
シャルパンティエ『ルイーズ』より “その日から”

この度はこのような素晴らしい機会をいただくこととなり、大変嬉しく思っております。
今回歌う曲は、私が悩み苦しんでいた時に出会った曲であり、様々な瞬間をこの曲と共に歩んで参りました。大切なそして大好きな曲です。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

68_katou_kaede.jpg■加藤 楓(ソプラノ/第68期マスタークラス)
マスネ『マノン』より “私が女王様のように街を歩けば”

いつでも明るく笑顔が魅力、(自称)二期会の元気印ことソプラノの加藤楓と申します。
今回私が演奏する曲は、マスネ作曲オペラ『マノン』より “私が女王様のように街を歩けば”です。思いっ切り華やかで美しく快活なマノンを演じて、お越し下さった方々に楽しんで頂ける演奏をお届けしたいと思います。学生を終えて初めての年ですが、二期会研修所で培っているオペラ歌手としての土台をしっかり見て頂ける機会になりますように。

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次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

241115institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2024 関連公演》
第101回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2024年11月15日(金) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,500、B席¥2,500、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第101回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

▼北とぴあ国際音楽祭(2024年10月26日(土)~12月1日(日))の情報はこちら
北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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11月15日「第101回二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(2)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第101回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
いよいよ公演まであと3週間を切りました。出演者メッセージの第2回目は、マスタークラスの出演者(前半)をお届けします。

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68_terunuma_koyuki.jpg■照沼 小雪(ソプラノ/第68期マスタークラス)
ドニゼッティ『連隊の娘』より “フランスに敬礼”

今回、こうして「研修所コンサート」に出演させていただけることを大変ありがたく思います。ナポレオン戦争時代、幼い頃から連隊に育てられた主人公マリー。意に反する結婚を突きつけられるマリーの元に、仲間の兵士たちが彼女を迎えにやってきます。兵士たちと再会し、勇気と喜びを取り戻すマリーを精一杯表現します。

68_tanaka_mirai.jpg■田中 未来(メゾソプラノ/第68期マスタークラス)
ロッシーニ『アルジェのイタリア女』より "祖国を思いなさい"

歴史ある演奏会に出演できることを大変嬉しく、感謝致します。ここまで歌を続けてこられてきたことは決して当たり前のことでなく、歌を通して出会ってきた方々に支えがあったからこそです。一つ一つの機会を大切にし、驕らず謙虚にこの道を歩んで参ります。

68_sekiguchi_terumi.jpg■関口 輝美(メゾソプラノ/第68期マスタークラス)
モーツァルト『皇帝ティトの慈悲』より “私は行くが、君は平和に”

この度は「研修所コンサート」に出演させていただけること、大変光栄に思っております。先生方の温かいご指導のもと、充実した研修所生活を送っております。本日演奏させていただく曲は、高校時代から歌い続けている、とても思い入れのある曲です。皆様に楽しんで頂けるよう心を込めて演奏致します。

68_suzuki_risako.jpg■鈴木 里沙子(ソプラノ/第68期マスタークラス)
ヴェルディ『仮面舞踏会』より “死にましょう、でもその前に”

この度は、昨年に引き続き「研修所コンサート」に出演させていただけること、心より感謝申し上げます。今年度よりマスタークラスに進学し、より一層身が引き締まると同時に、温かい先生方や同期に恵まれ日々楽しく学ばせていただいていることに感謝の念が耐えません。ご来場の皆様に音楽の楽しさをお届けできるよう、未熟ながらも精一杯演奏いたします。
皆様のご来場心よりお待ちしております。

68_oosawa_momoka.jpg■大澤 桃佳(ソプラノ/第68期マスタークラス)
ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より “こちらにおいで、ルチア”(二重唱)
ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より “あたりは沈黙に閉ざされ”

昨年に引き続き研修所コンサートに出演させていただけますこと大変嬉しく思います。 今回は『ランメルモールのルチア』より、第1幕でルチアが歌うアリアと、第2幕の兄エンリーコとの二重唱を歌わせていただきます。
研修所で得た学びを最大限に発揮できるよう練習に努めておりますので、ぜひ会場にお越しいただけますと幸いです。皆様のお越しを心からお待ちしております♪

68_nagashima_sayaka.jpg■長島 彩(ソプラノ/第68期マスタークラス)
ビゼー『カルメン』より “母のことを話して”(手紙の二重唱)
ヴェルディ『椿姫』より “ああ、そは彼の人か ~ 花から花へ”

昨年に引き続き「研修所コンサート」に出演できること、大変光栄に思います。 今回は『カルメン』と『椿姫』の2曲をお届け致します。
どちらも愛情深く芯の強い女性ですが、婚約者のホセを一途に想うミカエラ、華やかな社交界で生きるヴィオレッタの相反する2人を表現して歌いたいです。皆様のご来場心よりお待ちしております。

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次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

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《北とぴあ国際音楽祭2024 関連公演》
第101回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2024年11月15日(金) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,500、B席¥2,500、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第101回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
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11月15日「第101回二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(1)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第101回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
コンサートに向けての抱負や、今回お届けする曲について等、各出演者からのメッセージをお届けします。
第1回目は、予科・本科の出演者です。

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70_kiyama_haruki.jpg■木山 開貴(バリトン/第70期予科)
モーツァルト『フィガロの結婚』より “もう訴訟に勝っただと”

演奏会に出演できることを大変嬉しく思います。今回私が歌う曲はモーツァルト作曲『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵のアリアです。バリトンなら誰もが知っている有名な曲です。また、前期では伯爵の他の楽曲も勉強したので、研修所での日頃の学びを出せるように精一杯演奏いたします。ご来場心よりお待ちしております。

70_anegawa_momoko.jpg■姉川 桃子(ソプラノ/第70期予科)
ヴェルディ『シチリア島の夕べの祈り』より "ありがとう、愛する友よ"

この度は憧れの「研修所コンサート」に出演させて頂けます事、大変ありがたく嬉しく思います。 今回演奏する“ありがとう、愛する友よ”は、主人公エレーナが結婚の祝福をしてくれる友人たちへ感謝を述べるアリアです。私もこのアリアのように、日頃お世話になっている皆さまへ感謝の気持ちを込めて大切に演奏したいと思います。

69_nakamori_yui.jpg■中森 優衣(ソプラノ/第69期本科)
ビゼー『カルメン』より “何を恐れることがありましょう”

一つの目標であった「研修所コンサート」に出演させていただけること、大変嬉しく思っております。
今回演奏いたしますミカエラのアリアは、歌うたびに毎回新たな学びがある私にとって大切な曲です。今回もフレッシュに今私ができるミカエラを皆さんにお届けしたいと思います。

69_yanagisawa_tamaki■栁澤 玖紀(メゾソプラノ/第69期本科)
ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』より “今の歌声は”

昨年度に引き続き「研修所コンサート」に出演させていただきますこと、大変光栄に思っております。
研修所でご指導いただいたことの成果が出せるよう、心を込めて精一杯演奏いたします。
皆様のご来場心よりお待ちしております。

69_hayakawa_ai.jpg■早川 愛(ソプラノ/第69期本科)
レオンカヴァッロ『道化師』より “鳥の歌”

今回演奏する“鳥の歌”は、私が最も好きなアリアのうちの1つです。空を飛ぶ鳥のように自由になりたいと願うネッダが歌い上げるそのメロディと歌詞は、聴くたびに心を動かされます。次々と転調していく音楽にたくさんの色を付けながら、聴いてくださるお客様の目にその情景が浮かぶよう色々と試行錯誤する時間がとても楽しいです。
是非、会場でお聴きいただければ嬉しいです。

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次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

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《北とぴあ国際音楽祭2024 関連公演》
第101回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2024年11月15日(金) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,500、B席¥2,500、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第101回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

▼北とぴあ国際音楽祭(2024年10月26日(土)~12月1日(日))の情報はこちら
北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
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【二期会サマーコンサート2024】 出演者メッセージ
メゾソプラノ藤井麻美

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」 東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

本日の出演者紹介は、メゾソプラノ藤井麻美です。藤井からは出演メッセージが届いておりますので、ご紹介いたしましょう。

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藤井麻美(メゾソプラノ)


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東京二期会に入会する前から「二期会サマーコンサート」を拝聴しており、大スター歌手の皆様の歌声に幸せな気持ちを頂くと共に、いつか出演してみたい憧れの舞台となっておりました。
今回5年ぶりとなるこのサマーコンサートに出演出来ます事、大変光栄に思い心から感謝しております。

今回はチャイコフスキーのオペラ『オルレアンの少女』より"さらば、森よ!"を歌います。
オルレアンの少女というのは、フランスの国民的ヒロインであるジャンヌ・ダルクの事で、ロシア語でイオアンナと呼ばれています。
この曲は、イオアンナが戦いに出る前に自分の故郷にもう帰ることはないだろう、と別れを告げる曲です。

最終的にイオアンナは魔女狩りに合い、火炙りとなりますが、いつも自分の信じた道を曲げずに突き進む、芯の強さに魅力を感じ選曲致しました。

また、今回ロシア語という新しい言語に取り組む事にも喜びを感じています。
美しい響きのあるロシア語は声楽的な面からも研究が尽きず、これからも勉強していきたい言語となっています。

声楽家として様々な事を吸収し、今後も更に成長していきたいです。

藤井麻美      


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バリトン宮本益光のスペシャルインタビュー動画「益子の部屋」に、同じくメゾソプラノの持田温子とともに演奏曲の紹介や、サマコンでそれぞれが注目する出演者について楽しくお話しています。


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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でも会員価格でお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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【二期会サマーコンサート2024】 出演者メッセージ
バリトン甲斐栄次郎

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」 東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

本日の出演者紹介はバリトン甲斐栄次郎です。
甲斐は、東京藝術大学大学院、文化庁オペラ研修所を修了後、米国・ニューヨークや伊・ボローニャで研鑚を積み、2003年にウィーン国立歌劇場にデビュー。10年にわたり専属ソリストとして活躍し、42役、336公演に出演しました。
帰国後は、新国立劇場『蝶々夫人』シャープレスの他、演奏会形式のオペラ、宮崎国際音楽祭『ラ・ボエーム』、『蝶々夫人』、東京芸術劇場『真珠とり』等に出演し、東京二期会では『清教徒』(演奏会形式)等に出演。また、全国各地のオーケストラや指揮者からも絶大な信頼を得ており、コンサートソリストとしてNHK交響楽団とのエッシェンバッハ指揮「第九」、ブロムシュテット指揮「ハ短調ミサ」、準・メルクル指揮/台湾フィルハーモニック「合唱幻想曲」、バーメルト指揮/札幌交響楽団「ドイツ・レクイエム」等に出演した他、東京・春・音楽祭ではワーグナー・シリーズに出演し、美声と存在感で聴衆を魅了し、現在も活躍が続いています。

今回のサマーコンサートでは、ヴェルディ『ドン・カルロス』より、ロドリーグのアリア「私の最後の日が来た」のほか、ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』より、アメーリアとシモンの二重唱「話しておくれ、どうしてこんな寂しいところに」をソプラノ木下美穂子と演奏いたします。

甲斐から、ウィーン国立歌劇場時代の写真とともに出演メッセージが届いておりますので、ご紹介いたしましょう。

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甲斐栄次郎(バリトン)


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“二期会サマーコンサート2024“におきまして、歌唱する機会を得られましたこと、大変ありがたいことと思っております。

二期会創立72年。その歴史が示すものは、長きにわたり関わってきた、幾多の歌手たちと、その歌を受け止めて下さった聴衆の皆様の『オペラへの愛』ではないでしょうか。そして、数百年のオペラの歴史において、その音楽を受け継ぎ、伝え続けてきた人々の思いも同じだと思います。

人々の『オペラへの愛』によって積み重ねてきた時間は、オペラの素晴らしさ!!を語るための明確な証しだと思います。

音楽という『記憶の芸術』は人から人へと受け継がれていきます。たとえ数分間の歌唱であっても、歌手同士はもちろん、聴衆の皆様とその音楽(時間)を共有し、『人から人へ』あらゆる形で伝わっていくことこそが、数十年、数百年先の未来へ向けて、自分自身にとっての『歌う意義』なのだろうと思います。そうしたことを心に、『オペラの真髄』とは何か、『オペラは如何に在るべきか』を舞台において問うていくことは、オペラ歌手(二期会の歌手)の使命だと思います。

そして、コンサートの時間を共有させて頂きます聴衆の皆様と共に、次の世代へと伝えて参りたいと思っています。

甲斐栄次郎 2024年6月      


<ウィーン国立歌劇場専属ソリストとして活躍(写真上3点)>
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『シモン・ボッカネグラ』パオロ役 © Wiener Staatsoper GmbH / Michael Pöhn

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『ロベルト・デヴェリュー』ノッティンガム公爵役 © Wiener Staatsoper GmbH / Michael Pöhn

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『蝶々夫人』シャープレス役 © Wiener Staatsoper GmbH / Michael Pöhn

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2023年5月18日紀尾井ホールでのリサイタル(左はピアニストの河原忠之氏)

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「ライカで綴る古都ウィーン」写真・文 甲斐栄次郎


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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でも会員価格でお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
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二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【二期会サマーコンサート2024】 出演者メッセージ
ソプラノ島内菜々子

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」 東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

本日の出演者紹介は、ソプラノ島内菜々子です。島内からは出演メッセージが届いておりますので、ご紹介いたしましょう。

202404_shimauchi_nanako.jpg
島内菜々子(ソプラノ)


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コロナ禍を経て、5年ぶりに開催されるサマーコンサートに出演する機会をいただいたことは心から嬉しく、同時に、素晴らしい歌い手の方々と同じ舞台に立てるということで、今から当日に向かって大事に準備していきたいと思っております。

今回はトップバッターで、オペラ『ティレジアスの乳ぶさ』より「いいえ、旦那さま」というアリアを演奏いたします。

この曲は作曲家プーランク特有の、早口なフランス語が特徴です。
とにかく自分の主張をしゃべりまくりながら、コロコロ表情が変わるこのテレーズというキャラクターがとても面白く(テレーズはアリアの途中で女性から男性に変身し、最後はオペラのタイトル通りの男性の名前「ティレジアス」になります…!)、しかも内容はものすごく現代的です。
子供を産みたくない、男みたいに働きたい!と、次々なりたい職業のアイディアが飛び出します。

私はフランスに留学経験がありますが、滞在中はプーランク・アカデミーなどに参加し、フランス歌曲にも積極的に取り組みました。
この経験を、この早口アリアにも活かせればと思っています。
特にプーランクの昔の録音などを聴いていると、彼のしゃべり方とセリフの雰囲気がそのまま影響していることが聞き取れます!

202406_shimauchi_poulenc.jpg
アカデミーで出会った、プーランクが使っていたピアノ。少しだけこのピアノで歌わせていただきました。


こんなキャラ強めの女の子、もしかしたら知り合いにもいるかも?と思っていただけるくらい近い存在に感じられるようなテレーズを、舞台に出現させたいと思っています。

皆さま、ぜひ渋谷でお会いしましょう。

島内菜々子      


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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でも会員価格でお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【二期会サマーコンサート2024】 出演者メッセージ
メゾソプラノ持田温子

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」 東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

本日の出演者紹介は、メゾソプラノ持田温子(もちだ あつこ)。持田は今回のサマコンが二期会デビュー、ロッシーニ『チェネレントラ』より "悲しみと涙のうちに生まれて" を歌います。
持田からは出演のメッセージが届いておりますので、ご紹介いたします。

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持田温子(メゾソプラノ)


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この度サマーコンサートに出演させていただくことになりました、メゾソプラノの持田温子です。今回が私の二期会デビューとなります。

私は大学・大学院・二期会研修所も、ソプラノとして勉強を続けてまいりました。研修所修了後2年程ポーランドに滞在する機会があったのですが、イタリアで受けたマスタークラスで「あなたはメゾソプラノよ」とアドバイスされたことが、声種変更のきっかけとなりました。今まで勉強したレパートリーがゼロになってしまうこと、メゾソプラノとして歌っていけるのかなど不安でとても悩みましたが、今の師匠たちと出会い、自分の声を見つめ直す事ができました。声種変更したばかりの頃は『もっと早くメゾソプラノとして歌っていたら…』と焦ってばかりでしたが、今ではソプラノとしての勉強も大切な時間だったと思っております。

今回は、声種変更した当時初めて人前で披露した、ロッシーニ作曲の歌劇『チェネレントラ』のアリアを演奏いたします。歌うたびに、新しい自分の声に出会えた喜びを思い出します。大切に演奏いたしますので、どうぞお聴きいただけますと幸いです。

持田温子      



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転機となったマスタークラスにて
前から2列目の一番右が持田



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バリトン宮本益光のスペシャルインタビュー動画「益子の部屋」に、同じくメゾソプラノの藤井麻美とともに演奏曲の紹介や、サマコンでそれぞれが注目する出演者について楽しくお話しています。


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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でも会員価格でお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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【二期会サマーコンサート2024】 出演者メッセージ
ソプラノ上田純子

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」 東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

本日ご紹介するのは、ソプラノ上田純子。上田からは演奏曲紹介のメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。

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上田純子(ソプラノ)


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今回、ヴェルディ作曲のオペラ『群盗』より “私は恥ずべき祝宴から逃れて” を演奏いたします。

『群盗』は、ヴェルディの11作目のオペラです。
主人公が弟の陰謀によって父と恋人を奪われ、盗賊団の首領になり、最後は愛ゆえに恋人を殺し、自らも破滅の道へ進んでいくという悲劇です。私が演奏しますのは、その主人公の恋人・アマーリアのアリアです。

恋人の偽の遺言により、彼の弟と政略結婚させられてしまいます。その婚礼の席から抜け出し、悲しみに打ち拉がれるところに、家令がやってきて、実はまだ恋人が生きていると伝えられます。
絶望の淵から一転し、歓喜に満ち溢れる場面で歌われる、とてもドラマティックな曲です。

上演の機会はあまり多くないオペラ作品ですが、大学時代の恩師の勧めで、この曲と出会い、これまで節目節目で演奏してきた、私にとってはとても思い入れのある大切な曲です。
サマーコンサートでこの曲を歌わせていただけることとなり、大変嬉しく思っております。
苦悩、憎悪、愛情、幸福、様々な心情の変化を、音楽でお伝えできるよう、心をこめて演奏させていただきます。

皆様のご来場心よりお待ちしております。

上田純子      



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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でも会員価格でお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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新シーズンシリーズ6/18開幕!「二期会サロンコンサートVol.210 ~美しい夜、愛の夜~」 出演者からのメッセージ&予定プログラム

二期会サロンコンサート2024-2025シーズン、いよいよ開幕!
シーズン初回となるVol.210は、“美しい夜、愛の夜”と題して6月18日(火)19時よりカワイ表参道コンサートサロン パウゼで開催。西谷衣代(ソプラノ)、豊島ゆき(メゾソプラノ)によるジョイントコンサートです。
出演者からのメッセージとプログラム全曲が届きましたのでご案内いたします。日本歌曲とオペラ・アリアによる“美しい夜、愛の夜”をお楽しみください。

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nishitani_iyo_2402.jpg■西谷衣代 (にしたに いよ・ソプラノ)
~美しい夜、愛の夜~、
このテーマに相応しく、たくさんの美しい歌を選びました。

近年取り組み始めた日本歌曲からは、よく知られた別宮貞雄の「さくら横ちょう」を。この曲はたくさんの方が歌われていますが、私ならではの世界で、声で風景を描き、そしてみなさんの心の想い出を引き出せるように演奏できたら…と思っております。

また、朝岡真木子さんの曲から女声二人の重唱曲も予定しており、聴き馴染みの良いメロディーをお楽しみ下さい。

今回は、初挑戦の曲もたくさん入れており、重唱含め、どんな響きになるのか自分でもとても楽しみです。
どの曲も、演奏会のテーマである「美しい夜、愛の夜」を意識しておりますので、これはどんな夜?どんな愛?…と、想像してお聴き頂くのも楽しいかも知れません。

ワールドワイドなメゾソプラノ歌手で、親愛なる豊島ゆきさんとの初デュオコンサート。
このような機会を頂きまして、感謝申し上げます。

声種の違う女声二人のコンサートです。
みなさん、初夏の夜、ぜひ表参道へお出かけください。

toyoshima_yuki_2402.jpg■豊島ゆき (とよしま ゆき・メゾソプラノ)
皆様こんにちは、メゾソプラノの豊島ゆきです。「美しい夜、愛の夜」と名付けた今回のコンサート。私達歌手が歌う作品は、愛をテーマにしたものが多く、オペラはほとんどがそうです。愛によって心が動き、次々と感情が生み出され、そこから物語が始まります。一曲一曲に異なった愛の物語があり、それに翻弄される主人公達を皆様にお楽しみ頂けましたら幸いです。

私は東京音楽大学を卒業した後、南ドイツにありますフライブルク音楽大学で修士課程を修了しました。そして修了後、フライブルク歌劇場でキャリアをスタートしました。劇場ではこれぞオペラ!といった有名作品ばかりでなく、日本では上演機会の少ない作品や、世界初演の作品など、バライティに富んだ数々のプロダクションに参加し、その時代や解釈にふさわしい歌唱と表現を目指し研鑽を積んで参りました。

今回のプログラムは、前半に日本歌曲を、後半にオペラ・アリアやデュエットをご用意いたしました。西谷さん、篠宮さんと創り出す世界観を、ぜひ会場で味わってください。

愛は煌びやかなものだけではありません。悲しみや憎しみをも生みます。ただ、それを音楽に乗せ、なるべく美しい世界になったらと音楽家は願うのです。6月の美しい夜に、美しい愛を。心を込めて演奏致します。

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二期会サロンコンサートVol.210 ~美しい夜、愛の夜~ 出演者メッセージ


<リハーサル映像特別公開!> 朝岡真木子作曲「ながれ星」~二期会サロンコンサートVol.210 美しい夜、愛の夜

240618salon210_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サロンコンサートVol.210 ~美しい夜、愛の夜~
日時:2024年6月18日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン パウゼ
(東京メトロ「表参道駅」A1出口すぐそば)
料金:(全自由席) ¥3,500 《チケット発売中》

出演:(ソプラノ)西谷衣代、(メゾソプラノ)豊島ゆき、
    (ピアノ)篠宮久徳
《予定プログラム》
【第1部】
■西谷衣代
 別宮貞雄作曲 「さくら横ちょう」
 やないあすか作曲 「ましろの月」
■豊島ゆき
 中田喜直作曲 「サルビア」 「霧と話した」
■西谷&豊島
 朝岡真木子作曲 「ながれ星」 「そのとき 十八の春」

【第2部】
■西谷衣代
 グノー作曲 『ファウスト』より
     “宝石の歌”
 ドヴォルザーク作曲 『ルサルカ』より
     “月に寄せる歌”
■豊島ゆき
 ドニゼッティ作曲 『ラ・ファヴォリータ』より
     “ああ、私のフェルナンド”
 サン=サーンス作曲 『サムソンとデリラ』より
     “あなたの声に私の心は開かれる”
■西谷&豊島
 オッフェンバック作曲 『ホフマン物語』より
     “美しい夜、愛の夜”
 ドリーブ作曲 『ラクメ』より
     “花の二重唱”

▼公演情報ページはこちら
二期会サロンコンサートVol.210美しい夜、愛の夜|コンサートラインアップ - 東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい

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【二期会サマーコンサート2024】 二期会デビュー出演者紹介
ソプラノ山口安紀子

8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」
東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

今回、新入会員を代表して期待の2名が出演いたします。テノール濱松孝行に続いてのご紹介は、ソプラノ山口安紀子。サマコンでは、ヴェルディ 『アイーダ』より "勝ちて帰れ"を歌います。
山口からは自己紹介と二期会入会の抱負が届いていますので、ご紹介いたします。

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山口安紀子(ソプラノ)


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私ほど変わった経歴を持つオペラ歌手は少ないかもしれません。
高校は英語科でしたが、大学ではバイオサイエンスを学びました。大学時代に初めて見たオペラに感動し、自分が主役として舞台に立つと言う明確な目標を立てました。27歳で渡伊後、国立ヴェルディ音楽院ミラノ声楽科に入学し、学部・修士課程のディプロマを取得しました。
声楽は人体の科学だと思います。技量、素質、精神・肉体、運や状況、性格など様々なものが作用し、複雑に絡み合う。その中でも特に私は必要なタイミングで手を差し伸べてくれた人や恩師に恵まれて、今日まで進んで参りました。バイオサイエンスを学んできたことから、細かい実験や変化を追い観察をする事が好きで、粘り・負けん気の強さはかなりのものだと自負しています。
9年間イタリアで学んだ後、ドイツに6年、中国に1年半在住し、4年前より日本に拠点を移しました。環境の変化、身体の変化に伴う試行錯誤しながらの技術の変化、これらの事は成長するにあたって最も大事なことだと実感しています。変化し続けることで、何歳になっても成長し続けられると信じています。
今回ご縁があり、二期会に入会いたしました。私は欧州でVoce Verdiana(ヴェルディの声)と評価されてきましたが、二期会での初めてのコンサートでは自身が得意とするヴェルディの曲を披露いたします。
新しい場所でトップの方々と共演させていただき私自身がとても楽しみにしていると同時に、ご来場のお客様にお楽しみ頂けますよう、精一杯努めてまいります。

<Profile>

山口安紀子(やまぐち あきこ・ソプラノ)
国立ヴェルディ音楽院ミラノ声楽科ディプロマ取得、首席で修了。第49回日伊声楽コンコルソ第1位。スイスのロカルノ劇場『フィガロの結婚』伯爵夫人でデビューし、フォルリ市立歌劇場『蝶々夫人』タイトルロール、その他マントヴァ市立歌劇場、カタルーニャ音楽堂など、欧州各地でオペラやコンサートに出演。国内で『蝶々夫人』『トスカ』『トゥーランドット』タイトルロール、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」等で出演。二期会会員

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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でもお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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【二期会サマーコンサート2024】 出演者特別寄稿
メゾソプラノ加納悦子「ディーヴァの本番前のルーティン」

8月3日(土)夕、毎夏恒例の「二期会サマーコンサート」。コロナ禍以来5年ぶりに開催します!
東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!

現在、X(旧ツイッター)で出演者を紹介中ですが、4人目にご紹介するメゾソプラノ加納悦子は、海外の劇場でも活躍を重ねてきた二期会アーティストの一人。
今回のサマーコンサートでは、ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』より"抜け目のない狩人は" を演奏いたします。
今日はそんな彼女から、海外で共演したとある歌手の舞台裏でのエピソードを寄稿いただいたので、ご紹介いたします。

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加納悦子(メゾソプラノ)


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「ディーヴァの本番前のルーティン」


オランダのオペラハウスといえば、最大都市アムステルダムのナショナル・オペラが有名ですが、もう一つ、ライスオペラ(Nederlandse Reisopera)というカンパニーがあって、国際的にはDutch Touring Opera 、つまり「オランダ旅オペラ」というわけで、その名の通り、オランダ各地を巡業していくオペラカンパニーです。オランダ最東のエンスヘーデという小さな町に本拠地を置き、そこで練習して完成させたオペラを、出演者やスタッフ自ら各都市に出向いて行って公演を行うのです。私もかつてこのカンパニーと共に多くのオペラに出演した経験があります。今でこそ日本でも新国立劇場の引越公演が札幌であったりして意外ではありませんが、当時(30年くらい前)ではそのようなお話しはあまり聞いたことがなく、ドイツの歌劇場でもその拠点都市の公演に観たい人が出掛けていって鑑賞するのが当たり前だったので、旅オペラというやり方は私にとって新鮮でした。

「こちらから出向いていく」というのは一見便利そうなのですが、やるほうはとても大変です。オランダはご存じの通り小さな平地の国なので、遠い町でも車で4時間くらいで行くことはできますが、大道具・小道具や衣装などを毎回一切合財エンスヘーデの倉庫から運んで、舞台セットをあっという間に組み立てて、出演者は前日か当日に大型バスで行って、公演が終わったら夜中でも再びバスで戻り、一日二日休んでまた遠征していくというハードスケジュールを、一つのプロダクションについて10回くらい繰り返すので、慣れるまでは疲れました。でも、これもルーティン化すると、少しは楽しくこなすことはできます。何より、多くの特色ある街並みを見られたのは良い経験でした。

さて、やっとここで本当のルーティンのお話しをします。このライスオペラの多くの演目の中で、「サロメ」(R.シュトラウス)に出演したことがあります。この公演の演出は日本でも馴染み深いヴィリー・デッカー氏によるもので、二期会でも2019年に同じ演出の「サロメ」が上演されたのでご覧になった方もあるかもしれません。舞台がすべて階段になっていて、全員の登場人物が常に舞台上にいるという演出です。そしてなんといっても、20人近い歌手に加えてその他の俳優もすべてグレー系のズボッとしたフェルト生地衣装を身に着け(舞台上で異様に暑いです)、極めつけは全員髪の毛のない(禿げ頭)で白い顔であるという、ある意味挑戦的な舞台でした。それにはデッカーさんの特別な意図があるのですが、そのお話しは「ルーティン」と関係がないので割愛するとして、そのときは階段の昇降も相まってとても体力が必要だったので、特に主役のサロメ役がどれだけ大変だったかは想像に難くありません。

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ヴィリー・デッカー演出『サロメ』(2019年 東京二期会公演より)


そして、表題サロメ役を当たり役としていた、あるアメリカのソプラノ歌手の本番前のルーティンを私は今でも忘れることができません。R.シュトラウス「狂気の娘・サロメ」を絵に描いたような素晴らしいパフォーマンスと、その仕事ぶりも極めてプロフェッショナルで無駄がなく、正にプロ歌手の鑑のような印象でありましたが、それと同じくらい私の記憶に残っているのが、その彼女の本番前のルーティンです。

この体力・気力的に厳しいオペラ公演の主役を最高のパフォーマンスで乗り切るために毎回彼女がしていたことは「上演開始前のメイクの時に、茹でてオリーブオイルを絡めただけのパスタを一人前食べる」というものでした。美しいブロンドの髪をきつくアップにさせられて透明のビニールでぴったりと包まれたうえに、頭だけでなく顔にも首にもすべて真っ白のドーランを塗られながら、彼女は鏡の中の自分を上目遣いに厳しく見つめ、ソースのかかっていないパスタを黙々と食べていました。(ソースをかけると、余計な油で消化に悪いからだそうです。)

メイク室の彼女の周りだけ誰も近づけないような鬼迫が漲り、その時の光景は私の古い記憶の中に全く劣化することなく残り続けています。なぜわざわざメイクの際に食べていたのかは分かりませんが、恐らく開演時間から逆算して、食べたパスタのエネルギーがちょうど上演の最中に発揮できるように考えられたのではないでしょうか。毎回異なる遠征先の劇場の食堂のコックさんにメニューにないパスタを注文し忘れないこと一つとっても、手間のかかるルーティンですね。もちろん、彼女が終演後やお休みの日に私たちとご飯を食べたりお酒を飲みに来たことはありませんでした。

あぁオペラって大変だぁ!!

加納悦子 記      


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ラショナル・ライスオペラ R.シュトラウス『サロメ』
加納悦子(ヘロディアスの小姓役) メイク室にて(2枚とも)



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summer2024_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~

日時:2024年8月3日(土)
   18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)  一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
 《チケット発売中》
◆何枚でもお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください!
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [6]リコメーデ役:バス目黒知史&バスバリトン水島正樹

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー。ラストは、リコメーデ役の目黒知史と水島正樹の二人です。
リコメーデはスキュロス島の王で、デイダミーアの父。アキッレを「トロイ戦争に行けば死ぬだろう」との運命から救うため、この島に匿っています。
公演を前にして、二人に話を聞きました。

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――リコメーデはどんな人物、役柄ですか?


水島正樹: リコメーデは、スキュロス島の国王であり、割と高齢の役です。
頼まれたら断れない性格で、どの人にもよく思われたいと思っているような人です。
目黒知史: 友人のペレウスから頼まれ、彼の息子アキッレを自分の国に匿っているのですが、アキッレを探しにきたギリシャ軍に対し、一度は嘘で誤魔化したものの、最終的には自由に探すことを許可してしまうという、一国の主でありながらYESマンです。国王としては情けないと思う部分もありますが、後にその判断を後悔するシーンもあり、非常に人間的であると思います。

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リコメーデ役 目黒知史(めぐろ ともふみ)5/25(土)出演


――平和な国の、優しい王様、という印象がありますね。リコメーデの聴きどころを教えてください。

目黒: リコメーデのアリアは2曲あるのですが、今回はオリジナルカット版で1曲のみになりました。
水島: 今回、第一部最後のアリアになるリコメーデのアリアです。 島の自然や、昔楽しんでいた狩りについて語るアリアになります。
目黒: 高齢のため足腰も弱まり寿命も残り少なくなってきているのですが、それを嘆くのではなく、むしろ穏やかに過ごしつつ死を迎え入れるような。
水島: ヘンデルの軽快な音楽とは違い、ゆっくりとしたテンポで歌われるこの曲は、どこか哀愁が漂っていますね。昔懐かしい記憶が蘇ってくるかのようです。
目黒: やはりバスのアリアですので、低音の響きが魅力ですね。曲の後半部分では下降音型が印象的で、あたかも人生の終わりが近づいているように使われています。

――若々しい登場人物が多い中、ひとり大人で、老成した人物の存在は、ドラマとしても大切なのだと思います。さて、今回、二人は「初顔合わせ」になりますか?

目黒: 水島くんは大学の後輩になるのですが、今までほとんど接点がなく、しっかりと話したのは今回の稽古場が初めてでした。ただ去年11月の二期会オペラ『午後の曳航』に出演されていたので、相当な実力者だと思っています。現場では先輩後輩関係なくお互い切磋琢磨して高め合えたらいいと思います。
水島: 目黒さんは、歳は私よりも上の先輩です。とても知的で音楽や、心情を深く勉強されていていつも勉強させてもらっています!

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リコメーデ役 水島正樹(みずしま まさき)5/26(日)出演


――最後にお客様に向けて、本番への意気込みをお願いします。

目黒: 演出の中村さんを始めとして若い世代が中心となって作り上げていく舞台です!ダンサーさんと一緒に若さ溢れるパワフルでアグレッシブな舞台を作っていきます。
水島: フレッシュな私達が演じるこの『デイダミーア』、きっとお楽しみいただけますので、ぜひ会場へお越しください。
目黒&水島: よろしくお願いします!

――ありがとうございました。

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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [5]ウリッセ役:メゾソプラノ 一條翠葉&武藤あゆみ

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー。続いては、ウリッセ役のメゾソプラノ、一條翠葉と武藤あゆみです。
ウリッセはオデュッセウス。ホメロスの『オデュッセイア』につづられた、古代ギリシアの物語最大級の英雄です。10年にわたるトロイ戦争を「トロイの木馬」作戦でギリシア軍の勝利に終わらせ、その後も海上での遭難を乗り越えて、愛妻ペネーロペと再会します(このときの物語がモンテヴェルディの『ウリッセの帰還』)。
随一の戦略家として名高いウリッセですが、このオペラで登場する若き知将も、アキッレの居場所を突き止めスキュロス島に到着し、様々な「作戦」を駆使して、変装しているアキッレの正体を暴きにかかっていきます。
公演に向けて、ふたりに話を聞きました。

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ウリッセ役 一條翠葉(いちじょう あおは)5/25(土)出演


――二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』ご出演おめでとうございます!二人が演じるウリッセはどのような役でしょうか?


一條翠葉: ありがとうございます!どんな役……、難しい質問ですね!
私の演じるウリッセはズボン役で大きな使命をもってこの島にやってきた軍人です。目的のために、狡猾に偽名も使いながらデイダミーアやアキッレに近づき、最終的には目的を果たします。
武藤あゆみ: とても頭の切れる知恵者なのですが、さらに私は、ウリッセという人物がある種の悪役的役割も担っているように感じています。と言うのも、ウリッセはアキッレを見つけ出す為にリコメーデ王を半分脅すような形でアキッレの引き渡しを求めたり、デイダミーアを口説いたりします。そして仕舞いには、力強く槍を投げて鹿を仕留めたピッラ(=女性に扮しているアキッレ)をアキッレではないかと考えて、今度はピッラ(=アキッレ)を口説いたり、デイダミーアや侍女たちへの贈り物にわざと立派な武具を紛れ込ませてアキッレの興味を惹く為に策を講じます。するとそこに襲撃音が響いて、その音を聞いたアキッレが「王宮は僕が守る!僕はアキッレだ。」と叫んだことで、ついにウリッセはアキッレを見つけ出すことに成功するのですが、この襲撃音、実はウリッセが用意した偽物で、アキッレの正体を暴く為のものだったのです。
やり方がちょっと(笑)、と思うことも多く、頭が良く、任務に誠実な人物ですが、その為には手段はいとわず策を講じるような人物でもあると考えています。
ですが、だからこそ様々な性格が垣間見えるウリッセを演じられることが今からとても楽しみです!
一條: ホメロスの叙事詩「オデュッセウス」によると、トロイ戦争の後10年以上におよぶ過酷な旅が彼を待ち受けます。
オペラの中でも、素直な感情を表すよりも策略を巡らす場面が多く、それをどう表現するか楽譜を読みながらワクワクしてます。

――目的達成のためには手段は選ばず…という人なのですね。アリアにもそのようなキャラクターがあらわれているのでしょうか。

一條: 私は、最初に歌うアリア「その眼差しだけが(un guardo solo)」をご紹介します。デイダミーアを愛しているフリをして彼女を探っている場面です。
力強い曲調のものが多い中、この曲はとこっとん甘い曲で、練習しながらむせ返りそうになります(笑)

――甘美すぎる、というところにも、ウリッセの「本気」というよりも「作戦」という面があらわれているのかも。

一條: とにかく甘いところをお客様にお聴きいただきたいです。歌詞とメロディの相性でここまで甘くなるのか!と目から鱗でした。ハチミツのようなねっとりした甘さを目指します。

――武藤さんはいかがですか?

武藤: 「いいえ、私はあの美しい人を愛してはいない(No, quella beltà non amo) 」です。
今度は、ウリッセが女装しているアキッレを口説く場面で、「私はデイダミーアを愛していない。私はあなただけを切望しています。」という内容を歌っています。ですが、あくまでもアキッレの正体を明らかにするのに口説いてる歌であり、本心ではありません(笑)。歌詞もウリッセの思いとは反対の言葉を述べています。それでも、前奏が無く、冒頭でいきなりNo,no,noという否定の言葉から始まって、曲全体を通して鬼気迫る勢いがあるこの曲は、ウソと本心が分からなくなるくらい真に迫っていると思います。
激しいメリスマや1オクターブ以上の跳躍などといった技巧的な難しさによる聞き応えももちろんですが、アキッレを口説く為に歌っているにも関わらず、ウリッセがアキッレに自分の想いを信じてもらえないことを本心から嘆き苦しんでいるように感じられるこの曲の詩の内容と鬼気迫るようなその音楽全体を楽しんでいただけたら嬉しいです!

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ウリッセ役 武藤あゆみ(むとう あゆみ)5/26(日)出演


――本心を吐露するためのアリアが多い中、ウリッセの歌いどころは「どこまでが本心でどこまでが演技か」をいかに解釈して歌うか、にあるようですね。これ聴き逃せません!
さて、一條さんは二期会オペラ研修所マスタークラスの後、新国立劇場オペラ研修所を修了して、この度のニューウェーブ・デビューとなりました。


一條: ほかのみなさんとは同じ時期に研修所におりませんでしたので、お互いによく知らないのですが、この滅多に上演されないオペラを共に作っていく仲間として過ごしていけたらと思います。

――武藤さんも、一條さんとは初めての現場ですね。

武藤: 一條さんとは今回初めてご一緒させていただくのですが、お話ししてみてご自分の中でのウリッセという人物像をしっかりとお持ちで、同じ役を勤めさせていただく身としてとても刺激を受けました!
同じ役で現場に立たせていただけるこの機会に目いっぱい学び、そして共に同じ役で舞台を作っていく仲間として切磋琢磨していけたらと思います。

――最後に本公演に向けて。

一條: ヘンデルのオペラは、ロマン派やヴェリズモオペラのような派手さが無いように見えますが、歌詞やメロディを読み込んでいくと表現できる幅が多く、いろんなことが試せる奥深いオペラです。その美しさを皆様に楽しんでいただけるよう精一杯稽古に励んでまいります。
武藤: コロナ禍という未曾有の出来事があり、それは今でも完全には無くなっておりません。ですが、そんな中でも力を尽くして「オペラ」を作り続けてくださる二期会の本公演に自分がデビューできることの喜びは計り知れません!
初めてオペラをご覧になられるお客様にも楽しんでいただけるよう、コロナに負けず、全身全霊でがんばりたいと思います。
ぜひたくさんのお客様に足をお運びいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!

――ありがとうございました。

*      *      *


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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [4]フェニーチェ役:バリトン 亀山泰地&室岡大輝

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー。続いては、フェニーチェ役の亀山泰地、室岡大輝の二人です。
フェニーチェはギリシアの都市国家アルゴスの王子。アルゴスといわてもピンとこないと思われますが、2015年に上演したR.シュトラウス『ダナエの愛』のダナエがアルゴスのお姫様でした。ただ、ダナエ姫の親戚筋にはどうもフェニーチェという人はいないみたいで、彼はオペラ上の人物かもしれません。
ウリッセ(オデュッセウス)とともに、アキッレを探しにスキュロス島にやってきます。ギリシア神話では、ウリッセが飼っていた犬の名前がアルゴス。そんなわけで、フェニーチェは、ウリッセに忠誠を尽くすアルゴスの王子として登場するのです。若者の役なのにバス、バリトンが歌うというのは、ふつう若者は高声との相場があるバロック・オペラの典型からは少しはみ出た設定です。

*      *      *


――二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』ご出演おめでとうございます! 二人が演じるフェニーチェはどのような役でしょうか?


亀山泰地: フェニーチェはアルゴスの王子で、アキッレをトロイ戦争に連れ出すため、ウリッセとともにスキュロス島にやってきた使者の1人です。
室岡大輝: 性格はとても一途で忠実ですが、とても粘着質で、一度決めたものにはとことん向き合う姿勢が、詩のリズムや話している内容からも読み取れます。
自国であるギリシアには大変忠実。更に恋にも忠実で、使節団として派遣されネレーアに一目惚れをし、素っ気ない態度をとられても諦めず、最後には武勇もあってか射止めてしまいます。まさに男気溢れる!? そんなキャラクターです(笑)

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フェニーチェ役 亀山泰地(かめやま たいち)5/25(土)出演


――フェニーチェの歌には、そんなキャラクターがあらわれていると思いますが、聴きどころは?

亀山: フェニーチェのアリアは2曲あり、どちらも大変魅力的な曲なのですが、強いてあげるのであれば2幕の 「愛の神秘を知り尽くした者の目の前では(Presso ad occhi esperti già)」 でしょうか。デイダミーアとアキッレが恋仲なのではと疑い、「愛の神秘を知り尽くした者の目の前では、恋する者は用心深くあるべきだ」と歌うアリアです。
全体を通してオーケストラとユニゾンで動く部分が多く、躍動感がありとてもアグレッシブな曲調です。歌っていてどんどん自分の血が滾っていくのを感じます!

室岡: 曲の中で何度も「fiamme(炎)」、「svelar(ヴェールを剥ぐ)」と言う言葉が出てきます。この言葉が出てくる度に、恋の炎が揺れ動く様や、ヴェールを剥いで本性を暴く様子がアジリタを用いることで見事に描かれています。
ちょっと専門的に解説すると、イタリア語の詩にはそのリズムが持つ要素の様なものがあり、特にこのアリアは8音節詩行と言うリズムで構成されています。この8音節詩行はイタリア語の中でも最も旋律的でリズムが取りやすく、粘着性のある(耳馴染みが良い言う意味も含め)詩行とも言われます。
まさにフェニーチェが持つ本質の性格を体現している様なアリアで、狙った獲物は逃さない!と粘着質な性格が出ていますね! 技巧的にはテンポも早いのでとても難しく、歌っていると大変なのですが…(汗)

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フェニーチェ役 室岡大輝(むろおか たいき)5/26(日)出演


――フェニーチェの人物像が一気に立体的になりました。本番の演奏が楽しみですね。さて、亀山さん、室岡さんはともに研修所の同期ですが、お互いの印象は?

室岡: 亀山さんとは二期会研修所マスタークラスで初めて会いましたが、長身でスラッとしていて、スマートと言う言葉が似合う…それが第1印象です! 経歴を聞くと驚きで、東京音楽大学でクラリネットを専攻、大学卒業後声楽に転向、そのまま二期会研修所に入所と、スーパーマンなのです。研修所にいる際は、同じ作品を一緒に研究する機会はありませんでしたが、このデイダミーアを通して、様々な意見交換をして、皆様に楽しんでいただけるようなフェニーチェ像を2人で作り上げて行きたいです!
亀山: 室岡さんは、いつも素晴らしいお声と演技で、たくさんの刺激を受けていました。年も自分より一個上で、勝手に頼れるお兄ちゃんだと思っています(笑)
今回初めて一緒の公演にダブルキャストとして関わることができ、本当に嬉しいです!!

――同期でも男性の同声種だとなかなか一緒に取り組むという機会はないかもしれませんね。これを機に切磋琢磨して個性的なフェニーチェを作り上げてください。最後に本公演に向けて。

亀山: これまで名だたる方々が出演してきた二期会ニューウェーブ・オペラ劇場の舞台に立てることの喜びと緊張で、今から胸がドキドキワクワクしています。お越し下さった皆様とヘンデルの素晴らしい音楽を共有できるように、全力で演じきりたいと思います。ぜひお越しください!
室岡: 本公演で初めての二期会オペラ公演デビューとなります。 なかなか上演機会の無いオペラではありますが、この大変貴重な機会に出演が出来て、今からどんな本番になるのかが楽しみです! 是非たくさんのお客さまに足をお運びいただけますと幸いです。

――ありがとうございました。

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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [3]デイダミーア役:ソプラノ 七澤 結&清水理沙

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー第3弾は、タイトルロールの七澤結と清水理沙の登場です!
ギリシア神話の「正史」が、ホメロスの『イーリアス』に残されるようなアキッレの物語であれば、このオペラはアキッレを妻であるデイダミーアから見た、スピンオフと捉えることができるでしょうか。生まれながらの「戦士」であるアキッレを匿っているうちに恋に落ち、息子を身籠ることになるデイダミーア。しかし、ついに彼は勇んで戦場に向かって行ってしまいます。

公演を前に二人に話を聞きました。

*      *      *


――デイダミーアは、どのような役ですか?


清水理沙: 恋に苦悩する、若き王女という役どころです。
七澤 結: 恋人のアキッレを、トロイア戦争に行かないように、女装をさせて匿うのですが、彼の自由奔放な行動に振り回され常に翻弄されています。精神的に不安定な面もありますが、猪突猛進でこうと決めたら全力を注ぎ、愛とエネルギーに満ち溢れた女性です。
清水: 神話でも現代でも、人の悩みの種やすれ違いの原因の普遍性を強く感じることができる、人間らしく素敵な女性です。 彼女には王女としての振る舞いや品格・知性が備わっていますが、アキッレへの思いが強すぎるせいか、音楽的にも頻繁、劇的に調性が変化していきます。そこから滲み出てくる危うさも魅力の一つであると思います。
七澤: なんと7曲もアリアがあります!音楽も軽やかなものからシリアスなもの、荒々しいものまで幅広く、デイダミーアの起伏の幅が広く表現されています。全体としてレチタティーヴォも特徴的で、転調が多く、ドラマチックです。最後のウリッセとの重唱も美しいのでおすすめです。

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デイダミーア役 七澤 結(ななさわ ゆい)5/25(土)出演


――たくさん曲があって選ぶのも大変かと思いますが、聴きどころをあえて1曲選ぶとすれば?

清水: どの曲もとても美しくて大好きなのですが、最初に私の心を捉えて離さなかったのは2幕の「不安が本当のことを言っているのなら(Se'il timore il ver mi dice)」です。
ウリッセに口説かれているデイダミーアの姿を、偶然アキッレが目撃することでいさかいに発展します。その後、デイダミーアたちは王よりウリッセらを狩りでもてなすよう指示されますが、狩りを得意とするアキッレの姿を見られたら身分を偽っていることがバレかねません。そこで、デイダミーアはアキッレへの注目を逸らすためウリッセを誘惑することを決めますが、恋人との間に亀裂が生まれてしまうのでは、という不安を吐露するシーンで歌われます。

――このアリアのどんなところに注目してほしいですか?

清水: アキッレとの関係が崩れることへの不安と、誤解は解けるだろうと希望を見出そうとする、相反した心情が美しい旋律で切々と奏でられます。
声と合わさる器楽の和声の積み重ねがとても素敵です。決して派手な曲ではないのですが、デイダミーアの魅力が見事に凝縮されている楽曲です。

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デイダミーア役 清水理沙(しみず りさ)5/26(日)出演


――七澤さんはいかがでしょうか?

七澤: 私は、3幕の「あなたが私を不幸にした(M'hai resa infelice)」です。ウリッセ達の策略によりアキッレの女装がバレてしまい、アキッレを失ってしまうと落胆し、ウリッセに向かって怒りを爆発させて歌っているシーンです。

――注目ポイントはどこでしょうか?

七澤: 悲しみを表現するサラバンド(舞曲のリズム)のゆったりとした3拍子から始まり、Bパートでは怒りの表情が荒々しいテンポで超絶技巧の激しいアジリタで書かれています。このオペラのストーリーの中でも1番山場となるシーンで、聴きごたえのあるアリアです。
デイダミーアの起伏の激しさや、感情の爆発、そしてバロックならではの歌詞の情感や風景などの音型での表現にも是非着目して聴いていただけたらと思います。

――ふたりは今回が初顔合わせと伺いました。お互いの印象をお聞かせください。

七澤: 清水さんとは嬉しいことに同い歳でして、共通の知人からは、「私も清水さんもど天然で共通しているよね」と言われました(笑)
ですが、清水さんは芯が強くしっかりしていて、見た目の凛とした美しさや声の情感がデイダミーアにぴったりだなと思って見ております。また私とは全然タイプの違ったデイダミーアになるのではないかと思います。楽しみです!
清水: 七澤さんはいうまでもないですが、すでにご活躍されている素晴らしい歌手のお一人です。
今回キャストの顔合わせで初めてお目にかかりました。お話しすればするほど、これまでに見ていた舞台上のお姿と、たまに天真爛漫で可愛らしいお姿のギャップに、胸がキュンとしてしまいました。私は66期で後輩にあたりますが、「フランクに話そう!」とご提案くださり、心の距離を縮めることにも長けていらっしゃるのでたくさん助けていただいています。
初めてのタイトルロール、そしてダブルキャストとしてご一緒させていただけることが有難く、光栄だと実感する日々を過ごしています。

――力を合わせて、それぞれのデイダミーアを創り上げている様子が伺えました。お客様には、やっぱり両日お越しいただいてそれぞれのデイダミーアをご覧いただきたいですね!最後に公演に向けての意気込みをお願いいたします。

七澤: 初のタイトルロール、初のバロックオペラ、初の現代ダンスと、初めてのことにたくさん挑戦しております。バロック音楽は元々大好きで、この度はこんなに貴重な場で経験させていただけることに感無量です。チームは和気藹々、かつエネルギーに満ち溢れていて、ニューウェーブを起こす気満々です(笑)
バロック音楽ならではの舞曲のリズムと現代ダンスのコラボレーションも、着々と振りがついてきておりますが、楽しいことになっております。会場でしか味わえない高揚感をぜひ体感していただきたいです!
清水: これまでに様々な先輩方が出演していらっしゃる「二期会ニューウェーブ・オペラ劇場」公演。私にとっては初めてのタイトルロールデビュー、そして二期会オペラ公演デビュー作品となります。ヘンデルの魅力溢れる『デイダミーア』を、たくさんのお客様とともに楽しめたらと思います。
フレッシュな舞台をお届けできるよう、心を尽くして臨みたいと思います。ぜひ足をお運びください!劇場でお待ちしております!

――ありがとうございました。

*      *      *


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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

▼デイダミーア役の二人は、4/23(火)開催のプレイベント「鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート」にも出演!
鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート - 東京二期会
2024年4月23日(火)19:00 めぐろパーシモンホール 小ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [2]ネレーア役:ソプラノ 河向来実&田中沙友里

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー第2弾は、ネレーア役の河向来実、田中沙友里の二人です。
オペラの舞台は、エーゲ海に浮かぶスキューロス(スキュロス)島。ここはギリシア世界の戦いが嘘のように平和で自然豊かな土地。この島を治める王家の娘がデイダミーアで、その親友が、河向と田中演じるネレーアです。
アキッレを戦場に向かわせるため、この平和な島に、知将ウリッセとカルゴスの王子フェニーチェがやってきます。このフェニーチェとネレーアの恋愛関係がサブストーリーとなって、古代ギリシアの神話がいかにもオペラらしく展開していくことになります!

*      *      *


――二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』ご出演おめでとうございます!二人が演じるネレーアはどのような役でしょうか?


田中沙友里: ありがとうございます!
ネレーアは、王族の血筋をもつ娘で、王家の娘デイダミーアの親友です。彼女も、デイダミーアとリコメーデ王とともに、アキッレが男性であることを知っています。そこで、デイダミーアに状況を伝えたり、アドバイスする役割をはたしています。
河向来実: とてもポジティブで、落ち込むデイダミーアを明るく励ます、溌剌とした女性だと感じています。また芯のある女性なので、一筋縄ではいかないところがとても好きです。
田中: 最後は自分の幸せもゲットする、いろんな意味でしっかりものの女性だと思いました(笑)
主人公のデイダミーアとは違い、冷静で精神年齢も少し大人な女性であり、よりキャラクターの違いが感じられるかと思います。

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ネレーア役 河向来実(かわむかい くるみ)5/25(土)出演


――ネレーアがいることで、ギリシア神話がとてもオペラらしい展開が生まれていますよね。ネレーアの聴きどころを教えてください。

河向: 第1幕4場で歌われる「Sì che desio(私の願いはあなたの望むことです、~あなたの心に喜びがなければ、私の心にも喜びはありません)」はとても珍しい曲だと思います。
このような強い愛の歌が相手役であるフェニーチェ(*)ではなく、デイダミーアに対して歌われます。その前のレチタティーヴォでデイダミーアから「私のことを愛しているわよね?」ときかれ、このアリアを歌うのですが、なんだか意味深で…(笑) 曲調も私が歌う他の曲と比べてとても情熱的で、聞き応えのある音楽なのでぜひ注目して聞いていただきたいです。
(*)…フェニーチェは、ウリッセとともにアキッレを探しにスキューロス島にやってくるアルゴスの王子。

――友情をこえた感情を感じさせるのでしょうか。どんな演出で描かれるかも楽しみにですね。田中さんはいかがですか?

田中: 第3幕3場の「Non vuò perdere l’istante (タイミングを逃したくない)」です。フェニーチェから求婚され、承諾するときにうたう喜びの歌です。
音楽はシンプルですが、彼女のキャラクターが見えますし、求婚された喜びを冷静に喜んでいながらも、これからの未来に希望を抱いているようにも感じられる、たくさんの要素がつまったアリアです。今回は、初稿版を演奏するので、初めて耳にされる方が多いかと思います。耳馴染みがよく、皆様に覚えていただきやすいメロディなのも特徴的です。

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ネレーア役 田中沙友里(たなか さゆり)5/26(日)出演


――デイダミーアとアキッレが戦争のために「別れ」~しかも永遠の別れになってしまう~の運命にあるのに対して、ネレーアは素朴な幸福が描かれているようにも思えますね。さて、二人も二期会オペラ研修所の同期でしたね。それぞれの印象は?

田中: はい、河向さんとは、二期会オペラ研修所マスタークラスの同期で、先日の東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』公演では、エリーザベトのアンダースタディを一緒にやっておりました。プライベートでも仲が良く、一緒にいて、笑顔がとまらずあっという間に時間がたってしまうほど、楽しくて素敵な人です。
河向: 自分で言うのもなんですが、私と性格も考え方もとてもよく似ていて、稽古場でも以心伝心が多く、田中さんと勉強することができてとても楽しかったです。『タンホイザー』の稽古中も、公演が終演した今でも、ほぼ毎日のように連絡をとっています(笑)
田中: 河向さんは、若いながらも彼女の奥深い艶やかな声と表現力が豊かなところがとても魅力的です。歌手としても尊敬しており、毎回、歌声を聞くたびに惚れ惚れしております!
河向: 田中さんの歌声はすごく安定感のあるリリコで、研修所時代もいつも聴き惚れていました。今回もダブルキャストとして一緒に切磋琢磨できれば嬉しいです。

――以心伝心さがインタビューからも伝わってきます。どのようなネレーアの個性が生まれるでしょうか。本番への意気込みをお願いします。

河向: なかなか日本では上演されることが少ない、ヘンデル最期のオペラ『デイダミーア』のキャストとして舞台に立つことができ、とても光栄です。お茶目で可愛らしいネレーアを演じられるよう努めてまいりますので、ぜひお運びくださると嬉しいです。
田中: 二期会のオペラデビューとなる公演です。各方面からのスペシャリストの方々と作り上げていく舞台に今からワクワクが止まりません!
3年に一度のニューウェーブ公演でぜひ若手の全力なパワーを感じながら、最後まで楽しんでください! たくさんの方のご来場をお待ちしております。

――ありがとうございました。

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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [1]アキッレ役:ソプラノ 栗本 萌&渡辺智美

2024年、3年に一度の《二期会ニューウェーブ・オペラ劇場》がやってきます!

5月25日(土)、26日(日)めぐろパーシモンホール 大ホールにて、鈴木秀美指揮、中村蓉演出によりヘンデル『デイダミーア』を上演します。『デイダミーア』は、ヘンデル最後のオペラ。最後といっても、翌年には名曲「メサイア」を作曲、演奏しており、まさにヘンデル最盛期に作曲された作品のひとつなのです。
『デイダミーア』の舞台は古代ギリシア神話の世界。中でももっとも知られているキャラクターは、アキッレ、すなわちアキレウス(アキレス)ではないでしょうか。不死身の英雄で、俊足、卓越した戦闘能力で知られていますが、トロイア戦争時、唯一の弱点である踵を狙われ、戦死します。「アキレス腱」の元となった物語です。
彼には、デーイダメイア(デイダミーア)という妻があり、ネオプレトモス(ピュロス)という息子がいました。息子もまた戦争にいく運命にあります。
このオペラは、その英雄アキッレの若かりし頃、妻デイダミーアと出会った頃の物語です。 「この子はやがてトロイの戦いにおいて死ぬ」との神託を受けていたアキッレ。アキッレの母親が、その運命から息子を匿うため、女性としてスキューロス島に身を隠させます。アキッレはそこでデイダミーアと出会います。

『デイダミーア』キャスト・インタビュー第1回は、そのアキッレ役を演じる 栗本萌 と 渡辺智美 に話を聞きました。

*      *      *


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アキッレ役 栗本 萌(くりもと もえ)5/25(土)出演


――二期会公演デビューおめでとうございます。


栗本萌・渡辺智美: ありがとうございます!たいへん光栄に存じます。

――アキッレは、どのような役ですか?

栗本: アキッレは、古代ギリシアの英雄アキレウスのことです。戦争で命を落とすという預言を受け、母はそれを回避するため女装をさせて島に匿います。
渡辺: タイトルロールであるデイダミーアの恋人です。
栗本: 「ピュラ」という名前でドレスを着飾っているにもかかわらず、非常に奔放で、狩りが大好き。美しい装飾品よりも武器の虜。素デイダミーアの心配をよそに子どもじみた嫉妬で彼女を苦しめます。
渡辺: デイダミーアのことを心から愛し、女性の姿での生活を受け入れてはいるものの――ほんとうは嫌々でしょうが(笑)、やはり心は男性らしいというか…
栗本: 活発で自分勝手(笑!)な子どもっぽい性格が音楽にも良く表れています。
渡辺: 狩りが大好きなアキッレは、ついつい、男性らしい仕草が随所で出てしまうんですよね。みなさまにはそんな愛すべきアキッレの姿を、たくさん見つけていただければと思います。

――アキッレ役なら「この1曲!」という聴きどころを教えてください。

栗本・渡辺: 第3幕の「Ai Greci questa spada(ギリシアのためにこの剣は)」です!

――どのような内容ですか?

栗本: アキッレを探しにきていたウリッセ(オデュッセウス)が、女性達に美しい装飾品を贈ります。が、その中に立派な武具を潜ませています。まんまと武具に食い付いたピュラ、そこへ突然鳴り響く襲撃音に反応し「僕が王国を守る!」と血気盛んに歌い上げます。
トロイに対する怒りと、戦地で活躍できる喜びを胸に猛進するアキッレの姿は、皆を奮い立たせる魅力があります。音形の節々に彼の自信に満ちたエネルギーが溢れていて、後にギリシアの英雄となる彼が、自身の生きる道を自覚した瞬間でもあると思います。
渡辺: 本作品にはソプラノの役が3役登場しますが(デイダミーア、アキッレ、ネレーア)、私にとっては、3役の中でこの「アキッレ」という役を歌いたい!と強く感じた、思い入れの強い1曲でもあります。
やはりバロック・オペラ作品の見どころといえば、アジリタ(本人注:メリスマとも呼ばれる、歌詞を伴わずに細かく音符を連ねる表現技法)と、再現部でのバリエーション(変奏)ではないでしょうか。その両方の魅力がこの曲には詰まっています。
歌手の技量の見せ所でもありますし、聴いていただくキャストによって全く違う演奏を楽しんでいただけると思います。ぜひ、両組の演奏を聞き比べていただき、ご自身の好きなポイントを発見していただければ嬉しいです。

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アキッレ役 渡辺智美(わたなべ ともみ)5/26(日)出演


――ダブル競演を楽しみにしていただきましょう。二人は二期会オペラ研修所の同期ですね。お互いの印象をお聞かせください。

栗本: はい、同期の渡辺智美さん、あえて《かぴちゃん》と呼ばせていただきます(笑)。
研修所時代は、なぜか同じ役の、同じ場面を課題に与えられることが多く…今回もまさかのダブルキャスト!運命を感じざるを得ません!
渡辺: 栗本萌さん、あえて《萌ちゃん》と呼ばせてください(笑)。
研修所では一年で3つのオペラ作品に取り組むのですが、なんと萌ちゃんとはそのうち2作品で同じ役を演じたんです!
栗本: かぴちゃんは、とにかくしっかり者で、頼れるお姉さん的存在なのですが、普段はとても「ゆるかわ」な雰囲気で一緒に居て癒されます……。美しく柔らかな響きの歌声で、どんなアキッレを演じられるのか今からとても楽しみです。
渡辺: 1年間という長いようで短いマスタークラス生活の中で、萌ちゃんとは大半の時間を共に過ごしましたし、時に悩みを打ち明けながら切磋琢磨してきました。
萌ちゃんの役作りはとっても緻密で繊細で、いつも勉強になりますし、舞台の上ではとてもしっかり者なんです。でも、舞台を降りた萌ちゃんにはおっとりとしている部分もあり、そのギャップに日々癒されています(笑)。
この公演に携わるきっかけともなった研修所でたくさんの思い出がある萌ちゃんと、また同じ役を演じることができてとっても嬉しいです。研修所時代はコロナ禍真っ只中で食事もままならなかったので、この公演の稽古期間で萌ちゃんとたくさんご飯を食べに行くことも、私の目標の一つでもあります。

――気兼ねなく相談し合い、リラックスし合い、切磋琢磨して創りあげることができるのは、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場ならではですね。最後に、それぞれの本番にかける意気込みをお願いします。

栗本: バロック・オペラと聞くと、物語が難しかったり、耳馴染みの無い音楽で躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえ時代背景をご存知なくとも、十分にお楽しみいただける物語です。自由奔放で幼稚なアキッレが、ギリシアの英雄へと成長していく過程を演じられたらと思っております。
今作が二期会オペラ公演のデビューとなります。新緑の5月、私達もフレッシュな気持ちで、最後まで挑戦を諦めず突き進んで行きたいと思います。皆様のご来場お待ち致しております!
渡辺: この公演に興味を持ち、インタビューを最後までお読みいただきありがとうございます。
まだまだ駆け出しの私たちではありますが、ぜひ本公演に足をお運びいただき、漲るパワーを感じていただけたらと思います。
入所した時から目標であった二期会ニューウェーブ・オペラ劇場公演の舞台なので、お客様に「渡辺にはこんなヘンデル作品も歌わせたい!」と思っていただけるような舞台を目指して精進していきます。ぜひ応援お願いいたします!!

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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

▼アキッラ役の二人は、4/23(火)開催のプレイベント「鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート」にも出演!
鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート - 東京二期会
2024年4月23日(火)19:00 めぐろパーシモンホール 小ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [7]ヴェーヌス役:ソプラノ土屋優子

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー第7弾は、ヴェーヌス役のソプラノ土屋優子です。
イタリア在住の土屋。伝統あるトッレ・デル・ラーゴでのプッチーニ・フェスティバルのアカデミーに参加していたとき、急遽『トゥーランドット』本公演のタイトルロールに異例の代役に抜擢され大絶賛を受けました。東京二期会でも同役を歌いきるほか、『フィデリオ』レオノーレでも真価を発揮しており、イタリア、ドイツ両オペラで活躍。ワーグナー作品としては、『ローエングリン』エルザのカヴァーを経て、これが東京二期会のデビューとなります。公演に向けて話を聞きました。

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ヴェーヌス役:土屋優子(ソプラノ)


――ヴェーヌスは今回初役かと思います。どんな役でしょうか。どんな人物と思われますか?

土屋: ヴェーヌスは自分の気持ちにとても素直な人だと思います。その点はとてもタンホイザーと共通しており、タンホイザーもヴェーヌスもそれぞれ男女の理性を取っ払って本能だけにしたような性格というか…(笑)。
とても愛情深いけれど、その分束縛も強く、情熱的で激しい、人間よりも人間らしい女神様に感じます。

――ヴェーヌス(ヴィーナス)だけでなく、ギリシア神話の神様たちは人間よりも人間らしいですね。もしかしたら、ほんとうは逆で、人間が、神様たちのまねごとをしているだけなのかもしれません……。ワーグナーが描いた女神ヴェーヌス様の聴きどころを教えてください。

土屋: 1幕での壮大な痴話喧嘩では、あの手この手でタンホイザーを引き留めようとします。優しく愛を語りかけたり、悲しんで気を引こうとしたり、妖しく誘惑したり、声を荒げて罵ったり…感情豊かな彼女の歌を楽しんでいただけると思います。
また、今回は〈パリ版〉ということで、3幕で再登場!タンホイザーがローマで許されなかった話をする“ローマ語り”の後から、ヴェーヌスの元に帰りたがるタンホイザー、正気に戻そうとするヴォルフラム、そこに再び現れるヴェーヌス3人それぞれの感情と声が絡み合いクライマックスの合唱へ…たまりません!

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2023年2月 東京二期会オペラ劇場『トゥーランドット』より トゥーランドット役


――たしかに、「壮大な痴話喧嘩」!そして、第3幕は怒涛の展開。まさにワーグナーの音楽のなせる業でしょうか。実際にワーグナー作品を体現されていて、「ワーグナーって、意外に……」と思われたところはありますか。

土屋: 『タンホイザー』って、人間界だけではなく、女神のいる世界も出てきて、キリスト教も出てきて、内容も音楽も壮大(!)ですが、意外と、どの登場人物も皆さんの身近にいるように思いませんか?本能的で破滅的な男、享楽的で感情的な女、友情と恋愛の狭間で悩む真面目男、ひたすら信じて待つ自己犠牲的な女…。なんだか◯◯君みたいだな、とか、自分のこんな性格と似てるな…なんて感情移入しやすいなぁと思います。

――とくに『タンホイザー』の主要な登場人物は若々しい気質にあふれていて、共感しやすいですよね。今回の演出で土屋さん自身が魅力に感じている場面はどこですか。

土屋: 今回、ヴェーヌスがタンホイザーを誘惑する時に、ダンサーや助演の皆様がヴェーヌスと一緒に魅了します。彼に美しい夢を見せて引き止めたり、彼女の分身のようにまとわりついたり……まるで魔法のように動く美しい皆様のおかげで、より一層妖艶なヴェーヌスとなっています。

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2020年9月 東京二期会オペラ劇場『フィデリオ』より レオノーレ役


――一気呵成に誘惑するヴェーヌスのシーン、ぜひご期待ください。同役の林正子さんとのダブルも初めてですね。林さんの印象をお聞かせください。

土屋: 私が本公演で初めて現場に入ったのが、2018年『ローエングリン』エルザのカヴァーキャストとしてでした。その時に本役だった方の1人が林正子さんで、終演後に「次はあなただよ」と言ってくださったのを励みに頑張ってきました。あの頃から、私も正子さんのように知的で気品があり、誰に対しても分け隔てなく優しいプリマドンナになりたい!とずっと憧れの存在だったので、こうしてダブルキャストとして同じ役で舞台に立てるのは本当に夢のようです。

――ダブルキャストというのは、本番でお互いがいざというときのためにカバーしあえるシステムではありますが、実際は、稽古場で一緒になることでお互いが刺激しあえるというところに大きな意味がありますね。最後に、お客様に意気込みをお願いいたします。

土屋: 普段はイタリアを拠点として活動していますが、ヴェーヌス役にむけては短期で渡独し、大都市ベルリンにて、数ヶ月間という限られた時間の中、ドイツ語とワーグナーの音楽を本気で勉強させていただきました。私にとっての記念すべきワーグナー・デビューをぜひ皆様にも楽しんでいただきたいと思っております。イタリアオペラとはまた違うドイツオペラの魅力をたっぷりお伝えできますよう、優子ヴェーヌス、全身全霊で歌い演じます。Viel Vergnügen!

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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00、29日(木)14:00*、3月2日(土)14:00、3日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…ヴェーヌス役 土屋優子 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [6]ヴォルフラム役:バリトン友清 崇

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー第6弾は、ヴォルフラム役バリトン友清 崇です。
東京二期会ではR.シュトラウス『カプリッチョ』でデビュー以降、『魔笛』パパゲーノ、『サロメ』ヨカナーン、『パルジファル』クリングゾル、『トリスタンとイゾルデ』クルヴェナールほか、ドイツオペラの上演には欠かせません。コミカルな役もすれば悪役でもハマる、メインを張れば歌にも絵にもなり、脇にいても舞台が締まる…どのような役においても、必ず舞台をドラマティックに、かつ奥行きを与えている存在です。
この度のヴォルフラムと向き合う日々について、話を聞きました。

*      *      *


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ヴォルフラム役:友清 崇(バリトン)


――ヴォルフラムはどんな役でしょうか。どんな人物と思われますか?

友清: 騎士団の中では身分が高く、歌手の名手、リーダー的存在。昨年11月公演『午後の曳航』の少年団の1号役に続いてのリーダー格の役ですね、でも、今度はとても良い人です(笑)。
タンホイザーとは親友、そしてエリーザベトに想いを寄せているが、彼女の心はタンホイザーに向いているという、とても切ない思いを持った男です。
中世のドイツでの実在の人物で、「ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ」と検索すれば詳しく知る事ができます。彼の書いた「パルチヴァール」はオペラ『パルジファル』の題材になっています。

――たしかに、首領1号は不良中学生の役でした(笑)。そして、タンホイザーも、ヴォルフラムも実在の人物から来ていますが、親友タンホイザーと想いを寄せていたエリーザベトを若くしてうしなったヴォルフラムが、後年『パルジファル』の物語を紡ぐと勝手に想像すると、ちょっとおもしろいですね。では、ヴォルフラム青年の聴きどころを教えてください。

友清: 叙情感の溢れるメロディー中心ですので歌の名手ヴォルフラムの優雅で上品な歌をお楽しみ下さい。
しかし、タンホイザーが巡礼から戻ってきた後のシーンからヴォルフラムの音楽がガラッと変わります。激しい調子になるのですが、ここからの私の声の使い方に注目して欲しいですね。クリングゾル、ドン・ピッツァロ、そして1号を歌ってきた役の真骨頂、ドスの効いた歌をお楽しみ下さい。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より クリングゾル役 (撮影:三枝近志)


――お客様には、友清さんの抒情的な歌と後半のヴィラン・ヴォイス、その両方をご堪能いただきたいと思います!
さて、ワーグナーのオペラというと、長大で哲学的で難解…というイメージがどうしてもあって、苦手な方も多いと聞くのですが、友清さんが考えるワーグナー・オペラを好きになるコツを教えてください。


友清: 分かりやすくいえば、ワーグナー作品の魅力の大半は序曲、間奏曲、そして合唱曲になると思います。先ずそこを楽しみにされて、さらにお目当ての歌手の歌唱に興味を持たれていれば、時間が長く感じることはありません!

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2016年9月 東京二期会オペラ劇場『トリスタンとイゾルデ』より クルヴェナール役 (撮影:三枝近志)


――2021年公演もビーテロルフ役で出演していました。キース・ウォーナー演出の『タンホイザー』の特徴を教えてください。

友清: 今回の演出で特徴的なのは、良く動くということです。
我々騎士達の登場シーンは先ず1m50cmくらいの所から飛び降ります。内心はメチャクチャ怖いです。落ちる音がドス、ドスと聞こえます。出番直後、歌う前に捻挫なんてことにならないようにしなければなりませんね。落下後も、舞台を右に左に後ろに前に動きまくります。 運動不足気味の歌手は息が荒くなっているのをおさえている様子です。
2幕の歌合戦の前も合唱団は椅子を頭の上に持ち上げ、動き回ります。ソリストも前に行ったり後ろに行ったりと、特にヴァルターとビーテロルフのソロは直前で走っているので、大変そうですね。

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2022年7月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より クリングゾル役 (撮影:西村廣起)


――体力のある友清さんなら大丈夫かと思いますが、どうかお気をつけて! 同じヴォルフラム役の大沼徹さんの印象はいかがでしょうか。

友清: これまでにも多くのドイツオペラで共演させてもらっています。その中で特に印象的なのはクラウス・グート演出の『パルジファル』(2012)で大沼さんが演じたアムフォルタスですね。私はクリングゾルとは兄弟関係の設定の演出になっており、最後2人が並んで座り互いに無言の中、私が彼の膝に軽く手をあて終幕になるシーンは忘れられません。

――なんとも痛切というか、やるせないというか、言葉に表すのが難しい名シーンでしたね(写真2枚目参照)。

友清: 大沼さんも私も、初めてのワーグナーのオペラ出演だったかと思いますが、指揮者の飯守泰次郎先生の幾度にわたるマンツーマンの指導を受けた経験はヴォルフラム役に多いに生かせていける事と思います。

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2023年11月 東京二期会オペラ劇場『午後の曳航』より 1号役 (撮影:寺司正彦)


――最後に、お客様に意気込みをお願いいたします。

友清: 1988年2月東京文化会館で二期会が『タンホイザー』を公演いたしました。
参考「公演情報 - 二期会オペラ公演《タンホイザー》 | 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター」
この公演はテレビ放送されており、そのビデオ映像を今回のタンホイザー役の片寄さんから15年くらい前にお借りした事があります。あまりにハイクオリティーな公演です。我々出演者たちから見ると師匠にあたる世代の公演になりますが、私にとっては特にヴォルフラム役の木村俊光先生の歌唱は度肝を抜かれました。四半世紀前の学生の時、「夕星の歌」をはじめヴォルフラムのソロにあたる曲をレッスンしていただきましたが、その楽譜を先日発見しました。よく見ると先生の書き込みらしき文字もありました。こと細かな指導についていけず、落ちこぼれな自分が、まさかこの役を私が二期会公演で歌うなんて正直思ってなかったでしょう。試験前の門下の歌い合いでも先生を不機嫌にする始末。後でソプラノの先輩に、「夕星の歌」はとても好きだから上手に歌ってね、と温かい励ましを受けた事を思い出します。なので頑張りたいと思います!(笑)

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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00、29日(木)14:00*、3月2日(土)14:00、3日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…ヴォルフラム役 友清 崇 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [5]エリーザベト役:ソプラノ渡邊仁美

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー第5弾は、エリーザベト役ソプラノ渡邊仁美です。
今回同役の梶田真未とともに二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』題名役で二期会デビュー。
『サロメ』、『ルル』の題名役のカヴァーを務めた後、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズR.シュトラウス『平和の日』に主役のひとりマリアに抜擢され高く評価されました。
そして、今回初のワーグナー作品でのヒロイン・デビュー。公演を前に話を聞きました。

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エリーザベト役:渡邊仁美(ソプラノ)


――エリーザベトは今回初役かと思います。どんな役でしょうか。どんな人物と思われますか?

渡邊: 素直で、純粋で、とても強い人です。溢れる喜びを表現したり、無邪気な反応を見せたりもしますが、愛する人のために戦い、祈り… 理由はどうあれ、その行動力は、現代の女性にも共感できる部分が多いのではないかと思います。ただ綺麗なだけではない、魅力的な女性です。

――純粋で強い人という人物像は、今回ダブルキャストで同役の梶田さんからも聞きました。二人は学生時代からの友人であるそうですが、梶田さんの印象もお聞かせください。

渡邊: 梶田さんは実は大学の同級生なんです!
たくさんの思い出があって、とても語り尽くせないのですが…梶田さんは努力家で、ちょっと天然で、面白い人です。
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』でもダブルキャストで出演させていただきました。アルチーナ役のときもそうでしたが、今回も本当に楽しく一緒に稽古を重ねています。
幸せです。

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2018年5月 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』より アルチーナ役 (撮影:三枝近志)


――一緒に学んできた二人で、舞台のキャリアも一緒に重ねていけるというのは、実は貴重なことではないかと思います。「幸せです」という言葉に、実感がこもっているように感じました。さて、エリーザベト役に取り組んでみて、ワーグナーのオペラの特徴といいますか、意外にも思われたことなどはありますか?

渡邊: タンホイザーの登場人物はとても人間的で、しかも現代でも共感できる性質を持っていると感じます。また、多くのオペラはいつも急な展開を見せますが、ワーグナーはそれがもっと現実的な時間軸に近いというか…リアルなタイミングで感情が動く、そんな感覚があります。

――確かに、友情と片想いに悩むヴォルフラムもリアルな感情ですし、、第2幕で「綺麗ごと並べてんじゃねえ」と爆発するようなタンホイザーの感情もロックで現代的ですね(ダメですけど)。また、稽古を重ねてきて、この演出の魅力を教えてください。

渡邊: ワーグナーが書いたエリーザベトの台詞は、感情や目的、信念がはっきりしています。もちろん音楽によってそれが最大限に表現されているのですが、それをまた更に深めてくれる演出です。余計な情報は無く、エリーザベトという人を全力で生きることができる、それが私にとって最大の魅力です。

――最後に、お客様に意気込みをお願いいたします。

渡邊: 私にとって大きな挑戦となる初役ですが、素晴らしい環境に恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいです。ワーグナーの総合芸術を存分にお楽しみいただける舞台になることと思います。是非多くの方にご覧いただきたいです。劇場でお待ちしております!

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2023年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『平和の日』より マリア役 (撮影:堀 衛)


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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00*、29日(木)14:00、3月2日(土)14:00*、3日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…エリーザベト 渡邊仁美 出演日

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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [4]エリーザベト役:ソプラノ梶田真未

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー第4弾は、エリーザベト役ソプラノ梶田真未です。
東京二期会では、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』の題名役でデビュー。その後、第19回東京音楽コンクール声楽部門第1位を受賞、オペラでも『魔弾の射手』アガーテ、『蝶々夫人』題名役のカヴァーを経て、この度ワーグナー・オペラのヒロインに!本公演に向けて、話を聞きました。

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エリーザベト役:梶田真未(ソプラノ)


――エリーザベトは今回初役ですね。どんな人物像を描いていますか?

梶田: エリーザベトは、真面目で清純ですが、愛については誰よりも強く深い想いを持ち、それを守るためなら屈強な男たちにも屈さず、誰よりも強くなれる人物です。
愛する人のためには、自分を犠牲にする事だって厭いません。
愛する人がどんなに悪いことをしたとしても、その人のことを愛しきるというところに、彼女の他にはない魅力を感じます。

――本当に強い意志を持った人ですね。そんな梶田エリーザベトの聴きどころを教えてください。

梶田: 彼女の愛は、短い物語の中で様々に変化します。それをヴァーグナーは、分厚い巨大な音楽の波を用いたり、一本の細い筆を用いたり、あらゆる方法で繊細に表現しているのです。
劇中には彼女が思いの丈を綴る箇所が4箇所ありますが、そのどれもが違う描かれ方をしています。嵐のように変化していく彼女の愛の形と音楽は、このオペラの大きな魅力の一つだと思います。

――タンホイザーに対して一途ではあるけれども、その中で様々な想いが喚起され表現されているというのは驚きです。ワーグナーのオペラというと哲学的で観念的なイメージもありますが、今のお話を聞くと、やはり人間らしさを描いていると思えますね。実際にワーグナーの音楽に取り組んでみていかがでしょうか。

梶田: ヴァーグナーの音楽と言葉には、非常に密接な結びつきがあります。言葉の抑揚がメロディに細かに反映されており、言葉を正確に扱えないと音楽を捉え、表現することが非常に難しいのです。そういった点では、ヴァーグナーはごく自然に、感情のままに書いていたのではないか、と感じる時があります。だからこそ、私が苦戦しているのはこういった部分で、言葉と結びつける事の難しさを日々感じています。

――ワーグナーの大きな旋律も、ドイツ語の響きから自然に生まれいるのですね。私たちはそれに身を委ねて聴きたいと思います。さて、稽古を重ねてきて、今回の演出の魅力をどのように感じているでしょうか。

梶田: 登場人物たちの抱える感情は、この物語のタンホイザーだから、とかエリーザベトだから、とかではなく、多くの人が抱えたことのある悩みではないのかなと思っています。ヴァーグナーにも同じような悩みがあり、それを作品に込めていたと思います。
今回の演出は、こういった迷いや葛藤といった心の動きをいかに表現するか、というところに重点を置いています。それらを観ていただく皆様にも共感して頂けるように、精一杯演じたいと思います。

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2018年5月 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』より アルチーナ役 (撮影:三枝近志)


――今回のダブルキャストの同役は渡邊仁美さんです。渡邊さんの印象をお聞かせください。

梶田: 仁美ちゃんは大学時代の同級生でした。こうして同じ役を演じることが出来て、とても嬉しく思っています。さらに『アルチーナ』で、共にアルチーナ役をダブルキャストで演じた仲間でもありますので、勝手にすごく縁を感じています(笑)
昔から仁美ちゃんの歌を知る者として、豊かな声と美しい歌唱が、清純で芯の通ったエリーザベトというキャラクターにぴったりだと思っています。

――二人の競演を多くの方に観て聴いていただきたいと思います!ぜひダブルキャスト両日とも! 最後に、お客様に意気込みをお願いいたします。

梶田: エリーザベトに少しでも近づけるよう真摯に向き合いたいと思います。そして皆様にお楽しみいただけるように精一杯努めます!

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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00、29日(木)14:00*、3月2日(土)14:00、3日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…エリーザベト 梶田真未 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [3]タンホイザー役:片寄純也

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー3人目は、タンホイザー役のテノール片寄純也です。
「日本人では貴重なヘルデンテノール」と言われ、早くから『パルジファル』タイトルロール、『サロメ』ヘロデ王など大役を歌いきってきた片寄純也ですが、もちろんその実際は努力の人物。身体を鍛え上げ、体重も増やし、ビルドアップして「獲得」した唯一無二の「楽器」をもって、2021年に続いての『タンホイザー』のタイトルロール。今回はサイモン・オニールとのダブル主演となり、その心境含めて、話を聞きました。

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タンホイザー役:片寄純也(テノール)


――タンホイザーはどんな役でしょうか?

片寄: タンホイザーは、良く言えばアグレッシブ、悪く言えば自分勝手な人ですね(笑)
現状に満足することをせず常に新しい刺激を求め行動を起こす猪突猛進型のタイプですが、反面、素直な所も持ち合わせていると思います。

――血気盛んな青年。ワーグナーのオペラはあまり登場人物の年齢を気にかけることが比較的少ないように思われますが、『タンホイザー』は他の作品と比べて青春群像っぽいところはありますね。そんな猪突猛進なタンホイザーの聴きどころを教えてください。

片寄: 序曲から最後まで全部です!
個人的に好きなのは3幕1場のエリーザベト、ヴォルフラム、巡礼のコーラスのシーンです。
タンホイザー役の聴きどころとしてはやはり3幕の長大なローマ物語ですね。ヴォルフラムにこんなにたくさん聞いて欲しいことがあったの?って歌っていて思います(笑)

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より タンホイザー役(左) ((C)Lasp Inc.)


――ふたりの友情と、ヴォルフラムを本当に信頼しているのだな、というシーンですね。ここまで話を伺っていると、長大で難解イメージがついてまわるワーグナーですが、そうでもないと。

片寄: 確かにワーグナー作品は長大で難解ですよね。
私も実際に歌ってみて「リング」や『パルジファル』は特に難解だと感じましたが、『タンホイザー』に関しては〈愛〉〈死〉〈救済〉がわかりやすく、初めてワーグナーを鑑賞される方には理解しやすい作品ではないかと思います。

――今回2回目となるキース・ウォーナー演出についてはいかがでしょう。

片寄: 2021年にも歌わせていただきましたが、その時はコロナ禍で密になることを制限され、稽古場でも常にマスクをつけての歌唱だったのでとにかく不自由でした。今回は制限もなく細やかな演出になり、より密に絡めるようになったので視覚的にもお客様に楽しんでいただけるのではないかと思っております。

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より テノール歌手/バッカス役 (撮影:三枝近志)


――そして、今回ダブル競演はサイモン・オニールさんですが、印象を聞かせてください。

片寄: デカっと思いました(笑) やはりヘルデンテノールは皆さん大きいですね。
そういうお前もだろ?って現場で突っ込まれてますが(笑)

――お客様にはぜひ両組でヘルデンテノールの競演を楽しみにしていただきたいと思います。最後に、お客様に向けて、本番への意気込みをお願いいたします。

片寄: タンホイザーはワーグナーの中ではわかりやすい作品ですが、長大であることには変わりません。タンホイザー役はとにかく膨大な歌唱量でエキスパンダーを延々と続けるような忍耐力と強靭なスタミナを求められる難役ですが、最後まで歌いきれるよう「闘魂込めて」頑張ります。ちなみに巨人のファンではありません(笑)

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より パルジファル役 (撮影:三枝近志)



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▼『タンホイザー』公演情報ページはこちら
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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00、29日(木)14:00*、3月2日(土)14:00、3日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…タンホイザー 片寄純也 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [2]ヴェーヌス役:林 正子

2月28日、東京文化会館大ホールで初日を迎える、ワーグナー『タンホイザー』。
二期会キャストのリレー・インタビュー2人目は、ヴェーヌス役のソプラノ林 正子。
東京二期会では、昨年秋ヘンツェ『午後の曳航』房子役に続いての出演となりました。東京二期会では、ワーグナー、R. シュトウス作品で欠かせない存在となっています。どの役を担うときでも、深い洞察と心情に裏付けされた表現で、決してステレオタイプな人物にならず、物語に奥行きを与えています。今回もエリーザベトの聖なる愛に対立する欲望の愛を司るヴェーヌス役ですが、林が演じる「愛の神」とは?公演に向けて話を聞きました。

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ヴェーヌス役:林 正子(ソプラノ)


――ヴェーヌスとは、どのような役、どのような人物でしょうか。

林: 『タンホイザー』の出演者で、唯一の神様枠であるヴェーヌスですが、意外と人間感覚の持ち主です。
ハインリッヒと自分が構築した関係性に自信を持っていて、恐らく、自分の王国から彼が出て行きたいと思う日が来るとは想像もしたことがないのではないでしょうか。最初は自信たっぷりのヴェーヌスが、その心情をどのように変化させていくのかが、今回の聴きどころだと思います。個人的には、非常に人情(?!)に篤いこの女神さまのファンです、はい。

――『タンホイザー』って、神様側が「欲望」担当で、エリーザベトという人間側が「聖」担当という時点で、「この話、一筋縄ではいかないよ」宣言をされている感じがしますね。ワーグナーの作品は難しいと思われがちですが、林さんはどのように感じていますか?

林: 確かに、イタリアオペラのお話と比べると、ワーグナーのオペラは神々が登場する機会が多いため、親近感を持つのは難しいですよね(そもそも、神々の日常生活やルーティーンって何だろうか?)。
ところが、彼らが話している内容を聞いてみると、結局人間と同じことを言っています。あ、決して、ワーグナーの想像力欠如を指摘しているわけではありません。この『タンホイザー』の冒頭のハインリッヒとヴェーヌスの会話も、結局は「婦系図」ばりの痴話シーンであったりして、すんなり理解できる内容となっております。ワーグナーのオペラのお話は意外に難しいものではありません。

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2023年11月 東京二期会オペラ劇場『午後の曳航』より 黒田房子役 (撮影:寺司正彦)


――まずは、神々を畏れすぎずに観ることが、コツのひとつ、といえるでしょうか? さて、すでに何度か稽古を重ねてきて、今回のキース・ウォーナー演出の魅力を教えてください。

林: 何よりも先ず、舞台が美しいです。
ヴェーヌスの館は、19世紀末のメゾンクローズ(*高級娼館)を想定しているとの説明を受けました。
この設定ですと、感情の想像がしやすく、この演出家の特徴である「感情の掘り下げ」が容易にできるのではないかと。
ダンサーさんたちの使い方が、とても効果的で贅沢です。実は、ダンサーさんたちに担いでもらっての登場で、長いこと歌っていますが、登場も退場も自分の足を使わないことは初めての経験です。彼らの腰を守るため痩せよう、と決意。

――そうなると、ヴェーヌスは19世紀パリの高級娼婦にも重なる存在になりますね。『椿姫』ではないですが、ヴェーヌスがヒロインとなる物語だって、タンホイザーの物語とともに展開しているはず。やはり一筋縄ではいかなそうですね。
林さんとともに、空飛ぶヴェーヌスのダブルキャストは土屋優子さんですが、オペラで一緒になるの初でしたでしょうか。土屋さんの印象をお聞かせください。


林: 素晴らしい声の持ち主です。彼女の声なら、劇場の隅々まで声が届くことは間違い無いです。
お名前の通り、とても優しい方で、お稽古場ではいつも和ませて頂いております。
Merci,優子さん!!!

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2018年2月 東京二期会オペラ劇場『ローエングリン』より エルザ役 (撮影:三枝近志)


――最後に、お客様に、本番への意気込みをお願いします。

林: 今回のこの『タンホイザー』は、まさにThe Operaだと思います。
つまり、美しい非日常への誘いです。
寒さ厳しい折ではございますが、身も心もホットになるプロダクションです。
アーティスト一同、劇場にてお越しをお待ちしております!

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より プリマ・ドンナ/アリアドネ役 (撮影:三枝近志)



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▼『タンホイザー』公演情報ページはこちら
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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00*、29日(木)14:00、3月2日(土)14:00*、3日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…ヴェーヌス 林 正子 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [1]ヴォルフラム役:大沼 徹

2013年フランス国立ラン歌劇場にてワールドプレミエを迎えた、キース・ウォーナー演出によるワーグナー『タンホイザー』を、東京二期会は2021年に続いて上演!豪華な「パリ版」に準拠してお披露目いたします。
ニュージーランドの英雄テノール、サイモン・オニールも仲間入りして、連日の稽古が続いています。

二期会キャストのリレー・インタビューもスタートしましょう!
最初は、ヴォルフラム役のバリトン大沼 徹(先頭打者からホームラン王の風格!)。
思えば2010年『オテロ』イアーゴが激賞されてから第一線の活躍が続き、今や日本を代表するバリトンの一人。特に東京二期会では『パルジファル』『トリスタンとイゾルデ』『ローエングリン』『サロメ』とドイツオペラの大役が続き、ヴォルフラムは、2021年公演に続いての出演となりました。
飄々としながら(自然体?)、ここぞというときに的確に核心を突くスタイルは、その豊かな歌唱にも普段のまなざしにも表れるようです。公演に向けて話を聞きました。

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ヴォルフラム役 大沼 徹(バリトン)


――2021年に続いての出演となりました。 ヴォルフラムはどんな役でしょうか。どんな人物と思われますか?

大沼: タンホイザーへの友情と、エリーザベトへの恋愛感情に板挟みにされて、にっちもさっちも行かない人ですよね。絶対胃薬が手放せない奴だと思います。

――友情と恋愛感情の板挟み…ヴォルフラムに共感してくれる男子は多いのではないでしょうか。タンホイザーもエリーザベトも、ヴェーヌスも、ある意味常人離れしているところがありますものね。それでは、大沼ヴォルフラムの聴かせどころを教えてください。

大沼: そりゃあやっぱり「夕星の歌」だと思います。ちなみに、「夕星」って「ゆうづつ(*)」って読むらしいんですよね。40過ぎるまで「ゆうぼし」だと思ってました。まあ、どうでもいいんですけどね。

――われわれ業界内では、なぜか「ゆうぼしのうた」で定着してしまっていますね……。さて、大沼さんはこれまで数々のワーグナー作品に出演してきましたが、携わってきた中で、発見された「ワーグナーあるある」があれば教えてください。

大沼: ワーグナーの稽古をしている期間って、何故か性的な夢を見ることが多いんですね。
ワーグナーの甘美な、そして官能的な音楽がそうさせるのでしょうか。もしくは単に僕がおかしいのでしょうか。

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より ヴォルフラム役 (©Lasp Inc.)


――ヴォルフラムのところにもヴェーヌスの誘惑が、毎晩スピンオフでおこなわれていると。それだけ、ワーグナーの感情を揺さぶる音楽に浸っているということでしょうか。前回も舞台に立たれたキース・ウォーナー演出ですが、今回の舞台の魅力について、教えてください。

大沼: ワーグナーにおいてとても重要なテーマ「救済」の形が、様々な解釈を許容する形で提示されるところでしょうか。演ずる上では切なかったり,やるせなかったりするんですけど、だけど、とっても美しい舞台だと思います。

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より ヴォルフラム役 (©Lasp Inc.)


――欲望と救済という二項対立では語りつくせないところまでテーマを掘り下げている、とも言えるでしょうか。各シーンの色彩の変化も美しいですよね。本番に向けた意気込みをお願いいたします。

大沼: 混迷の時代にあって、我々歌うたい達は、生の歌を劇場に取り戻す事に全力を掛けてきました。奇しくも2幕には劇中劇として歌合戦が繰り広げられますが、そこには歌合戦以上のものが投影される筈だと確信して、目下稽古に励んでいます。劇場でお待ちしております!

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2016年9月 東京二期会オペラ劇場『トリスタンとイゾルデ』より クルヴェナール役 (撮影:三枝近志)


――前回公演がコロナ禍の真っただ中でした。今回の公演で、復活の想いをお客様にお伝えで来たらと思います。ありがとうございました。
稽古場では、ダブルキャストの友清 崇さんと一緒に稽古中と思いますが、最後に、友清さんの印象もお聞かせください。


大沼: もう、あれですね、ジャッキー・チェンにしか見えないんですよね。


(*)…「夕星」ゆうづつ:夕方、西の空に見える金星、宵の明星(みょうじょう)のこと。「ゆうつづ」とも読みます。

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▼『タンホイザー』公演情報ページはこちら
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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00*、29日(木)14:00、3月2日(土)14:00*、3日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…ヴォルフラム 大沼 徹 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [6]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。

出演者リレー・インタビュー最後を飾るのは、ソプラノ保科瑠衣。
サントリーホール オペラ・アカデミー第1期生。イタリア国立パルマ音楽院声楽科を首席修了して、現在も同古楽科に在籍中。フィレンツェ歌劇場管弦楽団、フィラルモニカ・トスカニーニ、イ・ソリスティ・ヴェネティ等多くの楽団と共演を重ねています。
古楽のエキスパートとしてキャリアを重ねつつある保科が今回選んだのは、モーツァルト『ポントの王ミトリダーテ』より「脅かす運命に」。煌びやかなコロラトゥーラの1曲を前に、話を聞きました。

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ソプラノ保科瑠衣(ほしな るい)


――オペラ歌手になろうと決意したのはいつでしたか?

保科: 小学四年生のときです。

――それは早いですね!それはどんなきっかけ、出会いがあったのでしょうか?

保科: 当時所属していた児童合唱団のメンバーとして新国立劇場で公演された『ヘンゼルとグレーテル』に出演したことがきっかけで、総合芸術であるオペラの素晴らしさに魅了されたからです。

――オペラ・デビューでオペラの道を決めたのですね!小学校4年生で新国のステージに立ったこともすごいですが、その後、イタリア・パルマに拠点を置かれました。文化庁の新進芸術家海外研修制度を利用しようとしたきっかけは何でしたか?

保科: 大学の尊敬する先輩方がこの制度を利用し海外へと飛び立ち、その後素晴らしいキャリアを築き上げてらっしゃったことに憧れたことがきっかけです。

――先輩と同じように、大切にキャリアを重ねられることを願っています! 今回モーツァルト『ポントの王ミトリダーテ』からアリアを選ばれた理由を教えてください。

保科: 私のイタリアでのキャリアを始めるきっかけとなったオペラの作曲家がモーツァルトだったのですが、それ以来いつも大事なコンサートやオーディションでモーツアルトの作品を歌ってきました。
今回この素晴らしい舞台でも私にとって大切な作曲家であるモーツアルトの楽曲を歌いたいと思っていたところにこの華やかなアリアを知り、今回のコンサートにピッタリだと思い選びました。

――実は保科さんが今回の演奏会の先頭打者になります! このアリアの聴きどころ、保科さんにとっては歌いどころを、ひとつあげるとしたら?

保科: たくさんのアジリタ(細かく速い音符の連なり)と、幅広い音域です。あっ!ひとつじゃなくなってしまった!

――きっともっとあるんだと思います! 保科さんにとっての、歌の道歩んでいくための座右の銘とは?

保科: 人事を尽くして天命を待つ。

――イタリアで活動される保科さんだからこそ、重みのある言葉だと思います。歌手を目指す後輩の人たちに向けてメッセージをお願いします。

保科: 若いうちになんでも挑戦しやってみることが大切だなと年を重ねた今痛感しています。
恐れずにどんどん挑戦していってください!
そして、若いうちにどんどん海外に挑戦してください!

――今後もグローバルに活躍されることを願っています! 最後に、演奏会に向けての意気込みをお願いします。

保科: イタリアで学んだことを100%発揮できるよう、マエストロ角田と東京フィルハーモニー交響楽団のみなさまのお力を借りて精一杯演奏いたします!

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先日行われた東京フィルハーモニー交響楽団との歌合せにて
(左から)井上大聞、上島 緑、野町知弘、平野柚香、保科瑠衣、内山建人、指揮・角田鋼亮


240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [5]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。

出演者リレー・インタビュー5番目は、バリトン内山建人。
大阪府出身で、学生時代から関西歌劇団、関西二期会の公演に出演。びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーとして活躍した後、ベルリンへ。ベルリン・コンツェルトハウスやベルリン・ドイツ・オペラの舞台を経験。彼の地でベートーヴェン「第九」、シューベルト「美しい水車小屋の娘」を披露し認められた逸材は、この度ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』よりハンス・ザックスの「ニワトコのモノローグ」を持って東京に。本番前の意気込みを聞きました。

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バリトン内山建人(うちやま けんと)


――オペラ歌手、声楽家になろうと決意したのはいつでしたか?

内山: 歌の道で生きていこうと決めたのはおそらく22歳の時です。

――22歳というと、多くの大学生がちょうど就職先を決める時期ですよね。内山さんにはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

内山: 大学院入試に臨む過程で決意が固まりました。院試の後に、自分はこの道で生きていくんだという思いを、初めて肩肘張らずに自然に受け入れられた気がしました。その時にできる自分の歌を歌えた実感があり、それが素直に嬉しかったんだと思います。

――自分の歌を歌えた実感とはなんとも得難い体験ですね。その道を邁進するように、ドイツ・ベルリンに向かうことになるのですが、新進芸術家海外研修制度を利用しようとしたきっかけは何でしたか?

内山: 自分のすべきことに、真正面から向き合える期間を作るためでした。おかげさまでベルリンを拠点に様々なことに思い切って挑戦できました。

――海外では、自分の道に余計な情報を入れなくて済む、というメリットもありますね。今回の演奏会では、ハンス・ザックスの歌を選ばれました。選曲理由を教えてください。

内山: 師匠がワーグナー歌手だったこともあって、研修中によくレッスンで歌った曲です。ハンス・ザックスはバス・バリトンなら誰もが夢見る大役ですが、若手にはまず回ってきませんし、100%まだ早いと言われる役です。しかし、この「ニワトコのモノローグ」に限って言えば、シューベルトのようなドイツ歌曲に源流を持つ繊細な曲想で、今の自分の声でも音楽的にアプローチできます。何よりオーケストラと歌えるならこれほど豊かで美しい曲はないと思い選曲しました。

――この曲の聴きどころを教えてください。

内山: 例えば“Wie Vogelsang im süßen Mai!(まるで優しい5月の小鳥のさえずりのようだった!)”という歌詞とそれに伴う音楽に、ザックスが感じた、若く才能溢れるヴァルターの奔放で荒削りな歌を聞いた時の新鮮な感動、若さへの憧れ、そしてかつての自分への郷愁など色んな想いが同時に重なって表現されているように、どの瞬間も常にいくつかの文脈で読み解けるつくりになっているところが好きです。そこも歌曲的だなと思います。

――ドイツの芸術歌曲の要素が詰まった一曲なのですね。さて、内山さんが歌の道を歩んでいくにあたって、座右の銘があれば、教えてください。

内山: ありきたりですが「一期一会」です。どんなことを成し得ても、結局のところは今日これから歌う音楽が全てだと思いますし、音楽でも人でも、日々の新たな出会いが自分を成長させてくれます。

――内山さんのこの度のステージ、その一期一会を多くの方にお聴きいただきたいと思います。歌手を目指して、これから海外へ飛びたとうとする後輩の人たちに向けてメッセージをお願いします。

内山: 僕もまだまだひよっこなので何も言えませんが、同僚になる皆さんと一緒に歌えるときを楽しみにしています!

――後輩の皆さんとも一期一会重ねていきたいですね。そそれでは、最後に、演奏会に向けての意気込みをお願いします。

内山: 東京で、オーケストラで歌わせていただけるという貴重な機会を、精一杯楽しめるよう準備して参ります。素敵な音楽を共有できることが今から楽しみです。

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240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [4]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。

出演者リレー・インタビュー4番目は、ソプラノ平野柚香。
栃木県那須塩原の出身。ミラノ・スカラ座、バイエルン州立歌劇場の両研修所でも研鑽を積み、文化庁新進芸術家海外研修制度では、イタリア・ミラノ、スイス・ルガーノで本場の空気を吸い込んできました。現在は二期会会員として、すでに国内で活躍の場を広げています。ヴェルディ『椿姫』ヴィオレッタのアリアを用意して、本番前の意気込みを聞きました。

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ソプラノ平野柚香(ひらの ゆずか)


――オペラ歌手になろうと決意したのはいつでしたか?

平野: 実は少し遅いのですが、はっきり「目指したい」と感じたのは大学2年生の時です。

――オペラ歌手の道が強い決意に変わった瞬間ですね。それはどんな体験だったのでしょう?

平野: 新国立劇場で上演されていた『夕鶴』を観に行ったことがきっかけです。日本の歌手たちの力強い歌唱と美しい所作、神秘的な雪景色に感動したことを今でも思い出します。

――深い感動が原動力になったのですね。そして、文化庁の新進芸術家海外研修制度でミラノ、ルガーノに渡ることになります。そのきっかけは何でしたか?

平野: 新国立劇場オペラ研修所の2年目にイタリア・ミラノで研修させていただいたのですが、それが私にとって初めての「海外」でした。世界の素晴らしい歌手たちや文化、日本では経験できない学びが多くあることを痛感する3週間となり、「いつか必ず戻ってくる」と決心し日本へ帰国しました。

――貴重で大切な一年間の研修だったと思います。その成果が詰まった曲として挙げられたのが、オペラ・ファンなら知らない人はいない、名アリア中の1曲でした。この曲を選ばれた理由を教えてください。

平野: 研修中イタリア・ミラノに滞在していたのですが、ヴェルディという作曲家はイタリア人にとって象徴とも言える作曲家です。1年間の研修の成果をお見せするにあたり、これほどふさわしい曲はないと感じております。

――これぞイタリアという空気、血気、芸術を聴かせていただきましょう!さて多くの人が知っているこのアリアですが、平野さんにとって「ここを聴かせたい!」というところを教えてください。

平野: 前半の美しいメロディ、後半の華やかなアジリタなど聴きどころ満載の名曲です!その中でも私は中間部、《哀れな女!独りで見捨てられるのよ》と自分の運命に抗うシーンに魅力を感じています。その後に続く「花から花へ」の中にもこの悲しみや絶望の見え隠れを感じていただけるよう歌いたいです。

――歌の道を歩んでいくにあたって、もし座右の銘があれば、教えてください。

平野: かっこいい言葉を考えたのですが思い浮かびませんでした(笑)。 常に意識しているのは「一期一会」でしょうか。音楽は言葉の違う人々をも繋ぐことのできる唯一の言語です。出会った人々との縁を忘れず、大切な人たちに音楽を届けられる人間でありたいと思っています。

――演奏上でも器楽や他の声種とのアンサンブルがありますし、舞台にたどり着くまでの多くの人々との関わり合いがありますよね。どのような言語でも、人間の感情や想いが伝わるのが、オペラのすごさのひとつと言ってもよいかもしれません。同じく、これから海外研修を目指す後輩の人たちに向けても、メッセージをお願いします。

平野: といっても私もまだ夢の途中なのですが……(笑)。音楽は一人では成り立たないものだと思っていますが、練習は常に孤独なものです。どうかその苦しみに負けず、自分と向き合う時間を大切にしてください。悩んだ分だけ答えてくれるのも、また音楽の素晴らしさだと私は思います。

――「一期一会」と「孤独との向き合い」…深い言葉ですね。 最後に、演奏会に向けての意気込みをお願いします。

平野: 素晴らしい共演者の皆様とオペラシティコンサートホール、楽しんで歌います!どうぞ暖かい格好でお越しください。会場でお待ちしております!

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240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [3]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。
その出演者をリレー・インタビューでご紹介してまいります!

3番目は、バリトン井上大聞。
京都府出身。イタリアのボローニャに飛び、かの「キング・オブ・ハイF」と称されるウィリアム・マッテウッツィの薫陶を受け、ロッシーニ、ドニゼッティなどイタリアのベルカントを磨き続けてきました。今回演奏するアリアも、ロッシーニ『絹のはしご』よりジェルマーノのアリア「愛を穏やかに」。
本番を前に、話を聞きました。

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バリトン井上大聞(いのうえ たもん)


――オペラ歌手になろうと決意したのはいつでしたか?

井上: オペラ歌手を目指すきっかけとは少し違うかもしれませんが、音楽の道に興味を持ったのは小学校の頃でした。

――小さい頃の「出会い」って大切なんですね。井上さんの「出会い」は何だったのでしょうか。

井上: 小学生のころ、音楽の授業の試験で一人ずつ前に出て歌うというものがありました。他の子たちが恥ずかしがって小さな声で歌うのを見て、子どもながらにそれを「ダサいな」と感じたのを覚えています(笑)。
そこで、下手だろうがなんだろうが、大きな声で歌ったほうが絶対いい!と思い歌ってみたところ、とても評判がよく、「もしかして自分は歌が得意なのかな…?」と思い込み始めたのが全てのきっかけだったように思います。

――私たちって小さいころから「うまくできないこと」への恥ずかしさを持ってしまいがちですけど、そこを軽々飛び越えていった井上さんだからこそ、道が開けたのですね!
そして、文化庁の新進芸術家海外研修制度を利用しようとしたきっかけは何でしたか?


井上: ずっと海外で勉強してみたいという憧れがあって、新国立劇場オペラ研修所を修了する際に、自身の年齢的にも技術的にも海外研修するのに適しているなと思い、また、2年間自分の習いたい師匠の元で集中して勉強できる制度はこれしかないと思い、申請しました。

――そして今回歌われるのが、ロッシーニの『絹のはしご』。この曲を選ばれた理由はなんでしたか?

井上: 研修2年目に参加したボローニャ歌劇場アカデミーのロッシーニ歌手専門のコースにて、『絹のはしご』のジェルマーノを演じさせていただきました。なかなか演奏されることのない曲ではありますが、今回の研修で学んだ事や得た経験が存分に発揮できる曲目だと思い選曲させていただきました。

――研修の成果を感じながらも、楽しい時間になりそうです。このアリアの歌いどころを教えてください。

井上: ジェルマーノのまぬけながらも愛らしい魅力が存分に詰まっている一曲です。特に後半のロッシーニらしい早口のフレーズは歌っていて楽しくなります!間に登場するブランサック役には、研修制度の先輩である野町知弘さんにお願いいたしました。今からご一緒できるのが楽しみでなりません!

――共演もこれまた楽しみです!今までのお話から、明るく、積極的に、歌の道を歩まれてきた印象がありますが、大切にしている、座右の銘があれば教えてください。

井上: 本当に、ほんとうに、歌い手にとって、体調管理は非常に大切ですので、 “よく食べてよく寝る” でしょうか(笑)

――よく歌える!その楽器をこれからも大切にしてください。それでは、これから海外研修を目指し、歌手を志す後輩の人たちに向けて、メッセージをお願いします。

井上: 自分にとって2年間の海外研修は、歌のことだけでなく全てにおいて大きな転換期となりました。少しでも興味がある人は、ぜひ一歩踏みだしてほしい。自分の世界が大きく広がるはずです!

――小学生の最初の一声から決まったような井上さんの歌の道。これからも期待していきます。最後に、演奏会に向けての意気込みをお願いします。

井上: 本当に素晴らしい体験させて頂けた新進芸術家海外研修制度の成果を発表するためにまたとない機会をいただくことができました。ご一緒させていただく角田マエストロ、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様と共に、お楽しみ頂けるよう全力で臨んで参ります!

*      *      *


240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/27(土)開催「二期会ニューイヤーコンサート2024」出演者からのメッセージ #3

1月27日(土)開催!二期会の精鋭による「二期会ニューイヤーコンサート2024~オペラに酔いしれて」。開催がまもなくに迫っております!
総勢37名の二期会アーティストが渋谷区文化総合センター大和田さくらホールに集い、ニューイヤーコンサートに相応しい華やかなステージを繰り広げます。

先週に続き公演に向けて出演者からメッセージが続々届いておりますのでご紹介してまいります。

      *      *      *


【Part1出演】
■國光ともこ(ソプラノ)
<マスネ『エロディアード』より “美しく優しいきみ”>
kunimitsu_tomoko_n.jpg *出演メッセージ
このたび二期会ニューイヤーコンサート2004への出演が叶い、大変嬉しく心躍る思いです。
今回歌わせていただく曲は、デビュー公演のマスネ「エロディアード」からサロメのアリア、私にとって大変印象深く大切な作品です。再びステージで皆さまに聴いていただける日を今から楽しみにしております。
ご来場を心よりお待ち申し上げます。
【Part1出演】
■髙品綾野(ソプラノ)
<ビゼー『真珠採り』より レイラとズルガの二重唱>
1_takashina_ayano.jpg *出演メッセージ
セイロン島(現在のスリランカ)の海辺の村が舞台なのですが、偶然にも昨年スリランカへ訪れる機会がありました。スリランカ南端のゴールは、漁業が盛んな海辺の街で、まさに真珠採りの舞台を感じさせるような場所でした。
この二重唱では、レイラが恋心を寄せるナディールが囚われの身となっているのを、彼だけは助けて欲しい!とズルガに嘆願します。しかし、嫉妬に狂ったズルガは二人の処刑を決意するのです。
バリトン佐野正一さんと共に、美しくも力強いビゼーの音楽をお届けしたいと思います。
【Part2出演】
■持齋寛匡(テノール)
<ドニゼッティ『アルバ公爵』より “清く美しき天使”>
2_jisai_hiromasa.jpg *出演メッセージ
あけましておめでとうございます。テノールの持齋寛匡です。
この度はニューイヤーコンサートに出演させて頂き、皆様の前で歌わせて頂ける事この上なく嬉しく思います。
私の歌うアリア《清く美しい天使》は、離ればなれになってしまった恋人の心の平穏と幸せを願い歌う曲です。
真摯な祈りを歌声に乗せ皆様まで精一杯お届けしたいと思います。

      *      *      *


良席が少なくなってまいりました。どうぞお早目にご予約ください。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

240127new_year_thumb_n.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~
日時:2024年1月27日(土)
   Part 1=13:00開演(12:30開場)
   Part 2=18:30開演(18:00開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込) 各回¥4,500
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [2]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。
その出演者をリレー・インタビューでご紹介してまいります!

2番目は、メゾソプラノ上島 緑。
長野県出身の上島は、イタリアのクレモナを研修の地に選び、現在もクレモナのモンテヴェルディ音楽院に在籍中。イタリアでは、バロック音楽に魅了され、ヨーロッパ・デビューもグアルディアグレーレ音楽祭でのパーセル『ディドとエネアス』ディドでした。
そんな上島が今回の演奏会で選んだのは、なんとチャイコフスキー『オルレアンの少女』よりジャンヌ・ダルクのアリア。本番を前に話を聞きました。

*      *      *


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メゾソプラノ上島 緑(かみしま みどり)


――オペラ歌手(声楽家)になろうと決意したのはいつでしたか?

上島: 小学6年生のときです。

――子どものころにオペラとの出会いがあったのですね!どんなきっかけだったのでしょうか?

上島: 私の故郷は北アルプスの麓、信州は松本です。毎夏松本で行われるサイトウ・キネンフェスティバル(現:セイジ・オザワ松本フェスティバル)に於いて、小学6年生の時、小澤征爾指揮『ファウストの劫罰』に児童合唱として参加しました。
それまでは男の子に混じってマウンテンバイク、ミニ四駆に熱中していた子供でしたが、オーディションを機に初めて「オペラ」というものを体験しました。外国人の歌い手やスタッフ、ダンサー、見た事のない装置や斬新な演出に衝撃と興奮を覚えた事は、今も忘れられない思い出です。
現在はイタリアに住み、本場のオペラを観る機会がありますが、なかなかあの経験を超えるオペラに出会う事はできません。

――生まれ故郷で受けた体験がすべてのスタートになっているのですね。その後、文化庁の新進芸術家海外研修制度を利用しようとしたきっかけは何でしたか?

上島: 私の家庭は母が音楽、父が医療関係の仕事をしており、音楽に理解のある比較的裕福な家庭で過ごしました。イタリアへ留学する際も当たり前のように私費留学をさせてくれ、ちょうど留学して5年が経とうかという時、今まで何一つ私の音楽家としての素質に否定も肯定もせず静かに応援してくれていた家族の為にも文化庁の海外研修制度に挑戦しようと思いました。結果は有難い事に一発で合格し、私の音楽家としての大きな自信になりました。

――文化庁の海外研修制度への挑戦が、独立への大きな一歩となったのですね。さて、「明日を担う音楽家による特別演奏会」ではチャイコフスキー『オルレアンの少女』を選びました。この選曲理由を教えてください。

上島: 今回はソロ曲にジャンヌ・ダルクを選びました。フランスのヒロイン的存在、救世主として有名なジャンヌ・ダルクは、百年戦争に於いてオルレアンの解放に貢献、シャルル7世の戴冠を実現させますが、コンピエーニュの戦いで捕虜となり、魔女裁判の結果1431年19歳という若さで火刑台に処されました。
今は研修を終え、イタリアとフランスの国境に位置するヨーロッパアルプス「モンブラン」の麓で生活しています。アルプスの少女ハイジの世界を少しモダンにした感じとでも言いましょうか。今回歌うアリアに出てくる、ジャンヌが故郷ドンレミ村を去る場面で歌われる情景そのものを映し出したような町です。「居心地が良く、平和で明るい谷。ごめんなさい」とジャンヌが故郷に別れを告げる全ての歌詞には、強く心揺さぶられるものがあります。それは今生活する環境そのものが訴えかけるメッセージ、そして私の故郷信州の景色とが重なった特別なインスピレーションだと理解しました。オペラを演じる上で、役の心情が自然に解る事、それは私にそれを歌うべきだと言われているような感覚になります。

――研修の成果だけでなく、上島さんのこれまで歩んでこられた風景がすべて重なる1曲ということですね。演奏会に向けての意気込みをお願いします。

上島: 今回は憧れの東京オペラシティにて、角田マエストロと東京フィルハーモニーの皆さんとの共演に胸が高鳴っています。この演奏会の為に選んだ曲目を、精一杯歌わせていただきます。

――皆様、ぜひご期待ください! では、これから海外研修を目指す、未来の歌手の人たちに向けてもメッセージをお願いします。

上島: 私何ぞが言うのも僭越ですが、「苦労は買ってでもしろ」でしょうか。
人生で大きな壁にぶつかり、生きている事さえも嫌になったそんな時、あまりに辛くて師匠に弱音を吐いてしまった事があります。その時師匠から「若いうちはたくさん苦労をしなさい」それでいいんだというような晴れやかな顔で答えてもらった事を思い出します。若いうちに苦労はして良いんだ。大事なのは、それを乗り越えてどう自分が変わったかが大切なのだと思いました。私ももう若いとは言っていられない歳になりました。今までのたくさんの苦労は大きな財産となって人生に、歌に生かされていきます。自分にしか歌えない歌を歌ってください。

――最後に、歌の道、芸術の道を歩んでいくにあたって、上島さんご自身に向けて、座右の銘があれば、教えてください。

上島: 「死ぬまで磨き続けられる楽器でいたい」です。
研修中は、ヴァイオリンの町として有名なクレモナで勉強をしました。ストラディヴァリウスを身近に接する事のできる環境は、300年かけて名器となっていったように、歌い手も限りある人生の中で常に進化し磨かれる楽器でありたいと思わせてくれました。

――ありがとうございました。

*      *      *


上島 緑は、『音楽の友』1月号(2023年12月発売)の「フレッシュ・アーティスト・ファイル」でもインタビューを受けていますので、ぜひそちらもご覧ください!
▼『音楽の友』本誌の情報とご購読はこちらから
音楽の友 2024年1月号 - 音楽之友社

240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/27(土)開催「二期会ニューイヤーコンサート2024」出演者からのメッセージ #2

1月27日(土)開催!昼夜総勢37名の二期会アーティストが一堂に会し、名曲オペラのアリアや重唱をお贈りする「二期会ニューイヤーコンサート2024~オペラに酔いしれて」。

昨日より紹介しております、公演に向けての出演者メッセージのご紹介、第2回目です。

      *      *      *


【Part2出演】
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■押見朋子(メゾソプラノ)
<チレア『アルルの女』より “苦しいのは母”>
カステレートにある大農場ママイ家女農場主のローザは、長男フェデリーコがアルルの町の女に一目ぼれをしたので心配になって町に住む弟マルコに調べてもらおうと頼む。そこへフェデリーコに秘かに思いを寄せている村娘ヴィヴィエッタがやってきて、彼が素性の知れぬアルルの女と結婚しようとしていることに驚く。その時フェデリーコが機嫌よく帰ってきてアルルの女の素晴らしさをたたえ、一足遅れでマルコもやってきて”アルルの女の両親へ結婚の申し入れをしに行くといい!”と勧める。がそこへ馬方のメティーフィオがローザのところにやってきてアルルの女は自分の女だ。とその証拠に恋文を置いて行かれ、驚いたローザは村人たちと陽気に騒ぐフェデリーコに手紙を見せると愕然とし泣き崩れる。そのあと羊小屋で消沈していた彼は弟のように心安く眠れたらいいのにと「フェデリーコの嘆き」がうたわれる。そこへそっとヴィヴィエッタが近寄り、子供のころからずっとあなたに恋をしていた。と打ち明け少しずつ心がほぐれ2人は結婚をすることになる。みなは2人を祝福し結婚式の準備をしているとメティーフィオがやってきて恋文を返せとフェデリーコに迫りそこで初めて恋文の相手が彼だと知り逆上して木槌を振り上げて彼に襲い掛かる。ローザはそれに気づき止めに入るが、本当の心に気づきやはり諦めきれず生きる力を失った息子を見て「私は彼を正直で強い男にするため休むことなく愛と誇りと魂を注いで来ました。それなのにこんなことになっています。彼がいなくなったら1秒たりとも生きていけません。。」と激しく懺悔して神に祈り「母親であること、それは地獄」と歌う。

*演奏に向けて
コロナ禍で延期になり、2年越しで皆さんにお目にかかれることを楽しみにしていました。 今回歌うチレアの「アルルの女」は“フェデリーコの嘆き”で有名ですが、チレアが音楽家になるきっかけとなった少年のころ聞いて衝撃を受けたベッリーニの「ノルマ」を彷彿とするような耽美なメロディーがたくさん並びます。是非その中の一片をお聞きいただきたく息子を思う母ローザのアリアを選びました。リリコソプラノがあえて歌う場合もあり、力強くというより切なさを感じます。

      *      *      *


国内外で活躍中の二期会アーティスト総勢37名が一堂に会するコンサート。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

240127new_year_thumb_n.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~
日時:2024年1月27日(土)
   Part 1=13:00開演(12:30開場)
   Part 2=18:30開演(18:00開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込) 各回¥4,500
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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1/29(月)「明日を担う音楽家による特別演奏会」~出演者リレー・インタビュー [1]

1月29日(月)19時より東京オペラシティ コンサートホールで開催される「明日を担う音楽家による特別演奏会」。
世代のトップレベルの実力をもった才能が、文化庁の新進芸術家会芸研修制度により1年以上の海外研修を経て、東京に集結!その成果を一同に発表する、一夜限りのスペシャルなオペラ・ガラ。
その出演者をリレー・インタビューでご紹介してまいります!

先頭バッターは、バリトン野町知弘。
土佐生まれの長州人。東京芸術大学、同大学院、新国立劇場オペラ研修所を経て、イタリア・ミラノで研鑽を積み、イタリア・リヴォルノでのマスカーニフェスティバルにて、『シルヴァーノ』レンツォ役でデビュー後、現在もミラノで活動中です。

*      *      *


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バリトン野町知弘(のまち ともひろ)


――オペラ歌手(声楽家)になろうと決意したのはいつでしたか?

野町: 小学2年生の時です。

――そんな早い時期に、すごいですね!なにかきっかけがあったのでしょうか?

野町: 小学生で受けられるコンクールがあり、そのときにこれなら評価されると気がついて声楽家になろうと思いました。

――文化庁の新進芸術家海外研修制度を利用しようとしたきっかけは何でしたか?

野町: 小学6年生の時から声楽家としてイタリアに住むという目標があり、それを達成するため文化庁の研修制度を考えていました。

――幼いころから、声楽家の道を、それもイタリアでの活躍を目指し、今こうして実現しているわけですが、研修中に力を入れて取り組んだことはなんでしたか?

野町: イタリア語の発音です。
日本では学ぶことが難しいことで、イタリア人が日常で喋っている発音はもちろん、イタリア人が学ぶイタリア舞台語発音を日常生活やレッスンで知り、それを発声のテクニックと合わせて行くことを目標に取り組みました。

――今回の特別演奏会で選ばれたアリアは、
ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より「残酷で不吉な苛立ちが」
Donizetti:Lucia di lammermoor "Cruda funesta smania"
この曲にした理由を教えてください。


野町: この曲は、研修中もずっと練習はしていましたが、自分としては安定しない難しい曲でした。なので、コンクールやコンサートでも歌ったことがありませんでした。 研修を終えて、今回はオーケストラと歌えるということで、ノリで選びました。

――ノリで!ついにその成果を発表するときが来た、ということでしょうか。このアリアの聴きどころをひとつ教えてください。

野町: 聴きどころというか、曲頭にある歌詞 ”Cruda” の U の母音を綺麗にいうのが、目標です。
上手くいかなくても暖かく見守ってください。

――最後に、野町さんにとって、歌の道、芸術の道を歩んでいくにあたって、座右の銘があれば教えてください。

野町: 他人に厳しく自分に厳しく。

――ありがとうございました。

*      *      *


イタリアの言葉と音楽の本質に目標を定める野町さんの歌を、初めて聴かれるお客様も多いと思います。ぜひご期待ください!

240129asunina.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
新進芸術家海外研修制度の成果
明日を担う音楽家による特別演奏会
日時:2024年1月29日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール 【アクセス
(都営新宿線直通・京王新線「初台駅」東口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,500
《チケット発売中》

出演:
(ソプラノ)平野柚香、保科瑠衣
(メゾソプラノ)上島 緑
(バリトン)井上大聞、内山建人、野町知弘
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
明日を担う音楽家による特別演奏会 - 東京二期会
(主催:公益財団法人東京二期会)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
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1/27(土)開催「二期会ニューイヤーコンサート2024」出演者からのメッセージ #1

2020年の夏に開催予定でした「二期会サマーコンサート2020」、新型コロナウイルス感染症の影響で公演が延期となっていましたが、改めてこの新年に「二期会ニューイヤーコンサート2024」として開催することとなりました。
当時の出演予定者の多くが、この改めてのコンサートに出演いたします。およそ3年半という時間が経ってしまいましたが、出演者たちの熱量はますます上がっております!
今回より公演に向けて出演者から届いておりますメッセージをご紹介してまいります!

      *      *      *


【Part1出演】
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■北原瑠美(ソプラノ)
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■杣友惠子(メゾソプラノ)
<ドニゼッティ『アンナ・ボレーナ』より アンナとジョヴァンナの二重唱>
無実の罪により軟禁された王妃アンナの元に侍女ジョヴァンナがやってきます。王に新しい愛人がいること、そしてそれが自身であることを告げジョヴァンナ。ショックを受けたアンナは怒りをぶつけますが、彼女の苦悩する姿を見て最期は赦しを与え去っていくのでした。

*2人からのメッセージ
2人の女性の間の苦悩、怒り、そして友情が描かれたこの二重唱。
ベルカントオペラの名曲を大学時代からの友人と共にお届けすることに大変な喜びを感じております。

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      *      *      *


国内外で活躍中の二期会アーティスト総勢37名が一堂に会するコンサート。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

240127new_year_thumb_n.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~
日時:2024年1月27日(土)
   Part 1=13:00開演(12:30開場)
   Part 2=18:30開演(18:00開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込) 各回¥4,500
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
二期会ニューイヤーコンサート2024 ~オペラに酔いしれて~ - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
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出演者メッセージ到着!~Hakuju Hall主催「第28回 二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」
12/21(木)14時開演!

二期会オペラ研修所マスタークラスをトップで修了した、新星6名の声を聴くシリーズ、Hakuju Hall主催「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」。
今シーズンの第2弾(第28回)の開催が12月21日(木)に迫りました。
出演は、ソプラノ東 幸慧、ソプラノ岩谷香菜子、ソプラノ中江万柚子の3名と、ピアニスト木下志寿子。コンサートを直前に控え、出演者よりメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。

      *     *     *
■東 幸慧 (あずま ゆきえ)ソプラノ
この度、第28回二期会ディーヴァ,ディーヴォに出演致します、ソプラノの東 幸慧です。
沢山の素晴らしい先輩方が出演したこのコンサートに出演させて頂けること、とても光栄に思っております。
研修所での2年間、コロナ禍で様々な対策の中での授業でした。制限があるからこそ、演技により工夫が必要なことがあり、なかなか演奏の機会を持てなかったからこそ、よりお客様に聞いて頂ける事のありがたさを感じました。コロナ禍を経たからこそ感じたことや、努力したことをしっかりとこれからの糧にしていきたいと思っております。
今回は、同期の尊敬するソプラノ2人との共演です。少しずつ声の違う3人でのコンサート。ソプラノ同士ならではの響きを、私自身とても楽しみにしております。沢山のお客様に楽しんでいただけますよう、そして研修所での2年間の成果をしっかりご披露できるよう、3人で励んで参ります。
皆様のご来場お待ちしております!
■岩谷香菜子 (いわや かなこ)ソプラノ
この度は、第28回二期会ディーヴァ、ディーヴォへの出演が叶いましたことを、大変光栄に思っております。
昨年度、通わせて頂いた二期会オペラ研修所マスタークラスでは、先生方全員が、私たちをオペラの道で生きていけるようにと、熱く厳しく指導して下さいました。そんな恵まれた環境で歌手としての道をスタートできたことを大変光栄に思っており、修了後もその気持ちを忘れず、研鑽を積んでおります。
今回は、ソプラノ3人でのコンサートとなります。魅力的で尊敬する2人の仲間と、響きの豊かなHakuju Hallで演奏する機会を頂けたことを、本当に嬉しく思っております。声種は同じですが、キャラクターや声質の違うソプラノ3人が、それぞれ自身の“魅力”が発揮できる曲を選曲いたしました。
ボリューム満点で、お客様にご満足頂けること間違いございません!
いつも応援してくださるお客様、そして歌、音楽を愛しているお客様に、感謝と私自身の歌が大好きだという気持ちが伝わりますよう、心を込めて演奏いたします。
2023年の終わりに、ぜひ音楽を楽しむひとときをご一緒に過ごせたら幸いです。
準備を万全に整え、会場でお待ちしております♪
■中江万柚子 (なかえ まゆこ)ソプラノ
第28回二期会ディーヴァ,ディーヴォに出演いたします中江万柚子と申します。この度は光栄な機会を頂き、大変嬉しく思っております。
私は本科、マスタークラスと2年間二期会オペラ研修所で勉強させて頂きました。様々な制約がある中での授業でしたが、そんな中でもいつも熱心に教えてくださる先生方やかけがえのない同期に出会えたことは、紛れもなく私の中の大きな財産となりました。
今回一緒に歌います東、岩谷とは同じソプラノ同士であり年齢も近いので、このコンサートに向けて楽しく準備を重ねてまいりました。せっかくの機会ですので、それぞれ好きな曲を歌い合おうということで、最初から最後まで珠玉の名曲揃いのプログラムとなっております。プロとして走り始めたばかりの私たちのフレッシュな歌声を楽しんで頂ければ嬉しいです♪
劇場にて皆さまにお会いできるのを楽しみにお待ちしております!


3人でのリハーサルより(左から、岩谷、東、中江)

      *     *     *

二期会の新星によるひとときをどうぞご堪能ください!!


ちらし(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
二期会 ディーヴァ, ディーヴォ <第28回>
★二期会新星トップ6名による、ときめきのデビューコンサート!

日時:2023年12月21日(木) 14:00開演(13:30開場)※約90分/途中休憩あり
会場:Hakuju Hall(ハクジュホール)【アクセス
    ・小田急線「代々木八幡駅」南口 もしくは
    ・千代田線「代々木公園駅」1番出口より 徒歩5分
料金:全指定席 1,500円(税込) 《発売中》
出演:東 幸慧(ソプラノ)、岩谷香菜子(ソプラノ)、中江万柚子(ソプラノ)、木下志寿子(ピアノ)
予定プログラム:
<第1部>
・R.シュトラウス:“6つの歌”より 「夜」 〔岩谷〕
・R.シュトラウス:“6つの歌”より 「私は一本の花束を作りたかったの」 〔岩谷〕
・L.ドリーブ:『ラクメ』より “若いインドの娘はどこへ” 〔東〕
・G.ドニゼッティ:『連隊の娘』より “フランスに栄光あれ” 〔中江〕
・R.シュトラウス:『アラベラ』より “もし私にふさわしい人がいるなら” 〔アラベラ:中江、ズデンカ:東〕
<第2部>
・G.フォーレ:“2つのメロディ”より 「この世ではすべての魂が」 〔岩谷、中江〕
・G.ヴェルディ:『椿姫』より “ああ,そはかの人か” 〔東〕
・G.ドニゼッティ:『ランメルモールのルチア』より “あたりは沈黙に閉ざされ” 〔岩谷〕
・G.ヴェルディ:『仮面舞踏会』より “あの草を摘み取って” 〔中江〕
・V.ベッリーニ:『ノルマ』より “ご覧なさい、ノルマ” 〔ノルマ:岩谷 アダルジーザ:東〕
※曲目・曲順等が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

主催:Hakuju Hall/株式会社白寿生科学研究所
協力:二期会オペラ研修所
後援:公益財団法人東京二期会

▼コンサート詳細ページはこちらをご覧ください
第28回 二期会ディーヴァ, ディーヴォ - Hakuju Hall

▼ご予約・お問合せは
Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
11:00~17:00(火~金/祝日・休館日を除く)

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リハーサル始まる!12/19「二期会サロンコンサートVol.205 ~冬にうたえば~」
出演者からのメッセージ

12月19日、夜19時からカワイ表参道コンサートサロン パウゼで開催する「二期会サロンコンサートvol.205 ~冬にうたえば~」に向けたリハ―サルがスタートしています。
当日は聴きどころ満載、盛りだくさんのプログラムでお届けいたします。
出演するソプラノ阿部祥子とソプラノ内田千陽、それぞれからのメッセージをご紹介します!

      *      *      *


202312_abe_shouko.jpg■阿部祥子
ソプラノの阿部祥子です!今回の公演は、2020年6月に行う予定だった公演の振替公演!3年の月日を経て、ついに開催できることとなりました。この3年の間、3人それぞれで温めていた曲、得意のレパートリーなど、お披露目できればと思っております。私が研究している専門分野は、スペイン音楽ですが、今回は、「ドン・パスクワーレ」からノリーナのアリアや、「ラ・ボエーム」からムゼッタのアリア、「愛の妙薬」からネモリーノとアディーナの二重唱など、今回は、イタリアオペラからたくさんの曲を歌わせていただきます。
また、長く細く?踊り続けているフラメンコの「パリージョ(カスタネット)」を使って、歌い踊る予定です?!もちろんクリスマスソングもあり!
テノールの小貫さんの熱い歌声、内田さんのリリックなソプラノ、阿部のレッジェーロな響き、三者三様な歌声と遊間郁子さんの繊細でダイナミックなピアノの響き!
会場でお楽しみ頂けたら幸いです!!!

202312_uchida_chiharu.jpg■内田千陽
ソプラノの内田千陽と申します!この公演は、もともと「雨にうたえば」という副題で公演予定でしたが、コロナ禍の影響により一度中止となってしまいました。しかし…遂に今回!!振替公演をさせて頂くこととなりました!ありがとうございます!! この度は12月の開催ということで、「冬にうたえば」という副題となりました。寒い冬の時期にぴったりのオペラ「ラ・ボエーム」からも数曲お届けいたします。 今年の2月に私の出身地である島根県で、しまね県民オペラ2023「ラ・ボエーム」にミミ役で出演をさせていただき、大変光栄で貴重な経験をさせて頂きました! 今回の公演でも、ミミのアリア、そして小貫さんと第一幕の重唱を歌わせて頂きます。 クリスマスソングや出演者それぞれの個性溢れる選曲、そして美しいハーモニーで歌う重唱なども聴きごたえあること間違いなしです!! 皆様のご来場を心よりお待ちしております♫

      *      *      *


ueta_masaaki.jpg
リハーサルの様子から、左奥より ピアノ遊間郁子、ソプラノ内田千陽、ソプラノ阿部祥子、テノール小貫岩夫

▼3人からのメッセージ動画


salon205t_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会サロンコンサートVol.205 ~冬にうたえば~
日時:2023年12月19日(火) 19:00開演(18:00開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン パウゼ
(東京メトロ「表参道駅」A1出口すぐそば)
料金:(全自由席) ¥3,500 《チケット発売中》

出演:(ソプラノ)阿部祥子、内田千陽、(テノール)小貫岩夫、
    (ピアノ)遊間郁子
《予定プログラム》
【第1部】
チレア作曲『アドリアーナ・ルクブルール』より
     “私は創造主の卑しいしもべ” (内田千陽)
ドニゼッティ作曲『ドン・パスクワーレ』より
     “騎士はあの眼差しを” (阿部祥子)
ヴェルディ作曲『十字軍のロンバルディア人』より
     “なんという奇跡!~あれは夢ではなかった!” (内田千陽)
レハール作曲『ジュディッタ』より
     “友よ、人生は素晴らしい” (小貫岩夫)
     “熱き口づけ” (阿部祥子)
ララ作曲「グラナダ」 (小貫岩夫)
【第2部】
ドニゼッティ作曲『愛の妙薬』より
     “ラララの二重唱” (阿部祥子・小貫岩夫)
     “人知れぬ涙” (小貫岩夫)
プッチーニ作曲『ラ・ボエーム』より
     “私は街を歩くと” (阿部祥子)
     “私の名はミミ” (内田千陽)
     “おぉ、麗しい乙女よ” (内田千陽・小貫岩夫)
J.シュトラウス作曲 『こうもり』より
     「シャンパンの歌」 (内田千陽・阿部祥子・小貫岩夫)

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい

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出演者メッセージ到着!~Hakuju Hall主催「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」2023年度シーズン第1弾は11/2(木)14時開演!

二期会オペラ研修所マスタークラスをトップで修了した、新星6名の声を聴くシリーズ、Hakuju Hall主催「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」。
今シーズンの第1弾(第27回)の開催が11月2日(木)に迫りました。
出演は、ソプラノ舘野真由花、ソプラノ田中沙友里、バリトン室岡大輝の3名と、ピアニスト荻原萌子。コンサートを直前に控え、出演者よりメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。

      *     *     *
■舘野真由花 (たての まゆか)ソプラノ
第27回二期会ディーヴァ,ディーヴォに出演いたします舘野真由花と申します。この度は光栄な機会をいただき大変嬉しく思います。
何世紀にも渡って世界中で愛され続けているクラシック音楽は、音楽が素晴らしいことは言うまでもありません。そこから更にお客様にこの音楽の素晴らしさを伝えるには演奏者の作品にかける想いが大切で、お越しくださるお客様の心を震わせる演奏につながるのだと考えています。
ご来場の皆さまに楽しんでいただけるように、良い演奏をお届けできるように、日々どのような舞台を作るべきか考えております。
また、コロナ禍でオンライン配信など主流になりましたが、その経験があるからこそ生の音楽に触れるという大切さに私自身あらためて気づかされました。Hakuju Hallという素晴らしい会場でホールの空気を感じ、電子機器を通さない生の歌声、ピアノの音に触れて、空気の振動を身体全体で受け止める、生の音楽を身体で体感して感性に働きかけていただけたら嬉しく思います。
想いの詰まったコンサート、お時間の許される方はぜひご来場いただき、生の歌声を体感していただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
■田中沙友里 (たなか さゆり)ソプラノ
この度、第27回二期会 ディーヴァ,ディーヴォに出演させていただくこととなり、大変有り難く思います。
昨年度のマスタークラスでの1年間はコロナ対策を行いながらの授業でした。
制限がある状況でも、先生方から熱いご指導をいただき、また、素晴らしい切磋琢磨できる仲間に出会えました。私にとってなによりも貴重でかけがえのない一年でした。
そして、今回、尊敬する2人の仲間と演奏する機会をいただき、大変嬉しく思っております。
舘野さんとは初めて共演しますが、室岡さんとは去年の修了演奏会で一緒に歌いました。 2人とも努力家で素晴らしいオペラ歌手であり、いい刺激をもらっています。
今回はそれぞれが得意とするオペラアリア、重唱をご用意いたしました。
これまで私を支えて下さった全ての方々に感謝の思いを込めて歌います。
少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞその成果を見にきてください! 皆様のご来場お待ちしております。
■室岡大輝 (むろおか たいき)バリトン
この度は第27回二期会ディーヴァ,ディーヴォへの出演が叶い、大変嬉しく思います。
私は研修所の本科とマスタークラスを修了しましたが、今回演奏する曲の中には研修所の試験等で歌った曲も数曲ございます。当時の自分よりさらにレベルアップした演奏をお届け出来ればと思います。
曲選びは様々な意見を出し合い、幅広い年代の作曲家のナンバーをお届けできる、聴きごたえのある演奏会になると思っております!
一緒に演奏いたします、ソプラノのお二人の舘野真由花さんは同門でもあり、共演経験がある為、息のあった(ルチアの重唱では反発する兄弟の仲なので息があってはいけないのですが…)演奏がお届け出来ればと思います。
田中沙友里さんとはマスタークラス時に同じクラスで、修了試験の際にもシモン・ボッカネグラを演奏しました。トロヴァトーレの重唱では激しいお互いの思想がぶつかる重唱をお届け出来ればと思います。
ソプラノ2人とバリトン1人、それぞれの織り成す歌声を堪能して頂ければと思います。
是非、是非当日会場でお待ちしております!
      *     *     *

3人の新星によるひとときをどうぞご堪能ください!!


ちらし(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
二期会 ディーヴァ, ディーヴォ <第27回>
★二期会新星トップ6名による、ときめきのデビューコンサート!

日時:2023年11月2日(木) 14:00開演(13:30開場)※約90分/途中休憩あり
会場:Hakuju Hall(ハクジュホール)【アクセス
    ・小田急線「代々木八幡駅」南口 もしくは
    ・千代田線「代々木公園駅」1番出口より 徒歩5分
料金:全指定席 1,500円(税込) 《発売中》
出演:舘野真由花(ソプラノ)、田中沙友里(ソプラノ)、室岡大輝(バリトン)、荻原萌子(ピアノ)
予定プログラム:
・山田耕筰(詞:北原白秋):この道 〔田中〕
・山田耕筰(詞:北原白秋):からたちの花 〔舘野〕
・滝 廉太郎(詞:土井晩翠):荒城の月 〔室岡〕
・G.ドニゼッティ:『ランメルモールのルチア』より “あたりは沈黙に閉ざされ” 〔舘野〕
・G.ドニゼッティ:『ランメルモールのルチア』より “こちらにおいで、ルチア” 〔舘野・室岡〕
・W.A.モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』より “穏やかであれ、風よ” 〔舘野・田中・室岡〕
・W.A.モーツァルト:『フィガロの結婚』より “柔らかなそよ風が” 〔舘野・田中〕
・G.ヴェルディ:『ドン・カルロ』より “終わりの日は来た~私は死にます” 〔室岡〕
・R.レオンカヴァッロ:『道化師』より “鳥の歌” 〔田中〕
・G.ヴェルディ:『イル・トロヴァトーレ』より “聞いておるな?...ご覧ください、この苦い涙が” 〔田中・室岡〕
※曲目・曲順等が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

主催:Hakuju Hall/株式会社白寿生科学研究所
協力:二期会オペラ研修所
後援:公益財団法人東京二期会

▼コンサート詳細ページはこちらをご覧ください
第27回 二期会ディーヴァ, ディーヴォ - Hakuju Hall

▼ご予約・お問合せは
Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
11:00~17:00(火~金/祝日・休館日を除く)

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11月14日「第100回 二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(3)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された成績優秀者が出演する「二期会オペラ研修所コンサート」は、これまでにその回数を重ね、今回ついに第100回を迎えます!
この記念すべき回の出演者に、予科、本科、マスタークラスからあわせて16名が選抜され、11月14日夜に北とぴあ さくらホールで、その演唱をご披露いたします。
各出演者からのメッセージ第3回目は、マスタークラスの出演者(後半)です。今回演奏するアリアの魅力や、これからのキャリアに向けた目標などが寄せられました。

      *      *      *


chung_mirae.jpg■鄭 美來(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ドニゼッティ『連隊の娘』より “フランスに敬礼”

予科生として入所してから「研修所コンサート」の出演をひとつの目標としていたので、この度出演させていただくこととなり、嬉しい気持ちで胸がいっぱいです。
私はオペラ『連隊の娘』より“フランスに敬礼”を歌わせていただきます。マリーの悲しみ、喜び、そして彼女の天真爛漫な明るさを思い切り表現して、楽しんで演奏させていただきます!

ueta_masaaki.jpg■植田 雅朗(バリトン/第67期マスタークラス)
ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より “祖国の敵”

演奏会に出演させていただけること、大変ありがたく思います。大学や二期会研修所で学んでいることを自分のものにし、次のステージへ結びつけることが今の私の課題です。 一つ一つの機会を大切に、邁進していきます。

enomoto_nana.jpg■榎本 菜々(ソプラノ/第67期マスタークラス)
マスカーニ『イリス』より “私は悲しい夢を見た”

100回目という節目の年に出演させていただけることを大変光栄に思います。 今回歌わせて頂く曲は日本を題材にしており、日本人にとって馴染み深くも、マスカーニらしい幻想的な音楽が沢山敷き詰められている壮大なアリアです。日本の風吹くイタリアの音楽を全身で表現します。皆様のご来場心よりお待ちしております。

kusano_nanami.jpg■草野 七海(ソプラノ/第67期マスタークラス)
トマ『ミニョン』より “私はティターニア”

つやつやまあるい音色を目指して、日々奮闘中です! 今回私が歌うトマ作曲『ミニョン』より“私はティターニア”というアリアは、女優のフィリーヌがティターニアという妖精を演じて歌う、可愛らしく華やかな一曲です。 会場いっぱいにキラキラの魔法をかけるように、精一杯歌います! 沢山の皆様のもとへ届きますように!

yamamoto_mina.jpg■山元 三奈(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ベッリーニ『夢遊病の女』より “ああ!信じられないわ”

まずはこうして第100回という歴史ある「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただけますこと、大変嬉しく思っております。またここまで歌を続けてこられたのはいつも応援してくれた家族・先生・友達のおかげです。私の歌手人生で学んできたことをこの舞台でお届けできるよう精一杯歌わせていただきます。今後は、私も素晴らしい先輩方のようにオペラ歌手として舞台にたてるよう精進して参りたいと思います。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

231114institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2023 関連公演》
第100回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2023年11月14日(火) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第100回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

▼北とぴあ国際音楽祭(2023年11月11日(土)~12月18日(月))の情報はこちら
北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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11月14日「第100回二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(2)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された成績優秀者が出演する「二期会オペラ研修所コンサート」は、これまでにその回数を重ね、今回ついに第100回を迎えます!
この記念すべき回の出演者に、予科、本科、マスタークラスからあわせて16名が選抜され、北とぴあ さくらホールで、その演唱をご披露いたします。
11月14日の公演まで、いよいよあと1か月ほどとなりました。
出演者メッセージ紹介の第2回目は、マスタークラスの出演者(前半)をお届けします。

      *      *      *


okazaki_haruka.jpg■岡﨑 陽香(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ビゼー 『真珠とり』より “レイラ!レイラ!” (二重唱)
ロッシーニ『セミラーミデ』より “麗しの光が”

この度は、100回目という記念すべき節目の回に「二期会オペラ研修所コンサート」に出演できますこと、大変嬉しく思います。
重唱では、巫女という立場にいながら恋情を抑えられないレイラを、アリアでは夫を毒殺した女帝のセミラミスを演じるという、ギャップに富んだラインナップとなっております。少々破天荒な挑戦ですが、温かく見守って頂けますと幸いです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

hara_natsumi.jpg■原 夏海(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より “あたりは静けさに包まれ”

記念すべき100回目の「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただき、大変光栄です。今年の4月からマスタークラスに入所し、早くも半年以上経ちましたが、先生方の熱心なご指導のもと、研修生の皆さんと切磋琢磨しながら過ごす日々をとても幸せに思います。支えてくださる方々への感謝の気持ちを胸に、お客様の心に少しでも響く演奏を目指して精一杯演奏いたします。

kawasaki_sou.jpg■川﨑 想(ソプラノ/第67期マスタークラス)
モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』より "岩のように動かず"

この度は「第100回研修所コンサート」に出演できること、心から感謝しております。
私は音楽に情熱を傾け、夢を追いかけてきました。オペラを初めて聴いた時から、多くの先生方や友人の支えに恵まれてここまで来ることができました。この舞台で皆様に感動と喜びをお届けできるよう全力を尽くし、心からの歌声をお届けします!

akiyama_hikaru.jpg■秋山 陽香(ソプラノ/第67期マスタークラス)
モーツァルト『後宮からの逃走』より "私は恋をして、幸せでした"

この度は、記念すべき「第100回二期会オペラ研修所コンサート」に出演させて頂けること、大変光栄に思います。研修所でご指導頂いたことの成果が出せるよう、精一杯歌わせて頂きます。皆様のご来場心よりお待ちしております。

nakagawa_ikumi.jpg■中川 郁文(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』より “話しておくれ、どうしてこんな寂しいところに” (二重唱)
レオンカヴァッロ『道化師』より “大空を晴れやかに(鳥の歌)”

オペラ歌手として世界中の著名なオペラハウスで舞台に立ち、常に歌唱の技術を向上させることを心掛け、オペラの美しさと深さを学び続けたいと思っています。また人の心に音楽を届ける喜びを感じながら成長していきたいと考えています。

moriki_shiori.jpg■守木 詩織(ソプラノ/第67期マスタークラス)
ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より
  “こちらにおいで、ルチア〜恐ろしく不吉な青白さが" (二重唱)
グノー『ロメオとジュリエット』より “神よ!なんという戦慄が~愛よ、私を勇気づけて”

昨年度に引き続き、また、第100回という節目の年に出演させていただけますこと、大変嬉しく思います。
今回演奏いたします『ランメルモールのルチア』と『ロメオとジュリエット』はどちらも私が大好きな、憧れのオペラです。感謝の気持ちを忘れずに、心を込めて演奏いたします。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

231114institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2023 関連公演》
第100回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2023年11月14日(火) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第100回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
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*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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11月14日「第100回二期会オペラ研修所コンサート」出演者メッセージ(1)

二期会オペラ研修所の定期試験により選抜された成績優秀者が出演する「二期会オペラ研修所コンサート」は、これまでにその回数を重ね、今回ついに第100回を迎えます!
この記念すべき回の出演者に、予科、本科、マスタークラスからあわせて16名が選抜され、北とぴあ さくらホールで、その演唱をご披露いたします。
二期会ブログでは、コンサートに向けての抱負や、今回お届けする曲について等、各出演者からのメッセージをお届けします。
第1回目は、予科・本科の出演者です。

      *      *      *


yanagisawa_tamaki.jpg■栁澤 玖紀(メゾソプラノ/第69期予科)
ドニゼッティ『ラ・ファヴォリータ』より “ああ、私のフェルナンド”

この度は「第100回二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただきますこと、大変光栄に思っております。
研修所では毎回の授業で新たな発見と学びがあり、貴重な勉強の場となっています。日頃の成果をお見せできるよう心を込めて精一杯演奏いたします。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

oikawa_taisei.jpg■及川 泰生(バリトン/第69期予科)
モーツァルト『フィガロの結婚』より "もう訴訟に勝っただと"

今回で第100回と長い歴史を持つ二期会研修所コンサートに出演することができ、大変嬉しく思います。今回私が歌う曲は、モーツァルト作曲『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵のアリアで、バリトンなら誰もが一度は歌うであろう有名な曲です。お越し頂いた皆様に、良い音楽を届けられるよう頑張ります。

oosawa_momoka.jpg■大澤 桃佳(ソプラノ/第68期本科)
ニコライ『ウィンザーの陽気な女房たち』より “急いでおいで、愉快な悪戯”

この度は、「第100回二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただけますこと大変光栄に思います。今回演奏させていただく曲は、フルート夫人が傲慢なファルスタッフを懲らしめる計画を陽気に華やかに歌うアリアです。聴いてくださる皆様が笑顔になっていただけるような演奏ができたらと思います。ご来場心よりお待ちしております!!

nagashima_sayaka.jpg■長島 彩(ソプラノ/第68期本科)
ビゼー『カルメン』より “何を恐れることがありましょう”

今年から本科生として研修所に入所し、素敵な仲間と同じ舞台に立てることに感謝致します。今回演奏致しますミカエラは何事にも真っ直ぐで素直、そして芯の強い女性です。私自身もそんな彼女のようにいつでも謙虚な気持ちを忘れず笑顔を絶やさず、音楽を愛する音楽家になれるようこれからも日々精進していきたいです。

suzuki_risako.jpg■鈴木 里沙子(ソプラノ/第68期本科)
ヴェルディ『エルナーニ』より “エルナーニ、一緒に逃げて”

この度は「第100回二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただけますこと、心より感謝申し上げます。尊敬する先輩方が出演されてきた歴史あるこの舞台に立てること、大変嬉しく思っております。
今回演奏をするアリアは私にとって初挑戦のものになります。華麗で耽美な初期のヴェルディ作品を楽しんでいただけるよう、精一杯演奏いたします。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

231114institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2023 関連公演》
第100回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2023年11月14日(火) 18:30開演(17:45開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) S席¥4,000、A席¥3,000、B席¥2,000、学生席¥1,000*
*学生席は28歳未満の学生の方を対象といたします。
 ご予約は二期会チケットセンターのみのお取扱いです。
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第100回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
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*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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9/30(土)よこすか芸術劇場で開幕!ヴェルディ『ドン・カルロ』~ドン・カルロ役 城 宏憲&エリザベッタ役 木下美穂子インタビュー/横須賀公演当日のごあんない

シュトゥットガルト州立歌劇場との提携公演、〈東京二期会オペラ〉ヴェルディ『ドン・カルロ』。ついに9月30日(土)のよこすか芸術劇場公演から開幕いたします!

本公演の開催を前に、ドン・カルロ役の城 宏憲とエリザベッタ役の木下美穂子にインタビューいたしました。

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202309_jou_hironori.jpg <城 宏憲>

Q1.ドン・カルロとはどのような役、どのような人物でしょうか?

城: 自分で言うのも変ですが、悩める王子様役です(笑)。生まれつき体が弱く、婚約者エリザベッタへの恋に破れてからは精神も衰弱の一途。時に周囲が思いもよらぬ行動力を示したかと思えば、やはり決まって挫折してしまう。親友のロドリーゴに励まされ、何度となく泥沼から這いあがろうとするが…結末は必ず悲劇的な人物として描かれます。

Q2.ご自身の役の見どころ(見せどころ)、聴きどころ(聴かせどころ)をひとつ教えてください。

城: 見どころは、次々と彼に襲いかかる人生の試練そのもの。頑張ってそれを乗り越えようとするのに、幕を追ってどんどん苦悩が増してしまう状況、その表現です。
聴きどころは、基本的に傷つきやすく受動的で繊細な王子の、憂いを秘めた響き。そして、そんな彼が劇的に変化して急に「やる気スイッチ」が入る、周囲を置いてけぼりにして空回りする彼の様子を、しっかりとその魂に寄り添って音楽で伝えれたらと思います。

Q3.『ドン・カルロ』のような歴史に題材を求めたオペラはたくさんありますが、一度でも演じてみたい、歴史上の人物はいますか?もしいれば、その理由や、動機もふくめて教えてください。

城: 最近いつの日か、ファウスト博士を演じてみたいと思っているのですが、物理学者のアインシュタインをモデルにしたらどうなるのかなぁ、と時々妄想しています。人類の科学史を動かすほどの知能を持つ人物にとっての、神や悪魔とは何だったのか。思いをめぐらせてしまいますね。
しかし、やはりフィクションの方が演じやすいと思います。原作のあるものなら、歴史上の人物ではありませんが、天才的な舞台役者でありながら、泥棒を生業とする、怪盗「七色いんこ」。手塚治虫ファンとしては、是非演じてみたいですねぇ。

Q4.最後に、本番にむけての意気込み、メッセージをお願いいたします。

城: ドン・カルロは確かに表題役ですが、単純にこの物語の主人公だと言い切ることができません。なぜなら、父王フィリッポの苦悩、親友ロドリーゴの暗躍、公女エボリの美醜、罪のない母エリザベッタの存在無くしては、タイトルロールとして輝かないからです。ですから、出来うる限り素晴らしい仲間と切磋琢磨しながら舞台を作り上げていきたいと思います。

*     *     *


202309_kinoshita_mihoko.jpg <木下美穂子>

Q1.エリザベッタとはどのような役、どのような人物でしょうか?

木下: エリザベッタは、時代背景や地位によって、彼女自身の運命を定められてしまった不幸を背負い、その運命をある意味受け入れる女王としての強さをもっていると思います。でも一方やはりカルロへ愛、冷静にふるまいつつも時々発せられるエリザベッタの本音や情熱がとても生生しくもあり、痛々しくもあり・・・その心情をヴェルディが非常に細かく表現していると思います。

Q2.ご自身の役の見どころ(見せどころ)、聴きどころ(聴かせどころ)をひとつ教えてください。

木下: カルロとの二重唱(2幕そして終幕)もとても好きな場面で、心にぐっとくる音楽ではあるのですが、今回はあえて、3幕の4重唱を上げさせていただきたいと思います。エボリの策略により無実の罪を着せられ夫であるフィリッポにののしられる場面です。この場面はそれぞれの人物の立場ゆえに背負っている苦悩が美しいアンサンブルで描かれています。女王としてのプライドも愛もすべて失ったエリザベッタの深い悲しみが天上の音楽で書かれています。この音楽を、そしてこの心理をどう表現していこうかといつも考えています。これはこれから一か月におよぶリハーサルでの課題です。Io son… straniera(私は…外国人…)この言葉は、長く海外で生きてきた経験からとても重い言葉だと、いつもぐっときてしまいます。

Q3.『ドン・カルロ』のような歴史に題材を求めたオペラはたくさんありますが、一度でも演じてみたい、歴史上の人物はいますか? もしいれば、その理由や、動機もふくめて教えてください。

木下: 改めて考えてみると、これと思い浮かぶのはないのですが、以前ヘレン・ケラーの詩による「アイヴィングリーンからの交響曲」(M・キャンプハウス作曲)というのを歌ったことがあるのですが、その時のヘレンケラーの詩が素晴らしく、こういう美しい言葉を紡ぎながらの彼女の生涯を一つのオペラにできたら素敵だろうなと思ったことがありました。できればイタリア人の作曲家でイタリア語で書かれていたらぜひ歌ってみたいです。

Q4.最後に、本番にむけての意気込み、メッセージをお願いいたします。

木下: ヴェルディの後期の大作『ドン・カルロ』、どの場面をとっても音楽が素晴らしく、またそれぞれの役の心理描写が音楽と相まってより一層の深みをもった作品です。私としては久しぶりの女性演出家とのお仕事です。どのようなアプローチで『ドン・カルロ』の世界を創り上げていくか、楽しみにしております。なかなか上演機会のない作品ですが、ぜひ劇場に足を運んでいただき、この世界を堪能していただければと思っております。

*     *     *


それでは、よこすか芸術劇場公演当日のご案内を致します。 【9/29(金)20:30掲載】
2023グランドオペラフェスティバル in Japan
シュトゥットガルト州立歌劇場、よこすか芸術劇場との提携公演
《東京二期会オペラ》
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 『ドン・カルロ』
オペラ全5幕(イタリア語5幕版) <日本語および英語字幕付き原語(イタリア語)上演>
指揮:レオナルド・シーニ/演出:ロッテ・デ・ベア
合唱:二期会合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
当日券と公演タイムテーブルのご案内
 
9月30日(土)
当日券
S~D/U24
当日券販売
窓口受付
12:15~
開場
12:15
開演
13:00
第1幕・第2幕
約90分
休憩 20分
14:30~14:50
第3幕
約40分
休憩 20分
15:30~15:50
第4幕・第5幕
約75分
終演予定
17:05
横須賀芸術劇場
=アクセス=
<京浜急行電鉄>
[京急本線]=「汐入駅」から徒歩1分
<JR>
[横須賀線]=「横須賀駅」から徒歩8分

お車でご来場のお客様は横須賀芸術劇場ウェブサイトをご覧ください
>>アクセス - 横須賀芸術劇場
◆上記、当日券は 9/29(金)18:00現在 での発売予定です。以降の販売状況により、完売となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
◆U24(24歳以下)を開場時刻より発売(各席種半額)致します。ご希望の方はご本人の学生証等年齢のわかるものを必ずお持ちください。
◆公演タイムテーブルは総稽古の実測時間を元にしておりますが、当日の演奏・進行により変わってくる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

▼『ドン・カルロ』横須賀・札幌公演情報ページはこちら
2023グランドオペラフェスティバル in Japan G.ヴェルディ『ドン・カルロ』(全国公演) - 東京二期会


●公演に関するお問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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11月17日「第99回 二期会オペラ研修所コンサート」〜出演者メッセージ(3)

研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第99回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
11月17日(木)のコンサートまであと1週間となりました!
出演者からのメッセージ第3回目は、マスタークラスからの出演者<後編>をお届けします。

      *      *      *


202211azuma.jpg■東 幸慧(ソプラノ/第66期マスタークラス)
R.シュトラウス『アラベラ』より (二重唱)“もし私にふさわしい人がいるなら”
ドリーブ『ラクメ』より “若いインドの娘はどこへ”

研修所に通い2年目、先生方に温かくご指導を頂き、自分の声と向き合ってきました。今年度コンクールで最優秀賞を頂いたアリアをお送り致します。技巧に富んだとても美しい曲です。またソプラノ2人による重唱もお届けします。同じ声種ならではの響きをお楽しみいただけたらと思います。皆様のご来場をお待ちしております。

202211kurita.jpg■栗田 宰早(テノール/第66期マスタークラス)
ビゼー『カルメン』より "おまえが投げたこの花は(花の歌)"

この度は「第99回二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただくこと、大変嬉しく思います。
私は小学6年生の頃、音楽の授業が大好きだったこともあり、児童合唱団に入団しました。そして初めて観たオペラに感激し、その頃から声楽家となることを夢に見始めました。
今までお世話になったたくさんの方に感謝を、そしてこれからもその気持ちを持ち続けながら歌い続けていきたいです。

202211iwatani.jpg■岩谷 香菜子(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ロッシーニ『ブルスキーノ氏』より
 “ああ、あなたは追いやろうとしています ~ ああ、いとしい花婿をお与えください”

この度は、コンサートに出演させて頂けることを大変光栄に思っております。
今回演奏させて頂くロッシーニの『ブルスキーノ氏』は、滅多に上演されない演目であるため、皆様の中にも初めてこの曲に触れる方がおられるかと思います。私自身、最近この曲と出会い心惹かれ、初めて舞台で歌わせて頂きます。皆様に興味を持って頂けるよう、そして楽しん頂けるよう、心を込めて演奏致します。ぜひ会場でお楽しみください!

202211sayuri.jpg■田中 沙友里(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ヴェルディ『仮面舞踏会』より “死にましょう でもその前に”

この度は「第99回二期会研修所コンサート」に出演することができ、大変光栄に思います。先生方のご指導のおかげで、毎回の授業で新たな発見と学びを与えていただき、音楽への向き合い方が変わりました。ご来場してくださった全ての皆様に、これまでの成果をお見せし、そして音楽を通じて、少しでも喜びや癒しをお届けできるよう演奏いたします。

202211kotani.jpg■小谷 美佳(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ドニゼッティ『シャモニーのリンダ』より “私の心の光”

この度は研修所コンサートに出演させて頂き、誠にありがとうございます。
私は予科から研修所にお世話になっており、今回で2回目の出演となります。本科では、残念ながらあがれなかった舞台に、こうして再び出させて頂ける喜びを噛み締めています。この様な大きな舞台に立たせて頂くことの有り難さを感じ、感謝の気持ちで歌わせて頂きます。

202211kawamukai.jpg■河向 来実(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ドニゼッティ『カテリーナ・コルナーロ』より “来ておくれ”

この度は「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただきますこと、大変光栄に思っております。
4月から入所しすでに半分以上の授業が終わってしまいましたが、最後まで先生方のご指導のもと、沢山の方に聴き入っていただけるような歌手を目指し精進していければと思います。皆様のご来場心よりお待ちしております。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

221117institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2022 関連公演》
第99回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2022年11月17日(木) 18:30開演(17:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,000、B席¥2,000
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第99回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

▼北とぴあ国際音楽祭(2022年11月5日(土)~12月15日(木))の情報はこちら
北とぴあ国際音楽祭特設ホームページ - 北区文化振興財団

*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい


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11月17日「第99回 二期会オペラ研修所コンサート」〜出演者メッセージ(2)

研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第99回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
11月17日(木)の公演に向け、ピアノ合わせも順調に進んでおります!
出演者からのメッセージ第2回目は、マスタークラスからの出演者<前編>です。

      *      *      *


202211ooigawa.jpg■大井川 由実(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ヴェルディ『群盗』より “あなたは私のカルロの胸に”

小さな頃から人前で歌うことが何より好きだった自分にとって、今回の「第99回研修所コンサート」に出演させていただけることは、とても喜ばしいことです。ここまで歌い続けていられることは日々応援してくださる、友人家族だけでなく、歌を愛してくれているお客様のおかげだと感じております。これからも常に前へ。歌を愛する人たちへ喜びをもたらせたらと思っています。皆様のご来場をお待ちしております!

202211kameyama.jpg■亀山 泰地(バリトン/第66期マスタークラス)
プッチーニ『エドガール』より “この恋を、俺の恥を”

この度は「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させていただけること、大変光栄に思います。今回歌います曲は、プッチーニが残した数少ないバリトンのアリアの1つです。プッチーニらしい本当に美しい旋律で、何度歌っても心が揺さぶられます。皆様の前で歌えますこと本当に嬉しく思います。ご来場お待ちしております。

202211fujita.jpg■藤田 真由(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ヴェルディ『リゴレット』より “慕わしい人の名は”

2年前予科に入所した時から一つの目標としていた「二期会研修所コンサート」に出演させていただけますこと、大変嬉しく思っております。
今回歌わせていただくのは『リゴレット』のヒロイン、ジルダが歌う愛らしく初々しい恋の歌です。ジルダの純真さや初めて感じる恋のときめきを感じていただけるよう、精一杯歌わせていただきます。皆様のご来場お待ちしております。

202211nakae.jpg■中江 万柚子(ソプラノ/第66期マスタークラス)
ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より
 (二重唱)“聞いておるな?...ご覧ください、この苦い涙が”
ヴェルディ『仮面舞踏会』より “あの草を摘み取って”

昨年度に引き続き「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させて頂けますこと、大変嬉しく思います。今回のコンサートは、オペラファンの皆様ならご存知の名曲から少し珍しい作品までバラエティに富んだプログラムになっております。様々な作曲家の音楽を楽しんで頂けましたら幸いです。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

202211murooka.jpg■室岡 大輝(バリトン/第66期マスタークラス)
ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より
 (二重唱)“聞いておるな?...ご覧ください、この苦い涙が”
ヴェルディ『運命の力』より “運命の封書よ”

大学進学から声楽を志し、初心者同然だった私が「二期会研修所コンサート」に出演をさせて頂ける事に驚きを隠せません。音楽を通して、様々な出会いや、経験を作ることが出来ています。お越しいただいた方々にもそんな音楽の魅力が伝わるようなプレイヤーになれればと思います。

202211tateno.jpg■舘野 真由花(ソプラノ/第66期マスタークラス)
R.シュトラウス『アラベラ』より (二重唱)“もし私にふさわしい人がいるなら”
シャルパンティエ『ルイーズ』より “あの日以来” 

第99回目という歴史あるコンサートに出演させていただくこと大変光栄に存じます。音楽の力を信じてこのコロナ禍を乗り越えようと励んでまいりました。この1年、研修所でしっかりとオペラの舞台を学ぶべく覚悟を持って日々研鑽しております。日頃の成果をお見せできるよう精一杯歌わせていただきます。皆様のご来場心よりお待ちしております。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

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《北とぴあ国際音楽祭2022 関連公演》
第99回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2022年11月17日(木) 18:30開演(17:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,000、B席¥2,000
   《チケット発売中》
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
第99回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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*車椅子席をご希望の方は発売日以降に公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください
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11月17日「第99回 二期会オペラ研修所コンサート」〜出演者メッセージ(1)

研修所の定期試験により選抜された、各期の成績優秀者17名が出演する「第99回二期会オペラ研修所コンサート」(北とぴあ さくらホール)。
11月17日(木)の公演をまもなくにして、いよいよピアノ合わせが始まりました!
今年は全出演者からのフレッシュなメッセージを3回に分けてお届けします。
第1回目は、予科・本科からの出演者です。

      *      *      *


202211tanaka.jpg■田中 未来(メゾソプラノ/第68期予科)
ロッシーニ『アルジェのイタリア女』より “酷い運命よ!”

「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させて頂く事、大変光栄に思います。 コロナ禍という制限はあるものの、毎回の授業は実り多いもので、困難に直面しながら(自分も含め)仲間の成長を感じます。同時に、この恵まれた環境の中で「成長せねば!」と襟を正される思いです。
歌える事に感謝しつつ、当日も演奏致します。皆様のご来場をお待ちしています♪

202211matsubara.jpg■松原 三和(ソプラノ/第68期予科)
ヴェルディ『シチリア島の夕べの祈り』より “アリーゴよ!ああ心に語れ”

「私も二期会オペラ研修所に行きたい!」と憧れたのは、このコンサートを聴きに行ったのがきっかけです。そのコンサートにこの度出演させて頂けて、大変嬉しく思います。
コロナ禍でまだまだ先の見えない状況ではありますが、聴きに来てくださった皆さまが「明るくまた一歩踏み出そう。今日来てよかった」と笑顔になって頂けるよう、祈りを込め演奏させて頂きます。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

202211ichino.jpg■市野 梨沙(ソプラノ/第67期本科)
マスネ『マノン』より “私が女王様のように街を歩くと”

この度は、「二期会オペラ研修所コンサート」に出演させて頂けること、そして音楽という時間と空間を皆さまと共有できることが、本当に心より嬉しく思います。このような機会を頂けたこと、支えてくださる全ての方に感謝申し上げます。少しでも良い時間だったと思える音楽を目指してまいります。

202211miyahara.jpg■宮原 唯奈(ソプラノ/第67期本科)
メノッティ『泥棒とオールドミス』より “私を盗んで”

この度は、このような素晴らしい機会をいただき、大変光栄です。今年度、本科からオペラ研修所に入所し、日々とっても楽しく興味深い時間を過ごしております。そして今回、皆さまの前で演奏させていただけて心から感謝しています。ご来場を心よりお待ちしております。

202211moriki.jpg■守木 詩織(ソプラノ/第67期本科)
グノー『ロメオとジュリエット』より “私は夢に生きたい”

華やかで、美しい音楽に溢れたオペラの世界に魅了され、「いつか私もオペラの舞台に立ちたい」という憧れの気持ちとともに、日々精進しております。たくさんの方々に支えていただき、導いていただきながら、日々学ばせていただけることに感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだ未熟者ではございますが、これからも精進してまいります。

      *      *      *


次代を担う、若きアーティストたちを応援していただけましたら幸いです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

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《北とぴあ国際音楽祭2022 関連公演》
第99回 二期会オペラ研修所コンサート
日時:2022年11月17日(木) 18:30開演(17:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定) A席¥3,000、B席¥2,000
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第99回 二期会オペラ研修所コンサート - 東京二期会
  主催:公益財団法人東京二期会/共催:公益財団法人北区文化振興財団・東京都北区

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ピンカートン役 城 宏憲インタビュー「2幕以降、『愛の二重唱』の旋律が幾度となく繰り返されるんです」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビューは第6回を迎えました。今回は、ピンカートン役 城 宏憲の登場です。
2016年『イル・トロヴァトーレ』マンリーコに急遽代役出演したのが二期会デビュー。これが大成功で迎えられ、その後も『トスカ』カヴァラドッシ、『ノルマ』ポリオーネ、『椿姫』アルフレード、『アイーダ』ラダメス、『カルメン』ドン・ホセなど東京二期会ほか主要プロダクションで主役に立ち続けています。
今年に入って新国立劇場『さまよえるオランダ人』エリックに代役出演し、ワーグナー・デビューも果たした城。来年2月には、ついに『トゥーランドット』カラフも控え、今最も波に乗るプリモ・テノールです。真摯な歌い口から切々と訴えてくるような抒情性は、城ならではのもの。『蝶々夫人』を前にして、話を聞きました。

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2016年2月 東京二期会オペラ劇場『イル・トロヴァトーレ』より マンリーコ役(撮影:三枝近志)

――ピンカートンは、どのような役、人物でしょうか。

城: アメリカ海軍の若き士官で、階級は中尉です。祖国には許嫁がいながら、赴任先の長崎で芸者の蝶々さんと仮初(かりそめ)の結婚をしてしまいます。結婚は「999年間」の契約で、家まで借りて「100円」を支払ったのだと、悪びれる様子もなく領事シャープレスに伝えるピンカートン。善良なシャープレスは、彼の軽はずみな行動を注意しますが、ピンカートンは全く聞く耳を持ちません。そこへ、長崎の丘を登って盛大な花嫁行列が...。ここに、後の悲劇を招くピンカートンという人物の欠点が見えます。若さ故なのか、はたまた生粋のヤンキーの性分なのか、彼は目の前の快楽を味わう事以外には考えが及ばないのです。嵐を呼ぶ男と言えば聞こえが良いので、「立つ鳥跡を濁す」これが、都合が悪くなるとお茶を濁す彼にはピッタリ。

――あまり褒められたキャラではないピンカートンを城さんがどう作りあげるか興味あるところですが、この役の見せどころ、聴かせどころを教えてください

城: ピンカートンは決して悪役ではありません。かと言って、単純な二枚目でもないんですね。改訂版ではしっかりと反省して(懺悔のアリアを歌って)、袖に下がります。実は、この役の見せどころは、そんなどっちつかずな優柔不断なキャラクターにあるのかも知れません。金払いのいい豪快な軍人でありながら、異国の女性に惚れ込んでしまった哀れな若者であり、そして、用が済んで熱が冷めればせっせと仕事に戻って、祖国で嫁さんを捕まえて長崎へ舞い戻ってきてしまうという......言うなればまさに女たらし、そして人たらし。堅実な仕事人シャープレスとは反対で、やる事が全て裏目、裏目にでて、最後はまるで自分の靴の紐を踏んで坂を転げていく様なもんです。でもね、他人事に思えないのは何故でしょう。きっとリアル(現実)にこういう人って居るんですよ。Dovunque al mondo,どの世界でもね。

202208_jou_hironori_02.jpg
2017年2月 東京二期会オペラ劇場『トスカ』より カヴァラドッシ役(撮影:三枝近志)

――ピンカートンは、目の前の人や物事に対してよくしようとするあまり、結局辻褄が合わなくなってしまうという。今の城さんの解釈を聞いて、ピンカートンという人物のリアル度が増したように感じました。実は今の「日本の優しい男子」というほうがリアルかも(?)

城: この役の聴かせどころはずばり「愛の二重唱」。これは本当に美しい。ピンカートンの旋律からも本物の愛の香りがします。それが唯一、この人物の「救い」なんですよね。

――おそらく蝶々さんへの想い「だけ」は本当だったのでしょうね。でも、帰国すれば、本当の妻にも本当の愛があって。優しさゆえに行動には責任がないといいますか......。そのほかで、城さんが『蝶々夫人』で好きなところはどこでしょうか。

城: まず、ひとつ(笑)。シャープレスの再婚の勧めに「ああ、彼は私を忘れたのかしら」と嘆いて、一度奥に引っ込む蝶々さん。この後のシーンは、涙なしに観劇したことは一度もありません。好きとか嫌いとか、そういう話ではない。正にカタルシスですね。
ふたつめ!先程、第1幕の「愛の二重唱」の話をしましたけど、第2幕以降、この愛の旋律が幾度となく繰り返されるんです。涙を流した後、まるで音の波で追い打ちをかけるように。
ピンカートンの乗船するアブラハム・リンカーン号が長崎に入港してきた後、蝶々さんは「彼は帰ってくる、そして私を愛してる!」と叫びます。この時に壮大に流れるのは愛のテーマ。出迎えのために婚礼の夜の帯を締める時も、そう。ここは愛の宵のテーマ。ピンカートンを想う度、健気なまでの愛の芳香が、旋律から満ち溢れるんですよね。人を信じるとは、正に陶酔である。それを、プッチーニは「愛」のテーマを流用して観客に伝えています。時にそれは耽美的ですらあります。

202208_jou_hironori_03.jpg
2020年2月 東京二期会オペラ劇場『椿姫』より アルフレード役(撮影:三枝近志)

――第1幕のラストを飾るテーマが第2幕以降に展開していくのですね。私たちがこの悲劇を、本当に切なく感じてしまうのは、プッチーニによるこのテーマの「仕掛け」があるように思いました。さて、城さんは、蝶々さんと同い年である高校時代をどのように過ごしましたか?

城: 15歳というと、丁度クラシック音楽を始めた頃ですね。18歳で大学に合格し上京するまで、音楽科のある地元の高校に通っていたのですが、この3年間は本当に無我夢中でした。たとえるなら、泳げない子が音楽の海に飛び込んで、初めは溺れかけていて、手取り足取り教えていただいて3年かけて少しずつ泳げるようになった、と言う感じです。だから、音楽を奏でながら、まず呼吸が出来る様になるのが、第一の目標でした。声楽ですから、呼吸するのは当然といえば当然なんですけど(笑)。

――泳のたとえがすごくわかりやすいですね!息継ぎも上達していく、と。

城: 青春を謳歌するって言うイメージは、この時期の自分の中にはありませんでした。掴んだ、音楽という「生きがい」を、決して離さないように、見失わないように。周りのサポートのお陰でなんとか大洋に出る事が出来た、そういう3年間でした。今思えば、あの頃の僕は何か大きな愛で守られていたんだと思います。

――最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

城: 作曲家プッチーニが求めた、究極のリアリズム。日本の古典美を踏襲しつつ、人物の内面まで深く写してしまう栗山先生の『蝶々夫人』は、真の日本の宝です。今、継承しなくては失われつつあるその美学を、チーム一丸となって過不足なくお客様に届けたいですね。「お前が言うな!」とお叱りを受けるかも知れませんが、ピンカートンが愛した可憐な蝶々さん...その美しくも壮絶な人生を、その最後の一息まで間近で感じていただきたいと思います。
新国立劇場を舞台に全編イタリア語で紡ぐ、悲劇マダマ・バタフライ。現代最高の熱血オペラ指揮者、アンドレア・バッティストーニの指揮のもと、舞台史にその名を刻む不朽の名作を、東京二期会が心を込めてお送りいたします。どうぞ、お楽しみください。

*     *     *


▼『蝶々夫人』公演情報ページはこちら
2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ピンカートン 城 宏憲 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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9/18(日)開催「五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念 清水勇磨バリトンリサイタル」~WEBマガジン「ONTOMO」にインタビュー掲載

これまでに多くの逸材を輩出してきた五島記念文化賞。その受賞者たちは海外研修ののち、トップアーティストとして活躍を続けています。
このたび平成29年度、第28回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞したバリトン清水勇磨が、 9月18日(日)に東京文化会館 小ホールにおいて研修帰国記念リサイタルを開催いたします。

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清水勇磨 ©井村重人

清水は、同賞受賞後、イタリア・ボローニャ歌劇場付設オペラ研修所にて研鑽を積みました。その間、ボローニャ歌劇場公演『椿姫』ジェルモン役、『セビリアの理髪師』フィガロ役等に抜擢されるなどし、帰国後も数々のオペラに出演しています。特に昨年以降、東京二期会において、『タンホイザー』ヴォルフラム役、『ファルスタッフ』フォード役、『エドガール』フランク役、『パルジファル』アムフォルタス役と出演が続き、いずれも高い評価を得ています。

今回のリサイタルに向け、Webマガジン「ONTOMO」にて音楽ライターの室田尚子氏によるインタビューを受け、プロになるまでの歩み、ボローニャでの研修で得たことなどを話しています。

▼インタビューはこちらからお読みください
清水勇磨 バリトンの俊英がイタリアで体に叩き込んだオペラの神髄を披露する演奏会 - Webマガジン「ONTOMO」

今回のリサイタルでは、前半にイタリア古典歌曲をはじめとする歌曲、後半をイタリアのオペラ・アリアとし、イタリアで学び得たことを披露いたしますので、どうぞご期待ください。

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ちらし(PDF)ダウンロード


■■■ 公演情報 ■■■
五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念
清水勇磨 バリトンリサイタル

日時:2022年9月18日(日) 14:00開演(13:30開場)
会場:東京文化会館 小ホール 【アクセス
  ・JR線「上野駅」公園口改札より 徒歩約1分
  ・地下鉄銀座線、日比谷線「上野駅」7番出口より 徒歩約5分
  ・京成線「京成上野駅」正面口改札 徒歩約7分
出演:清水勇磨(バリトン)
   藤川志保(ピアノ)
料金:全席指定 一般4,500円、ペア8,000円 (税込)
     ※ペア券はお一人につき1ペアまで(二期会チケットセンター電話受付のみの取扱い)

〈予定プログラム〉
<第1部>
スカルラッティ作曲 “陽はすでにガンジス川から”
ジョルダーニ作曲 “いとしい女よ”
ボンチ―ニ作曲 歌劇『グリゼルダ』より “お前を賛える光栄のために”
ドゥランテ作曲 “愛に満ちた乙女よ”
グルック作曲 “ああ私の優しい熱情の”
リスト作曲 「ペトラルカの3つのソネット」
 1. 平和を見いだせず、そして戦う気にもならず
 2. 祝福あれ、あの日、あの月、あの年
 3. 私は地上で天使の姿を

<第2部>
レオンカヴァッロ作曲 歌劇『道化師』より “よろしいですか?紳士淑女の皆様!”
プッチーニ作曲 歌劇『エドガール』より “この愛を、この恥を”
プッチーニ作曲 歌劇『妖精ヴィッリ』より “私の娘の聖なる魂が”
ヴェルディ作曲 歌劇『アッティラ』より “フン族と休戦だと~運命の賽は投げられた”
ヴェルディ作曲 歌劇『ドン・カルロ』より “私の最期の日”
ヴェルディ作曲 歌劇『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』より “プロヴァンスの海と陸”
ヴェルディ作曲 歌劇『ファルスタッフ』より “夢かまことか”
チレア作曲 歌劇『アドリアーナ・ルクヴルール』より “モノローグの始まりがここに”
ジョルダーノ作曲 歌劇『アンドレア・シェニエ』より “祖国の敵か”

▼公演情報ページはこちら
清水勇磨 バリトンリサイタル - 主催・制作コンサート - 二期会21

●ご予約・お問合せは《発売中》
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●チケット取扱
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650 (10:00~18:00)
チケットぴあ (Pコード:214-252)

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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ゴロー役 升島唯博インタビュー「1幕はほとんどずっと舞台に出て、歌っていない場面でもゴローの動きで周りの状況を描写しています」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。第5回は、ゴロー役のテノール升島唯博が登場します。
長くドイツ各都市のオペラハウスで実績を重ね、鍛え上げてきたブレのない響きと明瞭な語感を強みとし、東京二期会や新国立劇場の公演で絶えず出演を果たしています。
『フィガロの結婚』『魔笛』『フィデリオ』『ばらの騎士』『サロメ』など、やはり正統的なドイツ語を活かしたレパートリーの中、『蝶々夫人』ゴロー役は、2017年の今回のプロダクションに続く出演となりました。
本番に向けて升島に話を聞きました。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ゴロー役(写真左)

――ゴローは、どのような役、人物でしょうか。

升島: ゴローは女衒(ぜげん)という、いわゆる人身売買業者になりますが、今の時代でいうと水商売へのスカウトマンのような感覚でしょうか。蝶々夫人もどこかでスカウト、もしくは売り飛ばされたところを、ゴローによって遊郭に斡旋されたのでしょう。

――アンダーグラウンドな商売のように思われますが、このオペラの中では、かえってあっけらかんとした明るさも持ち合わせたキャラクターですね。ゴロー役の登場シーンについて見せどころ、聴かせどころを教えてください。

升島: ゴローはこのオペラで最初に登場する人物です。そこに続いてすぐにピンカートンが登場するのですが、ゴローは様々な場面で状況を説明する働きをするキーマンです。1幕はほとんどずっと舞台に出ていますが、歌っていない場面でもゴローの動きで周りの状況を描写しています。ぜひ栗山昌良先生の仰る「脇役の動き次第で主役が生きる」演技を観ていただきたいと思います。

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2019年11月 東京二期会オペラ劇場『天国と地獄』より マーキュリー役(写真中央)

――たしかに、ピンカートンを連れてくるのも、結婚式の斡旋をするのも、第2幕でヤマドリとの縁談をアレンジするのも、すべてゴローによるもの。仕事人ですね!そのほか、個人的に『蝶々夫人』で好きなところがありましたら、教えてください。

升島: この暗い内容のオペラの中で唯一コミカルな場面の、ヤマドリが登場するシーンです。音楽も少し軽いですし、オペラ全体の緊張を少し緩めて笑える場面なのではないでしょうか。

――ヤマドリのライトモティーフ(?)に「宮さん、宮さん」の旋律が使われているところも、コミカル感があって、聴きどころになっているでしょうか。
さて、今回、キャストの方に蝶々さんと同じ15~18歳のときの思い出を教えていただいています。升島さんはどのような高校時代を過ごしていましたでしょうか。


升島: 蝶々さんの生きていた時代と違い、私が高校生として生きていた1990年代は様々な選択肢のある時代でした。50万円以上していたパソコンでしたが、一般家庭にも持っている人が出てきており、今では当たり前のように存在するWindowsというOSが初めて一般向けに発売されました。新し物好きの私は、知り合いの家にあったパソコンを一緒に触って遊んでいました。その他にもサッカー、バスケットボール、卓球など、興味のあることを広く浅く体験していました。

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2021年9月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』より モノスタトス役

――升島さんの守備範囲の広さがうかがえる高校時代のエピソードですね。最後に、本番への意気込み、メッセージをお願いいたします。

升島: ゴローという役は、いわゆる脇役です。物語の中心となる人物たちを浮き立たせるには、この脇役がどれだけその場面を描写しているか、関係性を表現できるかにかかっていると言っても過言ではありません。その究極の域まで近づける為に、本番まで精進していきたいと思います。そしてこの素晴らしく完成された美の舞台を、ご覧いただいた皆様と共有できれば幸いです。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ゴロー 升島唯博 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ヤマドリ役 畠山 茂インタビュー「蝶々さんを救う方法はこれしかない、と思って求婚します」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。第4回は、杉浦隆大に続いて、ヤマドリ役のバスバリトン畠山 茂をご紹介します。
「バスバリトン」と紹介してしまいましたが、本人曰く、正確には「バッソ・ブッフォ」。おどけた、道化的なバスを主要なレパートリーとする声種(典型的なのは『ドン・パスクワーレ』の題名役など)ですが、近年は、その作品への深い洞察力をもって『サロメ』『ルル』『金閣寺』などシリアスなドラマでもその個性を発揮しています。
これまで幾度も演じてきたヤマドリで、今回はどのようなアプローチをするのでしょうか。 話を聞きました。

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2011年2月 東京二期会オペラ劇場『サロメ』より ユダヤ人5役(写真左)

――ヤマドリは、どのような役、人物でしょうか。

畠山: 地元の金持ちであり、身分もあり、蝶々さんを気に入っている。蝶々さんさえ「再婚」を承諾するならば彼女を幸せにできると思っているが、全く受け容れられない──という人ですよね。
世の中には色々な演出があり、彼を成金の嫌な奴のように描いたり、見るからに振られて当然なコミック役のように位置づけたりするものもあるかと思いますが、私が栗山昌良演出でヤマドリを演じるときに気をつけているのは、余り嫌な奴とか振られて当然な人物にしないこと、です。あんなのと結婚するくらいなら当然ピンカートンを待つよね、という印象を大きく与えてしまうと、蝶々さんの愛や覚悟を卑小化させて、逃げのニュアンスを加えてしまうおそれがあるからです。

――周囲の人が「悪役」ではなく当時の価値観から見て「真っ当」であればあるほど、蝶々さんの純粋さが際立つのですね!
それでは、ヤマドリ役の登場シーンについて見せどころ、聴かせどころを教えてください。


畠山: あのシーンでは、ヤマドリに限らず、どの役も大きな「歌」を歌っていません。ですので、とても演劇的に対話、または対話の断絶が進みます。
先程のご質問への答とも関わってきますが、ヤマドリは何も助平心だけからではなく、こうすれば蝶々さんを救える、救う方法はこれくらいしかない、とも思って求婚していると思います。当時の認識としても、蝶々さんがヤマドリ家に入って安楽に暮らす、というのは世間では普通に取り得る方法だったでしょう。
お客様が終演後にあれこれ思い返す中に、あそこで受け容れるのも普通の人ならありだった、思えばあれが、破滅を免れる最後の機会だったかも──というイメージが少しでも残れば、冥利です。

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2014年4月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ヤマドリ役(写真左)

――少し調べたら、ヤマドリは「公爵」なので、明治の華族制でもほんとうに少数の最高位なのですね!当然、皇族ともつながる可能性もあって、当時この話を振ってしまう人は、蝶々さん以外ありえなかったのでは……と思えます。
ヤマドリのシーン以外で、好きなところがありましたら、ひとつ教えてください。


畠山: ピンカートンの船が港に入ってきたことを告げる、大砲の音。
舞台袖にいても客席にいても画面を観ていても録音を聴いていても、あそこで必ずのように私の胸に何かが込み上げます。歌でも音楽でもない、ただ一つの「音」ですが、劇中で最も劇的だと感じます。

――プッチーニの音楽がメロディックなだけに、そこはとても衝撃を受けますね。
さて、今回は、キャストのみなさんに、蝶々さんとおなじ15~18歳のときことを聞いています。畠山さんはどのような高校時代を過ごされたでしょうか。


畠山: 高校生のときは、高松第一高校の音楽部で合唱に励んでいました。毎年のように全国大会に出ていました。夏休みもほぼ毎日、練習していたと思います。 そのついでのように音楽科に進学していて、そちらも忙しかったですね。何しろ、中学校までは特別な音楽教育は受けていなかったので、大変でした。ピアノやらソルフェージュやら……。

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2022年2月 東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』より バルトロ役(写真右端)

――高松第一高校から二期会会員になった歌手がたくさんいますね。伝統的に、音楽の礎作りと、何より続けて学びたいという喜び作りがすごくしっかりされているだろうと思っています。
最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。


畠山: この栗山プロダクションでのヤマドリ役は、今回で何度目でしょうか。もう二十年ほど関わらせていただいていますが、最初は若いなりにもがいていたものが、ヤマドリを実感できる実年齢になってきたかもしれません。今だから見えるもの、感じられるものを色に出せれば、と思っています。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ヤマドリ 畠山 茂 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ヤマドリ役 杉浦隆大インタビュー「ヤマドリにとって蝶々さんは他に代えがたい特別な女性」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー。続いて第3回は、ヤマドリ役のバリトン杉浦隆大をご紹介します。
2021-2022シーズンにおいて大活躍だった杉浦。2021年9月『魔笛』から、11月『こうもり』、2022年4月『エドガール』、7月『パルジファル』と計4公演に出演しました。そして、新シーズンの開幕にも登場いたします!
栗山昌良演出『蝶々夫人』には、2017年に続いて2度目。前回は神官役でした。今回は、ヤマドリ公爵役を務めます。
『蝶々夫人』には、蝶々さんの純粋な想いに対立するように、日本の「世間」側の人物たちが描かれます。信仰をつかさどるボンゾや、江戸から明治に時代が移った際のいわゆる「勝ち組」ともいえるヤマドリ公爵、そして、抜け目ないゴロー、お付きのスズキまで。しかし、誰も決して蝶々さんの敵ではなく、悪者でもないことがキャストひとりひとりの言葉から伝わってきます。
ヤマドリについて、まずは杉浦に話を聞きました。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より 神官役

――ヤマドリは、どのような役、人物でしょうか。

杉浦: ヤマドリは、ゴローの仲介で蝶々さんを嫁に迎えたいと思っている大金持ちです。
ヤマドリには少し前までたくさんの妻がいましたが、蝶々さんを迎えるためにその妻たちと離婚し、蝶々さんにだけ愛を誓うと話しています。
ヤマドリは蝶々さんのことを、他の女性とは別格の扱いをしてでも妻として迎えたいほどに魅力的で特別な女性だと思っているのです。

――ヤマドリも、蝶々さんには特別な想いを寄せていたのですね。彼女の境遇を哀れに思っていたところもあったのでしょうか。それでは、ヤマドリ役の登場シーンの聴かせどころについて教えてください。

杉浦: ヤマドリが登場するシーンは短いので、すべてが聴かせどころですが、蝶々さんにまったく相手をしてもらえず、ため息をついて「さようなら。けれど望みはまだ...(持ち続けます)」と言って去ろうとするあたりが一番かと思います。

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2022年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エドガール』より フランク役(写真左)

――杉浦さんの去り姿を想像すると、ヤマドリに同情してしまうお客様もいらっしゃるような気が…ヤマドリの登場シーン以外で、好きなところがありましたら教えてください。

杉浦: ヤマドリが去ってからの、蝶々さんとシャープレス2人のシーンが好きですね。
ピンカートンからの手紙をシャープレスが読み上げるのですが、蝶々さんのあまりの嬉しそうな態度にシャープレスは読み続けることを断念してしまいます。手紙の内容が絶縁状だったからです。そしてこのシーンの最後に、蝶々さんはピンカートンとの間にできた子どもをシャープレスに見せます。
ここでシャープレスが子どもの存在に気がつかなければ、オペラのクライマックスはまた違うものになるのではないかと思います。それほど重要で見応えのあるシーンだと思います。

――「むしろ、シャープレスに子どもを見せなければ…」とか、『蝶々夫人』は、感情移入がしやすいせいか、思わず「たら・れば」を想像してしまいますね。
さて、このオペラは、蝶々さんが15~18歳のときの物語で、もし「現代に生まれていたら」、天真爛漫に高校生活を謳歌していたかもしれませんね。そこで、杉浦さんはどのような高校時代を過ごされたでしょうか。


杉浦: 中学生時代に吹奏楽部でチューバを吹いていたので、高校は金管楽器ができるところを探し、オーケストラ部がある高校に入りました。そこでトロボーンを吹いていました。それがとても楽しくて、大変な部分もありましたが、トロンボーンのことばかり考えていたと思います。

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2022年7月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より 第2の聖杯の騎士役(写真中央左)

――高校時代にトロンボーンで培われた音楽が、今の豊かなバリトンにつながっているように感じられました。最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

杉浦: このプロダクションに出させていただくのは2回目でして、前回は神官を歌わせていただきました。別の役でまた出演させていただけることは本当に嬉しい限りです。ヤマドリは、登場シーンこそ少ないですが、とても重要な役だと把握しております。しっかりとヤマドリを演じられればと思います。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30、9日(金)14:00*、10日(土)14:00、11日(日)14:00* 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ヤマドリ 杉浦隆大 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ゴロー役 大川信之インタビュー「個人的に、ゴローの“四小節のアリア”と呼んでいます」

東京二期会2022-2023シーズン開幕公演プッチーニ『蝶々夫人』キャスト・インタビュー第2弾は、ゴロー役の大川信之です。
『魔笛』『椿姫』『カルメン』『トゥーランドット』『メリー・ウィドー』『こうもり』など、数多くの東京二期会公演に出演してきた実力派テノール。作品に対する深い探究心で立体的な人物像を描き出し舞台に立つ姿勢は、指揮者、演出家、そして共演者からの信頼厚く、稽古場ではいつも「頼れる兄貴」的存在。数多のキャリアを重ねてきた大川ですが、実は今回『蝶々夫人』は初舞台!その本番に向けて話を聞きました。

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2014年9月 東京二期会オペラ劇場『イドメネオ』より アルバーチェ役(写真右)

――大川さん演じるゴローとは、どのような人物でしょうか。

大川: 職業でいうと結婚斡旋人(周旋屋)。 裕福な男性に女性を紹介するわけですが、その業務に伴い、様々な人とのネットワーク、コネクションを持ち、その中で結婚に限らず、様々な案件の仲介をして生計をたてている「よろず屋」の様な存在だったのではないかと個人的に想像しております。外交官や他国の軍人とも交渉できる知識や最新の情報に長じています。
人物像は、一言でいって、とにかくお金大好き人間。お金がたんまり稼げるなら、人がいやがるダーティーな仕事も率先してやれちゃう抜け目ないハイエナ、こうもり的な男。表と裏社会を自由に渡り泳ぎます。
そんな所がみんなには疎ましがられて軽蔑されるけど、困った事があると頼りにされる、誰からも一目置かれる存在…と私は思っております。

――周囲は「ゴローは悪い奴」と決めつけながら、利用したいときには利用する、という…今の話で、ゴローの存在のリアリティが見えてきました。
それでは、ゴロー役の見せどころ、聴かせどころを教えてください。


大川: ゴローが入ってくると、新しい情報や人物が登場するので、それまでの流れを断ち切るような音楽が流れます。
個人的に大事にしたい聴かせどころは、第2幕でヤマドリ、シャープレス含め3人で蝶々さんに、3年帰ってこないピンカートンは忘れて早く次の旦那に落ち着きなさいと諭すシーンで、「夫に見捨てられた妻は離縁されたのと同じだ」と嫌みをいう台詞です。中傷なのですが、ほんのりゴローの諦観といいますか人間味が香ってくるようです。プッチーニ先生が何とも表現しがたいコード進行の素敵な旋律をつけています。その前後の蝶々さんとの会話は胸の奥をくすぐられるような切ない音楽です。前述の台詞を個人的に“ゴローの四小節のアリア”と密かに呼んでます。

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2021年8月 東京二期会オペラ劇場『ルル』より 画家役(写真中央右)

――ゴローは、蝶々さんに対して嫌味を言いながら、自分に対しても言い聞かせていたのかもしれないですね。ゴローの生き方にも切なさを覚えました。 その他『蝶々夫人』で大川さんが好きなところはありますか。

大川: 今回蝶々夫人という作品に初めて関わらせて頂くので、全体的にまだ把握してない事が多すぎるのですが… 自分が属してる文化宗教人間関係も棄てた、または捨てられたのに、新しく属そうとしたものからも棄てられるという立場に置かれた蝶々さんの生き様、あるいは死に様を、共感、感動してもらえるように頑張ります。時代場所を問わず日本に限らず世界のどこでも起こり得たようなケースを素材にしてここまで深い作品に仕上げるプッチーニ先生は凄いですね!

――『蝶々夫人』は、蝶々さんが15~18歳のときの物語です。大川さんは、蝶々さんと同年代をどのように過ごしていたでしょうか。(蝶々さんのように)一途に取り組んでいたことなどもあれば教えてください。

大川: 自然の中で半野人(?)のような生活を楽しんでいました。土台を作れましたし、まさに青春を謳歌してたと思います。一途に、というのはなかったと思いますが…、ハモる事(コーラス)は大好きでしたね。

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2021年11月 東京二期会オペラ劇場『こうもり』より ブリント役(写真中央)

――最後に、本番に向けての意気込み、メッセージをお願いいたします。

大川: 今日現在、まだ本格的な立ち稽古は始まっていませんが、今持ってる作品理解、ゴローという役の理解が、演出家や指揮者の求めによって、変化したり気付かされたりしながら、自分にしか出来ないゴローを演ずるのを楽しみにしています。

*     *     *


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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ゴロー 大川信之 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
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【新シーズン開幕!】2022年9月プッチーニ『蝶々夫人』~ピンカートン役 宮里直樹インタビュー「ピンカートンの感情が感情が音やフレーズに全て表れている」

東京二期会2022-2023シーズンは、9月8日(木)プッチーニ『蝶々夫人』から開幕!
今回も、インタビュー形式で本公演のキャストをご紹介してまいります。
初日と3日目のピンカートン役をつとめるテノール宮里直樹は、2017年の栗山昌良演出『蝶々夫人』に続いての出演です。若々しいだけでないノーブルな声で、確かな様式感をもった歌唱は、多くのファンと指揮者、オーケストラからの信頼厚いところ。「第九」演奏会やNHKニューイヤーオペラコンサートなど、数多くの出演を果たしています。
『蝶々夫人』の本番に向けて、話を聞きました。

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テノール 宮里直樹

――ピンカートンは、どのような役、人物でしょうか。

宮里: ピンカートンは一言で言うなら「最低な男」ですね。誠実さがなく、初めから蝶々さんを伴侶としてではなく「女」として遊びで結婚してしまう。人としては尊敬できる人物ではないですね。ただ傷付けるつもりではなかったので、良く言えば唯々自分の気持ちや欲求に素直な人物とも言えなくもないかなぁと。

――「最低の男」を演じるのも苦労があるかと思いますが、このピンカートン役の見せどころ、聴かせどころを教えてください。

宮里: ピンカートンは良くも悪くも自分の心の内を全て曝け出しているので、軽薄さだったり、優しさであったり怒りだったり、強引さであったり、その時その時の感情が音やフレーズに全て表れているので、オペラ全体的に彼の「人間性」を見て頂けたらと思います。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より ピンカートン役

――ピンカートン以外で、宮里さんが『蝶々夫人』で好きなところを教えてください。

宮里: 第2幕の最後の蝶々さんのアリアが個人的に一番好きですね。18歳で自分の幕を閉じる事を決意した蝶々さんの悲痛の叫びと息子への愛。管楽器が鳴り響く中で、優しい母の愛とも取れる優しいハープの音を聴くと涙が止まらなくなります。

――18歳で命を絶った蝶々さん。悲痛なシーンですね。蝶々さんも現代に生きていたら、ちょうど高校生の年齢で、持ち前の天真爛漫さで青春を謳歌していたかもしれませんね。宮里さんは、どのような高校時代を過ごしていたでしょうか。

宮里: 僕の高校時代は、高校3年の夏まではヴァイオリニストを志していたので、日々のヴァイオリンの練習、ピアノ、ソルフェージュ、加えて市民オーケストラに入っていたので音楽漬けの高校時代でしたね。その中で普通に恋愛も謳歌していたし、自分の好きな事をしていました。やりたい事を出来る、させて貰える事がどれだけ恵まれていた事かを最近よく考えさせられます。

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221年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より フェントン役

――音楽の糧を存分に吸収していた時代だったのですね。最後に、お客様に向けてメッセージをお願いいたします。

宮里: 最高の歌手陣と、指揮のバッティストーニ、そして御年96歳になられる演出の栗山先生と作り上げる『蝶々夫人』。貴重な機会なので、楽しみながらしっかり気を引き締めて本番まで作って行きたいと思います。忘れられないような素敵な舞台になるよう頑張りますので、楽しみにしていてください。

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2022年9月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年9月8日(木)18:30*、9日(金)14:00、10日(土)14:00*、11日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:栗山昌良/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
*…ピンカートン 宮里直樹 出演日

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~アムフォルタス役 黒田 博インタビュー「生き地獄を彷徨うようなアムフォルタスを演じるのは、快感(!?)」

開幕まであと5日! 二期会創立70周年記念公演、ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビューもいよいよ今回が最終回となります。
最後を飾るのは、アムフォルタス役のバリトン黒田 博。颯爽とした舞台姿に、力強い歌声と繊細な表現力をもって、国内第一線の活躍を続けてきた、日本を代表する屈指のバリトンのひとりです。
東京二期会のワーグナー公演においても、創立50周年記念公演『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ハンス・ザックス、60周年記念『パルジファル』アムフォルタスと最重要の舞台で主役を担ってきました。近年も、『魔笛』パパゲーノ、『セビリアの理髪師』バルトロなど軽妙さをもった役から、『トスカ』スカルピア、『ファルスタッフ』題名役などイタリアオペラ、そして『フィデリオ』フェルナンドなどドイツオペラと縦横無尽の活躍を続けています。
そして、今回10年ぶりとなるアムフォルタス。公演に向けて話を聞きました。

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2012年9月 二期会創立60周年記念 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より アムフォルタス役

――創立60周年記念公演に続いてのアムフォルタス役ですが、どのような人物でしょうか

黒田: とても難しいですけれども、とてもやりがいのある役です。精神的にも身体的にも傷を負って、贖われることのない罪を一生背負い続けています。アムフォルタスにとって、おそらく唯一の安らぎを見出す方法は「死」のみ。ですが、彼は、王として、自らの死が、他の人々の悩み、苦しみとなることを知っているので、「生き続けなければいけない」。そのように、生き地獄をずっと彷徨い続けているのがアムフォルタスです。

――稽古とはいえ、何度も演じ続けるのも苦しいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

黒田: アムフォルタスの、そうした内面のねじれた感情を、ワーグナーはそのまま音楽で描き切っているのですね。それを歌っていると、本当に、この身がよじれる思いがいたします。
苦しいんですけれど、しかし、ワーグナーの音楽に身を置く、または身を委ねることに、ある種の快感を覚えます。表現者として、ストレートな感情ではなく、心の奥底からえぐられるような、聖と俗とにねじられるような想いを歌うというのは、やはり面白いと思いますし、バリトンという声種ならではの役とも思いますね。

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2015年7月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』より パパゲーノ役

――昨年の7月はヴェルディ最後の作品『ファルスタッフ』に題名役で出演しました。ヴェルディ、ワーグナーという2大巨頭の最後の作品に携わってみて、どのように感じられたでしょうか。

黒田: すべての作曲家の最後の作品がいいものとなるかどうかは、また違うと思いますが、このヴェルディ、ワーグナーにとっては、最終到達点というか、すばらしいものに違いありません。
昨年のロラン・ペリーさん演出の『ファルスタッフ』では、ファルスタッフは、ただの飲んだくれの太っちょのジジイというだけではなく、若い時分はもっとイカしていたであろう男が、人生でいろんな経験をして、最後に「人間なんてしょせんこんなもんじゃんか」と笑い飛ばしている。
ファルスタッフは悪人として懲らしめられるのですが、全然悪人ではなくて、むしろとても人間らしいのです。僕からしたら、ファルスタッフのような人間が一番「まとも」に見えます。いったい、彼のどこが悪いの?
ヴェルディには初期や中期にもたくさんの素晴らしい作品がもちろんありますが、『ファルスタッフ』は、『オテロ』とともに、音楽的にも緻密に構築されたヴェルディの最高傑作ではないかと思えます。

一方、ワーグナー自身が様々な音楽手法を採用し、また発明してしてきた中で、最終的に到達した境地が、この『パルジファル』という作品だったのではないか、と思えます。
この作品の音楽のことを、僕は、言葉では言いあらわせないのですが……なんと言おうか、すべての要素が集約された構築物に圧倒される感じがいたします。音楽を聴いただけで、聖や俗といったものの価値観、概念がわからなくなるという世界に連れて行ってくれる感じがいたします。

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2016年7月 東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』より フィガロ役

――今の話を聞いて、両極端ともいえるキャラクターのファルスタッフとアムフォルタスですが、同時に、それぞれがまた極めて人間的なのですね。

黒田: そうですね。本当にそう思います。

――ファンの方には、ぜひ黒田博演じる「人間アムフォルタス」にご期待いただきたいと思います。それでは、宮本亞門さんの演出の魅力についても教えてください。

黒田: ひとつの作品を、実にいろいろな角度から見ていらっしゃるな、といつも思っています。
3次元といえばいいのか、4次元なのか、すごく立体的でダイナミック。音楽とリンクした動きのある舞台が魅力ですが、その音楽も、おそらく亞門さんならではの「聴き方」があるように思います。ここの音楽はふつうならこういうふうに、というものがあったとしても、僕らが感じている感覚とは違う「角度」で使われる感じがしますね。
これまでの稽古でも、亞門さんのアイデアには、本当に腰を抜かすような、驚くことがあるのです。そして、稽古を重ねていくと、そこで本当に胸が締め付けられるくらいの想いにさせられたりするのです。
ワーグナーは、音楽のモチーフがだいたい決まっているように思っているではないですか。亞門さんの場合だと、それがどのようにくるのか、というのは楽しみにしています。

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2021年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より ファルスタッフ役

――最後に、ファンのみなさまにメッセージを。

黒田: 演奏だけで4時間にもなるオペラですが、お客様にとっても、観るのも聴くのも「一日仕事」ですよね。この作品を一日かけてご鑑賞いただいて、家に帰られて、さらにずっと何日もかけて(余韻を)お楽しみいただけるかな、と楽しみにしています。
とにかく、ワーグナーの音楽は「まとも」じゃないですよ!2012年に続いて、今回も読売日本交響楽団さんとワーグナーでご一緒できるというのも楽しみですので、皆様にもご期待いただきたいです。

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00*、14日(木)14:00、16日(土)14:00*、17日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…アムフォルタス 黒田 博 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~クリングゾル役 門間信樹インタビュー「人間じゃない存在なのに一番人間的」

二期会創立70周年記念公演、ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビュー。今回は、自身初ワーグナーにしてクリングゾル役に挑戦する門間信樹です。
端正な舞台姿と繊細な表現力を持ち、複雑な心理描写にも長けるバリトン。2012年二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『スペイン時間』ラミーロで二期会デビュー。翌年『ホフマン物語』に出演後、長くニューヨークに活動の拠点を置き、2021年『サムソンとデリラ』で久しぶりに二期会オペラに戻ってきてくれました。
そして、今回のクリングゾル。本番に向けて話を聞きました。

――クリングゾルはどのような人物、役柄でしょうか?

門間: 今回が初役です。クリングゾルは、聖杯騎士団から破門されてしまったことで、ただ彼らに復讐がしたい。それだけを原動力として生きている人間、というか、魔法使いです。アムフォルタスから聖槍を奪いますが、でも、聖杯までも奪いたいとか、騎士団にもう一度入りたいとか、ではなくて、ただただ、聖杯騎士を官能的な欲望で惑わし、陥れ、復讐をし続けるという。このオペラの「悪役」です。自分は、あんまり悪役やらないんですけど(笑)
今回の舞台でも、セクハラ、パワハラ上司のような、乱暴な性格を持った人物として描かれているように思います。自分は穏やかな生活を送りたいと思っているのですが(笑)
でも、自分とは違うキャラクターだけに、演じるのが楽しいと思えるのかもしれません。楽しみたいと思います!

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2012年5月 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『スペイン時間』より ラミーロ役(右から2番目)

――これまでになかったクリングゾルが生まれそうですね。それでは、クリングゾル役の見どころ、聴きどころを教えてください。

門間: ワーグナーの音楽って、全篇にわたって絶対的なカッコよさがあると思っています!だから、聴きどころは?と聞かれると難しいのですけれど・・・・・・。
『パルジファル』は「苦悩」が大きなテーマのひとつといえますが、クリングゾルもまた苦悩しているのだと思います。屈折したものを抱え込んでいます。
最後のシーンで、クリングゾルはパルジファルにむかって槍を投げつけるのですが、槍はパルジファルに奪われ、彼を殺すことはできなかった。クリングゾルは失敗してしまうんですけれども、その瞬間、D-dur(ニ長調)の和音がパーッと高らかに鳴るんです。・・・これは、あくまで個人的な解釈なんですけれど、自分(クリングゾル)もパルジファルに救済されたのかな、って思うんですよね。ずっと復讐を胸にして、屈折して、苦悩をもって…この人生がずっと続いていくのかな、という存在の仕方でいると、パルジファルに救済されたかのような音楽に思えるんです。クリングゾルも、パルジファルが解放してくれたのかな・・・・・・聴きどころの答えになっているかどうか、わかりませんが。

クリングゾルって、バーン!と怒った後に、すぐ「ハハ!」と笑ってごまかしてみたり、そうした細かい描写に至るまで、「魔法使い」ということで人間じゃない存在として描かれているにもかかわらず、自分は、一番人間的に感じています。

――悪役というところから話が始まりましたけど、結局は「人間」なんじゃないかと。

門間: そうそう。人間が、他人に隠したいところを全部内面に同居させたキャラクターが、クリングゾルなんじゃないかな、と思うことがありますね。

――門間さんらしい、繊細な役作りの一端を話していただけたように思います。そんな門間さんは今年が二期会デビュー10周年。『スペイン時間』で出演したときの自身を思い出すと?

門間: 『懐かしいですね。10年ですか。恐ろしいですね(笑)
あの頃は、自分が精いっぱい、学ぶことが精いっぱいで、学んだことを稽古場で、そして舞台上で「どう出すか」ということに一生懸命でした。今は、むしろ、いろいろな方からいろいろなことを「吸収したい」という想いが強いですね。二期会ニューウェーブ・オペラ劇場は、若い同世代が集まって創り上げる現場だったので、刺激的でありましたが、今回のような東京二期会オペラ劇場の現場は、第一線の方からいろいろな歌手の方がいらっしゃるので、やはり、そうした人から「吸収」したいという想いになりますね。

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2021年1月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『サムソンとデリラ』より ダゴンの大司祭役

――ニューヨークに活動拠点を移して、コロナ禍前までは長く日本とニューヨークをまたぐ活躍をしてきました。ニューヨークの音楽的な魅力を教えてください。

門間: オペラがすぐ聴ける街なんですよ!自分はメトロポリタン歌劇場のある沿線に住んでいたので、稽古が終わったら今夜は『トゥーランドット』観に行けるな、といって電車に乗って当日券を買ったり。タイムズスクエアにはオペラの広告や情報で溢れていて、オペラが街に溶け込んでいる印象がありました。
若い人たちのグループで、安い席でも、イブニングドレスを着て、大人の仲間入りのように観に来ていたり、オペラを観に行くというのが、人それぞれの生活の一部になっている街。 クラシック音楽を聴くことが、自分を高めるひとつのステータスで、知性のあらわれというイメージもありますね。誰もが、自分のアップルミュージックに、好きなクラシック音楽がひとつやふたつ入っているというような。

――そのようなシーン、日本でも実現できるようにしたいですね!最後に『パルジファル』本番に向けて意気込みを。

門間: 大好きなワーグナーに初めて出演することになり、譜読みもじっくりやりました。とにかく音楽が絶対的にかっこいいんです!だから、かっこいいクリングゾルを歌いたい。クリングゾルは暴力的で、嫌な奴ではあるんですけど、観ている方が、何かしら、彼の「悪」に共感していただき、心の奥の部分で通じあえるようなクリングゾルを演じ、歌えたらと思っています。

*     *     *


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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00*、14日(木)14:00、16日(土)14:00*、17日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…クリングゾル 門間信樹 出演日

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二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~グルネマンツ役 山下浩司インタビュー「ワーグナーの‘生音’に触れてください!」

二期会創立70周年記念公演、ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビュー。今回はグルネマンツ役の山下浩司です。その、知的で、かつあたたかみのある低声に魅了される方も多いのではないでしょうか?
『魔笛』パパゲーノ、『フィガロの結婚』タイトルロールなどでモーツァルト歌手として高く評価されている中、2012年二期会創立60周年記念公演でグルネマンツを担い、貫禄ある歌唱で新境地を拓きました。その後さらにニューヨークで研鑽を積み、帰国後にはシューベルト「美しき水車小屋の娘」の全曲演奏で深化をみせていた山下。10年ぶりのグルネマンツとは、「感動の再会」であったようです。本番に向けて話を聞きました。

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2011年4月 東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』より フィガロ役

――『魔笛』パパゲーノ、『フィガロの結婚』フィガロなどを演じてきて、10年前東京二期会『パルジファル』公演にグルネマンツ役で出演しました。その時のエピソードを教えてください。

山下: バッハ、モーツァルト、ワーグナー、この3人の作曲家は神懸かっていると常々思っています。
彼らの音楽を演奏する際は、作品に畏敬の念を持ち、自我を抑え、その神懸かった音楽に身を委ねることを心がけています。
そういった意味では受難曲のイエス、フィガロやパパゲーノとグルネマンツは変わりありません。ただしグルネマンツの台詞の量は圧倒的に多い。私が知っているバリトン、バス系の役ではダントツだと思います。
2012年はワーグナーを敬愛し、熟知されている飯守先生の棒の下、現在でも世界で上演されているグート演出の舞台に立てたのは幸運でした。
オーディションは大きな台風の日だったことを思い出します。その時は課題曲を準備するだけで必死でしたが、役をいただき、譜面を細部まで読み進めていくうちに震えるような感動が押し寄せてきました。ワーグナーの魅力に取り憑かれた瞬間でもありました。
今回10年ぶりに楽譜を開くと(すっかり音符を忘れていたということもありますが...)同じ感動の波が襲ってきて、「あ~~~~~!やっぱり凄い曲!」と1人で騒ぎながら再勉強しました。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』(C.グート演出)より グルネマンツ役

――グルネマンツはどのような人物でしょうか。

山下: 一言で言うと変に真面目で、信仰心の厚い中間管理職でしょうか。誰かに一言尋ねられると、空気も読まず、サイドストーリーも含め長々と丁寧に説明する、そして愚痴も多い(笑)。きっと幼少期から信仰についての教育を徹底的に叩き込まれ、成功や失敗を重ね、それらを後進に伝えていくことへの義務感が強い。自然や人間への愛情も深い人だと思います。

――なんだか、日本人にも好まれそうな人物ですね。それでは、歌う分量が多いグルネマンツの見どころ、聴きどころを教えてください!

山下: その質問は困りますね…グルネマンツの、というよりも、『パルジファル』は見どころ、聴きどころが最初の1音から最後の和音まで、じわりじわりと4時間以上続くのです。

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より 音楽教師役(左端)

――なるほど!一度耳にしたら離れることのできない、魅力というよりも魔力に近いワーグナーの音楽ですね。でも、あまりにも壮大で奥深いワーグナーの世界ですが、初めてワーグナー作品に触れたいと思われている方に、親しみやすくなるために何かアドバイスをいただけるでしょうか。

山下: 『ローエングリン』の「結婚行進曲」や『ワルキュー』の「ワルキューレの騎行」、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の第1幕への前奏曲など、誰でも一度は聴いたことがあり、すでに親しまれているように思いますが、これらを劇場で生音で聴いたら「ハマる」人は増えるでしょうね。『パルジファル』ではそれらに匹敵する前奏曲、1幕舞台転換の音楽や、2幕花の乙女たちの重唱、3幕聖金曜日の音楽があります。これらをセヴァスティアン・ヴァイグレさん指揮の読売日本交響楽団で聴ける。それだけでもワクワクするのに、演出は宮本亞門さん。もう堪らないです!まずは一度、生で音の「うねり」を体感していただけたら、沼への第一歩になるのではないでしょうか。逆に2度と沼に近づかない人も出るかも知れませんが……。

――最後に、本公演に向けまして、ファンの皆様にメッセージをお願いいたします。

山下: 何しろ「生音!」です。劇場にお運びくださる皆様、演者、スタッフと共に、このオペラの最後の和音を聴きたいです。また、グルネマンツは2幕以外ほとんど舞台上にいるので、応援していただけたら嬉しいです。

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00、14日(木)14:00*、16日(土)14:00、17日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…グルネマンツ 山下浩司 出演日

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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~グルネマンツ役 加藤宏隆インタビュー「グルネマンツはこのオペラの語り部。気持ちを注いで、正確に、歌いたい」

二期会創立70周年記念公演、ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビュー。今回はグルネマンツ役の加藤宏隆です。
2014年『ドン・カルロ』の宗教裁判長で二期会デビューを飾り、その後も『魔弾の射手』カスパール、『後宮からの逃走』オスミンなど重厚な役を担いきってきたバス・バリトンのホープ。そのシュアな歌唱力で、バッハ・コレギウム・ジャパンとの共演など宗教曲のソリストとしても高い評価を受け続けています。

グルネマンツは、この物語のいわば「語り部」。聖杯騎士の中でも長いキャリアを持ったリーダー的な存在です。それだけに歌唱部分も多くて長く、グルネマンツが長セリフを決めてくれなければ、ドラマ自体に影響が出てしまうほど。加藤にとっても、大きな挑戦となる舞台です。本番に向けて話を聞きました。

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2014年2月 東京二期会オペラ劇場『ドン・カルロ』より 宗教裁判長役(左/撮影:三枝近志)

――グルネマンツはどのような人物でしょうか。

加藤: 常識の枠を決して離れることのない、一般的な意味での非常に立派な人だと思います。常に自分が属するコミュニティの行く末を心配している、いわば模範的な常識人。しかしそれ故、少々頑固な所もあり、部外者には冷たい時もあり、人間的な面白みのある人かと言われるとそうでは無いような気がします。そういった意味では残念ながらグルネマンツは世界を変えるヒーロー、救世主のような存在にはならない人です。なぜならそのような人たちは歴史上、常に常識の枠の外にいるからです。ただグルネマンツのような人物は、どのコミュニティにおいても必要とされる人物だと思っています。コミュニティの変遷をとてもよく知る頼りになる人。誤解を恐れずに言うと、頼まれてもいないのに地域のために何かしてくれようとする世話役のような人物だと思います。

――グルネマンツの見どころ、聴きどころを教えてください。

加藤: この長大な作品、グルネマンツは2幕以外ほぼ舞台上に居るので、まずは私のスタミナが最後まで持つかどうかに注目してください(笑)!!
全体的には語り部的な性質上、言葉の発音をとくに重視したいと思っています。1幕でグルネマンツが長々とこれまでのモンサルヴァートの変遷を語るくだり。ここは一言でも欠けたら、オペラ全体を構成する内容理解を妨げる結果となってしまいます。気持ちを注いで正確に歌いたいと思っています。ワーグナーは、明瞭な歌詞の発音による明確な言語表現を歌手に求めていたと言われています。今回私はこれを重要なキーワードに定めてグルネマンツを作りあげたいと思っていますので、その辺り注目していただけると嬉しいです。

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2018年11月 東京二期会オペラ劇場『後宮からの逃走』より オスミン役(中央/撮影:三枝近志)

――加藤さんは、声種柄、実際の年齢より年配の役をされることが多いと思いますが、そのために「役作り」として難しさを感じられたことはありますか?またどのようなアプローチをしていますか。

加藤: 自分が経験したことがない人物を演じるにあたり、いかにそれらしく見せるのかは難しいです。私は留学中、演じるキャラクターが今まさに感じている感情や、その場の空気感、匂いや触感、痛みなど、とにかく全感覚をリアルにイメージし、それを体の動きに移していくという方法で演技を学びました。自分のこれまでの人生の経験からそれらの感覚を引っ張り出してくるのですが、自分が体験したことがないものに関しては、それに似た感覚を探してくるわけです。例えば、腰の曲がったおじいさんを演じるのであれば、自分が腰痛で苦しんだ時の感覚を思い出して演技に活かしたり、加齢により耳が遠くなった人を演じるのであれば、大音量の音楽が流れている中で会話したときの事を思い出しながら演技するとか、そんな感じで作っていきます。もちろんオペラですので、舞台での見え方や、声を飛ばすのに最適な角度なども意識しながら身体の姿勢を決めていきます。今でもそのような形で役作りをしています。
ただし、声に関しては、わざと年寄りっぽい声を出したりとか、そういうことは一切しません。正しいフォームで、自分のナチュラルな声を出すことが最優先です。声のカラーやトーンで表現を深めることはもちろんしますが、いわゆる“作り声“で歌っては絶対にダメだと思っています。それをやってしまうと、音程も悪くなるし、声もとたんに飛ばなくなるし、声の寿命を縮めることにもつながります。自分の声が役柄よりも若く聞こえてしまっても、それは素直に諦めて役柄と自分の実年齢が合ってくるのを気長に待つべきだと思っています。

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2018年7月 東京二期会オペラ劇場『魔弾の射手』より カスパール役(撮影:三枝近志)

――最後に、本公演に向けまして、ファンの皆様にメッセージをお願いいたします。

加藤: 今回のパルジファルが私にとって初のワーグナーとなります。ワーグナー経験豊富な皆様に囲まれての稽古はとても楽しみです。ぜひご来場いただけましたら幸いです。

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00*、14日(木)14:00、16日(土)14:00*、17日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…グルネマンツ 加藤宏隆 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~クリングゾル役 友清 崇インタビュー「ワーグナー愛が10年熟成した今、経験したことを更なるキャリアの高みへと繋げていきたい」

二期会創立70周年記念公演ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビュー。今回はクリングゾル役の友清 崇です。
多くのドイツオペラで活躍し、東京二期会では『魔笛』パパゲーノ、『サロメ』ヨカナーンを好演。最近も『ローエングリン』『フィデリオ』『タンホイザー』と続けて出演を重ねてきました。クリングゾル役は2012年二期会創立60周年記念公演で初役を果たしたほか、今年3月にはびわ湖ホールにて同役を歌い好評を博しました。
クリングゾルは悪魔と契約をした魔法使い。クンドリの心を操り、モンサルヴァートの王アムフォルタスから聖槍を奪った上に傷を負わせます。しかし、救世主としてあらわれたパルジファルに対し、その聖槍を投げると…
『パルジファル』は聖杯騎士団から語られるストーリーのため、ダークサイドに陥ったクリングゾルは悪役として描かれることが多いです。しかし、この役と向き合ってきた友清の話からは、そのように単純化されるキャラクターではない、愛憎混濁する複雑な内面を持った人物像が浮かびあがってきました。
公演に向けての話をどうぞ。

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2010年9月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』(実相寺昭雄演出)より パパゲーノ役

――クリングゾルは、2012年の二期会創立60周年に続いて、今年は3月にびわ湖ホールの舞台に立ちました。

友清: 初めてワーグナーのオペラでキャスティングしていただいたのが10年前の『パルジファル』公演でのクリングゾルでした。翌々年、新国立劇場のシーズンオープニング公演では本役の外国人歌手が喉の調子を崩しゲネプロ降板になり、代役で舞台にあがりました。しかし、その後、新国立劇場、びわ湖ホールオペラ公演においてはカヴァーが続いていました。ですから、今回の公演オーディションで幸運にも出演のチャンスを得ることができて、とても嬉しいです。今春、クリングゾルでびわ湖ホールにオペラデビューさせていただきました。演奏会形式でしたので歌唱のみに集中でき、音楽の真髄に迫る挑戦ができました。

――クリングゾルの人物像、役柄、見どころ、聴きどころを教えてください。

友清: クリングゾルには2幕冒頭の前奏に奏でられる「Ungebändigten Sehnens Pein (抑えきれない欲望の苦しみ)」になぞられるライトモチーフ(示導動機)があります。
彼の人物像についてはその言葉に全て集約されています。
かつて、クリングゾルは聖杯の騎士団に入る為、懸命になっていました。騎士としてふさわしくなるべく、彼は一心不乱に猛勉強しました。入団には「純潔な者だけが許される」という条件があり、彼は若い男性なら必然的に持つだろう性への欲望を抑え切ることに苦しみ、ついに彼は肉体を犠牲、泌尿器を切断してしまいます。想像を絶する行為です。しかし、そうせざるを得無かったのです。彼は自分の制御不能な本能に本気で向き合い、決断したのです。
彼は突如笑い出したり、叫び声をあげる「情動調節障害」を患っています。歌詞の中に幾度となく「Ha!」と叫んでいるのがそれを証明しています。これは映画「ジョーカー」の主人公アーサー・フレックと同じ症状です。幼少時代に受けた虐待は脳外傷にまでおよぶ程。おそらくクリングゾルも同じような境遇だった可能性もあります。どんなに不幸で肉体的にも精神的にも酷く傷ついていても、彼は死にません。彼に備わった生命力は強靭だったのです。絶望的な境遇から見つめる聖盃騎士団の城「モンサルヴァート」はクリングゾルにとって憧れであり、救いであり、生きる望みだったに違いありません。このような観点から鑑みて、クリングゾルがティトゥレルによって入団を拒まれてしまったことは、彼にとって全てが崩壊してしまったことになります。
絶望に打ちひしがれながらクリングゾルは行く宛もなく山中をさまよい歩き、ついに肉体と精神が限界に達し地面に倒れてしまいます。そこは「モンサルヴァート」の領域で同じ山地のアラビア的スペインに向かっている南麓でした。倒れて動けなくなり、死を待つばかりのクリングゾルでしたが、彼の中に宿る強靭な生命力、憎悪、怨念の増幅が新たな生命力となって芽生え、更に魔法の力を得たのです。その魔力は絶大で、荒れ地だったその場所に魔法の城を築き上げました。
その後の彼の行動は、オペラのストーリーの通りです。
クリングゾルのスピンオフ作品が作れそうです。

クリングゾルの聴きどころについて、冒頭に「Die Zeit ist da,(その時が来た)」静寂の中、語るかのように歌います。ここの歌い方は十人十色。腑に落ちた歌い方を確立していないと、初っ端から不安になるばかりです。
次に、第1幕で何度か歌われる「Durch Mitleid wissend der reine Tor. (共苦により智を得たる純粋な愚か者)」のメロディーに、クリングゾルは替え歌で「今日は最も危険な奴を打ち負かさないとならん、奴は愚かさを盾にしているし」と歌うシーンです。この状況に及んでも、「モンサルヴァート城」で歌われているメロディーを今だに口ずさむクリングゾルって泣けてきませんか? かつて聖盃の騎士になる為の猛勉強がいまだ根強く残っているのです。「憧れ」は完全には消し切れないのです。聖なる者達を全員罠に陥れ、「聖盃を手中に収めるのだ!」と叫ぶシーンは、『ジークフリート』の第2幕でアルベリヒが「この手に指環を握り世界を支配するのは俺だ!」叫ぶシチュエーションと同じです。嘆きの叫びを聴いて下さい。

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2011年2月 東京二期会オペラ劇場『サロメ』(ペーター・コンヴィチュニー演出)より ヨカナーン役

すみません、もうひとつ!
クリングゾルは、パルジファルがそこまで来たのを見ると、異常に興奮し始めます。自軍の兵たちが次々にパルジファルにやっつけられていく様子を見て、ますます興奮します。まるで格闘技を観戦しているかのように。「Bleibst mir du zugewiesen! (俺のもとに居ろ、お前に見せつけてやる!)」クリングゾルがまるで歌舞伎役者のような大見得を切って退場するシーンは見どころです。
いったい何を見せつけてやるのか?彼は根っからの悪ではありません。彼の中にも「美」が存在していたのです。その表れが、彼が去った後に登場するクリングゾルの花の乙女達です。美しい乙女達、美しい庭園を創造したのはクリングゾルです。何よりもこの場面を支配するのはクリングゾルが創造した音楽です。『タンホイザー』ヴェーヌスベルクの官能の音楽とはまた違い、美女達に見入ってしまい、聴き入ってしまいます。

見どころについては、2幕の最後にクリングゾルが突き刺す聖なる槍を、どのようにパルジファルが奪うかです。これまでの数ある演出において、色んなアイデアが披露されてきたので注目するところです。特に手の込んだ仕掛けがある演出では、まさに魔法です。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』(クラウス・グート演出)より クリングゾル役

――『パルジファル』の話を聞いていたのですが、スピンオフ・オペラ『クリングゾル』も、ぜひ観たくなりました!それだけ深いコンテクストを持った複雑な役だったのですね。さて、ドイツオペラでは欠かせない存在の友清さんですが、パパゲーノのようなコミカルな役から、ヨカナーンのような重厚で高潔な役もあり、今回のようなヒール役もあって、その役柄の広さは一概にひとくくりにはできそうにありません。役作りや歌作りはどのように取り組んでいるのでしょうか?

友清: 私がこれまでドイツオペラを中心に出演を続けられているのは、学生時代に師事した二人のバリトンの先生の指導のおかげです。歌曲から始まり、学年を重ねるにつれオペラ作品にも取り込み、発音指導をはじめ徹底した指導が今の私の礎になっています。またこの二人の先生はバリトンの中でも声質が異なっており、オペラで演じられていた役柄はコミカルなもの、そして重厚なものでありました。そのような学びの環境で育まれた経験が私の役作り、歌作りになっています。

――ちなみに、どのキャラクターを演じるのが、ご自身で一番お好きですか?

友清: 「悪役です。」という答えを期待しているのでしょうが、『パルジファル』の中では、正直言って「アムフォルタス」ですよ。でも、私にとっての「抑えきれない憧れへの苦しみ」が「クリングゾル」の本質に近づくことができるのだと思っています。

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2020年9月 東京二期会オペラ劇場『フィデリオ』(深作健太演出)より ドン・ピツァロ役

――それでは、最後にワーグナーの魅力と、ファンの皆様に向けて意気込みとメッセージをお願いいたします。

友清: 私にとってオペラを歌う原動力はワーグナーオペラへの憧れです。ワーグナーの魅力は、言語と音楽の融合、そして何よりもワーグナーの世界を表現する「歌唱力」です。

私の「意気込み」は役への「息込み」、つまり「役に生きる」ことです。「居て、捨てて、語る」という言葉を、演出家浅利慶太氏より学びました。役の人物に居る、自分を捨てる、その上で語る(歌う)。役作りにおいて究極の奥義です。
歌の師匠からもですが、これまでの人生経験の中で、幾多の金言に遭遇できたことは私にとって宝です。
今回も著名な宮本亞門氏の演出において、彼からどのようなインスピレーションを与えられ「クリングゾル」をどう生きていくか、とても楽しみです。
この10年間で、カヴァーもふくめてバイロイトで上演されるワーグナー主要10作品全てに関わることができました。私の中で、ワーグナー愛が10年熟成した今、経験したことを更なるキャリアの高みへと繋げていきたいです。

*     *     *


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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00、14日(木)14:00*、16日(土)14:00、17日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…クリングゾル 友清 崇 出演日

▼9月18日開催!「清水勇磨バリトンリサイタル」の公演情報ページはこちら
五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念「清水勇磨 バリトンリサイタル」 - 株式会社 二期会21
2022年9月18日(日)14:00 東京文化会館 小ホール

●両公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~アムフォルタス役 清水勇磨インタビュー「音楽もどれだけ本気で作品を好きになり、様々な視点から見つめる気持ちを保ち続けられるかという事だと思います」

二期会創立70周年記念公演ワーグナー『パルジファル』キャスト・インタビュー。今回はアムフォルタス役バリトン清水勇磨の登場です。
『ばらの騎士』ファーニナルが二期会最初の舞台。その後は、二期会だけでも『タンホイザー』ヴォルフラム、『ファルスタッフ』フォード、そして先月『エドガール』フランクと大役が続いています。
そして、今回のアムフォルタス。聖杯と聖槍を守護するモンサルヴァートの王です。オペラ『パルジファル』冒頭、王は傷ついた姿で現れます。
妖女クンドリの誘惑、つまりハニートラップにかかり、大事な聖槍を魔王クリングゾルに奪われてしまったばかりか、その槍で身体を突かれ、負傷したのでした。最も恥ずべき形で王としての務めを果たせず、身体もプライドも傷ついたアムフォルタス。それでも王の威厳を保ち、苦痛と悔恨に耐えなければなりませんでした。これまでになくスケールが大きい上に、かように内面的に繊細な描写が要求される難役です。
公演に向けて、話を聞きました。

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2016年7月 グラインドボーン音楽祭との提携公演『ばらの騎士』より ファーニナル役(中央)

――アムフォルタスとは、どんな人物、役柄でしょうか。

清水勇磨: 規律を守り上下関係を非常に重んじている事が見てとれます。ガーヴァンを呼ぶ場面をみても(Ohn’ Urlaub)許しを得ないで出かけていった事に憤っている事からも分かるように、しっかりと騎士達をまとめている事が分かります。
また、アムフォルタスを貫いているのは“傷”の痛みが彼の中に常にあるという事です。そういう事が頭の中、また身体的にも極限的な状態にあるので(Erbalmen!)という劇的な神への懇願へと繋がるのです。
また、3幕のティトゥレルの遺骨を目にして(Oh! Der du jetzt in göttlichem Glanz)「おお今神の栄光に包まれ」という箇所の中に、明らかに彼の感情に変化が生じます。それがもはや聖杯王としての役目を果たせない位に取り乱すきっかけになると思っていますが、私には役柄全体としては人間的な優しさに満ちている役だと思います。

――確かに、アムフォルタスには、王としての優しさ、懐の深さが感じられますね。『パルジファル』の真の主役とも言われるアムフォルタスですが、この役の聴かせどころ、見せどころを教えてください。

清水勇磨: 1幕のティトゥレルの声から要は「お前は務めをしていない」と言われるわけですが、アムフォルタスの苦しみの揺れ動き、重責に耐えられず、父親に責務を果たして欲しいという言葉から始まります。アムフォルタスの死ぬに死ねないこの状況が音楽的にも瞬間、瞬間の感情の変化が非常に細かく描かれており、一つの要かと思います。
3幕の父親の遺骨を目の前にした時の状況も重要な場面かと思います。

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より ヴォルフラム役

――イタリアで学んだ清水さんにとって、ドイツオペラでの活躍については自身でどのように考えているのでしょうか。役や楽曲に対するアプローチで何か違いはありますか。

清水勇磨: まず、西洋音楽における我々アジア人は完全に外国人です。ヨーロッパ各国は隣接していますし、アメリカだってアルファベットを使うんですから、言語体系として全く別な訳です。当然、核になる言語やレパートリーはあるわけですが、ボローニャ歌劇場の研修所の時ですら、イタリア語、フランス語、ドイツ語のディクションは常にやっていましたし、外国人の方が他国の作品もやらなくてはという必死さがある様に思います。私は、イタリアに行ってからイタリア語以外の音楽に触れる事によって、言葉さばきにしても音楽的な構築にしても、差や共通点がはっきりして、よりイタリア音楽に対する理解も深まったと思っています。また、初めて取り組んだドイツオペラは二期会デビューの『ばらの騎士』でした。音楽を聴いた時に衝撃を覚えた事を記憶しています。ファーニナルという大きい役をさせて頂いた事の経験で、その後のドイツオペラ作品へも繋がりましたから、出会いに感謝しています。研修所時代にクリス・メリット氏にも「お前はドイツオペラも絶対やった方が良い」と言われましたし、私は両輪で歌っている方が互いの音楽や言葉に新鮮味や尊敬を抱き続ける事が出来ると思うので、続けて行きたいです。結局、音楽もどれだけ本気で作品を好きになり、様々な視点から見つめる気持ちを保ち続けられるかという事だと思いますから。なぜか恋愛の話の様に聞こえますが、ある種、恋人の事を知りたいという事と似ている様な気がします。(私だけですかね。汗)

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2021年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より フォード役

――そして、9月にはソロ・リサイタルも控えています。リサイタルのプログラムについて、少し教えてください。リサイタルに向けての意気込みもお願いいたします。

清水勇磨: 9月のリサイタルは『パルジファル』と同じ東京文化会館で開催します。演奏曲目は当然全曲決定している訳ですが、発表までもう少し時間を頂く事になっています… 少しだけ申し上げさせて頂くと、後半はオペラアリアが並んでいます。『道化師』や『妖精ヴィッリ』等もプログラムされています。前述で触れて頂いた、二期会オペラでも歌唱した『ファルスタッフ』や『エドガール』も演奏予定にしています。『椿姫』も入っています。ヴェルディ、ヴェリズモをレパートリーとしている歌手の中心的な曲目はプログラムされています。
少し専門的に申し上げますと、舞台発声、発語というのは明確にこれをしなければならないという方法論がある訳です。話し言葉とは違いますので、例えば、高音、低音は技術的にこうしないと客席に明確に聞こえないという具合です。それをイタリアで毎日叩き込まれたからこそ、大体基本的な事や、困った時もある程度対処出来る訳です。何度も演奏したアリアの数々です。前半で申し上げるとリスト作曲「ペトラルカによる3つのソネット」を演奏する予定にしています。ピアノソロの曲がありますが、今回演奏するのは歌が一緒になったものです。イタリア人が書いた音楽ではありませんが、音楽的な美しさ、言葉への配慮としても非常に学ぶべき事が多い作品です。是非足を運んで頂き、お聴き頂けましたら幸いでございます。

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2022年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エドガール』より フランク役(右)

――とても贅沢な「バリトン清水勇磨のフルコース」! 楽しみにされている方もたくさんいらっしゃると思います。最後に、『パルジファル』の本公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

清水勇磨: 7月に東京文化会館でパルジファルが行われます。宮本亞門さんの演出も楽しみですし、セバスティアン・ヴァイグレさんとの音楽作りもどうなるかとわくわくしています。私にとっても新たな役柄への挑戦ですが、是非お出掛け頂けましたら幸いです。

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00、14日(木)14:00*、16日(土)14:00、17日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…アムフォルタス 清水勇磨 出演日

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五島記念文化賞 オペラ新人賞研修帰国記念「清水勇磨 バリトンリサイタル」 - 株式会社 二期会21
2022年9月18日(日)14:00 東京文化会館 小ホール

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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~クンドリ役 橋爪ゆかインタビュー「ワーグナーには、大自然のような偉大さを感じます」

二期会創立70周年記念公演ワーグナー『パルジファル』にクンドリ役で出演するメゾソプラノ橋爪ゆか。
同役は2012年の二期会創立60周年記念公演(飯守泰次郎指揮/クラウス・グート演出)に続いての出演となります。もちろん『パルジファル』のほか、『さまよえるオランダ人』ゼンタ、『ワルキューレ』ジークリンデ、『ジークフリート』ブリュンヒルデなど多くのワーグナー作品でキャリアを重ねてきました。
その芳醇な響きの歌声で、ロシア歌曲にも造詣を深めています。公演に向けて話を聞きました。

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2008年2月 東京二期会オペラ劇場『ワルキューレ』より ジークリンデ役

――これまで幾度もワーグナー作品に出演してきた橋爪さんは、ワーグナーの音楽や世界についてどのように感じているでしょうか。

橋爪: ワーグナーの作品はとにかくスケールが大きい。自分の手中には到底入れることのできない、大自然のような偉大さを感じます。自然だけでなく動物も出てきますし、ワーグナーは動物好きだったようですね。上演時間はとても長いですが、それをも忘れさせてしまうような、時間や空間の枠のない、知らず知らずに虜にさせられてしまう不思議な魔力が、ワーグナーの作品にはたくさん詰まっているところでしょうか。
私はすっかりワーグナーの世界に魅了されています。
普段から、庭で花や野菜を育てたり、生き物も好きで飼育したり、木が好きで木工をしたり……ちょっと変ですが、それが至福の時でして。だから、ワーグナーの、森や木のような音を感じる音楽が好きなのかなと思っています。

――ワーグナーの音楽には、大きな自然讃歌のような魅力があるのですね。今回橋爪さんが演じるクンドリはどのような人物でしょうか。

橋爪: クンドリは「呪われた女」と言われていますが、謎の多い女です。どこから来たのか、どこへ行くのか、クンドリ自身も自分は何者なのか、最後までわからないのかもしれません。
しかし唯一、闇と光の2つの世界を知っている。最後に死をもって浄化されるクンドリですが、魂が浄化されていくことを考えると、人間の体を持った「何か」なのかもしれません。

――クンドリ役の見どころ、聴きどころについて教えてください。

橋爪: 2012年の二期会創立60周年記念公演『パルジファル』でクンドリ役をいただいたときにも感じましたが、クンドリは感情的に大変入り組んだ役で、今回久しぶりに楽譜を開き、また改めてクンドリの多彩な役に身の引き締まる思いであり、同時にまたワクワクもしています。1幕、2幕3幕と別人のように変化していくクンドリと気持ち新たに向き合いたいと思います。各幕ともに、音楽に沿って様々に染まっていくクンドリを楽しんでいただけたら幸いです。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より クンドリ役

――幕ごとに人物像がどんどん変化するのがクンドリならではの難しさであり、やりがいと感じられているのかと思いました。『さまよえるオランダ人』のゼンタや、『タンホイザー』のエリーザベト、『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデなど、他のワーグナー作品にあらわれる女性像とは少し異質な感じがします。橋爪さんは、どのようにお感じになられているでしょうか。

橋爪: ゼンタ、エリーザベト、イゾルデともに、自分の意志があり、それをはっきり示すことのできる女性たちであるとするならば、クンドリは抗うことのできない渦の中で、自分の意志とは無縁の女性だと感じます。因縁の渦中とも言いますか、どんなに奉仕をしても救われることのない姿には、深い苦しみが感じられますが、しかし思うに、クンドリは深いところではとても清らかな女性ではないかと思っています。

――奥深いところにクンドリ本来の清らかさがある。その話を聞いて、クンドリは、何か様々な情報に忙殺され我を失いそうになる現代人の写しでもあるような気もしました。最後に、本公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

橋爪: 今回の公演は指揮セバスティアン・ヴァイグレさん、演出宮本亞門さん、そして2012年の時と同じく読売日本交響楽団。どのような音楽とどのような演出に、どのような『パルジファル』ができ上がっていくのか、今からとても楽しみです。初めての方にも、何度もワーグナーの作品に足を運ばれている方にも、本公演の『パルジファル』をワクワクドキドキしながら楽しんでいただけたら、ワーグナーの世界に魅了されていただけたら、とても嬉しいです!!

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00、14日(木)14:00*、16日(土)14:00、17日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…クンドリ 橋爪ゆか 出演日

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【明日開幕!】 4月公演 プッチーニ『エドガール』~舞台構成 飯塚励生「現代に通じる歴史的背景とプッチーニの音楽のターニングポイント」

いよいよ明日4月23日(土)『エドガール』の初日を迎えます。
昨日はエドガール福井敬組のゲネプロがBunkamuraオーチャードホールで行われました。

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会場のBunkamuraオーチャードホール

あっという間の2時間!
音楽の濃密さは他のプッチーニの名作に勝るとも劣りません。
もちろん、後に続く名作を髣髴(ほうふつ)とさせるドラマティックなオーケストラやロマンティックなメロディも素敵ですが、「初期の作品らしさ」が感じられるところが、かえってとても新鮮です。
合唱も加わる1幕の教会のシーンや、3幕の葬送のシーン。その荘厳な響きでは、プッチーニのミサ曲を思わせます。もともとプッチーニは、教会のオルガニストの家系に生まれました。オペラ作曲家として稀代の成功を収めましたが、その裸の魂には、生まれながらにしての宗教的な響きが宿っていたのかもしれない、と想像を膨らませます。

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21日のゲネプロより

舞台構成は、前回公演『サムソンとデリラ』に続いて、ニューヨーク出身の演出家の飯塚励生。
東京二期会では、2012年日生劇場共同制作ライマン『メデア』(日本初演・第67回文化庁芸術祭音楽分門大賞受賞)を演出しています。初日ゲネプロ終了時に話を聞きました。

――飯塚励生さん、ゲネプロお疲れ様でした。とても珍しい『エドガール』を舞台化されるにあたって、この作品の一番の魅力と思われたところはどこでしょうか?

飯塚: 魅力的なポイントを2つ挙げるとするならば、まずは歴史的背景です。
舞台は1302年に行ったフランス・フランドル戦争、または金拍車の戦いです。フランス王のフィリップ4世がフランドルを併合しようとした1297年から1314年の戦争でした。これは現在のロシアとウクライナの情勢と似ていませんか?どの時代になっても人間は歴史を学ばず、成長していないことに残念に思います。
次に、この作品を聴くと、プッチーニ自身の音楽的展開を感じます。1幕は、彼にとって多大な影響を与えた作曲家――ビゼー、ヴェルディ、ワーグナー等の音楽が感じ取れますが、2幕からは段々とプッチーニらしい音楽が流れて来るように感じます。ロマン派の音楽家からヴェリズモの巨匠になりかかるターニングポイントを聞ける絶好のチャンスだと思います。

――マエストロ、アンドレア・バッティストーニの印象はいかがでしょうか。

飯塚: マエストロ バッティストーニとご一緒する時間は非常に短期間ではありましたが、内容の濃い豊かな時間でした。稽古中は穏やかで、時にはユーモアたっぷりですが、自分の意見を相手にはっきり伝えていき、チームをまとめていく姿勢が感じられました。
福井敬さん組の最終オーケストラ付き舞台稽古では、彼の情熱とパワーは稽古場の100倍感じました。

――開幕を待つファンの皆様に一言お願いいたします。

飯塚: セミ・ステージ方式のコンサートですので、客席から、歌い手の情熱と迫力、マエストロバッティストーニのパワー溢れる指揮、オーケストラが奏でるプッチーニの音楽の美しさ、視覚的な舞台背景(映像と照明)等を一つのパッケージで経験出来る、絶好のチャンスだと思います。
どうぞ心ゆくまでお楽しみください!

明日開幕の『エドガール』どうか、見逃されませんように!!

※タイムテーブル、当日券情報は、この後、当ブログに掲載いたします。

*     *     *


▼『エドガール』公演情報ページはこちら
2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~パルジファル役 伊藤達人インタビュー「10年前、観客のひとりだった自分が」

7月公演ワーグナーの超大作『パルジファル』のタイトルロールに抜擢されたのは、伊藤達人(いとう たつんど)。
ベルリンで研鑽を積んだのち、2016年『ナクソス島のアリアドネ』(シモーネ・ヤング指揮、カロリーネ・グルーバー演出)ブリゲッラ役で二期会デビュー。その後も日生劇場で『魔笛』、『ヘンゼルとグレーテル』、新国立劇場『ニュルンベルクのマイスタージンガー』など、ドイツオペラでの活躍が著しい新進のテノールが、ついに二期会創立70周年記念公演の頂点となる演目で主演を果たします!

「二期会通信 Opera」vol.328に掲載された、先のインタビューでは、「僕はヘルデンテノール(力強さのあるテノール)の中でもユーゲント、例えばローエングリンやパルジファルのような役を専門にしていきたい」と語っていました。

▼(参照)二期会通信掲載のインタビューはこちら
『パルジファル』出演歌手の素顔 伊藤達人・加藤宏隆 | オペラを楽しむ - 東京二期会

ヘルデン(Helden / Held)とは「英雄」という意味。そして、ユーゲント(Jugend)とは、「青春」「青年」ということですから、まさに、長大なワーグナー・オペラで、若々しく力強い声が必要とされる英雄役こそ、彼の目指すもの。中でも、聖なる愚者パルジファルは、歌唱量もハンパない上に、野性的にしてノーブルに存在しなければならず、技術面、体力面いずれもにおいても最難関であることは間違いありません。日本の貴重なパルジファル歌いとして、伊藤が今後も長く付き合っていく役になるのではないでしょうか。
公演に向けて話を聞きました。

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より ブリゲッラ役(左から2番目)

――パルジファルはどのような人物、役でしょうか。

伊藤: 《Durch Mitleid wissend der reine Tor》共苦により智を得る純粋な愚か者と言われています。
1幕の彼は本当に何も知りません。2幕になり、クンドリの口づけにより、智を得て、アムフォルタスの苦悩を知り、3幕では、聖槍をもちかり、アムフォルタスの傷を塞ぎ聖杯王となる。
物語が進むにつれて、パルジファルの成長、変化を表現できたらと思います。

――伊藤さんにとって、パルジファル役のここを聴いてほしい!という場面、歌がありましたら、教えてください。

伊藤: やはり、クンドリの口づけにより、アムフォルタスの苦悩を得て歌う、《Amfortas! Die Wunde!》です。
1幕のパルジファルの音楽はまだ幼さも感じとれます。青年というより、少年というような。それが2幕で花の乙女たちと戯れ、クンドリの口づけにより智を得て成長し――言葉が幼稚かもしれませんが――音楽も格好よくなります!

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より ブリゲッラ役(左端)

――今度は、伊藤さんご自身の青春時代についてお伺いします。高校時代に合唱部で歌う喜びに出会ったと伺いましたが、どのような思い出でしょうか?

伊藤: 歌を始めたきっかけが高校の合唱部でした。今思い返すと、定期演奏会やコンクールに向けて、部員や先生と熱く意見をぶつけ合ったり。とても濃い3年間を過ごしたと懐かしく思います。
学校裏の河川敷で練習したり、夏休みに合宿したり、定期演奏会でミュージカルやったり。 音楽に溢れた3年間をすごしました。

――そんな高校時代の一曲を選ぶとすれば?

伊藤: Carl Rütti作曲《Missa Angelorum》のGloriaです。高校3年時のコンクールの自由曲でした。11声部くらいあった記憶で、僕1人で1パート歌っていたので、とても必死にやってましたね。
音楽大学受験をきめて、僕のレベルアップも考えて、顧問の先生が選んでくれた記憶があります。高校時代、歌に興味を持つことができたのも、合唱部の顧問先生あったからなので、本当に感謝しております。

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2019年9月 二期会シーズン・オープニング・コンサート『清教徒』(演奏会形式)より ブルーノ役

――そして、今、タイトルロールとしてステージに立たんとしています。今回の舞台は、伊藤達人さんの成長の物語でもありますね。本公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

伊藤: 2012年の二期会『パルジファル』を観客のひとりとして観ていた私は、まさかいつか自分がパルジファルを歌うとは思ってもいませんでした。貴重な機会に、大きな役を歌える機会に大変感謝しております。
Jugendlicher Herdentenorとしての第一歩として、なにかしらの爪痕残せるようと思ってはおりますが、優しく見守っていただけると幸いです。
『パルジファル』は、数あるオペラの中でも、難解な作品かもしれません。オペラが、少しでも娯楽として、普段の生活からちょっとした現実逃避として、もっともっと広がって興味を持っていただけるように、頑張っていきたいです。
僕自身、宮本亞門さんの演出がどんなことになるのかワクワクしています。
ご一緒に、7月の東京文化会館でワクワクを共感していただけたら嬉しいです!!

*     *     *


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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00、14日(木)14:00*、16日(土)14:00、17日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…パルジファル 伊藤達人 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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7月公演 ワーグナー『パルジファル』~クンドリ役 田崎尚美インタビュー「クンドリは非常に多面的。とても縁のある、思い入れの強い役です。」

東京二期会が創立70周年記念公演シリーズの頂上としてお贈りする、2022年7月公演ワーグナー『パルジファル』(セバスティアン・ヴァイグレ指揮、宮本亞門演出/フランス国立ラン歌劇場との共同制作公演)の開催に向けて、今回もキャストをインタビュー形式でご紹介してまいります。

第1回は、クンドリ役のソプラノ田崎尚美。田崎の二期会デビュー・ロールはなんとクンドリ! 2012年の二期会創立60周年記念公演の『パルジファル』(飯守泰次郎指揮、クラウス・グート演出)での出演が大成功だったことは、その後の10年のキャリア ~『ワルキューレ』ジークリンデ、『さまよえるオランダ人』ゼンタ、『タンホイザー』エリーザベト、『サロメ』『ナクソス島のアリアドネ』『ルサルカ』『トゥーランドット』題名役~ が如実に語っています。 先月に上演された、びわ湖ホールの『パルジファル』(セミ・ステージ形式)でも同役を歌い絶賛されました。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』(クラウス・グート演出)より クンドリ役

――田崎さんにとって、クンドリは二期会のデビュー・ロールですね。今、振り返って、最初の二期会オペラの現場はどのような印象でしたか?

田崎: 二期会公演の初めての現場は、2011年のサロメ役カヴァー(シュテファン・ゾルテス指揮、ペーター・コンヴィチュニー演出)だったのですが、その時は小さくなって皆様の後ろの方に座っておりました(小さくなれていたかどうかはわかりません)。 稽古場の熱量とピリっとした緊張感があり、稽古現場の空気感というものを共有させていただきました。
その翌年に『パルジファル』クンドリ役でデビューさせて頂きましたので、稽古場の緊張感というものを知った状態で稽古に臨めたのはありがたかったです。

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2016年11月 東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』より プリマドンナ/アリアドネ役

――クンドリはどのような人物でしょうか。

田崎: クンドリは、このオペラの中でも何度も言われているように、とにかく不思議な女です。善人なのか悪人なのかわからない、歳も素性もわからない人です。最終的にパルジファルに救済されて「死」を手に入れることが出来ますが、死ぬことを許されないために、その時点では人としての定義は満たしてない人物なのです。日本語で「呪われた女」や「妖女」と表記される事が多いですが、死を奪われている時点で人間ではないですね。
1幕は通常時、2幕は操られている時、3幕は別人?!!。
非常に多面的な役です。

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より エリーザベト役

――クンドリ役の見どころ、聴きどころについて、田崎さんにとって、印象深い場面、歌がありましたら、教えてください。

田崎: 私は、昨年の「東京・春・音楽祭」での子どものためのワーグナー『パルジファル』でもクンドリを演じ、今年の3月もびわ湖ホール『パルジファル』でクンドリを歌わせていただきました。
とても縁のある、思い入れの強い役なので、見どころと聴きどころは全部!!と言いたいところです(笑)。
中でも印象深いと言いますか、わかりやすいのは、二幕二場で名前をあっさりと教えちゃう場面です。先に答えを与えてから長々とルーツを語り出すやり方はとてもシンパシーを感じます。
10年前の演出で大好きだったのは、二幕一場のクリングゾルとクンドリのシーンです。一階にいるクンドリが二階にいるクリングゾルに操られているように見せる稽古を沢山しました。とても楽しかったのを覚えています。
今回はどんな演出でクンドリを歌えるのかが今からとても楽しみです。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』(クラウス・グート演出)より 上階のクリングゾルに操られるクンドリ

――それでは、本公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

田崎: 『パルジファル』は演奏時間がとても長い作品です。一幕グルネマンツの言葉に「ここでは時間が空間に変わるのだ」という言葉がありますが、パルジファルを聴いているといつもそう思います。時間が一定であるとは限らないかもしれません。少なくともそう思える舞台を、音楽をお届けしたいと思います。長いけど快感だった!と言って頂けるよう頑張ります。

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2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00*、14日(木)14:00、16日(土)14:00*、17日(日) 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…クンドリ 田崎尚美 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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来日10周年を迎えるアンドレア・バッティストーニからメッセージ!~4月『エドガール』によせて

今年、来日10周年を迎えるイタリアの指揮者アンドレア・バッティストーニから、4月東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エドガール』を指揮するにあたって、メッセージが届きました!

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オペラファンなら誰もがジャコモ・プッチーニの偉大な傑作に夢中です。私たちは、ミミや蝶々夫人、そして、トスカの感動的な物語をよく知っています。
ですが、この度、私たちはこの作曲家の初期の珠玉のレパートリーを生で体験する機会を得ました。『エドガール』です。
この偉大な作品は、北欧にインスパイアされた筋書きに、イタリアの旋律と、ヴェリズモ・オペラの声の妙技、フランスの管弦楽の色彩とが、わくわくするほどに混ぜ合わされています。
『エドガール』は、プッチーニがその芸術的な旅路を進む、重要な一歩となる作品であり、私は、この作品を、東京二期会と東京フィルのアーティストとともに探求することを楽しみにしています。
きっと、このオペラは皆様にとって驚くべき発見となることでしょう。
Viva、プッチーニ!

2022年3月15日
アンドレア・バッティストーニ

(原文)Every opera fan is madly in love with the great masterpieces of Giacomo Puccini and we are all familiar with the moving stories of Mimì, Butterfly and Tosca.
But this time we have the chance to experience live an early gem of the composer's repertoire: Edgar.
This great work is a thrilling mixture of Italian melody, Verismo vocal virtuosity, French orchestral colors with Northern-Europe-inspired plot. Edgar was a significant step forward in Puccini's artistic journey and I'm looking forward to explore it together with Nikikai and Tokyo Philharmonic's artists.
I'm sure this opera will be a surprising discovery for everybody.
Viva Puccini!

15th March 2022
Andrea Battistoni

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2012年 来日初公演となった、東京二期会 ヴェルディ『ナブッコ』(カーテンコールより)

2012年2月ヴェルディ『ナブッコ』で東京二期会&日本デビュー。当時24歳のバッティストーニがその才能を爆発させ、一夜にしてその名を轟かせた衝撃は、今なお、まるで昨日のことのように思い出されます。
東京二期会では、その後も『イル・トロヴァトーレ』『リゴレット』とヴェルディ作品を指揮、2019年宮本亞門演出の『蝶々夫人』で、日本で初となるプッチーニ作品を披露しました。

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2015年 東京二期会 ヴェルディ『リゴレット』(カーテンコールより)

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2016年 東京二期会 ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』(カーテンコールより)

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2019年 東京二期会 プッチーニ『蝶々夫人』(カーテンコールより)

昨年はコロナ禍においてヴェルディ「レクイエム」を指揮。演奏者やご来場のお客様と祈りを共有する、特別な時間となりました。

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2021年 二期会スペシャルコンサート ヴェルディ「レクイエム」より

2022年は、バッティストーニ×プッチーニ・イヤー!
4月の『エドガール』を皮切りに、9月『蝶々夫人』でも東京二期会に再登場。それに先駆けて、8月には九州交響楽団の定期演奏会に登場し『外套』を予定しています。

この機会を逃しては、きっと滅多に聴く機会に再び巡り合えないだろう、バッティストーニの『エドガール』。
ぜひ逃されませんように!!

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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~ティグラーナ役 中島郁子インタビュー「彼女の言葉には裏がなく、常に真っ直ぐに自分の想いを語っています」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介7人目はティグラーナ役のメゾソプラノ中島郁子です。
ヒロインのフィデーリアの兄フランクを片恋に沈め、主人公エドガールの心を打ち抜いてしまう、美女ティグラーナ。オペラ『エドガール』の台本は、プッチーニの第1作『妖精ヴィッリ』に続いて、フェルディナンド・フォンターナが務めましたが、フォンターナは『盃と唇』というフランスの詩劇を原作にしながら、当世流行のオペラとしてよりドラマティックになるように、ビゼーの『カルメン』も参考にしたということですから、その特徴は、まさにティグラーナというキャラクターに結晶したということでしょう。
マエストロ、アンドレア・バッティストーニの記念すべき日本デビュー・オペラである『ナブッコ』のフェネーナで二期会デビューを飾った中島。『セヴィリャの理髪師』ロジーナを当たり役とし、昨年は東京二期会『ファルスタッフ』にクイックリーで出演。主要なオーケストラとの共演も多い中島にとって、今回のティグラーナは今まで演じてきた役とはまったく違うキャラクターと言います。公演に向けて話を聞きました。

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中島郁子

――ティグラーナは、どのような役、人物でしょうか?

中島: 一言で言えば、本能の赴くままに生きる「魔性の女」と言えるでしょうか。
フランクに愛されている事に満足できず、フィデーリアの恋人であるエドガールを誘惑して奪ってしまうところは、まさにカルメンを思わせる女性だと思います。
しかし、彼女の言葉には裏がなく、常に真っ直ぐに自分の想いを語っています。第一幕、ミサで敬虔な祈りを捧げる村人たちの前で、「あなた達にとって、それが祈りであっても、私にとってはカンツォーネだわ! 私は歌いたいの、私は鳥のようにさえずりたいの!」という言葉は、自由奔放な彼女の性格がよく表れているように思います。

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2012年2月 東京二期会オペラ劇場『ナブッコ』より フェネーナ役(中央手前)

――そのティグラーナの台詞にも、カルメンに通じるものがありますね。それでは、ティグラーナの見どころ、聴きどころのシーンを教えてください。

中島: ティグラーナは、その性格から、様々な場面で、変化に富んだ表現が要求されていると思います。
例えば、第一幕で、エドガールを誘惑する場面では、プッチーニは「Religioso=宗教的に」と指示して、流麗な旋律で描かれています。その後、祈りを捧げる村人達を邪魔する場面では、「Satanico=悪魔的に」と書かれており、独特のリズム感で激しい感情が表れています。
また、第二幕で、エドガールの気持ちが離れてしまっていると知り、彼への愛を情熱的に歌う二重唱では、「con espress. di volutta'=快楽的な表現で」とあり、この作品の中でも、最も甘美で官能的な旋律で描かれていると思います。
これら全てが魅力的な旋律で描かれていますので、ティグラーナという女性の感情の変化を音楽から感じて頂けると思います。

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2017年10月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より スズキ役(左)

――今回の『エドガール』、他のプッチーニ作品と比べて、どのような印象を持たれましたか。

中島: これまで私は、二期会公演のプッチーニ作品では、『蝶々夫人』スズキ役、『修道女アンジェリカ』公爵夫人役、『ジャンニ・スキッキ』ツィータ役に出演させて頂きましたが、それぞれ私は大好きな役ですが、どちらかと言うと、少し落ち着いた雰囲気の役ばかりでした。プッチーニの作品は、残念ながらメゾソプラノの役がとても少ないのですが、この『エドガール』では、珍しくメゾソプラノに妖美な役が与えられています。実は、私は、このような女性を演じるのは初めてですので、新たなレパートリーに挑戦する気持ちで取り組んでいます。

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2018年9月 東京二期会オペラ劇場『修道女アンジェリカ』より 公爵夫人役(左)



――新しい中島さんの魅力に出会えそうですね。それでは、公演に向けての意気込みをお願いします。

中島: 『エドガール』は、上演される機会の少ない作品ですが、若きプッチーニの描いた優美な旋律に溢れています。
その作品を、きっとマエストロ・バッティストーニが、更に躍動感みなぎる素晴らしいイタリアオペラへと、導いて下さる事と思います。私も、その舞台に立たせて頂けることをとても嬉しく思っております。是非、会場にお越し頂き、お楽しみ頂ければ幸いです!

――ぜひファンの皆様、ご期待ください!最後に、オーチャードホールにご来場されるお客様に、渋谷の中島さんおすすめのスポットがあれば教えてください。

中島: 私は、なかなか渋谷を訪れる機会がないのですが、美術館が好きなので、オーチャードホールのあるBunkamuraのザ・ミュージアムには、興味のある展示を見つけると訪れます。何年も前になりますが、ダ・ヴィンチやルーベンスの名画に感銘を受けたことを覚えています。是非、皆様も、オーチャードホールでの音楽会と合わせて、美術館もお楽しみ頂ければと思います。

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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00*、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…ティグラーナ 中島郁子 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~フランク役杉浦隆大インタビュー「旋律の美しいフランクのアリアを印象に残るように歌いたい」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介6人目はフランク役のバリトン杉浦隆大の登場です。
バリトンの役に似つかわしい貫禄と朗らかな人柄からか、仲間から「ビッグ」の愛称で親しまれています。二期会オペラ研修所は最優秀で修了(川崎靜子賞受賞)。『ダナエの愛』で二期会オペラ・デビュー後も自分の歌に磨きをかけるため、ドイツ・ハンブルクに留学。帰国後もさらに活躍を続け、昨年は『魔笛』『こうもり』に出演しました。
今年は、『エドガール』フランクに続いて、7月『パルジファル』聖杯の騎士、9月『蝶々夫人』ヤマドリと、なんと3公演連続での出演が決まっています!まずは2022年の初登板に向けて話を聞きました。

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杉浦隆大

――フランクとはどのような人物でしょうか?

杉浦: 町の人々に悪女とまで呼ばれるティグラーナのことを愛し、彼女のために決闘するも恋は実らず、軍人となって彼女への想いを断ち切った男(もしかしたらまだ断ち切れていないかもしれませんが…)、それがフランクです。

――ティグラーナとは、小さいときから一緒に暮らしていたんですよね。

杉浦: フランクにはフィデーリアという妹がいますが、ティグラーナは、生まれながらに捨てられてしまったところをフランクの父グアルティエーロに拾われ、フランクやフィデーリアとともに育てられました。フランクの家族は基本的に信心深い人々ですが、ティグラーナは成長するにつれ不道徳な道に走り、今では町の人々に悪女と蔑まされ煙たがられるような娘に育ってしまいました。フランクは彼女が不道徳な道に走っていることを許せませんが、一方で彼女のことを愛しています。彼女には一向に相手にされていませんが。
町の人々に追い立てられたティグラーナはエドガールとともに町を去ろうとしますが、フランクは彼女をエドガールに奪われたくなく、決闘をします。結局彼らには逃げられ、フランクは裏切られた想いからか、彼らの去り際、ティグラーナに呪いの言葉をかけます。それほどまでに彼女のことを愛していたといえるでしょう。

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2021年9月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』より 僧侶I役(パミーナの後ろに立つ金色衣裳の人物)

――愛したいがゆえにその悪が許せない、愛の言葉が届かないがゆえに呪いの言葉をかける、というのは…

杉浦: ティグラーナがいない日々を送る中で、フランクは軍に入隊し、隊長となります。きっと彼女のことを忘れるため必死にがんばって、気づいたら隊長にまで昇りつめていたという感じでしょう。
第2幕で偶然エドガールとティグラーナに再会するフランクですが、エドガールの入隊願いを快く受けるほどフランクは彼と意気投合し、逆にティグラーナには見向きもせず、むしろ軽蔑します。第3幕ではティグラーナの本心を知りたがり、エドガールとともにその本心を探ろうとします。その方法はまるで詐欺をはたらいて罠にはめるかのようなやり口で、いくらティグラーナへの想いを断ち切ったからとは言え、少々彼女への軽蔑が過ぎるように思います。愛すること、失恋して想いを断ち切ること、フランクには何事にも猪突猛進な面があるかもしれません。

――温和な杉浦さんからはなかなか想像できない役ですが、フランクのやりがいはどのあたりに?

杉浦: フランクの聴きどころは、第1幕で歌われるアリア「Questo amor, vergogna mia」が1番だと思います。またアリアに向かうまでの、ティグラーナとのやり取りも、彼の心情がよく表れている箇所だと思います。旋律が美しいこのアリアですが、このオペラの音楽は随所にスケールの大きな音楽が見られ、それにかき消されないよう、印象に残るように歌いたいと思います。

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2021年11月 東京二期会オペラ劇場『こうもり』より フランク役(写真中央:こちらのフランクは刑務所長)

――プッチーニには珍しいバリトンのアリアですね。

杉浦: プッチーニのオペラ2作目ですが、音楽にはすでに他の作品に見られるような旋律の美しさが際立っているように思えます。プッチーニの他のオペラと違う点では、私がバリトンだからだと思いますが、本当に数少ないバリトンのアリアがあることです。先の「Questo amor, vergogna mia」は比較的短いですが、しっかりとアリアと呼べるものがバリトンの役に割り振られているのです。いつもプッチーニの美しい旋律をアリアとして歌われているソプラノやテノールをうらやましく思っていますが、このアリアだけはバリトンのものであり、ちょっと短いですが、存分に堪能することができます。

――杉浦さんの歌うアリア楽しみにしていただきましょう。最後に、ファンの皆様に向けてメッセージをお願いいたします。

杉浦: プッチーニの初期作品『エドガール』、上演されることは本当に少なく、貴重な機会に出演することができて本当にうれしく思っております。皆さまにお楽しみいただけますよう、しっかりと歌わせていただきます。どうぞ足をお運びいただけたらと思います。

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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00* Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…フランク 杉浦隆大 出演日

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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~フィデーリア役髙橋絵理インタビュー「プッチーニが愛した繊細で一途な女性像 ―ミミ、蝶々さん、リューのような― がフィデーリアにはあります」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介5人目はフィデーリア役で出演するソプラノ髙橋絵理。昨年7月『ファルスタッフ』アリーチェに続いて、大山亜紀子とのダブルでの登場です。
東京二期会では『パリアッチ(道化師)』ネッダでデビュー。その後も、『ホフマン物語』アントニア、『エロディアード』サロメを演じ、持前の清々しく健やかな抒情性をたたえた歌声で、演じる人物のピュアな心情を表現し、高い評価を受けてきました。先日、急遽の開催となった『フィガロの結婚』でも、伯爵夫人を見事務め上げ、賞賛を受けています。 そして、今回のフィデーリア。プッチーニのヒロインに向かう意気込みを聞きました。

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2012年7月 東京二期会オペラ劇場『パリアッチ(道化師)』より ネッダ役

――髙橋さん、おはようございます。

髙橋: おはようございます。

――急遽公演となった『フィガロの結婚』。今回の伯爵夫人では、どのような新しい「発見」がありましたでしょうか。

髙橋: 伯爵夫人はオペラデビューの役であり、そして新国立劇場オペラ研修所の際にも歌わせていただき、節目節目に歌ってきた大事なレパートリーです。今回の宮本亞門さんの演出では、悲しみの中にいる伯爵夫人でも、いつも希望を失わない前向きなキャラクターを目指しました。だからだと思いますが、稽古を重ねるうちに伯爵夫人の生き抜く力、そして逞しさをこんなに深く感じたことがありませんでした。同じ役でもその時々で感じ方が違うのは、演じていて面白い点ですね。

――ファンの方にはぜひ引き続き4月公演『エドガール』にもお越しいただきたいと思います。それでは、フィデーリアは、どのような役、人物でしょうか?

髙橋: フィデーリアの名前の由来は、忠実、敬虔(Fedele a Dio)です。『カルメン』のミカエラに通じるような役どころと思っています。幼馴染みであるエドガールに一途で、エドガールとティグラーナが駆け落ちした後も彼を思い続けます。亡骸となって村へ帰ってきたエドガール(実際は生きていますが)に対して村人が非難しても、彼を庇い、優しく村人を説得する芯の強さもあります。

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2013年8月 東京二期会オペラ劇場『ホフマン物語』より アントニア役

――共同制作『カルメン』でミカエラを演じた経験も、フィデーリアに活かされるのではないでしょうか。それでは、フィデーリアの見どころ、聴きどころのシーンを教えてください。

髙橋: フィデーリアの最も有名なアリア「さようなら、私の甘い愛」です。亡くなってしまった愛するエドガールへの想いを歌うアリアですが、後半に向かうにつれ「天国で待っていてね」と何度も言うフィデーリアの高揚していく音楽に、深い愛情を感じさせられます。

――今回が二期会初演となる『エドガール』。二期会以外でもあまり上演される機会はありませんでしたが、他のプッチーニ作品と比べて、どのような印象がありますか。

髙橋: この作品はプッチーニの2作目のオペラですが、プッチーニ特有の抒情的な音楽はすでに健在で、初めて全幕を聴くお客様にも存分にお楽しみいただけると思います。プッチーニが愛した繊細で一途な女性像のミミ、蝶々さん、リューのようなキャラクターの要素がフィデーリアにはあり、素敵なメロディーが満載です。 また、フィデーリアにはアンサンブルの音楽がほとんどなく3曲のアリアとコンチェルタートのスタイルで描かれています。プッチーニ最後の作品である『トゥーランドット』のリューへ与えられたスタイルとほぼ同じで、大変興味深いです。

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2019年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エロディアード』より サロメ役

――まさに、プッチーニの人生を貫くヒロイン像がフィデーリアでも描かれようとしているのですね。ところで、渋谷で、髙橋さんおすすめのスポットがあれば教えてください。

髙橋: イタリアンのタロス(Tharros)がおすすめです。前々回Bunkamuraオーチャードホールでの『エロディアード』サロメ役で出演した際に、本番後に家族を連れて行ったことがきっかけで時々伺っています。美味しいですよ!

――最後に、お客様へ向けてメッセージをお願いいたします。

髙橋: 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズは、毎回なかなか上演されない作品に焦点を当てた大変貴重なシリーズです。ぜひプッチーニの素晴らしい作品を、会場にてお楽しみ頂けたら嬉しいです。オーチャードホールでお待ちしております。

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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00*、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…フィデーリア 髙橋絵理 出演日

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二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~フィデーリア役大山亜紀子にインタビュー「最後まで想いを貫く純粋な人」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介4人目はフィデーリア役で出演するソプラノ大山亜紀子です。
ヴェルディ、プッチーニのヒロインを歌いつづける二期会のディーヴァのひとり。『蝶々夫人』題名役でデビュー後、『仮面舞踏会』アメーリア、『オテロ』デズデモナで好演。新国立劇場鑑賞教室では『トスカ』題名役を演じ、昨年も『ファルスタッフ』アリーチェで華々しいアンサンブルの中心として大役を果たしました。
そして、今回のフィデーリア。神様の愛に忠実、誠実な人という意味の名前のとおりの役柄で、いかにもプッチーニのヒロインらしい感じがします。その場の状況や、情動、感情で行動に走ってしまう人物ばかりのこのオペラの中で、フィデーリアだけは、一貫して恋人エドガールのことを想い、信じています。トスカ、蝶々さん、リューへと続く、プッチーニのほとんどライフワークのような女性を、大山はどのような思いをもって臨むのか、話を聞きました。

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2009年11月 東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』より 蝶々夫人役

――フィデーリアは、どのような役、人物でしょうか?

大山: 今回演じますフィデーリアは、どのような状況になっても、愛するエドガールのことを最後まで想い貫く純粋な人だと思います。普通ならとても愛していたとしても、裏切られ、自分の元を去った時点で終わりですよね。

――フィデーリアの見どころ、聴きどころのシーンを教えてください。

大山: 一番好きな場面は、第三幕のエドガールに別れの言うシーンです。彼の棺(実際は違いますが)に対し「愛する人、私もそのうちそちらに行きます。待っていてくださいね」と吐露するシーンは、メロディーも素敵で、最初はフィデーリアだけで歌っていきますが、最後には合唱も彼を讃えて歌い気持ちを盛り上げるところは聴きごたえがあると思います。

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2010年2月 東京二期会オペラ劇場『オテロ』より デズデモナ役

――まさかそのとき、自分ひとりが命を落とすとは、思っていなかったかもしれませんね・・・ところで、Bunkamuraのある渋谷で、アフター、ビフォアー・オペラを楽しむおすすめスポットは?

大山: なかなか渋谷に降り立たずよくわかりません(笑)
もしよろしければ、皆様教えてください。「ここのお店のこれがおいしいからおすすめですよ!」とか「ここは面白いからぜひ行ってみてください!」など、お待ちしております(笑)

202202_ooyama_akiko_03.jpg
2021年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より アリーチェ役

――では、皆様、大山にぜひお便りお待ちしています!最後に、お客様へ向けてメッセージをお願いいたします。

大山: なかなか上演されない作品です。私も今回初めて知りました。是非会場に足をお運びいただき、プッチーニの音楽を楽しんでいただけたらと思います。会場にてお待ちしております。

*     *     *


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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00* Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…フィデーリア 大山亜紀子 出演日

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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~ティグラーナ役成田伊美にインタビュー「ヴェルディやワーグナーの影響を感じます」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介3人目はティグラーナ役で出演するメゾソプラノ成田伊美です。
最近のインタビューで「一番興味のある役は、やっぱり、カルメン」と答えていた成田。『エドガール』のティグラーナは、たしかにカルメンにも似て「妖しい美女」として描かれます。プッチーニのオペラらしく、愛を一途に信じるヒロインのフィデーリアはソプラノで、その恋人である主人公エドガールはテノール。その二人の愛を引き裂くように登場し、挙句の果てはフィデーリアを刺し絶命させてしまうのが、このティグラーナです。
昨年11月には一つの目標であった『こうもり』オルロフスキーを好演した成田。続いての大役に向けて、意気込みを聞きました。

202202_narita_yoshimi_00.jpg 成田伊美

――ティグラーナは、どのような役、人物でしょうか?

成田: ティグラーナは、育ちは良くないものの、周りの人が釘付けになる程魅力的で、魔性の女のようです。メゾソプラノが演じる、『カルメン』カルメンや『カヴァレリア・ルスティカーナ』のローラ、『リゴレット』マッダレーナなどと似ている役かなと思います。ティグラーナの歌は、先ほど例に挙げたカルメンなどより、音域が高くイタリアオペラらしさ全開といった感じです。私とティグラーナの性格が似ているかと聞かれたら、間違いなく「似ていない」と答えると思います(笑)

――成田さんの名誉にかけて「似ていない」と思います! それでは、ティグラーナの見どころ、聴きどころのシーンを教えてください。

成田: ティグラーナの聴きどころは、2幕のエドガールとの二重唱です!本当に美しいメロディーなんです!! 幕切れには男声合唱が加わり、壮大なオーケストラが響き渡ります。
1幕のティグラーナのアリアも南イタリアを感じさせるメロディーで、合唱との掛け合いもあり、かっこいいです。また、このオペラは合唱から始まるのですが、プッチーニらしさがよく出ていて、大々的な序曲を置かず、すっとオペラに引き込まれていくのも良いなと思っております。

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2015年2月 東京二期会オペラ劇場『リゴレット』より チェプラーノ伯爵夫人役(写真中央)

――『エドガール』は、他のプッチーニ作品と比べて、どのような印象を持たれましたか。共通するところや、異色なところなど、特に感じられるところがあれば、教えてください。

成田: この『エドガール』は随所にヴェルディを感じます。「All'armi!(武器を!)」や「Maledizion(呪い)」というヴェルディがオペラの大切なシーンで使っている言葉を、プッチーニもこの『エドガール』では大切なシーンで使っています。他方、それぞれのキャラクターにテーマ旋律を振り分けていて、この辺りはワーグナーの影響を感じます。余談ですが、私は1800年代から1900年代の音楽が特に好きなんです。プッチーニはまさしくこの時代で、この『エドガール』は新しい時代への幕開けをプッチーニ自身も感じながら作曲したのではないかと感じます。

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2021年11月 東京二期会オペラ劇場『こうもり』より オルロフスキー役(写真左)

――ヴェルディやワーグナーからのバトンもしっかりと受け取った作品でもあるのですね。お客様にもぜひ実演で感じていただきたいですね。では、成田さんおすすめの渋谷のスポットがあれば教えてください。

成田: 渋谷はあまり詳しくないのですが…オーチャードホールがあるBunkamuraの中には素敵なカフェがたくさんあるので、ぜひ『エドガール』の前後に素敵なティータイムをお過ごしください。

――Bunkamuraにはオペラ鑑賞の前後も楽しめるスポットが集まっていますし、落ち着いた時間が流れる空間が素敵ですよね。最後に、お客様へ向けてメッセージをお願いいたします。

成田: この役の出演が決まったとき、イタリアオペラにしっかり挑めるチャンスをやっと掴むことができた!とガッツポーズをしたことを覚えています。今の年齢になり、やっと声が成長してきたので歌うことができる役だと思います。私の集大成として挑みますので、ぜひ会場で応援していただけたら嬉しいです。マエストロ・バッティストーニさん、東京フィルハーモニー交響楽団が作り上げる美しい音楽と、二期会の私たちの歌唱をお楽しみください。お待ちしております!!

*     *     *


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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00* Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…ティグラーナ 成田伊美 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~グァルティエーロ役清水宏樹にインタビュー「息子フランクとエドガールの争いの場面に」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介2人目に登場するのはバス清水宏樹です。これまで東京二期会では『トスカ』、『椿姫』のイタリアオペラのほか、『ローエングリン』『魔弾の射手』といったドイツオペラでも出演を果たしてきました。特に2018年ペーター・コンヴィチュニー演出『魔弾の射手』では、カスパール役を好演しています。
今回の役は、グァルティエーロ。主人公エドガールの恋人フィデーリアと、フィデーリアの兄フランク、その兄妹の父です。グァルティエーロは、さらに、ムーア人の両親に捨てられた娘ティグラーナを養い、フィデーリアの姉妹のように育てました。
妖艶な美を放つティグラーナに、あろうことか想いを寄せる兄フランク。しかし、ティグラーナは、フィデーリアの恋人エドガールを誘惑、ついに篭絡に成功してしまいます。そして、事件は、ある日の教会の祈りの時間に起きてしまいます・・・オペラ『エドガール』の悲劇は、つまり、グァルティエーロ家の中で醸造されてきた、といえるのです。

202202shimizu_hiroki_00.jpg 清水宏樹

――グァルティエーロは、どのような役、人物でしょうか?

清水: バスの役は、比較的高齢で、聖職者や王様、誰かの後見人などが多いですが、グァルティエーロはフランクの父親という役どころです。

――グァルティエーロの登場シーンを教えてください。

清水: 第1幕、教会で息子フランクとエドガールの争いの場面に割って入るところが唯一の出演シーンとなります。歌唱箇所は少ないですが、合唱を含めた出演者(村人たち)が多い、とても迫力のある場面です。

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2018年7月 東京二期会オペラ劇場『魔弾の射手』より カスパール役

――二期会が『エドガール』を取り上げるのはこれが初めてとなります。他のプッチーニ作品と比べて、どのような印象を持たれましたか。

清水: プッチーニの中ではマイナーな作品ですが、旋律の美しさやスケール感は他の作品に引けをとりません。上演されることが少ないので、この機会に是非足をお運びださい。

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2020年2月 東京二期会オペラ劇場『椿姫』より グランヴィル役(写真後方)

――渋谷で清水さんおすすめのスポットがあれば教えてください。

清水: オーチャードホールのすぐ近くにある「VIRON」というパン屋さんです。フランスパンのサンドイッチが特にオススメで、味とボリュームに大満足です。パンの食感が硬いのが特に好きなところです。少し値が張りますが、価値があると思います。

――清水勇磨さんに続いての連続票!ぜひ行ってみたくなりますね。最後に、ファンの皆様に向けてメッセージをお願いいたします。

清水: 舞台の成功に向けて、日々練習に取り組んでおります。ホールでお会いすることを楽しみにしております。

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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00* Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…グァルティエーロ 清水宏樹 出演日

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東京二期会オペラ劇場 2月公演モーツァルト『フィガロの結婚』~タイトルロール近藤 圭 インタビュー!「世界で一番泣けるレチタティーヴォだと思っています!」

2月に急遽開催が決まった『フィガロの結婚』にタイトルロールで出演するバリトン近藤 圭。実直な楷書体の姿勢から抒情あふれる歌を聴かせる俊英は、モーツァルト歌手としても高い評価を受けています。宮本亞門演出のオペラは、昨年9月『魔笛』に続いての出演です。同じくバリトン萩原 潤とは9月『魔笛』パパゲーノからの連続ダブルとなりました。稽古の様子や開幕にかける思いを聞きました。

202201_kondou_kei_00.jpg 近藤 圭

――連日怒涛の稽古が続いていますが、稽古場の様子はいかがでしょうか?

近藤: 普段、暗譜を完璧にしてから初稽古に臨むように心がけているのですが、今回お話をいただいてから期間が短かったため、暗譜と立ち稽古を同時進行しているところもあり、なかなかスリリングです(笑)。でも、稽古場はみんな和気あいあい楽しくやっていますよ。喜劇ですし、何よりモーツァルトのキラキラした音楽に囲まれてハッピーな気持ちで毎日稽古しています。

――昨年の『魔笛』パパゲーノに続いて、萩原 潤さんとのダブルキャストです。萩原さんは稽古場ではどのような方なのでしょうか。

近藤: 萩原さんは、本当に優しい方で、常に色々な人に気遣いをしてくださり、僕にもたくさんのことを教えてくださいます。
それでいて、ご本人は子どものような無邪気さや、純真な心をお持ちで、稽古場でも冗談や楽しい話をして、みんなを和ませてくださいます。そのお人柄が、フィガロのキャラクターにも現れていて、僕も観ていると、暖かく幸せな気持ちになります。
それから、ジァイアンツへの熱い想いは、いつも変わりません(笑)。

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2021年9月 東京二期会オペラ劇場『魔笛』より パパゲーノ役(右から2番目)

――『フィガロの結婚』で、近藤さんが個人的に一番好きな場面、音楽を教えてください。

近藤: もう、どれも好きすぎて選べませんが、音楽であえていうなら「序曲」でしょうか。聴いていて、気分がウキウキ高揚して、こんなに幕が開くのが楽しみになる「序曲」というのは『フィガロの結婚』が一番ではないかと思っています。川瀬マエストロと新日本フィルハーモニーさんの演奏が今からとても楽しみです。
でも、その「序曲」が終わり、幕が開き、最初に声を発するのはフィガロですから、そのプレッシャーたるや・・・

場面では、マルチェリーナとバルトロが実はフィガロの両親で、自分の親にもなるとわかったスザンナが六重唱の後のレチタティーヴォで、「私のように幸せな人っているのかしら」と言うところです。いつも鳥肌がゾワっと立つくらい感動します。世界で一番泣けるレチタティーヴォだと思っています。

――「世界で一番泣けるレチタティーヴォ」いいですね。最後に、ファンのお客様にメッセージをお願いします。

近藤: 二期会の誇る宮本亞門演出「フィガロの結婚」。僕も客席からは何度も観ているのですが、今回初めて出演いたします。このような世の中ですが、みなさんを少しでもハッピーな気持ちにできますよう、一生懸命歌い、演じさせていただきます。東京文化会館でお待ちいたしております!

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『フィガロの結婚』稽古場にて

*     *     *


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2022年2月公演 W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』 - 東京二期会オペラ劇場

2022年2月9日(水)18:30、11日(金・祝)14:00*、12日(土)14:00、13日(日)13:00* 東京文化会館 大ホール
指揮:川瀬賢太郎/演出:宮本亞門/管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
*…フィガロ 近藤 圭 出演日

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二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~フランク役清水勇磨にインタビュー「リブレットを見ると良く練ってあるんですよ。言葉にどれだけこだわったのかが分かります」

Bunkamuraとの共同主催による東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エドガール』。セミ・ステージながら、実はこれが二期会初演になります!
主人公エドガールの恋人フィデーリアの兄にあたるフランク役を演じるのが、バリトン清水勇磨。二期会ではこれまで『ばらの騎士』ファーニナル、『タンホイザー』ヴォルフラム、『ファルスタッフ』フォードと重厚な役を演じてきました。中止となってしまった2月公演『影のない女』にもバラク役での出演が予定されていました。
今回のフランクは、プッチーニのオペラでは珍しく、アリアのあるバリトンの役で、全曲上演されることは稀ですが、アリアだけはお聴きになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。『エドガール』の物語を掻き乱す女性ティグラーナに、あろうことか恋心を寄せるフランク。その止められない想いを歌っています。清水に詳しく話を聞きました。

202201_shimizu_yuuma_00.jpg 清水勇磨

――フランクはどのような人物でしょうか?

清水: フランクは素直な感性の持ち主ですよね。というのも、エドガールと恋仲になるティグラーナに想いを寄せていますが、そのやり取りというのも、愛しているその想いがストレートに出ているところから見ても素直な男だなという印象ですね。チレーアの『アドリアーナ・ルクヴルール』のミショネ(※)という役と似ている部分がありますね。 男の秘めた想いみたいなものはあまりフォーカスされませんが、日常なんてそんなことが割とあったりすると感じます。そんな日常にある誰もが経験するような想いが舞台にふっと現れると、真実味をもって心を動かされる感覚がありますよね。

(※)…1902年ミラノ初演。コメディ・フランセーズの看板女優アドリアーナとマウリツィオの悲恋。ミショネは劇場の舞台監督で、アドリアーナに叶わぬ想いを寄せています。

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2021年2月 東京二期会オペラ劇場『タンホイザー』より ヴォルフラム役

――フランクの見どころ、聴きどころのシーンを。

清水: オペラ冒頭のアリアですね。ボローニャ歌劇場の研修所にいた時もコンサートを含め本当によく歌いましたし、色々な歌手に聴いてもらいました。
何回彼女から離れようとしてもやっぱり彼女の元に戻ってきてしまう。それが彼の愛の深さを語っていると感じます。旋律の美しさの中に、彼の想いが…美しい想いだけではなく、人間らしいある種のカッコいいだけの男じゃない、素直に愛する思いに葛藤してます。だから、美しいだけじゃないんですね。人間臭いといいますか…
しかし、そのことが芸術的なところから一つ押し上げて真実を持ち、我々に迫ってくるんだと思います。エドガール、ティグラーナ、フィデーリアといった他の役の方々のどのアリアも抜群なものばかりですから楽しみです。

――歌いこんできた渾身のアリア。お客様にご期待いただきたいですね。二期会が『エドガール』を取り上げるのはこれが初めてですが、どのような作品でしょうか。

清水: 『エドガール』は研究者によって加筆された版が上演されたことがありましたね。僕がいたボローニャ歌劇場のDVDがその昔出て、よく見ていたのを思い出します。そのプロダクションに出ていた歌手と劇場で一緒のプロダクションで出会ったりと、そんなこともありましたね。
『エドガール』は、技巧的にも派手さを強調したりとかそういうものじゃないんですが、リブレットを見ると良く練ってあるんですよ。言葉にどれだけこだわったのかが分かります。その言葉にプッチーニがどんな味付けをしたのか、決して華美では無いけど、素朴なキラッと光る田舎料理のような。
劇場で、リブレットを何回も読まされたり、叱られたりしましたが、やっぱり言葉からしか、音楽は形を成し得ない、そんな思いで向かって演奏したいですね。

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2021年7月 東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』より フォード役

――『エドガール』が上演されないのはその筋書きのせい、とよく聞かれますが、実際はむしろ、練りに練られた珠玉のリブレットなのですね。それでは、お客様へ向けてメッセージを。

清水: 二期会として初めてとなるエドガール。作品として素晴らしいのはいうまでもありませんが、どんな作品か是非会場で感じていただき、新たな作品との大切な出会いとなる方がいらっしゃれば、嬉しく存じます。

――最後にもうひとつ、渋谷で清水さんおすすめのスポットがあれば教えてください。

清水: 劇場近くの「Viron」ですね。鑑賞前に“くっ”とコーヒーとクロワッサンをいただいても良いですし、帰りに楽しむも良いですし、是非!

*     *     *


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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
2022年4月23日(土)17:00*、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…フランク 清水勇磨 出演日

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4月『エドガール』&7月『パルジファル』 連続タイトルロール テノール福井 敬からのメッセージ!

長年にわたり日本のクラシック音楽界を先導してきたテノール福井 敬。この年末年始も第九演奏会、ニューイヤーコンサートと様々なステージに登場しましたが、東京二期会の公演でも、4月『エドガール』、7月『パルジファル』にタイトルロールで連続出演を予定しています。

202201_fukui_kei_00.jpg.jpg 福井 敬

4月公演『エドガール』>>>
思えば、福井の東京二期会主演デビューが1992年5月、創立40周年記念公演の『ラ・ボエーム』ロドルフォ役(大野和士指揮、栗山昌良演出)でした。30年の時を経て、プッチーニの初役に挑戦します!
東京二期会コンチェルタンテ・シリーズには、昨年1月『サムソンとデリラ』に続いての連続主演です!

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2021年1月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『サムソンとデリラ』より サムソン(左/撮影 西村廣起)

「若きオペラ作曲家プッチーニの、血潮が迸るかのような、鋭利な刃で削られたかのような、まだ荒削りでありながら、そこに美しい裸身の彫像を垣間見ることの出来る作品です。
マエストロ・バッティストーニの闊達な棒さばきにより、世界的にも演奏されることが稀有なこのオペラがどう立ち上るのか、プッチーニの『ラ・ボエーム』上演による二期会の創立以来、節目の年にプッチーニ作品を上演してきた二期会の精鋭達の歌を、ぜひお聴き逃しなく!!」


*     *     *


そして、7月公演『パルジファル』>>>
東京二期会にとって、1967年(日本初演)、2012年(二期会創立60周年記念)に続く3度目の公演となります。福井も、前回公演に続いてタイトルロールを任されました。前回公演の時、「純粋な心と身体を持った人間パルジファルが、ひとりの大人として成長していく物語」と語っていました。大作との再会に、今の時代を映すテーマを探ろうとしています。

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2012年9月 東京二期会オペラ劇場『パルジファル』より パルジファル役(左/撮影 三枝近志)

「この作品はワーグナー最終期のオペラであり、旋律とドラマが究極の高みを臨むものです。10年前、二期会創立60周年記念のオペラとして題名役を歌わせて頂いた時は、当時の皇太子殿下、今の天皇陛下が、ワーグナーの主要なオペラの中で『パルジファル』だけは、まだ御覧になっていなかったということで御観覧くださいました。終演後、お話しをさせていただいたことを思い出します。
そして今、聖槍で突かれた癒えぬ傷を持つアンフォルタスは、コロナ禍で踠き続ける世界の様と、正に共振するのではないでしょうか?二期会創立70周年の年に『パルジファル』を上演することは“必然”なのかも知れません。 今後、何処からか“聖なる愚者”が現れるのか?もしかすると宮本亞門氏の創り出す、今回のオペラの中に答えが見つかるかも知れません。」


*     *     *


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2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
2022年4月23日(土)17:00*、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…エドガール 福井 敬 出演日

▼『パルジファル』公演情報ページはこちら
2022年7月公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
2022年7月13日(水)17:00*、14日(木)14:00、16日(土)14:00*、17日(日)14:00 日生劇場
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:宮本亞門/管弦楽:読売日本交響楽団
*…パルジファル 福井 敬 出演日

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東京二期会オペラ劇場 2月公演モーツァルト『フィガロの結婚』~スザンナ役 宮地江奈&バジリオ役 高柳 圭からメッセージ!

2月東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』に出演するスザンナ役宮地江奈とバジリオ役高柳圭から動画メッセージが届きました!

二人は、1月2日、3日に「東京ミッドタウン日比谷のお正月」で迎春ステージを披露。初売りで賑わう東京ミッドタウン日比谷のアトリウムに多くのお客様が足をとめて二人の歌声に耳を傾けていただきました。

▼1月2日、3日 東京ミッドタウン日比谷でのイベントの様子
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2日間で5ステージを行った宮地と高柳。新春から幸福な達成感を得られたところ、さっそく始まる稽古を前にして、二人からの意気込みをお届けします!

*     *     *


▼宮地江奈&高柳 圭からのメッセージ

*     *     *




高柳: 東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』

宮地: スザンナ役の宮地江奈です。

高柳: バジリオ役の高柳圭です。(バジリオを演じたのは)8年くらい前だったので、新たな気持ちでバジリオと向かい合わせていただきたいと思っております。

宮地: 初役ですが、ずっとやりたかったスザンナという役をせっかくやらせていただける機会ですので、がんばります。

高柳: がんばれ!

宮地: がんばります!!

高柳: 『フィガロの結婚』出演者全員クセの強いキャラですけど、バジリオは、その中でもよりクセが強い役だと思うので、その「クセ」をどれだけ出せるか、えー、勝負…

宮地: クセが強いんじゃ。

高柳: クセが…

*     *     *


▼『フィガロの結婚』公演情報ページはこちら
2022年2月公演 W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』 - 東京二期会オペラ劇場

2022年2月9日(水)18:30*、11日(金・祝)14:00、12日(土)14:00*、13日(日)13:00 東京文化会館 大ホール
指揮:川瀬賢太郎/演出:宮本亞門/管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
*…スザンナ 宮地江奈&バジリオ 高柳 圭 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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12月18日(土)チケット発売!
2022年4月公演『エドガール』より タイトルロール樋口達哉からメッセージ!

12月18日(土)は、いよいよ4月公演 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ プッチーニ『エドガール』と、7月公演 東京二期会オペラ劇場 ワーグナー『パルジファル』のチケット一般同時発売日です!
オペラ公演のチケットでは、発売日初日は東京二期会のネットが一足早く、日付の変わる午前0時から受付開始!午前10時からお電話および各プレイガイドでのご予約を承ります。

チケットの発売を前に、早速『エドガール』題名役のテノール樋口達哉からメッセージが届きました!
これまでに、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズでは『ノルマ』ポリオーネ、『サムソンとデリラ』サムソンで出演を重ねてきた樋口。そして、もちろん『蝶々夫人』ピンカートンや、『トスカ』カヴァラドッシなどプッチーニ作品でも美しい歌を聴かせてきました。今回も『エドガール』の魅力、公演に向けての意気込みを熱く語っています!

202112_higuchi_tatsuya_00.jpg 樋口達哉

*     *     *


オペラ『エドガール』!
「江戸の娘」をイメージするようなネーミング(笑)
日本人には覚えやすいタイトルかも。
この作品名は登場人物の主役の名前、まさに僕が演じる役名です。
タイトルロール!
最高に嬉しいです。
この作品はプッチーニの2作目のオペラで、他のプッチーニ作品と比べたら上演の機会が少ない作品です。
それはなぜか?
台本(物語)が良くないと言われていますが、実は主役のエドガールを歌うことが難しいから、という理由もあるかもしれません。
艷やかで強靱な声が必要とされます。
今回は、そんな難役に初挑戦!

202112_higuchi_tatsuya_01.jpg
2021年1月 東京二期会『サムソンとデリラ』より サムソン役を熱唱する樋口(撮影 西村廣起)

今まで、プッチーニの作品は『ラ・ボエーム』をはじめ、たくさんの役を演じてきました。
二期会では『蝶々夫人』『トスカ』『外套』があります。
この『エドガール』、音楽はどこを切り取ってもプッチーニ節が満載!
特に終幕、エドガールの独壇場からの幕切れの音楽は、ドラマチックな盛り上がりを見せます!!
このオペラの最大の聴きどころではないでしょうか。
まさに『トゥーランドット』を彷彿とさせるような音楽!
誰も寝てはいられません(笑)!
そして、第二幕のエドガールのアリア(独唱曲)は完成度が非常に高く、この曲もじっくりと聴きたいナンバーの一つです。
そのほか、プッチーニのオペラでは珍しいバリトン(フランク)のアリアも素敵ですし、フィデーリアのアリアも聴きごたえがあります。ティグラーナの楽曲も見せ場がたくさん!
今回の機会を逃したら、いつ上演に巡り会えるかわかりません!
是非、是非、オーチャードホールに足をお運び下さいませ!!

202112_higuchi_tatsuya_02.jpg
2021年1月 東京二期会『サムソンとデリラ』より サムソン役を熱唱する樋口(撮影 西村廣起)

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▼『エドガール』公演情報ページはこちら
東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会
2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00* Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…エドガール 樋口達哉 出演日

●公演のご予約・お問合せは《12月18日(土)一般発売開始!!》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【高田正人オペラ講座オンライン】東京二期会オペラ劇場R.シュトラウス『影のない女』レクチャー 動画無料公開中!

東京二期会が2月にボン歌劇場との共同制作でお贈りする『影のない女』。
このオペラの魅力を知っていただこうと、去る9月28日にレクチャー&コンサート「高田正人の『魔笛』と『影のない女』!」を開催しました。

今回は、そのレクチャーから、高田正人による解説と、出演者とのトークの模様を3本立てで無料公開します!

* * * * * * *


第1弾は「あらすじ解説篇」。オペラ界随一のストーリーテラーでもある高田正人が、『影のない女』のストーリーを簡潔に、かつ興味深くお話しします。
まずは、この動画をご覧いただければ、あらすじはばっちりです!


続いては、キャスト・インタビュー。
本当は、このオペラ講座に参加した人でなければ聞けないようなエピソードも、今回は特別に披露します!
第2弾は、「タイトルロールにインタビュー篇」をお届け!
「影のない女」と呼ばれるのは、「皇后」役を務めるソプラノ冨平安希子。バイエルン州立歌劇場のオペラ研修所に入所する頃の思い出から、今回の皇后役にかける想い、そして、コンヴィチュニー演出について、語ります。


そして、第3弾は、バラク役の「バリトン清水勇磨とトーク篇」をお届けします!
劇中のバラクの人柄と清水本人と重ねて展開するトーク。ざっくばらんな会話に思えて、実はこれが役柄の紹介になっているのです!?
ボローニャ歌劇場研修時代のことなど、高田正人でしか聞き出せない話題が展開。そして最後にサプライズが…どうぞ最後までご視聴ください!

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▼『影のない女』公演情報ページはこちら
ドイツ・ボン歌劇場との共同制作公演
2022年2月公演 R.シュトラウス『影のない女』〈新制作・ワールドプレミエ〉 - 東京二期会オペラ劇場

2022年2月9日(水)18:00、11日(金・祝)14:00、12日(土)14:00、13日(日)13:00 東京文化会館 大ホール
指揮:アレホ・ペレス/演出:ペーター・コンヴィチュニー/管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アデーレ 高橋 維「メイドからなんとか脱却しようともがくアデーレを応援してください!」

いよいよ明日開幕する〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』。キャスト・インタビューも今回が最終回となります。第12回は、9月公演『魔笛』夜の女王に続き、アデーレで出演のソプラノ高橋 維です。
今回は、五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞して、高橋が研鑽の地に選んだウィーンが舞台となるオペレッタ。そして日生劇場は、昨年『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』(演出・翻案:田尾下 哲)題名役で新境地を拓いてみせた劇場です。開幕を目前にして話を聞きました。

202111_takahashi_yui_00.jpg 高橋 維

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――研修で過ごしたウィーンの街はいかがでしたか。

高橋: 伝統とモダンが調和する街で、劇場や美術館、あらゆる文化的なものに囲まれての生活は本当に贅沢でした。
大都市でありながら意外にもコンパクトで、少し電車に乗るだけで自然が豊かに広がる郊外にアクセス出来るのも魅力です。

――去る10月17日に、五島記念文化賞オペラ新人賞研修成果発表のリサイタルを開きました。終えられて、今の心境を。

高橋: リサイタルではこれまでのウィーン研修で磨いた歌曲や、私が取り組んできたオペラ作品からプログラムを構成しました。演出家の田尾下 哲さんに監修していただき、照明や演出効果も取り入れた特別感のある舞台になったと思います。
私の場合は声の表現と演出や身体表現が一緒になった時に良いパフォーマンスが出来るように思いますので、これからも舞台経験を重ね成長した姿を見ていただきたいと思います。

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2019年11月 東京二期会『天国と地獄』より ユリディス役(撮影 三枝近志)

――ウィーンでは、オペレッタもたくさん経験することができたそうですね!

高橋: オペレッタは、鑑賞はもちろんのことたくさん勉強もしました。師事している先生がアデーレを当たり役としていたこともあり(その名もアデーレ・ハース先生!)、アデーレは特にたくさんレッスンでみていただきました。2つのアリアは現地で出演したコンサートでも歌い、「良く発語できているし、言葉と表現が合っていてとても良かった」とお客様に褒めていただいたことが良い思い出です。

――本場でも賞賛された歌唱が日生劇場でも披露されることを多くのお客様が期待されています。それでは、高橋さんが感じているアデーレの魅力について教えてください。

高橋: 彼女の仕事ぶりや発言からは、決して良いメイドとは思えませんが(笑)、天真爛漫でどこか憎めないキャラクターですね。
舞踏会で鉢合わせたアイゼンシュタインに向かって「メイドに間違えるなんておかしな方ね!」と言えてしまったり、3幕で歌うアリアでは自分の才能をアピールするために女優になりきったりと、すごく度胸があってなかなかへこたれません。私もそうなりたいです!

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2021年9月 東京二期会『魔笛』より 夜の女王(中央/撮影 西村廣起)

――最後にファンの皆様に一言メッセージをお願いします。

高橋: 『こうもり』がはじめての方はもちろんのこと、何十回と観た!という通な方にも楽しんでいただけるプロダクションですので、ぜひご期待ください。
アデーレを全幕通して演じるのは初めてなのですが、彼女のキャラクターに助けられて楽しく準備しています。メイドからなんとか脱却しようともがくアデーレを応援する気持ちで観ていただけたら嬉しいです!

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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アデーレ 高橋 維 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
★11/27(土)公演は全席予定販売数を終了いたしました。28(日)公演も残席あと僅かです。

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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~ロザリンデ幸田浩子「ホモキさんの演出には、不器用ながらも今を懸命に生きる人々へ、一筋の光を照らすような祈りがみえるよう」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第11回は、おまちかね、ロザリンデ役の幸田浩子の登場です!
ステージでの華やかなオーラと色彩豊かな歌声で日本のオペラ界に輝きを放ちつづける幸田浩子。専属歌手を務めたウィーン・フォルクスオーパーをはじめ、ローマ歌劇場、シュトゥットガルト州立劇場等欧州の主要な歌劇場でも大役をはたしてきました。
『魔笛』夜の女王、『ばらの騎士』ゾフィー、『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタ、『ホフマン物語』オランピア、『リゴレット』ジルダなどをレパートリーとしつつ、CDアルバムやリサイタルでは、幸福感豊かに歌われる日本の歌でも日本全国の方を魅了しています。
二期会の『こうもり』では、2013年の白井晃演出でアデーレを好演しましたが、今回はロザリンデに初挑戦。幸田の新しい魅力を発見いただける絶好の機会となることでしょう。“初役”に向けて、話を聞きました。

202111_kouda_hiroko_00.jpg 幸田浩子

*     *     *


――ロザリンデはどのような人物だとお考えでしょうか。

幸田: 大好きな『こうもり』の舞台に再び立つことができることに、そして、新しい役に挑戦できることに、とてもワクワクしています。
ロザリンデらしさ、とは、、、まだまだ、探している最中ではありますが、本音と建前、理性と本能が出たり入ったりして、演じている中に真実があり…
ご主人さまは、ハメを外したつもりが、自身の妻を一生懸命口説いているのですから…
生命力に溢れた、魅力的な人物だと思います。

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ベッリーニ大劇場『清教徒』より

――アンドレアス・ホモキの演出は『ばらの騎士』ゾフィー以来となります。今回、稽古に参加していていかがでしょうか。通底するホモキのメッセージや哲学を感じられるところがあれば教えてください。

幸田: ホモキさんの、深い心理描写と、音楽への造詣、そして、ちょっぴり大人の遊びのある表現方法に、いつまでも、そのお話を聞いていたいくらいです。
共通するところは、不器用ながらも、今を懸命に生きる人々へ、一筋の光を照らしているような、《ああ、そうでありますように…》といった祈りが見えるような気がしています。

――それでは今回のロザリンデさんの見どころ、聴きどころを。

幸田: お客さまが作品に魅入って、それぞれの登場人物を愛しいと思ってくださったら、それがロザリンデも役割を果たした、ということだと思いますので、そうなるように、精一杯努めたいと思います!

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ウィーン・フォルクス・オーパー公演『ペンザンスの海賊』より

――フォルクス・オーパーの専属だった幸田さんにとって、ウィーンは特別な思い出の多い町かと思います。今回は、その中でも、『こうもり』にちなんだエピソードがありましたらお話しください。

幸田: 学生時代、初めてウィーンを訪れた際、到着した夜に観たのが、フォルクス・オーパーの『こうもり』でした。
専属時代も、お稽古や本番の無い日には、『こうもり』がやっていると、しょっちゅう、のぞいていました。いつも、キャストもお客さまも、リラックスして、笑い声の溢れる、華やかで、柔らかな舞台でした!!

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2013年2月 東京二期会『こうもり』より アデーレ役(撮影 三枝近志)

――ウィーンに行かれたら、必ず訪れる(訪れたい)ところはありますか?または、必ず食べたいもの、とかでも…!

幸田: ウィーンに住んでいたころは、ウィーンの森のふもと、葡萄畑の近くに住んでいたので、葡萄畑や自然公園に行きたくなります。お散歩の合間に飲むMost(ブドウジュース)やStrum(発酵ワイン)はなんとも美味しくて。
そういえば、今年のワインはどんな出来なのか、楽しみです…。

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2017年7月 東京二期会『ばらの騎士』より ゾフィー役(撮影 三枝近志)

――それでは最後に公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

幸田: 今だからこそ、より一層皆さまの心に響き、明日へのエネルギーとなる作品となることを願い、キャスト、スタッフ一同、お稽古を重ねています。ぜひ会場にお越しくださいませ。

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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…ロザリンデ 幸田浩子 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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★11/27(土)公演は全席予定販売数を終了いたしました。28(日)公演も残席あと僅かです。

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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~ロザリンデ木下美穂子「ロザリンデは、これまでに演じてきた役と180度違うキャラクターです」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第10回は、ロザリンデ役の木下美穂子です。
欧米のオペラハウスで活躍。『椿姫』『仮面舞踏会』『イル・トロヴァトーレ』や『蝶々夫人』『トスカ』『ラ・ボエーム』などヴェルディ、プッチーニ作品のプリマロールを歌い続けながら、近年は二期会『ローエングリン』エルザや同『フィデリオ』レオノーレなど、ドイツオペラにもレパートリーを広げています。
そして、今秋は、オペレッタ『こうもり』のロザリンデ。実は初役と語る木下に、開幕に向けて話を聞きました。

202106_kinoshita_mihoko.jpg 木下美穂子

*     *     *


――初の日生劇場公演、初ロザリンデ役だったのですね!ロザリンデは手掛けてみたい役のひとつだったのではないでしょうか。

木下: そうですね。楽しいオペラですし、ドイツ語に対するハードルも若干下がった今、いつか歌ってみたいなと思っていました。

――実際に稽古を重ねてみて、ロザリンデの印象を教えてください。

木下: 今回のホモキさんの演出のロザリンデは、人物像がとても明白です。アルフレードのことは全く愛していないのですが、ただただ声に惚れ込んでしまった!という。私も歌手として、声が魅力的な方は100倍よく見えてしまう(笑)という気持ちはよくわかります。セリフの切り返しなど、難し部分もありますが、とてもチャーミングな女性像だと感じますし、そのように演じられたらと思います。

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2014年4月『蝶々夫人』より 蝶々夫人役(撮影 三枝近志)

――それでは、ロザリンデ役を中心に、『こうもり』の見どころ、聴きどころを。

木下: 『こうもり』は観ていても楽しいですが、演じていてもとても楽しいです。皆さん一度は聴いたことのあるメロディも随所にありますし、お話もわかりやすいですので、若い方やオペラの敷居を高く感じていらっしゃる方にも楽しめる作品だと思います。ロザリンデは、私にとってもこれまでに演じてきた役と180度違うキャラクターです。刺すか刺されるか、自害するか病死する役ばかりでしたので、新たな一面をお楽しみいただければと思います。
それから、フロッシュ役の森公美子さんも芸達者でとても面白く、ほかの歌手との絡みもお楽しみいただければと思います。

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2018年2月『ローエングリン』より エルザ役(左/撮影 三枝近志)

――「ヴェルディ歌手、木下美穂子」についても質問したいです。今年の夏、ヴェルディ「レクイエム」のソロを務めました。当時、緊急事態宣言の中、アンドレア・バッティストーニの指揮のもと、濃密な音楽となりました(現在、映像公開中(※1))。木下さんにとっても、印象に残るステージだったのではないかと思うのですが、本番中どのようなことを感じていたのでしょうか。

木下: 緊急事態宣言中で、しかも感染者が大変多い時期でしたので、なるべく短いリハーサルで作りあげなくてはいけない状況でした。この短い時間であの大変な作品を仕上げるというプレッシャーや緊張感は大きかったです。最後の「リベラ・メ」が終わった瞬間の沈黙には、このパンデミックが始まってからの色々な思いや、今舞台に立てていることの感謝や、今後の世界の平和を思う祈りなど、込み上げてくるものがありました。今だから必要だった大作の「レクイエム」だったと感じています。

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2020年9月『フィデリオ』より レオノーレ役(撮影 西村廣起)

――ありがとうございます。では、今後オペレッタでの活躍も楽しみにされているファンの皆様にメッセージを。

木下: パンデミック以降、約2年間、みんなが非常に不安定な中で生きていて、我々音楽家も全く同じ状況です。でもこういう時期だからこそ、心からリラックスしていただける楽しいオペレッタができることを心から感謝しています。今年も残すところあと1ヶ月ちょっとです。是非劇場に足を運んでいただき、皆さんに楽しんでもらえるよう、我々出演者・スタッフ一同最後の大詰めを感張っております!是非日生劇場でお会いしましょう。

(※1)
▼二期会スペシャル・コンサート ヴェルディ「レクイエム」の演奏動画を公開しています。(2022年9月まで)
東京二期会‘どこでも’オペラシアター - 東京二期会

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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…ロザリンデ 木下美穂子 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アルフレード金山京介「ロザリンデも彼の歌声に惚れたと言っていますから、ハードルを上げられたような気持ちになります(笑)」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第9回は、アルフレード役の金山京介です。
今年は、9月の『魔笛』タミーノ(※1)に続いての出演。オペレッタも昨年『メリー・ウィドー』カミーユに続く出演となります。
すらりとした長身から放たれる軽やかなテノールの歌声は、オペレッタの洒脱な若者役にもぴったりでしょう。公演を前に話を聞きました。

202111_kanayama_kyousuke_00.jpg 金山京介

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――『こうもり』のアルフレードはどのような人物でしょうか?

金山: 彼は自分の欲望に正直で、良くも悪くもあまり深く物事を考えていないような節も感じます。昔の恋人の家に旦那の留守中に忍び込み火遊びしようとしたり、挙句お酒を飲み過ぎて酔っ払うなんてとんでもないやつですよね!ある意味で1番人間らしい人物でしょうか。一幕フィナーレでは人間の三大欲求である食欲、性欲、睡眠欲全てを体現していますし(笑)

――まじめで思慮深い金山さんとは「正反対」の性格のようですが・・・そんなアルフレードの見せどころ、聴かせどころを教えてください。

金山: アルフレードは作品全体を通してそんなに登場シーンは多くありません。なのでできたら全部残さず聴いていただきたいですが、、、特に気合が入るのはやはり最初の影歌ですね!公演の第一声が自分の声から始まるというのはどの作品でもやはり緊張します。特にアルフレードは歌手という役柄ですし、ロザリンデも彼の歌声に惚れたと言っていますから、アルフレードを演じる時はとてもハードルを上げられたような気持ちになります(笑)

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2020年11月『メリー・ウィドー』より カミーユ役(前列中央/撮影 三枝近志)

――昨年の『メリー・ウィドー』カミーユに続いてのオペレッタ出演となりました。芝居(台詞)も歌唱も両立させなければいけない、しかも洒脱にみせなければいけないので、難しさもあり、楽しさもあるかと思いますが、何か特別な取り組み方などはありますか。

金山: 基本的にオペレッタだからとこうしなければいう風には考えていません。作品への理解を深め、キャラクターを掘り下げると自然な形で演じることができるのではと考えています。が、やはり演技の面ではオペレッタは自由度が高いなと感じます。特にアルフレードは明るいキャラが持ち味ですし、場を引っ掻き回してやろうと毎回楽しんで稽古に励んでいます!
あとオペレッタには音楽と台詞がありますので、台詞の扱いには気を遣いますね。特に今回は日本語での台詞ですし、舞台での台詞は音楽とはまた違った難しさを感じます。どう発語すればよく聞こえるか、演技として成立するかなど試行錯誤してます。このあたりはオペレッタならではの醍醐味だなと感じます!

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2021年9月『魔笛』より タミーノ役(右/撮影 西村廣起)

――LaDill(ラ・ディル (※2))での活動のように、オペラの枠を越えた活動も金山さんの魅力のひとつですね。今、オペラ以外でやってみたいことはありますか?

金山: 現時点でやってみたいことというのはないのですが、いつも新しいものとの出会いは新鮮ですね。これまでも様々なジャンルのものに触れることによって、クラシックについて違った角度から考える良い機会となりました。その経験はオペラの舞台にとても活きているなと感じます。これからもそういった出会いを大切にしていきたいと思っています。

――ファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。

金山: 『こうもり』はオペレッタの傑作で、二期会でもこれまで何度も取り上げれた作品です。今回は再演という形ですが、初演よりさらにパワーアップした舞台をお届けできたらと思っております!
ぜひ会場へ足をお運びください。お待ちしております!

(※1)
▼9月『魔笛』タミーノ出演前にご紹介したインタビュー
二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~タミーノ 金山京介「モーツァルトの楽曲は常に自分を高めてくれる大事な存在です」 |2021/9/3 - オペラの散歩道(二期会blog)

(※2)
▼La Dill(ラ・ディル)=金山京介(T)、彌勒忠史(CT)、坂下忠弘(Br)、岩田健志(Br)の4人による声楽ユニット
La Dill|プロフィール - 日本クラウン株式会社 クラウンレコード

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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アルフレード 金山京介 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~ファルケ加耒徹「2幕後半に歌われる『親しい仲間よ』のアンサンブルでは、まるでベートーヴェンの『第九』のよう」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第8回は、ファルケ役の加耒徹です。
バロック時代から近現代の作品まで、幅広く、端正かつ情熱をもった歌を聴かせるバリトンとして、デビュー以来多くのファンを魅了しています。東京二期会の公演では、ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』アキッラでデビューし、その後、『ナクソス島のアリアドネ』ハルレキン、『金閣寺』鶴川と、やはり幅広い時代の作品に出演。今年8月には『ルル』シェーン博士という難役を急遽代役出演を果たして、さらに高い評価を受けました。
そして、今回のファルケ。待ち望んでいた方もいらっしゃるのではないでしょうか!? 公演を前に話を聞きました。

202111_kaku_tooru_00.jpg 加耒 徹

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――ファルケ役はやってみたい役のひとつだったのでは?

加耒: そうですね、いつかは必ずやってみたい、演じる事になるだろうと昔から考えていた役でした。今回出演させていただける事になり、とても嬉しいです。
オペレッタ『こうもり』は誰もが知る名作ですし、二期会の中でも上演回数の多い作品なのではないでしょうか。それだけに、お客様にこの作品を通じて新たな魅力をお伝えする難しさはあると思いますので、その作品の一部としてしっかり役目を果たしたいと思います。
実は学生時代、初めて学外のオペラ団体で出演した作品がこの『こうもり』で、その時はアイゼンシュタイン役だったのです。

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2016年11月『ナクソス島のアリアドネ』より ハルレキン役(左端/撮影 三枝近志)

――ファルケはどのような人物ですか。

加耒: この作品世界全てを冷静にコントロールする、クールな人物かなと思います。特に今回の演出ではそれが色濃く現れており、男女関係を使ってただ仕返しをするわけでは無く、その当時の世界情勢などを踏まえ、彼が存分に皮肉を描いている気がします。そして、自分が思い描く計画を淡々と、そして迅速に整えていく、まさに‘必殺仕事人’のような雰囲気を出していきたいと思います。

――それでは、加耒さんのファルケのここを見てほしい! 聴いてほしい! と思っているところを教えてください。

加耒: そうですね、タイトルロールという事もあり、多く舞台上に登場しておりますが、実は歌っている時間というのは最も短い役なのではないでしょうか。しかし、あくまで周りの人を利用してこの「こうもりの逆襲」という劇をコントロールしている立場ですので、自分の気持ちをじっくりと歌に乗せて表すという必要がなかったのでは無いかと思います。そんな中でも2幕後半に歌われる「親しい仲間よ」のアンサンブルでは、まるでベートーヴェンの「第九」のように先陣を切って「皆んなで手を取りお互い‘Du’と言い合おう!」と歌い始めるので、ここはとても気持ち良い瞬間ですね。是非注目していただけたら嬉しいです。
あとは舞台上でさまざまな役の感情の移り変わりを、どこか俯瞰して見ているファルケ。この動きにも是非注目して見ていただけると、今回の演出による『こうもり』の物語がよりわかりやすく伝わるのではと思っています。

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2019年2月『金閣寺』より 鶴川役(左/撮影 三枝近志)

――ダブルでの競演は、「ハンサム四兄弟」などで共演機会の多い宮本益光さん。本篇ではストーリー・コンダクターとしての力を持っているファルケですが、稽古場では、宮本さん方といっしょにどんな稽古場を作っていきたいですか。

加耒: とにかく益光さんのファルケ、かっこいいです!
益光さん演じるファルケの一挙手一投足から学べることが多くて、個人的にも稽古の時間が楽しくてしょうがありません。特にクルッと身軽に回る姿がかっこよくて、是非益光ファルケをご覧いただくお客様にはそこを注目して見ていただきたいですね。
もちろん、私は私のファルケを演じますので、益光さんと同じキャラクターというわけではありませんが、それでもポイントポイントでは吸収したものを使わせていただくかと思います。二期会オペラの場合はダブルキャストというシステムが通常ですので、こうやって同じ役を別の人が演じるとどうなるというのをキャスト間でも肌で感じられるのが嬉しいですね。常に吸収することを忘れずに日々を過ごしたいと思います。
今回のプロダクションですが同世代の歌手がたくさん一緒の舞台に乗っているというのも嬉しいポイントです。本番ももちろん楽しめると思いますが、こうやって毎日稽古を全力で過ごせるというのは、歌い手にとって大きな幸せですね。

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2021年8月『ルル』より シェーン博士役(左/撮影 西村廣起)

――ファンの皆様に向けて一言メッセージをお願いします。

加耒: 秋の終わり、共にJシュトラウスII世の煌びやかな音楽を楽しみましょう!ただし、シャンパンが全てを消し去ってくれるわけではない今回の演出。色々な感情うごめくこの舞台の一瞬一瞬をどうぞお見逃しなく。日生劇場にて、ファルケ博士がみなさまを「こうもりの物語」へ誘います。

*     *     *


▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…ファルケ 加耒 徹 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~オルロフスキー成田伊美「いつも演奏する時は、自分が共感する部分を見つけようと思っています」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第7 回は、オルロフスキー役のメゾソプラノ成田伊美です。
2015年二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『ジューリオ・チェーザレ』題名役をはじめとして、二期会オペラにも出演を重ね、先月には、自身初のソロリサイタルも成功させました。
オルロフスキーはメゾソプラノの代表的な「ズボン役(男性役)」のひとつ。大役を前に話を聞きました。

202111_narita_yoshimi_00.jpg 成田伊美

*     *     *


――オルロフスキーはどのような人物でしょうか?

成田: オルロフスキーは二期会研修所時代に役を頂きまして、取り組みましたが、なんとも掴みどころがなく、当時は寂しげな人だなという印象が強すぎて、ただテンションの低い人になってしまった記憶があります。今考えてみると本当のオルロフスキーは誰よりもテンションの高い人で、だからこそ、生活感がないというか現実味がない人物かと思います。その点、今回のホモキさんの演出では共感する部分が多いかと思います!

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2015年5月『ジューリオ・チェーザレ』より 題名役(撮影 三枝近志)

――では、今回の成田さんの見どころ、聴きどころを教えてください。

成田: 今回の設定は大変珍しいオルロフスキーになっています。難役がさらに最高レベル難易度になったといった感じでしょうか?でも、先ほど述べたように、自分自身が共感できる部分をどんどん見つけていき、自分自身の方にグッと役を近づけていきたいと思います!見どころは、、、やはりアリアでしょうか? ファルケとの人間関係にもご注目ください!

――成田さんの世代は、メゾソプラノがとても充実している印象があります。お互いリサイタルのときは応援し合っているとも伺いましたが、そうした同世代、同声種の人たちを特に意識することはありますか。

成田: もちろん意識してます。私たちはおそらく、ただの仲の良い友達でもなく、ライバルというわけでもなく、お互い尊敬できている関係ではないでしょうか?一定の緊張感がないというと嘘になりますが、研修所で切磋琢磨したあの時から10年近くが経ち、お互い理解し合えてる部分が多いのかな?と私は思っています!

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2017年10月『蝶々夫人』より ケート役(左から2人目/撮影 三枝近志)

――成田さんのご両親も二期会アーティスト(ソプラノ成田淳子、テノール成田勝美)です。同じ道を歩もうと決意した一番の理由は何でしたでしょうか。

成田: 私は4歳の時に、『蝶々夫人』の子ども役をやりました。幼心にすごく楽しかった記憶があり、またあの世界に戻りたいと思ったことが、おそらくきっかけかと思います。ただ、本当はフルートで大学に進みたかったので、声楽を始めたきっかけは、はっきりと記憶になく、、、
父や母が歌っていることが日常でしたので、間違いなく影響は受けてるかと思います。父が大変苦しみながら本番に向かっているのも間近で見ていましたし、オペラというものの怖さはよく理解しているかと思います。でも両親のように歌いたいという気持ちはどこかにあったのかもしれませんね。

――成田さんが役を演じるにあたって、「自分らしさ」はどのように意識していますか。

成田: つい先日、メゾソプラノの偉大な先生とこの話をさせていただきました。その中で、歌曲でもオペラでも「音楽を自分の方に近づけることの大切さ」をお話してくださり、強く共感しました。自分から離れてしまうと、一見できているように見えても、ホールでは飛ばないことが多いように感じます。自分が本当に感じていること、思っていることが舞台では一番飛ぶのではないでしょうか?そのため、いつも何か演奏する時は、自分が共感する部分を見つけようと思っています。

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2021年9月『魔笛』より 侍女II役(左端/撮影 西村廣起)

――将来に向けて目指したい役や取り組んでいきたい作品は?

成田: リヒャルト・シュトラウスの『薔薇の騎士』オクタヴィアンと『ナクソス島のアリアドネ』作曲家はぜひ取り組みたいと思います。でも、最近一番興味があるのは、ビゼー『カルメン』カルメンでしょうか?すごく惹かれるオペラです。

――最後にお客様に向けてメッセージをお願いします。

成田: 長かったコロナ禍がようやく落ち着き、少しずつ日常を取り戻されているのではないでしょうか?『こうもり』では満席のお客様とお会いできるのを楽しみにしております。楽しいオペレッタの世界をご堪能ください!大爆笑間違いなしですし、ウィーンの香りが広がるような素敵な音楽をお楽しみください。劇場でお待ちしております!

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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…オルロフスキー 成田伊美 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~ファルケ宮本益光「ファルケは、さながら舞台上の演出家」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第6回は、ファルケ役のバリトン宮本益光です。
今更言わずもがなですが、2004年『ドン・ジョヴァンニ』題名役で鮮烈な二期会デビュー、『フィガロの結婚』『コジ・ファン・トゥッテ』『魔笛』はじめとするモーツァルト作品の名歌手であり、自身作詞、作曲、劇作、ステージ・プロデュースを手掛ける確固たる世界観をもったマルチ・アーティスト。そして、『メリー・ウィドー』ダニロ、『こうもり』ファルケを当たり役とするオペレッタの名優です。
2013年(白井晃演出)、2017年(アンドレアス・ホモキ演出)に続く今回の主演。今一度、宮本益光の「分身」ともいえるファルケについて、そして『こうもり』の魅力について、話を聞きました!

202110_miyamoto_masumitsu_00.jpg 宮本益光

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――宮本さんのファルケにかける想いをお聞かせください。

宮本: 実は私はオペレッタを演じることに恐怖を感じています。オペラよりも民族性や生活臭が色濃い印象で、作品と対峙する度に自分にはこの作品は無理だ…と思ってしまうのです。しかし一方、皆と演じていてこんなに楽しい作品は他になく、この流れに身を任せたいと強く願う自分もいて、恋する少年のような気持ちにさせられるのです。
その中心にいるファルケは、さながら舞台上の演出家。私がこの作品に心躍らされているように、お客様の御心を揺らすべく、舞台を動かす喜びを楽しめたらいいなと思っています。

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2013年2月『こうもり』より ファルケ役(撮影 三枝近志)

――2017年のジャパン・プレミエ公演にも出演しました。アンドレアス・ホモキ演出を通して感じられたことはどのようなものでしたか?

宮本: この演出には、何層にも重なったヨーロッパの劇場史、その上に成り立っている凄みを感じます。『こうもり』という作品を介して私たちに何かを訴えようとする強い意志は、もちろんホモキさんの意志でもありますが、その根底にはヨーロッパの劇場で培われた、劇場ならではの修辞法が見て取れます。
ネタバレになるので多くは語りませんが、休憩あけに皆で歌われるシーンである種のカタルシスを強く感じたことは、私にとって役を超越するような体験で、思い出しても震える程です。

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2017年11月『こうもり』より ファルケ役(撮影 三枝近志)

――そこで、また新しい発見、新しいファルケ像の発見はありましたでしょうか。

宮本: 4年前の舞台を改めて見直してみますと、もちろん楽しく笑って見られる演出なのですが、私にはドタバタ喜劇という要素が側面的に見え、実は人の心を抉る…そんな切れ味の鋭さを感じました。ファルケは舞台上だけでなく、劇場全体をも支配している?
再演ということで、さらにクオリティを高めつつ、人と人とのアンサンブルを楽しみたいと考えています。

――それでは、開幕を楽しみにされているお客様にメッセージを。

宮本: 晩餐会が舞台となっているこの作品、どうか皆様も着飾ってお出かけください。劇場でお会いしましょう。

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2020年11月『メリー・ウィドー』より ダニロ役(撮影 三枝近志)

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★宮本益光 CDニュー・リリース情報!★
2021年10月、宮本益光は一気に2枚の新譜をリリースしました!

202110_msj_figaro.jpgモーツァルト・シンガーズ・ジャパン Vol.4
《歌劇「フィガロの結婚」K.492 全曲》

<2021年10月20日(水) 発売>
価格:5,500円(消費税、送料込)
MSJ(モーツァルト・シンガーズ・ジャパン)は、モーツァルトの声楽作品をこよなく愛する仲間たちによって2018年に結成されました。ピアノ伴奏によるモーツァルト・オペラ全作品の録音をめざしています。今回は、『フィガロの結婚』完全全曲収録の自信作。合唱もカットなし!

202110_home.jpgハンサム四兄弟 “HOME”
<2021年10月22日(金) 発売>
MClassics/価格:2,750円(税込)

ハンサム四兄弟(バリトン)
宮本益光・与那城 敬・近藤 圭・加耒 徹
髙田恵子(ピアノ)
長男:宮本益光、次男:与那城敬、三男:近藤 圭、四男:加耒徹という人気バリトン4人による新ユニット。同じバリトンながら、それぞれの声やキャラクターの個性が光る選曲と、こだわりのステージングで、「誰もが楽しめるクラシックコンサート」を展開。そんなコンサートがあなたの家に届く1枚です!(歌詞対訳はすべて宮本のオリジナル)

▼CD発売のご紹介記事はこちら
2021年10月、モーツァルト・シンガーズ・ジャパン(MSJ)とハンサム四兄弟のCDが発売されます! - オペラの散歩道(二期会blog)

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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…ファルケ 宮本益光 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アイゼンシュタイン又吉秀樹「おしゃれでかっこいい舞台で思いっきり羽目を外せるのですから、楽しみで仕方ありません!」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第5回は、アイゼンシュタイン役のテノール又吉秀樹です。
2014年『イドメネオ』タイトルロールで二期会デビュー。その後、二期会では2017年『こうもり』アイゼンシュタイン、2019年『天国と地獄』オルフェとオペレッタが続き、そして今回の『こうもり』再演の後には、来年2月の『影のない女』皇帝を控えています。充実した響きの中音域から力強い高音へ伸びていくその声に貫禄あり。初演に続くアイゼンシュタイン役に向けて話を聞きました。

202110_matayoshi_hideki_00.jpg 又吉秀樹

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――まずは、アイゼンシュタインはどのような人物でしょうか?

又吉: お金持ちの銀行家であるアイゼンシュタインはユーモアもあり、若い頃からファルケと様々な遊びをしてきた仲なのでしょう。歳を重ね社会的な立場もついてきたので普段は抑制されている分、お酒の入った遊びの場ではついつい羽目を外し過ぎてしまう、そんなキャラクターだと思います。しかも今回は収監直前というストレスが溜まっていた上に昔からの仲間のファルケと一緒。脇の甘くなる絶好の機会を狙われた、そんな状況でございます。

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2014年9月『イドメネオ』より イドメネオ役(撮影 三枝近志)

――2017年の公演にも同役で出演していました。アンドレアス・ホモキ演出のアイゼンシュタインは?

又吉: ホモキ演出のアイゼンシュタインは走る、飛ぶ、転げ回る、とにかく運動量がすごい。ですので僕の中では普段のアイゼンシュタインのイメージよりも年齢を若く感じています。また意外と妻のロザリンデの反応を気にしていたり、ファルケに飛びついて抱きしめたりと可愛さや人懐こさも細かく指示されていたと思います。まだまだ体力のあって盛大に遊べる可愛いオジ様、そんなイメージです。

――それでは、又吉さん自身が、東京二期会ホモキ演出『こうもり』の好きなところ、楽しみにしているところを教えてください。

又吉: キャラクターたちはエネルギーに満ちていて会話のテンポ感がよく、舞台の豪華さもあります。一方色調はシックにまとまっていて、洗練された雰囲気のある演出だと思います。そんなおしゃれでかっこいい舞台の中で思いっきり羽目を外せるのですから(アイゼンシュタインとしても又吉としても)楽しみで仕方ありません。
もう一つ、『こうもり』の重要な役にフロッシュがあります。これは歌手ではなくコメディアンや喜劇役者がつとめる役で、前回はイッセー尾形さんがスンバラしく面白いフロッシュを演じました。今回はなんと森公美子さん!! 面白くないわけがありません、お客様はもちろんだと思いますが、出演者も皆ワクワクしております。

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2017年11月『こうもり』より アイゼンシュタイン役(写真手前右/撮影 三枝近志)

――ウィーンで研修の経験もあるかと思います。『こうもり』にまつわるエピソードを。

又吉: ウィーンでは『こうもり』をフォルクスオーパー(大衆オペラ座)やウィーン国立歌劇場の大晦日公演などで何度も観劇いたしました。まずフォルクスオーパーの方は日本でいう吉本新喜劇のようなイメージで、会場はドッカンドッカンウケる、演者は台本なのかアドリブなのかわからないようなやり取りで自由に楽しんでいる、そんな舞台でした。国立劇場の方は大晦日に『こうもり』をやるのが恒例になっていて、舞台も歌手もとにかく豪華。こんなすごい歌手がこんな面白いことをしてくれるんだ、そんな感覚でした。もちろんこちらもドッカンドッカン笑いをとって、さすが本場のオペレッタ!という感じでした。ちなみに当日並んで買う立見席だったのですが、チケットに並んでる時間に全く知らない方がシャンパンとプラスチックのコップを配り始めてみんなで飲んだ楽しい思い出があります。

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2019年11月『天国と地獄』より オルフェ役(写真手前右/撮影 三枝近志)

――最後に、お客様に向けてメッセージを。

又吉: 出演者スタッフ一同、楽しんでいただけるよう心を込めて準備いたします。
シャンパンの泡のように一瞬で消えてしまう、美味しく美しく楽しい『こうもり』の時間を一緒に過ごしていただければ幸いです。
よーし!気合を入れて羽目を外すぞー!!!!

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★10月25日のWorld Opera Dayにあわせ、『こうもり』出演の又吉秀樹、小林啓倫によるスペシャル動画を公開しました!ぜひご覧ください

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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アイゼンシュタイン 又吉秀樹 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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出演者メッセージ到着!~Hakuju Hall主催「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」2021年度シーズン第2弾は11/2(火)14時開演!

二期会オペラ研修所マスタークラスを優秀な成績で修了した若き歌手の声を聴くシリーズ、Hakuju Hall「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」。
今シーズンの第2弾(第24回)が、いよいよ11月2日(火)に開催されます。コンサートを直前に控えた、ソプラノ佐藤初音、ソプラノ重田 栞、バス後藤駿也 の三人よりメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。

      *     *     *
■佐藤初音 (さとう はつね)ソプラノ
この度は「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」に出演させていただけること、大変光栄に思います。
コロナ禍においても、創意工夫をして音楽の火を絶やさぬよう尽力してくださっている音楽界の皆様、また音楽を愛するお客様に心から敬意を表します。どんな時でも、大変な時だからこそ音楽は心を癒してくれるのだと思います。
わたくしからは共演の皆様をご紹介したいと思います。
後藤駿也さんは、包み込むような柔らかい低音で安心感があります。勉強家でコツコツ積み上げることが出来て、常に自分を高めて、新しい自分を発見している人です。これから沢山重宝されるバスになると思うので大注目してください。
重田栞さんは、とても可愛らしい雰囲気ですが、はっきり自分の意見を言ってくれる頼れるしっかりものです。高音から低音まで安定していて、スーブレットからズデンカのような役まで演じる表現力豊かな演技が魅力的です。コケットな部分も抒情的な柔らかさも持ち合わせています。
私の強みは息の長さと声の艶でしょうか。今はレパートリーを広げて自分の可能性を見つけている段階なので、これから色々な自分に出会えることを楽しみにしています。
今回はそれぞれの魅力が光るオペラアリア・重唱を演奏いたします。若いエネルギーに満ちた歌をお楽しみください!
■重田 栞 (しげた しおり)ソプラノ
この度は、「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」に出演させていただきますこと、大変有り難く思います。
昨年度、研修所マスタークラスでの1年間はコロナ禍真っ只中。Zoomと対面を併用した分散授業で、お互いの演奏を生で聴いたり、見たり、自由にコミュニケーションを取れる時間は本当に希少でした。もっとみんなのことを知りたかったなぁ…一緒に演奏したかったなぁ…と思っておりましたところ、この度、尊敬する2人の仲間と演奏する機会をいただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。
さぁ、この3人でどんなプログラムをお届けしようかと話し合いを何度も重ね、今回はそれぞれの『個性』が生きるオペラアリア、重唱をご用意いたしました。私たちにとってはデビューのコンサートでもありますので、3人それぞれの音色を、少しでも多くの方にお楽しみいただけましたら幸いです。
■後藤駿也 (ごとう しゅんや)バス
皆様ご無沙汰しております。はじめましての方は、はじめまして。
バス歌手の後藤駿也と申します。オペラの世界に憧れて群馬県の田舎から東京に出てきて今年で9年目。田舎者の私も今ではすっかりナイスなシティボーイですが、いつも応援してくださる皆様には心から感謝申し上げます。こうしてオペラを歌い続けていられることに大きな喜びを感じる今日この頃です。
さて、今回出演させていただく「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」ですが、昨年研修所で苦楽を共にした頼もしい二人の仲間と私たちのお気に入りのオペラナンバーを演奏させていただきます。
若い声楽家三人が紡ぐ色鮮やかな音楽の世界をどうぞお楽しみください。会場でお目にかかれますこと、とても楽しみにしております。
      *     *     *

三人の新星によるひとときをどうぞご堪能ください!!


ちらし(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
二期会 ディーヴァ, ディーヴォ <第24回>
二期会新星トップ6名による、ときめきのデビューコンサート!

日時:2021年11月2日(火) 14:00開演(13:15開場)※約90分/途中休憩あり
会場:Hakuju Hall(ハクジュホール)【アクセス
    ・小田急線「代々木八幡駅」南口 もしくは
    ・千代田線「代々木公園駅」1番出口より 徒歩5分
料金:全指定席 1,500円(税込) 《発売中》
出演:佐藤初音(ソプラノ)、重田 栞(ソプラノ)、後藤駿也(バス)、平川寿乃(ピアノ)
予定プログラム:
・モーツァルト:『魔笛』より「この聖なる殿堂では」〔後藤〕
・トマ:『ミニョン』より「私はティターニア」〔重田〕
・グノー:『ファウスト』より「なんと美しいこの姿」[宝石の歌] 〔佐藤〕
・R.シュトラウス:『アラベラ』より「もし私にふさわしい人がいるなら」〔佐藤・重田〕
・ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より「マイスターを侮ってはいけない」〔後藤〕
・モーツァルト:『後宮からの逃走』より「わしは出かけるが命じておくぞ」〔重田・後藤〕
・プッチーニ:『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」〔佐藤〕
・ベートーヴェン『フィデリオ』より「お金がなくては」〔後藤〕
・J.シュトラウスII世:『こうもり』より「田舎娘を演じるときは」〔重田〕
・ドニゼッティ:『ドン・パスクワーレ』より「お嬢さん、そんなに急いでどこへ?」〔佐藤・後藤〕
※曲目、曲順等が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

主催:Hakuju Hall/株式会社白寿生科学研究所
協力:二期会オペラ研修所
後援:公益財団法人東京二期会

▼コンサート詳細ページはこちらをご覧ください
第24回 二期会ディーヴァ, ディーヴォ - Hakuju Hall

▼ご予約・お問合せは
Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
11:00~17:00(火~金/祝日・休館日を除く)

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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アルフレード澤原行正「何でもやる精神を持って色々と挑戦したい!」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第4回は、アルフレード役のテノール澤原行正(さわはら たかまさ)です。
2020年2月の東京二期会『椿姫』にアルフレードのカヴァーキャストとして参加してから、『サムソンとデリラ』『セルセ』『ファルスタッフ』『魔笛』と一気に本キャストでの出演を重ね、2021年の二期会オペラ最多出演歌手となった澤原。続く11月の『こうもり』にもアルフレードで出演します。
少し早いですが、澤原にとって大きな実りの一年になった今年を振り返りながら、『こうもり』に向けて意気込みを聞きました。

202110_sawahara_takamasa_00.jpg 澤原行正

*     *     *


――オペラの現場が重なる時期もあったと思います。何か工夫はしていましたか?

澤原: 2021年は「二期会オペラの一年」という気がします!研修生の時から本公演にソリストとして出演することを目標にしていたので、今年はその目標を叶えることができ、とても嬉しいです!
基本的には紙の楽譜を使っていますが、iPadにも楽譜データを入れており、ちょっとした移動時間や隙間時間に楽譜が見られるようにしています!あまり器用なタイプではないので、同時にいくつもの作品はできないので今年はペース配分や切り替えが大変でした…

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2021年5月『セルセ』より セルセ役(写真中央/撮影 三枝近志)

――二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』とその他の現場では雰囲気も違ったのではないかと思います。それぞれの印象を聞かせてください。

澤原: そうですね、『セルセ』は世代の近い人も多く、自分が題名役ではありましたが、時間をかけて、全員で『セルセ』を創り上げるという感覚があったように思います。それこそが「ニューウェーブならでは」かと思いましたし、マエストロ・演出家・スタッフの皆様、全ての方への感謝が尽きません。間違いなく今年のハイライトであったと思います。
『セルせ』があったからこそ、ほかの3公演で得るものも大きくなりました。自分の出番が限られている中、先輩方の役を作ることの完成度や高めていく姿勢がとても印象的でした。
「すごい!」という言葉だけではうまく言い現せないのですが…これまでに何度も歌われている役、初役であっても素晴らしいクオリティで稽古に臨まれる姿勢。稽古場にいる時にたくさんの刺激をいただきました。自分ももっと頑張らねば、もっと高みを目指したい!と思える時間を過ごせました。みんなで共に創り上げる感覚と、創り上げられたものが稽古場で融合する感覚、といった感じですかね。言葉に現しきれないのがもどかしいですが、すごく貴重な経験です(笑)!!

――そして『こうもり』アルフレードです。澤原さんの中ではどのような人物ですか。

澤原: 素直な人…でしょうか!愛すること、歌うこと、とにかく真っ直ぐ突き進む。プレイボーイな雰囲気だけど、キュートでもある。かっこよく歌うんだけど、ちょっぴり抜けた憎めない人…そんなイメージがありますね。「2.5枚目」ってところでしょうか(笑)

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2021年7月『ファルスタッフ』より カイウス役(写真中央/撮影 西村廣起)

――アルフレードがらみでの見どころ、聴きどころを教えてください。

澤原: 出番は常に目立っているように思いますが…やはり物語の冒頭でしょうか!影歌なんですが、このオペレッタはアルフレードの歌で始まります!
今年は『セルセ』も『ファルスタッフ』も冒頭で歌う役でしたので、今回の冒頭にも注目していただければと!

――今年はオペラ一色でしたが、オペラ以外(歌曲、お芝居、クラシック以外の歌唱、その他全く異なるジャンル)でやってみたいことはありますか?

澤原: 僕は元々学校の先生になりたくて教育学部にいたんです。その時にミュージカルをやったり、みんなで朝までカラオケに行ったり(笑)。 とにかく歌うことが好きでした。『セルセ』では中村蓉さんの振付もあり、歌手に求められる身体表現の幅はこれから広がっていくように感じました。なので、もっと身体表現の技術を磨くという意味では、舞踊やお芝居はやってみたいですね!ほかの人にくらべてオペラ歌手を目指すスタートも遅かったですし、「何でもやる!」精神を常に持っていたいです。できるできないではなく、やってみる!という思いを持って、色々と挑戦したいです!

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2021年9月『魔笛』より 僧侶II役(写真手前右から2人目/撮影 西村廣起)

――最後に、お客様に向けて。

澤原: (コロナ禍の)状況は徐々に良くなってきているように感じます。しかし、まだまだ油断はできませんし、公演が無事に行われるよう我々出演者も注意しながら稽古に臨みます。
お客様に舞台で起こる非日常、そして愉しいひと時をお過ごしいただければと思っております。
様々な性格の音楽、そして登場人物を是非、日生劇場でお楽しみください!

*     *     *


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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アルフレード 澤原行正 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~オルロフスキー郷家暁子「どこまでも品があって美しいオルロフスキー」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第3回は、オルロフスキー役のメゾソプラノ郷家暁子(ごうけ あきこ)です。
2018年5月、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』ブラダマンテで二期会デビューを果たすと、プッチーニ「三部作」(『修道女アンジェリカ』)、『金閣寺』と続けて出演。今年8月『ルル』でも劇場の衣裳係/ギムナジウムの学生で出演しました。日生劇場では2019年にNISSAY OPERA『ヘンゼルとグレーテル』ヘンゼルで主演を果たしています。
今回の大役を前に意気込みを聞きました。

202110_gouke_akiko_00.jpg 郷家暁子

*     *     *


――オルロフスキー役は、目標とする役のひとつだったのではないかと思います。今の心境をお聞かせください。

郷家: 藝大生の頃から二期会のオペレッタは大好きでした。その二期会のオペレッタにメゾの役として最も有名なオルロフスキーで出演できる事は最高の名誉だと思っております。

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2018年9月プッチーニ 三部作『修道女アンジェリカ』より 修練女長役(写真中央/撮影 三枝近志)

――オルロフスキーはどのような人物でしょうか。演じる立場として、オルロフスキーはどのような性格だと考えていますか?

郷家: とても難しい質問ですね(笑)
性格と言える物ではないかもしれませんが…テキスト通りなら、贅の限りを尽くして、もう楽しい事はなく、若くして世捨て人の様になった青年…ということでしょうか。
私が演じる際に必ず気をつけているのは、彼はどこまでも品があって美しい男性だという、この一点です。一つ一つの所作や視線にも何より品があるべきだと思っております。
少しタイプは違いますが、『ばらの騎士』のオクタヴィアンとも似ているように思います。

――オルロフスキーの見どころ、聴きどころを教えてください。

郷家: なんといってもオルロフスキー登場すぐのクプレ「十人十色」ではないでしょうか。
それ以外にもアンサンブルの中では、彼の品格と美しさの特徴を表すように、とても美しいメロディーを担っているので…見どころも聴きどころも全てです!

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2019年2月『金閣寺』より 娼婦役(写真右/撮影 三枝近志)

――小さい頃は宝塚の男役に憧れていたとか。今はメゾソプラノとして、女性役と男性役、どちらがお好きですか?

郷家: 昔は男性役が大好きで、女性役は苦手でした。学生時代、私が男性役をすると「好きになりそう!」と女性の友人から感想を頂いたりしていました(笑)
今はどちらの役もそれぞれの面白さをとても感じていて、どちらも大好きです。

――ところで、郷家さんは、たくさん「趣味」や「特技」がおありとか。

郷家: 趣味や特技は沢山あります。
昔から手芸や料理が大好きで、稽古が立て込んできて疲れると、夜中にお菓子作りや刺繍をしたりしてストレス発散します。
最近は大学院生の頃までやっていたクラシックバレエを復活しまして、週に2回ほど通っています。

――オペラでも生かされることはありますか。

郷家: バレエは大学の授業でもありましたし、舞台人にはとても必要な要素を沢山学べます。
でも一番鍛えられるのは短い時間で振り付けを覚えて踊るという短期記憶というもので、こちらは暗譜に役に立っているなと感じます。

――最後に、お客様へ向けて『こうもり』の魅力をお願いします。

郷家: 二期会がお送りするオペレッタ「こうもり」、もうこれだけで楽しいに決まっています!
美しい音楽に楽しいお芝居、一晩の夢を(或いは四晩?!)観にお越しくださいませ。

*     *     *


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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…オルロフスキー 郷家暁子 出演日

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開催迫る!10/17(日)五島記念文化賞オペラ新人賞 海外研修成果発表 「高橋 維ソプラノリサイタル」~公演に向けて動画メッセージ到着!

この度、ウィーンでの海外研修成果発表として、東急財団主催「高橋 維 ソプラノリサイタル」を銀座 王子ホールで開催する運びとなりました。

前半では研修で特に力を入れて取り組んだリヒャルト・シュトラウスの作品、後半ではコロラトゥーラソプラノの魅力を詰め込んだフランスとイタリアの作品をお送りいたします。
ピアニストには多田聡子さんをお迎えし、難易度の高い楽曲を確かな技術と華やかな演奏スタイルで支えてくださいます。また、演出家の田尾下哲さん監修の下、視覚的にも楽しめる公演を目指します。

高橋は平成28年度 第27回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞後、ウィーンで研鑚を積み、近年多くのプロダクションのオペラに出演しています。昨年は日生劇場『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』タイトルロール、今年は佐渡裕プロデュースオペラ『メリー・ウィドウ』でヴァランシェンヌ、9月には東京二期会『魔笛』夜の女王を演じました。11月には東京二期会『こうもり』アデーレに出演予定です。

高橋の声が作り出す多彩な音色や表情、そして音楽と表現のつながりをぜひお楽しみください。

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▼自身「初」となるソロリサイタルに向け、メッセージが届きました。

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211017takahashi_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
五島記念文化賞 オペラ新人賞研修成果発表
高橋 維 ソプラノリサイタル
日時:2021年10月17日(日) 14:00開演(13:30開場)
会場:銀座 王子ホール
  (東京都中央区銀座4-7-5)
料金:(全席指定・税込) ¥4,500
出演:高橋 維(ソプラノ・平成28年度五島記念文化賞オペラ新人賞)
   多田聡子(ピアノ)
   田尾下 哲(監修)
予定プログラム:
 R.シュトラウス 歌曲
  「かわらぬもの」
  「私は花束を編みたかった」
  「子守唄」
  「母のたわごと」
  「こんにちは、愛らしいミルテよ」
  「私にあなたの歌が響いたとき」
 R.シュトラウス 歌劇『ナクソス島のアリアドネ』より “偉大なる王女様”
 G.マイアベーア 歌劇『ディノラ』より “軽やかな影”(影の歌)
 C.ドビュッシー 歌曲
  「アリエルのロマンス」
  「死後の艶姿」
  「音楽」
 G.ドニゼッティ 歌劇『ランメルモールのルチア』より
    “彼の優しい声が”(狂乱の場)

主催:公益財団法人東急財団
後援:公益財団法人東京二期会
制作:株式会社二期会21

▼「高橋維ソプラノリサイタル」公演情報ページはこちら
五島記念文化賞 オペラ新人賞研修成果発表「 高橋 維 ソプラノリサイタル」|主催・制作コンサート - 株式会社二期会21

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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●チケットお取扱い
王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
(月~金10:00~18:00/土日祝 休業)
チケットぴあ (Pコード:197-275)

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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アデーレ雨笠佳奈「私もよく料理や掃除をしながら一人で歌っていますが、アデーレも絶対やっていると思いますね。」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第2回は、アデーレ役のソプラノ雨笠佳奈です。
雨笠は、今年5月の二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』のアタランタ役で二期会オペラ・デビューしたばかり。早くも東京二期会オペラ劇場公演のキャストに抜擢されました。
それでは早速インタビューしてまいりましょう。

202110_amagasa_kana_00.jpg 雨笠佳奈

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――『こうもり』アデーレが決まったときの心境を教えてください。

雨笠: オーディションの合格通知を頂いたときは心臓が飛び出るとはこのことか!と思うくらいびっくりしました。何かの間違いではないかと疑うほど(笑)
嬉しさを通り越して、どうしよう!という気持ちの方が大きかったです。
4年前の初演時、客席から観ていた舞台に自分が立つなんて想像しただけでも震えましたし、オペレッタ『こうもり』は二期会の十八番でもありますから、頂いた役目をしっかり果たさなければ、期待に応えなければと勝手に自分を追い込んでしまって…でもある日気が付いたんです。おこがましいなと(笑) 何を勝手に背負っているんだ!と。そんなにいろんなものを背負ったアデーレをお客様は観たいと思うか?と自分に問いかけたら少し気持ちが楽になりました。今はとにかく、今の私が感じ、そして表現できる最高のアデーレを生きたいと強く思っています。

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2021年5月『セルセ』より アタランタ役(撮影 三枝近志)

――5月の二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』のときのことも伺ってみたいと思います。本番に向けて、一番苦労したこと、乗り越えられたことを教えてください。

雨笠: 最大の苦労はやはりバロック・ピッチとの戦いでした。簡単に言うと、私たちがいつも慣れ親しんでいる音より半音低い音程になります。ただこれが厳密に言うと半音の幅とは少し違うのです…これによりいくら自宅で半音下で練習をしても稽古場に行くと何となく音程が上ずるという現象が生じます。
鈴木秀美マエストロから、バロック・ピッチ以外の曲を聞くのは禁止!とお触れを出され、段々とバロックの音色の中に溶け込むことができるようになりました。

――『セルセ』で得られた一番の喜びは何でしたでしょうか?

雨笠: やはり「出会い」でしょうか。共演者との出会いもそうですし、作品に出会えたこと、そしてバロックならではの、その時にしか生まれない変奏やヴァリエーションに出会えたり、音楽が今生まれた!という感覚に出会えたことが一番嬉しかったです。センスの良い変奏をするとオーケストラが模倣をしてくれるのですが、ナンセンスだと全くもって真似してくれないんです。「あ、今のはダサかったかぁ」とちょっぴり落ち込んだりするのも楽しかったですね。
オペラはロングラン公演があるミュージカルなどとは違い、2ヶ月近くかけて作り上げてもたった一晩か二晩で弾けて終わってしまう。本当にあっという間で、本番を迎えると私の場合は嬉しさよりも寂しさの方が上回ってしまうんです(笑)

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2021年5月『セルセ』より アタランタ役(撮影 三枝近志)

――そしてアデーレです!ご自身の考えるアデーレとはどのような人物でしょうか?

雨笠: 演じる役をあまり自分の方に寄せてしまうのは良くないのですが、女優(歌手)を目指しているという点では自分と共通点があると思います。私もよく料理や掃除をしながら一人で歌っていますが、アデーレも絶対やっていると思いますね。ドイツ語に「Adel:貴族・高貴・気品」という言葉があるのですが、ひょっとしてアデーレの名前はここから来ているのではないかと思うことがあります。神様がちょっと入れる薬を間違えてしまったせいで「女“優”」ではなく、「女“中”」に生まれてしまったけれど、本来の私はもっと気高くて才能あふれる人物なのよ!と思っている人だと思います。自分の欲求にとても正直なところは人妻であるロザリンデとの対比としても面白いですね。まさに猪突猛進タイプ。こういう人は強いです!

――最後に、お客様に『こうもり』の魅力をお伝えください!

雨笠: 何といってもウィーンの粋な音楽!自然と足が動き出すような曲ばかり。街を歩きながら聴いていると勝手に指揮をしていたりスキップしそうになったり、ちょっと変わり者になりかねません(笑)
物語もカラッとしていて良いですよね。うじうじ悩んだり泣いたりする人が誰も出て来ないというのも面白い。ロマン派のオペラではあり得ませんよね。ただこのオペレッタが作曲された時代背景にはコレラや株価の暴落など、作品の明るさと対照的な影がちらつきます。「憂いや悩みも忘れてしまおう」「全てシャンパンの泡のせい」この言葉たちもそれを考えると切なさを覚えます。その時置かれている状況下でも違うとは思いますが、観るたびに楽しいだけではない何かを感じさせるのもこの作品の魅力だと思います。

とはいえ!それはお客様お一人お一人に感じ取ってもらうこと!
ウィーンの粋で爽やかな風を感じにぜひ劇場までお越しください。ご来場を心よりお待ちしております♪

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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アデーレ 雨笠佳奈 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~アイゼンシュタイン小林啓倫「馬鹿騒ぎだけでは終わらない、今を風刺するような、笑いの中にも棘がある」

9月公演『魔笛』に続く、〈二期会名作オペラ祭〉第2弾は、11月のオペレッタ『こうもり』です!
本日から主要キャストをインタビュー形式でご紹介してまいりましょう。

トップバッターは、昨年第89回日本音楽コンクール声楽部門で優勝を飾り、今最も勢いに乗る若手バリトンのひとり小林啓倫(こばやし ひろみち)です。歌うとその場の空気を圧倒する重厚な声で、かつハイヴォイスもこなす小林ですが、普段はいたって物腰柔らか。2017年の二期会『こうもり』ではファルケ役を演じましたが、今回は同じプロダクションでアイゼンシュタインに。今回の舞台に向けて話を聞きました。

202109_kobayashi_hiromichi_00.jpg 小林啓倫

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――小林さんが考えるアイゼンシュタインとは、どのような人物でしょうか?

小林: 彼は金持ちの銀行家で、金利で生活をしています。名前を直訳すると“鉄石”さん、その名の通りの頑固者。何をしたのか5日間投獄される事が決まり、更に役人を殴り刑期を8日間に延ばしてしまうヤンチャ者。妻が居るのに女性が大好きな遊び人。表面的には満たされているのに、とても怒りっぽく常に刺激を求めていて、何か満たされない渇きのようなものを抱えている。そんな人物だと思います。

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2017年11月『こうもり』より ファルケ役(手前右/撮影 三枝近志)

――前回、同じプロダクションでは、ファルケ役でした。復讐する奴からされる奴へと変わるわけですが、この二人が絡むシーンを中心に、見どころ、聴きどころを教えてください。

小林: 友であり復讐する側とされる側で物語の核を担う二人ですが、一幕のデュエットはとても楽しい曲でありながらアイゼンシュタインが罠に嵌められていく重要なシーンだと思います。
またアイゼンシュタインとファルケでは音域的にかなりの違いがあります。日本ではテノールが担当する事が多いアイゼンシュタインですが、バリトンが歌う事によってより自然に彼のパーソナリティを表現できるのではないかと思います。

――小林さん自身の性格は、アイゼンシュタイン派ですか?それともファルケ派ですか?

小林: ファルケは公爵や刑務所長、その他大勢の晩餐会の出席者を巻き込んだ大掛かりな復讐劇をコツコツと計画していました。そういう計画性と忍耐力がある彼は私とは正反対の人間だと思うので、私はアイゼンシュタイン派だと思います。

――演出家アンドレアス・ホモキの稽古で印象に残っていることなどありますか?

小林: 彼は必要以上に誇張された表現を嫌い、台詞のテンポ感にとても気を配っていたように思います。勿論4年前も日本語の台詞でしたが、流れが滞っていたりする所はすぐに見抜き、日本人歌手たちに日本語の台詞の指導をしていたのはとても印象的でした。

202109_kobayashi_hiromichi_02.jp
2018年9月プッチーニ〈三部作〉『ジャンニ・スキッキ』より マルコ役(右から2番目/撮影 三枝近志)

――最後に、お客様へ向けてメッセージをお願いいたします。

小林: ファルケ役で二期会デビューしてから4年。多くの舞台を踏み、賞をいただいたりもしました。中でも『こうもり』は毎年ファルケ役やアイゼンシュタイン役で全国のどこかで演じてきた大切な作品です。またホモキ氏の演出は決して馬鹿騒ぎだけでは終わらない、どこか今生きている私たちを風刺するような、笑いの中にも棘があるような所が好きです。この演出でアイゼンシュタインを演じられるのをとても楽しみにしています。お客様にも是非ホモキ氏の『こうもり』の世界を楽しんでいただきたいと思います。

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2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アイゼンシュタイン 小林啓倫 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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出演者メッセージ到着!~Hakuju Hall主催「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」2021年度シーズン第1弾は10/7(木)14時開演!

二期会オペラ研修所マスタークラスを優秀な成績で修了した若き歌手の声を聴くシリーズ、Hakuju Hall「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」。
今シーズンの第1弾(第23回)が、いよいよ10月7日(木)に開催されます。コンサートを直前に控えた、ソプラノ石野真帆、ソプラノ竹内明菜、メゾソプラノ武藤あゆみ の三人よりメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。

      *     *     *
■石野真帆 (いしの まほ)ソプラノ
この度、『第23回二期会ディーヴァ,ディーヴォ』に出演させていただきますこと、大変有り難く思います。昨年というのは、コロナウイルス感染症による緊急事態宣言など、思いもよらぬ日常が始まった年でした。ただでさえコロナ禍で何をするにも大変な世の中ですが、最初こそ休講だったものの、先生方、二期会の方々のおかげで、様々な対策のもと授業を行い、無事に今年の2月にこのHakuju Hallさんで尊敬する仲間たちと共に修了試演会を迎えることができました。今は少しずつ音楽界も戻りつつありますが、まだ以前と同じようにはいかないのが現実です。ステージで歌えること、お客さまがいて、拍手をいただけること、こんなに幸せなことはないと日々改めて痛感しております。そして、マスタークラスの集大成を迎えた思い出深くもある憧れのHakuju Hallさんで演奏できるという機会も大変嬉しい気持ちです。お客さまに聴いていただける機会をいただいたこと、支えてくださる皆さまに、より感謝をしてステージに立ち、一曲一曲お届けしたいと思います。
今回のプログラムは、女声3名ということで、アリアだけでなく、歌曲や重唱、様々な曲にチャレンジしています。皆さまに楽しんでいただけるよう、準備をしているところです!
会場でお待ちしております!
■竹内明菜 (たけうち あきな)ソプラノ
二期会ディーヴァ、ディーヴォに出演させていただけること、大変嬉しく思っております。
二期会研修所では予科から勉強させていただき、毎授業熱い指導を受けられたことが私の大切な宝物となりました。先生方からいただいた一つ一つの言葉が、演奏するときに、私にとって大きな力になっています。
二期会での研修を終えた今、これまで音楽を続けてこられたこと、そしてそれを見守ってくださった先生方、家族、仲間がいてくれたこと、そのことに感謝の気持ちでいっぱいです。
いつでも音楽に全力で向き合う石野さん、武藤さんにたくさんのエネルギーをいただきながら、私も楽しいコンサートにできるよう精一杯演奏させていただきます。
みなさまのご来場お待ちしております!
■武藤あゆみ (むとう あゆみ)メゾソプラノ
この度は、今までたくさんの素晴らしい方々が出演されてきた「二期会ディーヴァ,ディーヴォ」に出演させていただけること、大変光栄に思います。
マスタークラスの時にコロナという未曾有の出来事が起こり、今まで当たり前にしていた事ができなくなるという事態になりました。ですが、それに負けることなく、真摯に音楽と向き合い、声楽家として歩んでいけるよう日々精進していきたいと思います。
今回は女声3人による演奏会となっており、有名なオペラアリアから他ではなかなか聴けないような重唱曲まで私たちだからこそ出来るプログラムを取り揃えました。
切磋琢磨し合った仲間と共に、皆さまに楽しんでいただける演奏会にしたいと思います。
ご来場をお待ちしております!
      *     *     *

三人の新星によるひとときをどうぞご堪能ください!!


ちらし(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
二期会 ディーヴァ, ディーヴォ <第23回>
二期会新星トップ6名による、ときめきのデビューコンサート!

日時:2021年10月7日(木) 14:00開演(13:15開場)※約90分/途中休憩あり
会場:Hakuju Hall(ハクジュホール)【アクセス
    ・小田急線「代々木八幡駅」南口 もしくは
    ・千代田線「代々木公園駅」1番出口より 徒歩5分
料金:全指定席 1,500円(税込) 《発売中》
出演:石野真帆(ソプラノ)、竹内明菜(ソプラノ)、武藤あゆみ(メゾソプラノ)、髙木由雅(ピアノ)
予定プログラム:
・リスト:「おお、愛しうる限り愛せ」〔竹内〕
・シェーンベルク:4つの歌曲Op.2より「私にあなたの金の櫛をください」〔武藤〕
・小林秀雄:「落葉松」〔石野〕
・ドニゼッティ:ポジリポの夏の歌より
  「まなざしと声」 〔石野、竹内〕
  「ビーチェの吐息」〔石野、武藤〕
  「酔っ払い」   〔竹内、武藤〕
・モーツァルト:『フィガロの結婚』より「愛の神よ、安らぎをお与え下さい」〔石野〕
・マスネ:『ウェルテル』より「手紙の歌」〔武藤〕
・マスネ:『マノン』より「私が女王のように街を歩くと」〔竹内〕
・ヴェルディ:『運命の力』より「神よ、平和を与えたまえ」〔石野〕
・R.シュトラウス:『ナクソス島のアリアドネ』より「先生、お許しください」〔武藤〕
・R.シュトラウス:『ばらの騎士』第3幕より
     〈元帥夫人、ゾフィー、オクタヴィアンの三重唱〉〔石野、竹内、武藤〕
※曲目、曲順等が変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

主催:Hakuju Hall/株式会社白寿生科学研究所
協力:二期会オペラ研修所
後援:公益財団法人東京二期会

▼コンサート詳細ページはこちらをご覧ください
第23回 二期会ディーヴァ, ディーヴォ - Hakuju Hall

▼ご予約・お問合せは
Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
11:00~17:00(火~金/祝日・休館日を除く)

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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~パミーナ盛田麻央「人と人とのつながり、愛の深さを感じられる『魔笛』を」

繊細な語感とニュアンスの表現を可能とする、純度の高い響きをもったソプラノ盛田麻央。主軸のひとつなるモーツァルトのレパートリーでは、これまでにも宮本亞門演出『フィガロの結婚』バルバリーナ、カロリーネ・グルーバー演出『ドン・ジョヴァンニ』ツェルリーナに出演してきました。
そして、今回『魔笛』パミーナに挑戦。その意気込みを聞きました。

202109_morita_mao_01.jpg 盛田麻央

*     *     *


――宮本亞門演出モーツァルト作品の出演は、『フィガロの結婚』(2016年)以来となります。亞門さんの現場はどのような印象がありますか?

盛田: 私は亞門さんの演出を再演として関わってきたのですが、まず立ち稽古が始まって毎回驚くのは、その緻密さです。一人一人のキャラクターが既に目の前で生きて見えてきます。誰かの動きがズレれば、他の誰かのキャラクターもズレてしまう。その中に入り込んでいくのはとても勇気がいるし、難しいですが、同時に本当にワクワクする体験です。

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2011年11月『ドン・ジョヴァンニ』(カロリーネ・グルーバー演出)より ツェルリーナ役(一番左/撮影 三枝近志)

――パミーナ役は、どのような役柄、人物、キャラクターでしょうか。

盛田: パミーナは様々な登場人物と出会い、その言葉に沢山影響を受け、心を動かされる役です。ただ今回の演出では、根底に「母親であること」がパミーナを支えているように感じます。それがゲームの中のお姫様であっても彼女自身を強くみせているのでは…と思います。

――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、あらためて一番の聴きどころ、一番感動するところを教えてください。

盛田: 本当に名曲ばかりで、どれかを選ぶのは難しいですね。その中での私の最初の“キュン”ポイントは、タミーノのアリアでしょうか!「序曲」から軽やかな心躍る音楽が続きますが、タミーノに愛のスイッチが付いた瞬間、なんとも繊細で美しいメロディが流れます。これで私は心を鷲掴みされてしまいます。是非皆さまにもその体験をしてもらいたいです!

――人生最初のモーツァルト体験はどのようなものでしたでしょうか?

盛田: 小学校の合唱団で、『魔笛』のハイライトに出演したときです。その頃は「蛇」の役をみんなで演じたり、「パパパの二重唱」で子どもたちになったりと、「モーツァルトって楽しい!!」という記憶でした。
そして、大学に入って『魔笛』と再会したとき、このオペラの壮大さに感動したのを覚えています。

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2016年7月『フィガロの結婚』(宮本亞門演出)より バルバリーナ役(中央右/撮影 三枝近志)

――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台、演奏はどのようなものでしたでしょうか?

盛田: スザンナ役を歌った大学院オペラ『フィガロの結婚』は思い出深い舞台です。初めてのメイク、衣裳、初めてのオーケストラでのオペラ。すべてが初めてでわからないことだらけでしたが、カーテンコールのとき、少し大人になったような気分だったことが忘れられません。長い時間をかけて勉強し作り上げた仲間や先輩との体験は今の私の力になっています。

――今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えされたいことを聞かせてください。

盛田: コロナ禍がますます厳しい状況になり、オペラや舞台を上演すること、ましてや人が外に出ること自体が難しい中で、空気を動かして音を奏で、息遣いを感じ、愛を歌う。今回の『魔笛』は本当に人と人との繋がり、そして愛の深さを感じられる作品です。聴いていただけるお客様にその温もりを感じていただけたら幸いです。

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2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30、9日(木)14:00*、11日(土)14:00、12日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…パミーナ 盛田麻央 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
※緊急事態宣言の延長により、11日(土)と12日(日)公演は予定来場者数が収容定員の50%を超えているため、新規チケット予約受付を停止させていただきました。両日は当日券の販売もございません。
8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。


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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~タミーノ 金山京介「モーツァルトの楽曲は常に自分を高めてくれる大事な存在です」

2015年の宮本亞門版『魔笛』のタミーノ役がデビュー・ロール。『後宮からの逃走』ベルモンテでも艶やかな歌を聴かせ、二期会のモーツァルト・テノールの一翼を担う存在となった金山京介が、今回の公演でも登場します。(8日(水)、11日(土)出演)
再びの舞台にむけて意気込みとモーツァルトに寄せる想いを聞きました。

202109_kanayama_kyousuke_01.jpg 金山京介

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――宮本亞門演出版『魔笛』のタミーノ役は、どのような役、人物、キャラクターでしょうか。

金山: 今回の『魔笛』はタミーノがゲームの世界に入り込んでしまったところから始まります。その世界においてタミーノは唯一の現実世界の人間であり、出会う人全てがゲームのキャラクターなのです。
僕自身もゲームが好きで、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」で育った世代ですが、通常のロール・プレイング・ゲームでは冒険が進むにつれレベルが上がり、ステータスが上がり、新しい技を覚えて、敵を倒していきます。しかし今回の冒険では派手な技や敵を倒したり・・・といったものは出てきません。成長するのはタミーノの内面、人としての強さなのです。
人の内面というものは外見からでは中々判断することが難しいものです。そのタミーノの精神的な成長をどうお客様にお伝えできるか、そこが一つのポイントとなってくるのではないかと感じています。

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2015年7月『魔笛』より タミーノ役(一番右/撮影 三枝近志)

――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、あらためてお伺いいたします。ご自身のお考えになる一番の聴きどころ、一番感動されるところを教えていただけますか?

金山: タミーノのアリアです!!と言いたいところですが、私が1番感動するところはパミーナのアリアですね。
愛するタミーノとようやく出会えたのに、タミーノは試練を受けているためパミーナと話すことができません。パミーナはそれをもう私のことを愛していないのだと思い込んで、悲しみの淵で歌います。このアリアで「Ruhe」と「Tod」という二つの言葉が出てきます。それぞれ「平穏」と「死」という一見相反する言葉のようですが、この時のパミーナにとって「死ぬことこそ心の平穏」なのです。
このアリアはタミーノとして舞台上で聴くこととなるのですが、いつも美しいメロディーに感動してしまいます。この美しい音楽をぜひ会場でお楽しみください。

――ご自身にとって、人生最初期のモーツァルト体験はどのようなものでしたでしょうか?

金山: 学部生のときに初めて歌ったモーツァルトのアリアが『コジ・ファン・トゥッテ』 の「Un'aura amorosa(愛の息吹)」 でした。音も高くて、レガートで歌わなければならず全く歌えませんでしたね。モーツァルトは学生の頃にたくさん勉強したおかげか、今も苦手意識が抜けません(笑)

――金山さんにとりまして、モーツァルトの楽曲はこれからも主要なレパートリーであり続けるのではないかと思います。金山さんにとりまして、モーツァルトの音楽はどのような存在でしょうか。

金山: これまでもモーツァルトの作品を演じてきましたが、何度演奏しても毎回新たな発見があります。それは音楽であったり、キャラクターについてであったり様々ですが、毎回とても刺激的で自身の成長に繋がっていると感じています。モーツァルトの楽曲は常に自分を高めてくれる大事な存在です。

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2018年11月『後宮からの逃走』より ベルモンテ役(左/撮影 三枝近志)

――2015年の二期会初演から6年たちました。今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えしたいことは何でしょうか。公演に向けて意気込みをお願いいたします。

金山: 先ほどお話しした魔笛のテーマの一つである「成長」、タミーノは困難に立ち向かい試練を経て、幸せを掴むことができました。
コロナ禍のオペラ上演は様々な規制が課されますが、我々出演者、スタッフ、関係者一同感染対策に取り組み、試行錯誤しながら公演に向けて稽古を重ねております。この困難に立ち向かい、乗り越えて、初演より更に成長、パワーアップした舞台をお届けいたします!
ぜひ会場へ足をお運びください!お待ちしております。

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2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30*、9日(木)14:00、11日(土)14:00*、12日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
*…タミーノ 金山京介 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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※緊急事態宣言の延長により、11日(土)と12日(日)公演は予定来場者数が収容定員の50%を超えているため、新規チケット予約受付を停止させていただきました。両日は当日券の販売もございません。
8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。


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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~タミーノ 市川浩平「タミーノも私も、周りの人に助けられて生きている。感謝の気持ちを込めて歌います」

9月公演『魔笛』、9日(木)と12日(日)のタミーノを演じるのは、テノール市川浩平。二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』オロンテでデビュー後、二期会では『サロメ』、『サムソンとデリラ』と出演が続いています。その端正な舞台姿と歌唱は、王子役にはぴったりです。宮本亞門演出のプロダクションは今回が初。公演を前にしてその意気込みを聞きました。

202109_ichikawa_kouhei_01.jpg 市川浩平

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――今回の『魔笛』のタミーノ役は、どのような役、人物、キャラクターですか。

市川: 宮本亞門演出ではゲームの世界に入り込んだタミーノがいろいろなキャラクターに出会い試練を乗り越え、立派な大人になっていきます。ただの性別的な「男」から、真の男の中の男「漢」への変貌を、作品の中で見せていけたらと思っています。
この舞台を通じて自分自身も成長出来たらとも思っています!

――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、市川さんにとっての観どころは?

市川: 2幕のパミーナのアリアで、パミーナの訴えに対して、タミーノは黙って堪えています。パミーナの歌だけでなく、タミーノにもチラッと注目してほしいですね(笑)。アリアの感動が倍増すると思います!

――市川さんの最初のモーツァルト体験はどのようなものでしたでしょうか?

市川: 私は高校生になってから音大受験のためピアノを習い始めたのですが、ある日、先生にモーツァルトのピアノソナタを見てこいと言われました。「ソナタって・・・なんだ?」と思いながら指定された楽譜を購入し、譜面をさらい、レッスンに行きました。指と指は絡まり合い、もつれ、書かれてもいない休符を生み出し、楽譜にない音を奏でていると、ひどく先生に怒られ、高校生になりながらも滲み出る涙を堪え、怖さに手をプルプルさせながら弾いた思い出があります。それが私とモーツァルトとの最初の出会いです。

――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台、演奏はどのようなものでしたでしょうか?

市川: 高校生で歌を始め、歌の先生に見に行きなさいと言われ見に行った生まれて初めてのオペラが『魔笛』でした。地元で行われた地元の方による公演でした。その後何回も魔笛は鑑賞しましたが、主観的にその公演が一番あたたかく心に残っています。今でもその歌手たちの声と舞台のセットや照明など鮮明に思い出せます。

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2018年5月『アルチーナ』より オロンテ役(左から2番目/撮影 三枝近志)

――今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えされたいことは何でしょうか。

市川: 今、この時代だからこそ、上演することの意味合いは人により異なり、様々な意見があると思います。シンプルに、意味が「ある」のか「ない」のかですら、色々なことを天秤にかけると、出演する身でありながら答えがみつかりません。この公演が世の中的にどんな意味があるのかは正直なところよくわからないですし、各個人の考えに委ねるしかないのかと思っております。
ですので、非常に主観的な視点からこの魔笛上演の意味を述べますと、『魔笛』は初めて生の舞台でみたオペラで、実は大学院修士論文の題材で『魔笛』について書いているのです。とても大好きな作品です。それをこのような素晴らしい環境で演じられるのはとても意味のあることで、意味のあるものにしたいと思います。
またこの演出で、タミーノは自分の家族に似たゲームのキャラクターに助けられながら立派な大人になっていきます。私も妻や子供、親、義理の親、親族、先生、近所の人、友達、音楽教室の生徒さん達などなど・・・情けないながら生まれてこのかた、周りの方々に本当に助けられてなんとか生きていけています!そして音楽には・・・基本的に99%は悩まされてばかりですが、1%の幸せというか、楽しさというか、感動に本当に救けられています。そんな周りの人達、音楽に感謝しながら演じたいと思っています。それがどのような形になってお客様に伝わるかはわかりませんが・・・作品の受け取り方は千差万別、本当に自由だと思っていますので!私は演出家や指揮者の意図に加えて、そのような心持ちも添えつつ演じ、その結果、何かしらの感情をお客様の心の片隅に残せたら・・・ご家族、ご友人様などと会話するときのちょっとしたネタになってくれたらなぁと思っております。

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2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30、9日(木)14:00*、11日(土)14:00、12日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…タミーノ 市川浩平 出演日

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※緊急事態宣言の延長により、11日(土)と12日(日)公演は予定来場者数が収容定員の50%を超えているため、新規チケット予約受付を停止させていただきました。両日は当日券の販売もございません。
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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~夜の女王 高橋 維「タミーノやパミーナ、パパゲーノたちが困難に立ち向かう姿は、今の私たちと重なる」

2015年ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』クレオパトラでデビュー。同年、リンツ州立劇場との共同プロダクション『魔笛』初演で夜の女王に君臨。以来、新世代のオペラ界のプリンセス・ロードを走り続けるソプラノ高橋 維。6年ぶりの再演でどのような変化があったのか話を聞きました。

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2015年『ジューリオ・チェーザレ』より クレオパトラ役(撮影 三枝近志)

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――2015年のご出演から6年ぶりの再演となります。宮本亞門演出版『魔笛』の夜の女王役は、どのような役柄、人物、キャラクターでしょうか。再演を前にして、考え方に変化や、深まりはありましたでしょうか。

高橋: 宮本亞門さんは「夜の女王は美しくて魅力的な人だ」とおっしゃっていて、当時今よりも若くパミーナのような年齢の娘がいる女性をどのように演じたら良いか迷っていた私にとって大きなヒントになりました。今回もただインパクトがあって怖い女王ではなく、特別に美しく人知を超えた存在として夜の女王を演じたいと思っています。
2015年の出演から、ありがたいことに何度も夜の女王を演じ、コンサートでアリアを歌う機会をいただきました。考えてみればこの6年間、夜の女王を歌い続け考え続けていたのかもしれません。昨年11月、日生劇場でルチアを演じた時には、夜の女王もルチアも女性であることで不当な扱いを受け、激しい復讐心や狂気をコロラトゥーラで表現するという点がすごく似ていると思ったんです。そのときも、夜の女王が私の中にずっとあったように思います。

――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、高橋さんの一番の聴きどころ、感動ポイントを。

高橋: 聴きどころは本当にたくさんあって選ぶのが難しいですが…ここは「夜の女王のアリア」と答えさせてください!(笑)
いつも感動してしまうのは「パ、パ、パ」の二重唱。あまりの幸福感に思わずぐっときてしまいます。

――人生最初のモーツァルト体験は覚えていますか。

高橋: 幼少期にピアノソナタを一生懸命練習していたのを覚えています。 小学校6年生の時に発表会で弾いた「きらきら星変奏曲」は特に印象的で、今でも弾けると思いますよ!
同じ頃、合唱指揮者である母が「モーツァルトの百面相」(作詞:山川啓介 編曲:鈴木輝昭)という作品を合唱団で取り上げていて、よく聴いていたんです。
モーツァルトの作品が20曲以上も入っているとても楽しい曲で、よく口ずさんでいました。もちろん「夜の女王のアリア」も入っていて歌っていました!

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2015年『魔笛』より 夜の女王役(撮影 三枝近志)

――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台は?

高橋: 舞台でいえばやはり2015年の『魔笛』でしょうか。あんなにもお客様の視線に緊張したのは後にも先にもあの舞台だけですね。それほど夜の女王という役が注目を浴びるのだと実感した舞台でした。
それとは対照的に、今年の4月に秋山和慶マエストロと日本センチュリー交響楽団さんとご一緒し「踊れ、喜べ、幸なる魂よ」ソプラノソロを務めた際には、軽やかで幸せに満ちたモーツァルトの音楽を演奏する喜びをひしひしと感じました。

――今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えされたいこと、公演にむけて意気込みを。

高橋: このコロナ禍において世界が一変し、人々の価値観も変わってきました。 そんな中でも変わることなく人々を支える「愛」「勇気」「希望」といったものを今こそ、この『魔笛』で感じて頂ければと思います。
タミーノやパミーナ、パパゲーノたちが困難に立ち向かう姿は、困難に立ち向かう私たち自身と重なって見えるような気がします。
また、2015年の初演は私自身二期会本公演のデビューでもありましたが、この6年間の間に舞台経験を積み、留学も経験したことで2015年とは違う姿をお見せできるのではと思っています。
再演でさらにパワーアップした『魔笛』、そして高橋維の夜の女王をぜひ観にいらしてください!

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2019年『天国と地獄』より ユリディス役(撮影 三枝近志)

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2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30、9日(木)14:00*、11日(土)14:00、12日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…夜の女王 高橋 維 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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※緊急事態宣言の延長により、11日(土)と12日(日)公演は予定来場者数が収容定員の50%を超えているため、新規チケット予約受付を停止させていただきました。両日は当日券の販売もございません。
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期待の新人歌手が一堂に!~ 9/20(月・祝)「二期会新進声楽家コンサート」
出演者コメント[3]

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員18名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート。今年は公演日が祝日となったため、13:30開演のマチネー公演となり、公演名も「二期会新進声楽家コンサート」として開催いたします。
本日は前回に続き、出演者から届きましたコメント紹介の第3回です。

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202108_yamada_mao.jpg山田茉央(やまだ まお・ソプラノ)
■ニコライ 『ウィンザーの陽気な女房たち』より “さあ早く!冗談、ワクワクする気分”
【座右の銘】「前へ進め」 失敗したり悩んだりして立ち止まりそうになったら、とにかく前へ進むと決めています。今の場所から一歩でも前に進めば、必ず新しい世界が広がっていると信じています。新しい姿を見せ続けられる演奏家になるべく精進いたしますので、よろしくお願いいたします!
202108_watanabe_tomomi.jpg渡辺智美(わたなべ ともみ・ソプラノ)
■ヘンデル 『エジプトのジュリオ・チェーザレ』より “嵐の海で難破した船は”
【演奏曲に関連して】学生時代より大切に温めてきた作品を演奏させていただきます。
愛する人の生還を知ったクレオパトラの喜びが、数多の華やかなアジリタによって表現されたこの「嵐の海で難破した船は」の音楽によって、陰鬱としたコロナ禍の空気をも吹き飛ばしてしまうような演奏を目指します!
202108_mutou_ayumi.jpg武藤あゆみ(むとう あゆみ・メゾソプラノ)
■ドニゼッティ 『ラ・ファヴォリータ』より “ああ、私のフェルナンド”
【座右の銘】「感謝の心が人を育て、感謝の心が自分を磨く」 私を日々支え、導いてくれる人たちがいてくれるから今の私がある。プロの世界へ一歩を踏み出す者として、日々周りへの感謝を忘れず、オペラという素晴らしい舞台に立てるようこれからも努力を惜しまず邁進していきたいと思います!
202108_sawachi_takeshi.jpg澤地 豪(さわち たけし・バリトン)
■ロッシーニ 『セヴィリアの理髪師』より “私は街の何でも屋”
【演奏曲と抱負】フィガロの性格が、この一曲に凝縮されていると思います。彼は叡智と生命力に溢れ、どんな曲面でも明るく前向きに自らの力で道を切り開いていく、とても魅力的な人物であり、僕の憧れの役です。登場しただけで舞台の空気が変わり、一声出しただけでドラマの中に引き込ませる、そんな歌手に僕はなりたいです。歌手として唯一無二の存在になれるように、日々自分を研ぎ続けていきます。
202108_gotou_shunya.jpg後藤駿也(ごとう しゅんや・バス)
■ワーグナー 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より “ニワトコの花がなんと香り高く”
「心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ」
言わずと知れた超人プロレス漫画「キン肉マン」。そのアニメ主題歌の一節である。ドジだが強いキン肉マン。ぼくも彼のように不器用ながらも愛あるスーパーヒーロー、もといスーパーシンガーを目指して、果てなき夢へGo Fightしていく所存です。
202108_meguro_tomofumi.jpg目黒知史(めぐろ ともふみ・バス)
■ポンキエッリ 『ラ・ジョコンダ』より “彼女は死なねばならぬ”
【座右の銘】「小さいことを重ねることがとんでもないところに行くただひとつの道」 この言葉は2004年にメジャーリーグの年間安打記録を塗り替えたイチローが記者会見で話した言葉です。芸術には終わりがありません。日々自分と向き合い、目の前のことを一つずつこなし、様々な表現ができる音楽家になりたいです。

*     *     *


才能ある若きアーティストたちの未来を応援していただければ幸いです。
一同、ご来場をお待ち申し上げております。

210920shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第64期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2021年9月20日(月・祝) 13:30開演(13:00開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口より徒歩1分)
料金:(全指定席) ¥3,000
▼予定プログラム発表!全出演者と演奏曲目はこちらからご覧ください
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

●ご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~パミーナ 嘉目真木子「私達はひとりでは生きてはいけない 人を心から愛していこう」

2011年『フィガロの結婚』スザンナ、そして18年『金閣寺』のフランス国立ラン歌劇場でのワールド・プレミエ公演での 女/有為子 が自身の欧州オペラデビューとなるなど、宮本亞門演出のオペラに欠かせないソプラノ嘉目真木子。今回の『魔笛』はジャパン・プレミエ以来の6年ぶりの舞台となります。公演に向けて話を聞きました。

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2011年『フィガロの結婚』より(撮影 三枝近志)

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――宮本亞門さんの舞台に立つ上で、心掛けていることはありますか?

嘉目: 亞門さん演出の作品において、常に意識していることはその役にリアリティを持たせることです。
オペラの場合は音楽にその役のキャラクターが表されますが、亞門さんは“生きた人物”を求めていらっしゃると思うので、それをより深く掘り下げることが大切だと考えています。

――これまで、亞門さんからかけられた言葉で、とても印象に残っていて、今でも力になっているような言葉はありますか?

嘉目: 特にこの言葉が、というよりも、亞門さんとご一緒する度にそのエネルギーの大きさに驚きます。亞門さんは、何というかエンジンの回転数が早いんです。ぼんやりのんびり屋の私には、亞門さんはいつもキラキラと煌めいて映ります。

――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、あらためてお伺いいたします。
嘉目さんにとっての、一番の聴きどころ、一番感動されるところはどこでしょうか?


嘉目: 『魔笛』は本当にどの曲も素晴らしくて、聴きどころを絞るのが難しいのですが、私がこの亞門さん演出で一番好きなのは、パミーナを試練のためとはいえ深く傷付けてしまったことに、身を引きちぎられるような思いで苦悩するタミーノが表現される、男声合唱のシーンです。
哀しさや苦しみなどがとても美しい荘厳な音楽で表現され、尊ささえも感じられるシーンとなっています。

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2015年『魔笛』より(撮影 三枝近志)

――嘉目さんにとっての人生最初のモーツァルト体験はどのようなものでしたでしょうか?

嘉目: 実は『魔笛』が最初です。小学生の頃に初めて触れたオペラが『魔笛』でした。
ルチア・ポップの歌う夜の女王のアリアを、彼女の歌い癖を覚えるほど聴きまくっていました。
ちょうど同じ頃に、所属していたジュニアコーラスの一員として、県民オペラ公演『魔笛』に森のうさぎ役で出演しました。とても緊張しました。

――2015年の二期会初演から6年たちました。
今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様に伝えたいこと、公演にむけて意気込みをお願いいたします。


嘉目: コロナ禍で対面からリモートが増えて、世の中から人との触れ合いが極端に少なくなってしまいました。
目には見えないけれども、その分人の心と心の間にも少しだけ距離ができてしまったように感じています。表面的には何も問題なく過ぎていく時間でも、何かが失われていくような気がしています。
モーツァルトの音楽はいつも「生身の人間とは何か」を教えてくれます。美しさや強さだけではなく、悲しさや弱さ、醜さも隠すことなく描かれます。この人間の心の交流は、今まさに私達に必要なものなのではないでしょうか。
私達はひとりでは生きてはいけない。
人を心から愛していこう。
そんな風にモーツァルトが語りかける作品です。

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2018年『金閣寺』フランス国立ラン歌劇場公演より

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2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30*、9日(木)14:00、11日(土)14:00*、12日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
*…パミーナ 嘉目真木子 出演日

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8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。


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東京二期会×日本アルバン・ベルク協会 『ルル』特別オンライン・トーク
 演出カロリーネ・グルーバーに聞く!

1年の延期を経て、いよいよ8月28日(土)、新宿文化センター 大ホールにて開幕する東京二期会オペラ劇場 A.ベルク『ルル』。
開演に向けて、日本アルバン・ベルク協会との共催により実現しました、演出カロリーネ・グルーバーとのオンライン・トークの模様を収録してお届けいたします(聞き手は、中央大学教授の森岡実穂さん)。

昨年2月には『ルル』が自身の集大成と意気込みを語り(参照記事1)、1年の開催延期を受けて、先月、演出プランを発表!(参照記事2)
今回のオンライン・トークは、さらにグルーバーの思考に深く迫る内容になっています。
オペラご鑑賞前に、ぜひご覧ください!

▼参照記事1
『ルル』は私の演出家としての集大成~カロリーネ・グルーバー緊急プレトーク・リポート|2020年03月06日
▼参照記事2
8月公演 A.ベルク『ルル』ワールド・プレミエ~カロリーネ・グルーバーの演出プランを発表!|2021年05月25日

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2021年8月公演 A.ベルク『ルル』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年8月28日(土)17:00、29日(日)14:00、31日(火)14:00 新宿文化センター 大ホール

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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二期会名作オペラ祭『魔笛』キャスト・インタビュー~夜の女王 安井陽子「私自身も音楽に救われた。大好きな役を歌える幸せを」

2021/2022シーズンのオープニングを飾る、9月公演『魔笛』。 夜の女王役で出演するのは、日本を代表するコロラトゥーラ・ソプラノのひとり安井陽子。 『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタ、『魔笛』夜の女王、『ホフマン物語』オランピアなど、いずれもコロラトゥーラの王道ともいえる難役で絶賛を博してきました。
何度も演じてきた夜の女王役ですが、今回の舞台にかける思いをあらためて聞きました。

202108_yasui_youko.jpg 安井陽子

*     *     *


――これまで何度も演じて、コンサートでも歌ってきた夜の女王は、どのような人物でしょうか。

安井: 深い悲しみと過剰なほどの母性愛が豹変して激しい復讐の念に燃える尊大な悪女だと思いますが、女性を強調した衣裳からも強烈な恐ろしさの中に魅惑的な女性の本質も描かれているように感じます。

――名曲揃いの『魔笛』で、一番好きなところ、一番感動されるところは?

安井: 『魔笛』は、登場人物みんなが主役のような作品で、序曲からアンサンブル、アリア、最後の華やかなフィナーレまで、どこを取っても魅力的で素晴らしいので、「一番」とは難しいですね。序曲や、有名な夜の女王アリアはもちろんですが、特に好きなシーンをあえていうとすると、20番パパゲーノのアリア「娘かかわいい女房がひとり」から「パパパの二重唱」、フィナーレの合唱に続いていくところ。
グロッケンシュピールの幻想的な可愛らしいメロディーは本当に魅力的なので、大好きで幸せな気持ちになります。童子たちに導かれてパパゲーナが現れて、「パパパの二重唱」が歌われるシーンは愛と喜びと幸せが満ち溢れていて皆が笑顔になれる場面なので大好きです。

――人生で最初に触れたモーツァルトの音楽は?

安井: 小学校2年生のときに母に連れて行ってもらった、ヤマハホールで上映された映画の『魔笛』です。やはり夜の女王アリアは聴いたことのないような超高音で驚いた記憶がありますが、正に美しいメルヘンの雰囲気で、パパゲーノとパパゲーナが軽やかな動きで素敵だったのは印象深く「オペラって楽しいなー!」と心から感じ、オペラの世界へ魅了された初めての作品です。母に感謝です!

――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台、演奏は?

安井: 初めて夜の女王役をフォアアールベルク州のゲツィス(Götzis)の小さな劇場で歌ったときです。1ヶ月くらい滞在して、雪が降っている中、稽古場へ通うのは厳しいものもありましたが、刺激的な大変充実した日々でした。
雪の上を歩きながら、毎日ブツブツ台詞を言いながら歩いていた私は怪しい人だったかも(笑)
演出は至ってオーソドックスでしたが、共演者の方々全員が『魔笛』に愛情を注いでいるような、とても温かい舞台で、多くの方は自分以外の役のセリフも歌も、まるで童謡を口ずさむかのように当たり前に自然に覚えていて、さすがオペラ文化が根付いていると肌で感じました。出演者の年齢層の幅が広くて、小さい劇場での手作り感が、「モーツァルトが芝居小屋で上演していた当時もこんな雰囲気だったのかな」と、勝手に自分で想像して盛り上がりながら、プレミエの時も一瞬一瞬を大切に演奏させて頂きました。
この時が一番、寝ても覚めても、夜の女王役をどう歌い演じるか、役と向き合った時間だったような気がします。

――歌い継ぐ価値があるからこそ「名作」と謳われる所以でありますが、今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えしたいこと、公演に向けて意気込みをお願いいたします。

安井: 今のこの大変な状況だからこそ、ぜひオペラを観て頂きたいです!私自身も昨年の自粛期間に「音楽」に救われました。予定していた公演が次々と中止になり残念な悲しい思いも沢山しましたが、その時間は自分に与えられた充電期間と思い直し、今回の宮本亞門さんの『魔笛』も新たな気持ちで挑戦してみようと受けました。
素敵な舞台で、この大変な状況の中でも大好きな役を歌わせて頂けている私は本当に幸せ者だと痛感しております。どこへ行っても「守る」ことに重点を置いている緊張感のある困難な状況の日々ですが、ぜひ、劇場に足を運んで頂き、この時ばかりは、大変な日常を忘れて頂いて窮屈な「守る」ではなく、音楽=音を楽しむ!オペラを「楽しむ」良い時間を過ごして頂ければ幸いです!!!(マスク着用は窮屈ですみません)
これから稽古で「夜の女王」に深い色付けをして頂き、皆様に喜んで頂けますよう、公演に向けて精進してまいります!!

*     *     *


▼安井陽子へのインタビューはこちらもご覧ください!
『魔笛』を彩る女性たちが母娘を語る|オペラを楽しむ - 東京二期会

▼『魔笛』公演情報ページはこちら
2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年9月8日(水)18:30*、9日(木)14:00、11日(土)14:00*、12日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
*…夜の女王 安井陽子 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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※緊急事態宣言の延長により、11日(土)と12日(日)公演は予定来場者数が収容定員の50%を超えているため、新規チケット予約受付を停止させていただきました。両日は当日券の販売もございません。
8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。


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期待の新人歌手が一堂に!~ 9/20(月・祝)「二期会新進声楽家コンサート」
出演者コメント[2]

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員18名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート。今年は公演日が祝日となったため、13:30開演のマチネー公演となり、公演名も「二期会新進声楽家コンサート」として開催いたします。
本日は前回に続き、出演者から届きましたコメント紹介の第2回です。

*     *     *

202108_sano_madoka.jpg佐野円香(さの まどか・ソプラノ)
■レオンカヴァッロ 『道化師』より “鳥の歌”
【座右の銘】「一日一生」 一日を大切に生きることが一生を大切に生きることに繋がるという意味です。昨年から続くコロナ禍で今まで通りの生活が出来なくなり、それは私生活だけでなく研修所で勉強する過程においても様々な制約がありました。ですが、制約があったおかげでお客様から見た時に自分がどう見えるかについてなど、演技や歌についてより一層考えるきっかけになりました。このような一日一日の積み重ねが将来に繋がると信じて、日々精進してまいります。
202108_shigeta_shiori.jpg重田 栞(しげた しおり・ソプラノ)
■ドニゼッティ 『リタ』より “この清潔で愛らしい宿よ”
【大切にしている信念】「やってみなければ分からない」 食べてみて初めて、味が分かるように、やってみて初めて、オペラの面白さを知りました。身をもってやってみれば、失敗も成功も自分の糧となります。これからも、好奇心の赴くままに様々な音楽、舞台に挑戦してまいりたいです。
202108_takeuchi_akina.jpg竹内明菜(たけうち あきな・ソプラノ)
■マスネ 『マノン』より “私が女王のように街を歩くと”
【演奏曲に関連して】第3幕、祭りで賑わう群衆の中、ひと際目を引く美しさで登場したマノン。「私が女王のように街を歩くと、みんな私にお辞儀をして手に口づけするわ。私は美しくて幸せ。絶えず恋をして、笑い、歌いましょう」とガボットのリズムで歌います。
コロナ禍においても、こうして音楽と関わることができることに感謝しつつ、魅力的なマノンを演じられるように頑張ります。
202108_tanaka_kayoko.jpg田中佳代子(たなか かよこ・ソプラノ)
■ヴェルディ 『エルナーニ』より “エルナーニよ、一緒に逃げて”
【座右の銘】「努力の上に花が咲く」 中学生の頃に出会った言葉です。音楽を追及すればするほど、楽しい反面、高い壁にぶつかったりくじけそうになることが多々ありますが、この言葉を思い出しては乗り越えてきました。大輪の花を咲かせた歌をみなさまへお届けしますので、応援をお願いいたします。
202108_hatano_mayu.jpg幡野麻佑(はたの まゆ・ソプラノ)
■ウェーバー 『魔弾の射手』より “亡き叔母が見た夢に”
【座右の銘】常に自分自身と向き合い一つずつ丁寧に積み上げていくことが、いずれ大きな力に変わると思っています。
コロナ渦で大変な状況ではありますが皆様の心が少しでもほっとする瞬間がありますように、心からの音楽を伝えていきますので、どうぞ応援をよろしくお願いいたします。
202108_hayano_yumi.jpg早野由美(はやの ゆみ・ソプラノ)
■バーンスタイン 『キャンディード』より “きらびやかに着飾って”
【座右の銘】「神は天にいまし、すべて世は事もなし」 私の大好きな作品『赤毛のアン』に出てくる言葉です。生きていると耐え難い困難や試練と向き合うこともありますが、すべては自分にとって最善の選択であり経験だと信じています。今を丁寧に全力で向き合い、喜んでくださるお客様の笑顔をお守りに日々頑張ります。

*     *     *


才能ある若きアーティストたちの未来を応援していただければ幸いです。
一同、ご来場をお待ち申し上げております。

210920shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第64期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2021年9月20日(月・祝) 13:30開演(13:00開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口より徒歩1分)
料金:(全指定席) ¥3,000
▼予定プログラム発表!全出演者と演奏曲目はこちらからご覧ください
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

●ご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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8月公演 A.ベルク『ルル』キャスト・インタビュー
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役 増田弥生「同性愛者であることも、母親にも似た無償の愛も、どちらも彼女の本能的な愛の形なのだと思います」

東京二期会オペラ劇場『ルル』開幕に向けて、舞台を想定した「立ち稽古」が始まりました。
今回は、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役の増田弥生(8/28、31出演)に話を聞きました。
新国立劇場や東京二期会オペラ公演への出演、そして年末の第九演奏会でのソリストなどオーケストラとの共演実績も多い実力派。ウィーンに留学し、その後もモーツァルト、ワーグナー、R.シュトラウスなど、ドイツオペラの王道を歩んできました。20世紀初頭ウィーンで活躍したアルバン・ベルクの作品に、今どのように向かい合っているのでしょうか。

202108_masuda_yayoi.jpg 増田弥生

*     *     *


――立ち稽古が始まりました。演出カロリーネ・グルーバーとの稽古はいかがですか?

増田: オーディションの時に、審査員席のど真ん中にグルーバーさんが威厳を放って座って聴いてらしたので、とても緊張したのを覚えています。
昨年2月に、プレトークで来日された際には、個人的にお話しする機会に恵まれました。「『ルル』は確かに難しい作品だけど、型にはめて考えないで、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢が一人の人間としてルルを愛するということを考えてきて。」と言われたのが、ストレートに心に響きました。
立ち稽古前のテクスト読み合わせでは、内容によっては1語1語細かく噛み砕いて、丁寧に説明して下さいました。全体を知るためにテクストをよく読むこと。当たり前のことと言われたらそうなのですが、基本を大切に作り上げていく誠実さ、そして「型にはめて考えないで」の言葉通り、演出においては大胆さを持ち合わせた方だな、という印象を受けています。

――それでは、増田さんが演じるゲシュヴィッツ伯爵令嬢は、どのような役柄、人物でしょうか。

増田: ゲシュヴィッツは、原作では「男のような服装で」と描かれており、この出で立ちはゲシュヴィッツが男性的な立場を取りたい同性愛者であることを特徴付けていると感じます。他の男達と同様に、ルルを自分の欲望のままにあやつりたい。「男性の格好をして、その靴のかかとで私の顔を蹴って欲しい」と、ルルに対して、ある種暴走した欲望の持ち主で、怪しげな一面があります。

一方で、命をかけてルルの脱獄を計画する自己犠牲愛や、自分の位を捨てても構わないという気高い勇気も持ち合わせています。これは、「noblesse oblige」(身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある、という欧米社会の道徳観)の精神に基づくものと思います。
境地に立たされたルルを、危険も顧みずに救うその姿には、母親にも似たルルへの無償の愛を感じます。どちらも、彼女の本能的な愛の形なのだと思います。

――アルバン・ベルクの出会いについてお聞かせください。

増田: アルバン・ベルクの音楽との出会いは、大学に入学して割と直ぐの頃でした。門下の先輩が、「7つの初期の歌(1905-1908)」を歌っていらして、その情感溢れ別世界へ誘われるようなメロディに魅了されました。これが後期ロマン派の音楽なのかあ、と当時は単純に考えていましたが、ウィーン留学時代は、リーダーアーベントで「7つの初期の歌」をはじめ、「作品2、4つの歌(1907)」などを聴く機会も多く、白井光子さんのCD録音も大好きで、その濃密な音楽にハマりました。

『ルル』は、初期の歌曲作品から約10年後に作曲されていますが、「ほんとうに同じ作曲家の作品なのか!」と、単純に、信じ難い驚きを抱きます。調性が崩れていく自由さや、ストーリー展開に伴う音楽の凄まじさに感動を覚えます。

私はワーグナーを語れる身分ではありませんが、ワーグナーの音楽はR.シュトラウスや、アルバン・ベルクを含む新ウィーン楽派と比較すると、古典的なのかなと思います。しかし、『ルル』の楽曲中、短い主題や動機が繰り返し使われており、こういった「ライトモティーフ」の手法は、ワーグナー以降のドイツオペラには脈々と継承されていることを感じます。

――最後にお客様に向けてメッセージをお願いいたします。

増田: なかなか上演される機会の少ない『ルル』。二期会でも18年ぶりの公演となります。 中村蓉さんのコンテンポラリーダンス、上田大樹さんの映像のコラボレーションと共に、異世界の舞台をお楽しみ頂けることと確信しております。
コロナ感染が急拡大していて、まだまだ日常で心配なことが続きますが、もし状況がお許しになれば、ぜひ、新宿文化センターに駆けつけていただけたら嬉しいです。
一人でも多くのお客様と、舞台を分かち合うことが出来ますように、心から願っております。

*     *     *


▼『ルル』公演情報ページはこちら
2021年8月公演 A.ベルク『ルル』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年8月28日(土)17:00*、29日(日)14:00、31日(火)14:00* 新宿文化センター 大ホール
*…ゲシュヴィッツ伯爵令嬢 増田弥生 出演日

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8月公演 A.ベルク『ルル』キャスト・インタビュー
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役 川合ひとみ~「人が社会で生き抜くことに真摯に向き合ったオペラ。現代人の心にも通じている」

コロナ禍の影響を受けて、1年間の開催延期を余儀なくされていた、東京二期会オペラ劇場『ルル』は、いよいよ来月8月28日に開幕します! 今回は、このオペラで二期会オペラデビューを果たす、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役のメゾソプラノ川合ひとみ(8/29出演)に、稽古後、話を聞きました。

202107_kawai_hitomi.jpg 川合ひとみ

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――今日は演出のカロリーネ・グルーバーとの稽古2日目でした。今回は、立ち稽古が始まる前に、ドイツ語のテクストの読み合わせが行われました。稽古場の様子をおきかせください。

川合: まずはやはり、演出のカロリーネ・グルーバーさんから、ものすごく作品を読み込んでいらっしゃることが伝わってきました。
そして、私たちは母国語でないドイツ語に向かわなければなりませんが、この「外国語の壁」を乗り越えていけるように、グルーバーさんは根気強く、かみ砕いて教え、伝えてくれています。私たちがまだ腑に落ちていないところはわかるまで説明をしてくれますし、逆に私たちの意見も、よいところは取り入れてくれます。グルーバーさんと歌手との信頼関係、コンタクトがよくできている現場だなという印象です。
「こうだ」と言われて、「はい、わかりました」では、この作品は成立しないので、これからも、立ち稽古を重ねていく中で、私たち歌手から出てくるものを(グルーバーさんが)織りあわせて作っていくんだろうな、と思います。

――川合さんにとって、今回の『ルル』ゲシュヴィッツ伯爵令嬢が二期会デビューとなります。

川合: とてもご縁を感じています。東京芸大の学部時代から、先生のお部屋には二期会の『フィガロの結婚』のポスターが貼られていて、作品や役のお話を聞いていたので、憧れでした。
振り返ってみると、実は、初めて見に行った二期会公演が『ルル』だったんです(2003年11月3幕版日本初演)。それまでの、恋とか~、愛とか~のようなオペラのイメージとは全然違うもので、こんなにもリアルに人間を描く作品があるのか、と非常に印象にも残っていました。

それから、ドイツに留学するきっかけを与えてくれるほどに印象的だったのが、コンヴィチュニーさん演出の『皇帝ティトの慈悲』(2006年4月)でした。
同じ頃に芸大オペラでも同じ作品を取り上げていて、私は合唱で参加していました。そのときに芸大で歌われていた方の中に郷家暁子さんもいらっしゃって、今回のプロダクションでご一緒することになったので、これもとてもご縁のあることだと思っています。

――ドイツでは、すでに多くの劇場の舞台に立っている川合さん。印象に残っている舞台は?

川合: ミュンヘンのPasinger Fabrikという市立の劇場で歌った『チェネレントラ』のタイトルロールは、自分のキャリアで大きなものになりました。小さな劇場ですが、少し特徴的で、ひとつのプロダクションをシーズン通して80公演くらい行うんです。しかも、字幕装置がないので、『チェネレントラ』はドイツ語上演でした。あの大量のテクストが全部ドイツ語なんです!しかも、まわりの歌手やスタッフの人たちもみんなドイツ語なので、まさにドイツ語のシャワーを浴び続けました。字幕がないので、一度でも噛んだら終わりという・・・(笑)
そういった経験も、今回のゲシュヴィッツ伯爵令嬢に活かせる、と思っています。

ドイツでは、オペラをたくさん観ることができました。ベルリンに住んでいたときは、今度二期会が11月に行う『こうもり』のオリジナル公演(アンドレアス・ホモキ演出)も観ることができました。
ドイツの劇場では、100年や200年以上前に誕生したオペラを、環境がどんどん変化していく現代の人たちにも伝わるものにするために、新しい演出が生まれています。今回の『ルル』も、カロリーネ・グルーバーさんの演出によって、たとえば私が演じるゲシュヴィッツ伯爵令嬢でいえば、ジェンダーの問題が取り入れられてると思います。そうやって、現代の変化に応じた視点を舞台に取り入れることで、オペラが今なおアクティブな芸術のシンボルになっていくんじゃないかなと思います。

=     =     =


1年延期して開幕を待つ『ルル』
演出カロリーネ・グルーバーを稽古場に迎えて、一気に舞台が近づいてきたような印象です。
最後にお客様に向けてのメッセージを映像に収めましたので、どうぞご覧ください!


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▼『ルル』公演情報ページはこちら
2021年8月公演 A.ベルク『ルル』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年8月28日(土)17:00、29日(日)14:00*、31日(火)14:00 新宿文化センター 大ホール
*…ゲシュヴィッツ伯爵令嬢 川合ひとみ 出演日

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期待の新人歌手が一堂に!~ 9/20(月・祝)「二期会新進声楽家コンサート」
出演者コメント[1]

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員18名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート。今年は公演日が祝日となったため、13:30開演のマチネー公演となり、公演名も「二期会新進声楽家コンサート」として開催いたします。
このたび、それぞれが特別な想いを込めて演奏する曲が発表されました。本コンサートの出演者たちからコメントが届いておりますので、3回に分けてご紹介いたします。

*     *     *

202107_ishino_maho.jpg石野真帆(いしの まほ・ソプラノ)
■ビゼー 『カルメン』より “これが密輸人の隠れ家だわ ~ 何の怖れることがありましょう”
【座右の銘】本のタイトルですが「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を大切にしています。どんな状況や場所でも、例え思い描いた結果でなくても、その置かれた場所や環境で精一杯の努力をしようと思っています。これからも大切にしたい言葉です。
202107_kawano_chiharu.jpg河野ちはる(かわの ちはる・ソプラノ)
■ベッリーニ 『清教徒』より “あなたの優しい声が”
【演奏曲に関連して】「あなたの優しい声が」は、2幕で狂乱したエルヴィーラが歌うアリアです。特に後半が技術的に難しい曲ですが、難しいからこそ挑戦したいと思い選曲いたしました。
大学のクラリネット専攻を卒業後そのまま二期会の研修所に入った私ですが、まさか今回の演奏会に出演できることになるとは思ってもいませんでした。これも熱心に指導してくださった先生方や支えてくれた周りの方々のおかげです。当日はそんな方々への感謝の気持ちも込めて歌います。
202107_kitakado_kanon.jpg北門華音(きたかど かのん・ソプラノ)
■ドニゼッティ 『アンナ・ボレーナ』より “私の生まれたあのお城”
【演奏曲に関連して】『アンナ・ボレーナ』は私が好きなオペラであり、将来演じてみたい作品の一つでもあります。“華音”という名前のように、歌にも容姿にも華やかさがあり皆様の心に残るような歌を歌うプリマドンナを目指しています。より一層励んでまいりますので、応援よろしくお願いいたします。
202107_kurimoto_moe.jpg栗本 萌(くりもと もえ・ソプラノ)
■ドニゼッティ 『ランメルモールのルチア』より “あたりは沈黙に閉ざされ”
【座右の銘】「すべて必然」 幼い頃にオペラの世界に魅了され、舞台に立ちたい一心で勉強を続けてきましたが、実際は失敗や回り道ばかりで歌を諦めようとした事もありました。しかし今、憧れの舞台に立とうとしています。辛いことも今の自分に必要な結果なのだと信じ、邁進していきたいと思います。
202107_kobayashi_kana.jpg小林香奈(こばやし かな・ソプラノ)
■マスネ 『ル・シッド』より “泣け、泣け、わが瞳よ”
【座右の銘】「初志貫徹」 声楽を始めてから常に私の中心にあり、難しいことや望みを妨げるようなことがあったとしても、挑戦し乗り越えることが私の持ち味だと思っています。
将来は可憐な乙女からファム・ファタールといわれる女性まで演じられるような歌い手を目指しておりますので、どうぞ応援をよろしくお願いいたします。
202107_satou_hatsune.jpg佐藤初音(さとう はつね・ソプラノ)
■プッチーニ 『蝶々夫人』より “ある晴れた日に”
【座右の銘】「自分を生かして精一杯自分の人生を生きる」 自分の心が幸せを感じること、また自分の力を最大限に活かせることが歌うことです。
今回選んだ蝶々夫人のアリアは初めて聴いた時に「これが歌いたい!」と思いオペラに興味を持った憧れの曲です。夫ピンカートンの帰りを信じて待つ蝶々さんのように、真っ直ぐな心で、音楽や周りの人達を暖かく愛せる歌い手を目指していきます。

*     *     *


才能ある若きアーティストたちの未来を応援していただければ幸いです。
一同、ご来場をお待ち申し上げております。

210920shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第64期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2021年9月20日(月・祝) 13:30開演(13:00開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口より徒歩1分)
料金:(全指定席) ¥3,000
▼予定プログラム発表!全出演者と演奏曲目はこちらからご覧ください
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

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ソプラノ木下美穂子、METオーケストラ・ミュージシャンズとのコラボレーション映像が公開!~「ある晴れた日に」「アヴェ・マリア」「月に寄せる歌」3曲を披露

先日のブログ記事でもご紹介いたしました、ソプラノ木下美穂子とニューヨーク・メトロポリタン・オペラ・オーケストラ・ミュージシャンズ(MOM)とのリモート・コンサートの模様が、ついに全篇公開となりました!

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米ニューヨーク メトロポリタン・オペラ オーケストラメンバー×東京二期会 木下美穂子リモートコラボレーションコンサート

<企画・主催>
三井不動産株式会社/東京ミッドタウンマネジメント株式会社
<協力>
Mitsui Fudosan America, Inc.
MET Orchestra Musicians Fund
公益財団法人東京二期会

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長年アメリカを拠点に活動してきた木下美穂子にとって、リモートとはいえ、ニューヨークとの縁をあらためて感じる時間にもなったようです。そして、リモートであるがゆえに、コロナ禍に覆われた世界に想いを寄せながらの歌となりました。今回のコラボレーションについて、木下にあらためて振り返ってもらいました。

―― Q1.今回のリモート・コンサートについて、日本では、音と映像とをわけて収録が行われました。普段のコンサートやオペラの舞台とは勝手が違うことばかりだったと思いますが、心掛けたことは?

木下: 録音は、事前に私のテンポ感や音楽の作りをピアニストと演奏したものを送っていましたが、やはり間合いや休符後のタイミングなど合わせるのに若干苦労しました。
でも、2~3回METオーケストラの音源を聞いていくうちに、自然とタイミングを感じられるようになりました。
映像では、ライブで歌っているように、アリアの心情をしっかり表現するよう心がけました。

―― Q2.自分の録音にあわせて撮影を行うという経験は初めてでしたか?

木下: 一度だけ、デビューまもない頃(2003年)に、NHK-BSのオペラ特番で、長崎のグラバー邸からオーケストラ録音に合わせて、今回と同じように蝶々さんのアリアを生放送で歌ったことがあります。眼下に広がる港に実際に船が汽笛を鳴らしながら入ってくる光景の中歌った記憶が、今回の撮影で一気に蘇りました。
今回は、東京ミッドダウン日比谷の6階屋上庭園からの撮影でしたが、目の前にひろがる皇居外苑の緑やビル群があの時の光景と重なるような感じがしました。
『ルサルカ』は、ちょうど撮影している時間帯が帰宅時間帯と一緒になり、通行される方々が大勢いらっしゃる中での撮影になりました。
そして、最後に撮影した『オテロ』は、深夜11時をこえ、静まりかえった1階アトリウムで行われました。全てのショップが閉まり、人通りもまったくない静寂の中での「アヴェ・マリア」は、これまで経験したことのない独特の雰囲気で、きっと一生忘れないと思います。

―― Q3.長くアメリカで過ごしてきた木下さんですが、今回のコラボでまたニューヨークが恋しくなられたのでは?

木下: はい、ニューヨークは4年ほど住んでいましたし、ヒューストンに引っ越ししてからも、1〜2ヶ月に一度はニューヨークにレッスンなどで行っていましたので、今回のMETオーケストラミュージシャンの方々とのコラボはとても嬉しかったです。オンラインでミーティングを行った際、日本側は夜、NYはちょうど朝でした。NYの現地の朝の様子を懐かしく感じました。NYに住んでいる頃は、毎日レッスンとオーディションに明け暮れる日々で、苦しい時期でもありましたが、頻繁にMETに足を運び、勉強していました。1日も早くMETが再開して、またオペラを観れる日が来て欲しいと心から思います。
NYの私のコーチや友人らと会いたい!と心から思いました。

―― Q4.今回の作品の公開にあたって、お客様にむけてのメッセージをお願いいたします。

木下: 世界中のパンデミックの中、多くの方々が苦しい思いをされ、日常を奪われてしまいました。そして世界中の音楽家も厳しい状況にあります。これまで当たり前のように劇場で、コンサートホールで、皆さんと同じ時間を共有してきましたが、それが思うように叶わない中、このようなオンラインでコラボということができ、心から嬉しく思います。オンラインではありますが、METオーケストラ・ミュージシャンズの方々との音楽の息遣いを感じていただければと思います。そして映像を通して、オペラシーンを感じていただければ幸いです。

今後は、8月のヴェルディ「レクイエム」ソプラノ・ソロに続いて、11月『こうもり』でもロザリンデ役で出演が決定した木下。ライブでの活躍にもどうぞご期待ください!

▼今回の本配信に先駆けたライブトークのご案内記事(6/18)はこちら
6/18(金)21:30から生配信も!ソプラノ木下美穂子と米ニューヨーク・メトロポリタンオペラ・オーケストラ・ミュージシャンズとのリモート・コラボレーション・コンサートが実現! - オペラの散歩道(二期会blog)

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▼8月ヴェルディ「レクイエム」公演情報ページはこちら
〈二期会スペシャル・コンサート〉 G.ヴェルディ「レクイエム」 - 東京二期会
2021年8月12日(木)19:00、13日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
《チケット発売中!》

▼11月オペレッタ『こうもり』公演情報ページはこちら
〈二期会名作オペラ祭〉 J.シュトラウスII世『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
*…ロザリンデ 木下美穂子 出演日
《7/3(土)よりチケット一般発売開始!》

●公演のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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6/18(金)21:30から生配信も!ソプラノ木下美穂子と米ニューヨーク・メトロポリタンオペラ・オーケストラ・ミュージシャンズとのリモート・コラボレーション・コンサートが実現!

ソプラノ木下美穂子が、米ニューヨーク・メトロポリタンオペラ・オーケストラ・ミュージシャンズ(MOM)のメンバーとのリモート・コラボレーション・コンサートを行います。
まず6月18日(金)21:30にニューヨークと東京を繋いだライブトークでお披露目し、7月1日(木)に本配信の予定です!

ソプラノ 木下美穂子

海を越え、東京とニューヨークをつなぐコンサート。今回のコラボレーションは、三井不動産株式会社様ならびに東京ミッドタウンマネジメント株式会社様が企画、主催されました。 ワクチンの普及により平時を取り戻しつつあるニューヨークですが、このコロナ禍で演奏機会を失ったMETオーケストラ・ミュージシャンズを様々な形でサポートしてきた三井不動産アメリカ様と、エンターテインメントの街 日比谷のブランディングのため、このコロナ禍でもオンライン・フェスティバル「Hibiya Festival 2021」を開催してきた東京ミッドタウン日比谷様、双方の音楽と劇場文化への厚い支援が、二つの町の音楽家を結び合わせてくださいました。

MOM

昨年までアメリカを拠点とし、国内外で活躍を続けるソプラノ木下美穂子は、今回の趣旨に大いに賛同し、感謝とともに出演することとなりました。曲目は、『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」、『オテロ』より「アヴェ・マリア」、そして『ルサルカ』より「月に寄せる歌」。

ニューヨークから送られてきたオーケストラの演奏に木下が歌を乗せ、そして、東京ミッドタウン日比谷内で撮影を行いました。こうして、完全オリジナルのオペラのシーンが映像作品として誕生しました!
コンサート本配信は7月1日(木)の予定。それに先行して、6月18日(金)には東京とニューヨークを結んだライブ配信で、出演者自らが出演し、完成した映像をご紹介します!
配信は、Youtubeの「HIBIYA FES CHANNEL」から。ぜひご覧ください!

■■■ 配信情報 ■■■
【リモートトークセッション(ライブ配信)】
<配信日>
2021年6月18日(金) 21:30~22:00(日本時間/ニューヨーク時間8:30~9:00)
※ライブ配信/約1週間の見逃し視聴可能
<内容>
MOMの4名と、木下美穂子によるトークセッションをライブ配信でお届けします。アリア楽曲も一部のお披露目とともに、本企画の実現の経緯や演奏のこだわりポイントや、リモートならではの苦労などをお話しします。日本とニューヨークをつなぐアーティスト同士の熱いトークセッションをライブでお楽しみください!

【リモート コラボレーション コンサート(映像)】
<映像公開日>
2021年7月1日(木) 「HIBIYA FES CHANNEL」にて公開予定
<内容>
■プッチーニ『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」
撮影場所:東京ミッドタウン日比谷 6Fパークビューガーデン


■ヴェルディ『オテロ』より「アヴェ・マリア」
撮影場所:東京ミッドタウン日比谷 アトリウム


■ドヴォルザーク『ルサルカ』より「月に寄せる歌」
撮影場所:東京ミッドタウン日比谷 地下アーケード


<出演>
【MOM】
ヴァイオリン:Amy Kauffman, Sylvia Danburg Volpe
ヴィオラ:Milan Milisavljevic
チェロ:Dorothea Figueroa
コントラバス:Rex Surany
ハープ:安楽真理子
編曲:Dov Scheindlin
【東京二期会】
ソプラノ:木下美穂子

▼「トークセッション」および「コラボコンサート」の視聴はこちらから
HIBIYA FES CHANNEL - YouTube
HIBIYAFESCHANNEL - 東京ミッドタウン日比谷

<企画・主催>
三井不動産株式会社/東京ミッドタウンマネジメント株式会社
<協力>
Mitsui Fudosan America, Inc.
MET Orchestra Musicians Fund
公益財団法人東京二期会

▼ニュースリリースはこちら ・【東京ミッドタウン日比谷】「Hibiya Festival 2021」リモート コラボレーション コンサート配信決定 6月18日(金)21:30~(日本時間)はNYと東京をつなぐライブトークも|東京ミッドタウンマネジメント株式会社のプレスリリース - PR TIMES

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▼ソプラノ木下美穂子出演 8月ヴェルディ「レクイエム」公演情報ページはこちら
〈二期会スペシャル・コンサート〉 G.ヴェルディ「レクイエム」 - 東京二期会

2021年8月12日(木)19:00、13日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[10]アリーチェ髙橋絵理「今、この時に『ファルスタッフ』に出演する意味を感じて」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー最終回は、アリーチェ役のソプラノ髙橋絵理(7/16,18出演)です!
『道化師』のネッダが二期会公演のデビュー・ロール。その後、『ホフマン物語』のアントニア、『エロディアード』のサロメで主演。他にも『ラ・ボエーム』ムゼッタとミミ、『メリー・ウィドー』ハンナなど主演を続けてきました。オーケストラとの共演も多く、昨年はついにNHK交響楽団の第九演奏会でソプラノ・ソロを務めあげました!
10年ぶりに演じるというアリーチェには、「女性としての誇りを表現したい!」と語っています。


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』アリーチェ役の髙橋絵理です。 アリーチェは、10年くらい前だったと思うんですけど、一度歌わせていただいていて、それからずっと思っているのは、とてもパワフルで、豪快で、何かトラブルが起こったとしても、自分の力で道を切り開く、とても力強い女性だということです。
ファルスタッフからラブレターを貰って、それがご近所の友達のメグに来たものとまったく同じものが来たところで、「懲らしめてやりましょ!」ってなるんですけど、ただいじめるのではなくて、フォードの嫉妬とも絡めながら、面白おかしく、女性の誇りを守っていくんです。

『ファルスタッフ』には、個人的に大好きな音楽があって。フォードは、娘ナンネッタの結婚相手に齢の離れたカイウスというお医者さんをと企てるんですが、最後にフェントンとナンネッタが二人で登場すると、アリーチェは、「ごらんなさい、このふたり、お似合いでしょう?」と言うのですが、そこのところの音楽がとってもきれいで!
崇高で、これまでのいたずらとかお笑いが一掃されるような、そういうとても心が洗われる音楽となっているので、そこをどうか聴いていただけたらな、と思います。

ヴェルディといえば、悲劇や愛国心の強い作品が多かった、というか、そういう作品に定評があった作曲家ですけども、だからこそヴェルディが最後に言う「この世のすべては笑い」「笑いが大事」というメッセージは、すごく深いと思っています。だから、今のような難しい時代に、偶然にも歌わせていただくというのも、有意義なことなんじゃないかな、と思っています。
オペラ『ファルスタッフ』は、人間の欲や、弱い部分、貧しさ、ずぶとさ、たくらみ、赦し、全てが笑いになるという作品です。そういう全部ひっくるめて人間とは何なのかを提示している作品だと思います。

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▼『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30*、17日(土)14:00、18日(日)14:00*、19日(月)14:00 東京文化会館 大ホール
*…アリーチェ 髙橋絵理 出演日

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二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[9]ファルスタッフ今井俊輔「同じバリトンのフォードにはライバル心を燃やしたり(笑)」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビューは、ついに、ファルスタッフ役 今井俊輔(7/16,18出演)の登場です!
深くそして柱のように太い芯のある声で、役柄に応じた人間味あふれる歌を聴かせ、多くのファンをもつバリトン。二期会公演でも、『マクベス』タイトルロール、『椿姫』ジェルモンといったヴェルディ作品、『トスカ』スカルピア、『蝶々夫人』シャープレス、『外套』ミケーレ、『ジャンニ・スキッキ』タイトルロールといったプッチーニ作品でいずれも重厚な役を好演してきました。叙情的な日本歌曲の歌唱に魅了される方もいらっしゃるのでは。
ファルスタッフは、本人曰く「バリトンにとって名誉な役」。また新しい一面を聴かせてくれるに違いありません!


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』ファルスタッフ役の今井俊輔です!
ファルスタッフはですね、ちょっとお金に困っていたり、やっぱり女性が好きで。「自分のお腹には名誉だとかいろいろなものが詰まっているんだ。(だから)俺が痩せたらファルスタッフじゃない!」というような役・・・・・・でございます。
(ファルスタッフの聴きどころは)やっぱり言葉の入れ方とか、言葉遊びがすばらしい。それをイタリア語としてどう聴かせられるかということが大事になってきます。あと、フォードという、これまた英雄的な声のバリトン役の方がいらっしゃるので、そのバリトンとバリトンの組み合わせ方とか、声の質の違いとかも聴きどころですかね。(フォードとは)一緒に歌っていてすごい気になるところ。同じバリトンとして、こう、ちょっと、ライバル心を燃やしたりしながらやっています(笑)。本当にファルスタッフがやれるということはとても名誉なことだと思うので、気合を入れて頑張ります。
ヴェルディの音楽をお聴きいただき、どうぞ魂を揺さぶられてください。お客様の心に栄養をお与えすることができますように、頑張ります!

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▼『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30*、17日(土)14:00、18日(日)14:00*、19日(月)14:00 東京文化会館 大ホール
*…ファルスタッフ 今井俊輔 出演日

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二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[8]アリーチェ大山亜紀子「すばやく臨機応変なアリーチェ。本当にかっこいい女性」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー第8弾は、アリーチェ役のソプラノ大山亜紀子(7/17,19出演)です!
ヴェルディ、プッチーニの主要な役を中心として活躍する大山。二期会では『蝶々夫人』タイトルロールでデビュー以降、『仮面舞踏会』アメーリア、『オテロ』のデズデモナを好演。そして『カヴァレリア・ルスティカーナ』ではサントゥッツァにも挑戦し好評を博しました。今回のアリーチェは初役。「アリーチェが上司だったら女性でも惚れる(笑)」と語っていた、憧れの女性を演じる意気込みをどうぞお聞きください!


みなさんこんにちは。東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』公演において、アリーチェ役にて出演いたします大山亜紀子です。
アリーチェはとっても頭の回転が速い、知的な女性だと思います。ファルスタッフを懲らしめるために、作戦を考え、指示し、みんなで実行に移すのですが、実行中、思いもよらない展開が起こります。しかし、そんな場面においても彼女は素早く臨機応変に対応し、成功に導いていくんです。本当にかっこいい女性だなと思います。もし、私だったら恐らく動揺して・・・失敗したと思います。
『ファルスタッフ』は喜劇ということもありますが、最後まで突き進むという感覚があります。そのなかでアンサンブルを重視する場面がいくつもあり、大変面白く思います。たとえば第1幕2場に男性陣と女性陣が一緒に歌うアンサンブルがありますが、男性陣は2分の2拍子、女性陣は8分の6拍子、これが一つになって大きなアンサンブルになっているんです。そして、オペラの最後の最後で出てくる「大フーガ」。これは、ソリスト10人と合唱全員で歌われる、大アンサンブル。大変聴きごたえのある曲だと思います。

大変な時期だとは存じますが、ぜひ会場にお越しいただき、この喜劇の最後まで突き進む感覚、そして素晴らしいアリアやアンサンブルの音楽を体感していただきまして、見終わったあと笑顔でお帰りいただけたらと思います。会場にてお待ちしております。

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二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…アリーチェ 大山亜紀子 出演日

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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[7]ナンネッタ三宅理恵「“生きている限り、笑っていよう”というヴェルディからのメッセージ」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー第7弾は、ナンネッタ役のソプラノ三宅理恵(7/16,18出演)の登場です!
煌めくような明るさに満ちた声と美しい発音で、国内の主要なオーケストラとの共演も多い三宅。今年は新国立劇場『夜鳴きうぐいす』題名役で主演するなど、オペラでの活躍も際立っています!ナンネッタは自分自身の声やポジションに自然と合う役のひとつと語っています。アンサンブルの中でキラリと光らせる三宅の個性にご注目ください!


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』ナンネッタ役の三宅理恵です。
ナンネッタは、アリーチェとフォードに愛されて育った娘なんですけれども、大人の仲間入りがしたいという気持ちもあり、でもそこはやっぱり年頃の女の子で、恋愛に夢中。愛するフェントンを探しては、隙あらば二人でイチャイチャして、愛をささやきあう。本当にかわいらしい役ですね。
私自身の声とキャラクターとが合致するオペラの役というのが実は少ないと思っている中で、ナンネッタは、何の無理もなく、歌うことのできる役のひとつかなと思っています。
見どころは、なんといってもフェントンと愛をささやきあうシーン。本当にとってもすてきで、メロディも本当にきれいなんです。あとナンネッタには最後に有名なアリアがひとつありまして、それを演出のロランさんがどのようなシーンに作って、歌うことができるかというのが今から楽しみです。
『ファルスタッフ』はとにかく、音楽ですべてが表現されているなと思うんです。
とくに私がすごい好きなところは、本当にちょっとしたところなんですけれども、3幕1場で、ファルスタッフがテムズ川に投げ出された後、暖を取っているときに、クイックリーがやってきてアリーチェからの手紙を渡すのですけれど。その手紙を「ファルスタッフが受け取る」というときの音っていうのが、書かれているんですよね!ファルスタッフが受け取るタイミングはここしかないでしょ、というような音楽があるんですけど、このオペラにはそういうシーンが随所にあって、本当にワクワクします!
ヴェルディ自身、人生80年、奥さんを亡くされたり、お子さまを亡くされたり、色々なことを経験してこられましたが、最後に「世の中すべては冗談だ」と終えたということには、とても意味があるんじゃないかと。
今の苦しい状況に立たされている私たちにも、なにか大きなメッセージになるんじゃないか、と思います。「生きている限りは、笑っていよう」というメッセージを、舞台から、音楽と一緒に、お届けできたらな、と思います。

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二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30*、17日(土)14:00、18日(日)14:00*、19日(月)14:00 東京文化会館 大ホール
*…ナンネッタ 三宅理恵 出演日

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビュー】~(7)エルヴィーロ役 菅原洋平&堺 裕馬

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビューもいよいよ最後のご紹介となりました。最後は、セルセ王の弟アルサメーネの従僕であるエルヴィーロという男を演じる、菅原洋平(すがわら ようへい・5/22出演)と堺 裕馬(さかい ゆうま・5/23出演)です!

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――『セルセ』出演おめでとうございます。

菅原・堺: ありがとうございます!

――エルヴィーロはどのような人物でしょうか?

菅原: エルヴィーロは王弟アルサメーネの従者です。自由奔放な振る舞いで、おどけたり、焦ったりと世話しなく動きます。

堺: このオペラの中でとりわけ喜劇的な要素が強い存在のように感じています。キャラクターとしては『魔笛』のパパゲーノのようなお調子者で怠け者、でもどこか憎めないような人間性を持っていると思います。

菅原: アルサメーネの手紙を騙しとられてしまったり、アマストレの自刃を止めたりと、エルヴィーロが登場するとストーリーの何かが動き出します。


菅原洋平

――『セルセ』をコミカルにしている重要人物なのですね!どのような歌を歌うのでしょうか?

菅原: エルヴィーロにはダ・カーポ アリアがありませんが、第2幕に歌う「Del mio caro bacco amabile」があります。

堺: 「水は憂鬱になるだけだけど、ワインなら天まで登るような気持ちになるんだ!」という感じで。

菅原: 落ち込んでいる雰囲気の中で、気持ちを励まそうと酒の神バッカスを賛美し歌いだすんです。

堺: 短い曲ではあるのですが、軽快でかっこ良い曲調です。
『セルセ』の登場人物は、恋する気持ちや、恋の悩みを歌っていることが多いと思うのですが、エルヴィーロだけ「俺はお酒が好きなんだ〜!」と歌っているという、そのギャップが好きで、そんなかっこ良い音楽とギャップを楽しんでいただきたいです。


堺 裕馬

菅原: 短いアリアですが、その中に、彼の人間性が込められてると思います。欲望とは生きる原動力である、と訴えかけるような旋律が、オーケストラとのユニゾンに表れています。
『セルセ』の全アリアの中で、一曲を通して歌手とオーケストラがユニゾンで演奏するのは珍しく、エルヴィーロのアリアにはそれが顕著に表れており、音の進行にユーモアが描き出されています。

――二人は今回が初顔合わせと聞きました。稽古場での印象は、いかがですか?

菅原: 堺 裕馬さんはいつも周りを和ませる雰囲気をお持ちで、柔らかな笑顔が魅力的です。
役のことなどでちょっとした相談をしても快く答えてくれて、頼れる存在です(笑)
声には優しさがあって、その中には知的さと誠実さが溢れている、素敵なバリトンです!

堺: 菅原さんのことは、実はこうしてお会いする前からSNS等ではお見かけしていて、あるとき菅原さんが「しばんばん」という犬のキャラクターが大好きとおっしゃっているのを見かけて、実は僕も以前「しばんばん」の手帳を使っていたことがあったので勝手に親近感を感じていました(笑)
お会いしてからも色々と役のことで相談する機会も多く、組は違いますが二人で一緒に魅力的なエルヴィーロという役を演じていきたいです。

――二人協力して作り上げられているようすがとても印象的です。それでは最後にお客様にメッセージを

菅原: エルヴィーロは普段チャレンジしないタイプの、いわゆる三枚目の役ですが、今回は自分の新たな可能性を切り開いていこうと思います。ブッフォなキャラクターに難しさもありますが、向き合うほどに変化が感じられて楽しくもあります。エルヴィーロは物語の中心にはおりませんが、料理のスパイスの様にちょっとしたアクセントとして彩ります。そのフワッとした香りを味わって頂けたら幸いです。
ご来場お待ちしております!

堺: 今回が自分にとって二期会のオペラデビューということで、出演が決まってからずっとワクワクしております。このワクワクの気持ちをそのままに、公演までエルヴィーロという役に命を吹き込んでいきたいです。
皆様のご来場心よりお待ちしております。

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▼『セルセ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2021年5月公演 G.F.ヘンデル『セルセ』 - 東京二期会

2021年5月22日(土)17:00、23日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[6]ナンネッタ全詠玉「みなさんに癒しを与えられる歌が歌えたら」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー第6弾は、ナンネッタ役のソプラノ全詠玉(ちょん よんおぎ、7/17,19出演)の登場です!
東京二期会オペラ公演には、2014年『ドン・カルロ』天よりの声役で初登場。2018年プッチーニ〈三部作〉公演では『修道女アンジェリカ』に出演し、今回の『ファルスタッフ』と同じベルトラン・ド・ビリーの指揮で歌いました。
「ちゃっかりなところは私と似ているかも(笑)」というナンネッタ役、恋人フェントンとともにハートいっぱいの歌を歌いたいと語っています!


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』ナンネッタ役の全詠玉です。
ナンネッタは、とっても天真爛漫で、チャーミングな役どころだと思っています。
恋人のフェントンとは、とにかく恋に夢中。フェントンはとにかく猪突猛進という感じなんですけれども、ナンネッタは、少し機転をきかせたり、ちょっと駆け引きを楽しんでみたり、後のアリーチェ(ナンネッタの母)を彷彿とさせるようなキャラクターなのかな、と思います。
ナンネッタのアリアは、なんていうか、とても浄化されるような、癒しの効果をもたらすようなアリアでして、それがすごくオペラのドタバタの中で、ものすごおく解き放たれるというか、とても神秘的なアリアだと思います。今このストレスフルな時代に、癒しが与えられる歌が歌えたらなあと思っています。
『ファルスタッフ』はすごく重唱が多くて、重唱、重唱、重唱という感じなんですけれども、その合間にフェントンとナンネッタの愛の二重唱が入ってくると、まるでストップモーションがかかったように、愛が舞台に溢れるっていう印象がすごくありまして、なんていうか、ハートが飛んでいるような感じがすごくかわいらしくて、すごく満たされます。そうした場面が随所に出てきますので、そこも楽しんでいただけたらな、と思います。
ヴェルディは、『椿姫』だったり、『リゴレット』だったり、ご存じのとおり本当に傑作が多いのですけれども、『ファルスタッフ』はやっぱり独特だなと思っています。玉手箱のように話がどんどん変わって、音楽もすごく立体的で、楽譜をめくるのがたいへんなほどテンポも早くて・・・80歳というお歳とは真逆に、若々しくエネルギッシュなので、すごいなと、ただただ感嘆してしまいます。

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二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…ナンネッタ 全詠玉 出演日

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5月公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 ヘンデル『セルセ』~指揮 鈴木秀美からの動画メッセージ!

2021年5月22日(土)、23日(日)めぐろパーシモンホール大ホールで公演する、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 ヘンデル作曲オペラ『セルセ』。
2015年『ジューリオ・チェーザレ』、18年『アルチーナ』につづいて、同シリーズでヘンデル・オペラを指揮してきた鈴木秀美からメッセージが届きました!
今回も、二期会の歌手、オーケストラともフレッシュなメンバーを18世紀の世界に導きます。


みなさん、こんにちは。鈴木秀美です。
今回はヘンデルの『セルセ』を上演します。
なんと言っても「オンブラ・マイ・フ」という有名なアリアがありまして、今まで(二期会ニューウェーブ・オペラ劇場で)やってきた『ジューリオ・チェーザレ』や『アルチーナ』と比べると、「ブッファ」というと語弊がありますが、そんなに深刻じゃない、軽い場面がたくさんあります。 今回は(ダンサーの)中村 蓉さんが演出されるので、歌手も踊りますし、動きがたくさんあるというところが、大きな魅力になるんじゃないかなと思います。二期会のソリストたちも、オーディションで受かった若い人たちが歌いますので、バロックのものを若い間に一度経験して、そういう習慣の違いとか楽譜の読み方の違いとか、あるいはオーケストラのいつもと違った音を経験するというのは、決して無駄にはならず、必ず役に立つときが出てくると思いますから、今回も若い人たちとそういう話のできる、そういう経験が一緒にできるということは、とても楽しみです。どうぞ聴きにいらしてください。会場でお待ちしております。

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二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2021年5月公演 G.F.ヘンデル『セルセ』 - 東京二期会

2021年5月22日(土)17:00、23日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビュー】~(6)アリオダーテ役 髙崎翔平&田中夕也

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビュー第6弾は、アリオダーテ将軍役の髙崎翔平(たかさき しょうへい・5/22出演)と田中夕也(たなか ゆうや・5/23出演)の登場です!
『セルセ』はオペラ・セリアでありながらコミカルな筋書きの物語ですが、その背景には古代ギリシャとの戦争があります。セルセ王に忠誠を誓うペルシャ軍の将軍がアリオダーテです。娘ロミルダが王家に嫁ぐとなれば、この上なき幸せ、のはずではありますが…

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――アリオダーテはどのような役ですか?

髙崎: 私が演じるアリオダーテはペルシャの将軍でセルセ王の腹心の部下です。
また、このドタバタ劇の中心となるロミルダ、アタランタ姉妹の父親でもあります。

田中: 将軍なので威厳はありますが、自分の良い様に事を考え、勝手に確信するという、少し変わった性格の持ち主です。

髙崎: そして、王に忠実な軍人の無骨さ故でもあるでしょうか、セルセとのやりとりの中で勘違いをしてしまい、その勘違いが物語をクライマックスへ導きます。


髙崎翔平

――アリオダーテの歌にもそんな性格が表れているようですね。

髙崎: アリオダーテのアリアは2曲ですが、最初に歌う”Soggetti al mio volere”は、ムーア人との戦争を指揮し勝利に導いたアリオダーテへの褒美として、「王家の者とアリオダーテの娘ロミルダを結婚させる」とセルセから約束を受けた直後に歌います。
セルセは自分がロミルダと結婚できるよう上手く王の立場を利用していったのですが、それを知らないアリオダーテは「高望みをしてはいませんが、天の導きであればいつでも名誉をお受けします。」と有頂天になった内心を歌います。
全編を通して”無骨な軍人”という印象のアリオダーテですが、このアリアでは軍人としての無骨さと予想外の褒美への抑えきれない喜びが混在しているような気がします。アリオダーテの人間的な魅力に溢れたアリアです。

田中: その後、“Del Ciel d’amore”では、自分の娘であるロミルダがアルサメーネと結婚できるということを確信して、「愛に満ち溢れた天に、こんな素晴らしい運命を誰が望んだだろうか?」と歌います。結局、これが勘違いであったのですが。
短いアリアですが、音の跳躍やメリスマがあるので、目の前にある幸せが音に表れているようで、歌っていて凄く楽しいです。どのような演出が付くのか今からとても楽しみです!


田中夕也

――将軍とはいえ、とても愛すべきキャラクターなのですね。ところで、二人は先輩後輩の関係と伺いました。

田中: はい、髙崎さんは大学時代の先輩で、師事していた先生も同じです。なので、僕には頼りになるお兄さんといった感じに思っています。仕事現場でもご一緒するので、いつもたくさんの事を学んでおります。

髙崎: 田中さんは、とっても心優しく、誰にでも好かれ頼りになる人です!
今回ダブルキャストということで、毎回の稽古を楽しみにしています。田中さんが歌ったり演じたりしているのを見ることで、アリオダーテという役の音楽やキャラクターを客観的に見ることができるので、とても勉強になります。
これまでの稽古の中でも、自分とは違った田中さんのアプローチに大変刺激を受けました。 本番までお互いに切磋琢磨できるよう、私も頑張りたいと思います。

田中: 先輩と同じ役が出来るなんてとても光栄です!

――最後にお客様に向けてメッセージを。

髙崎: キャスト全員で、毎回必死にこのオペラに取り組んでいます。 これから5月の本番に向けさらに密度の高い稽古が続いていくと思います。 “Ombra mai fu”だけではないオペラ『セルセ』の魅力をお伝えできるように頑張りますので、ぜひ会場でお聴きください!

田中: この作品が僕の二期会のオペラデビューとなり、今から楽しみと不安でドキドキしています。まだまだ未熟な僕ですが、僕なりのアリオダーテを精一杯演じます!お越し下さる皆様、楽しみにしていて下さい!

*     *     *


▼『セルセ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2021年5月公演 G.F.ヘンデル『セルセ』 - 東京二期会

2021年5月22日(土)17:00、23日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

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受け継がれるイタリアオペラの伝統!
東京・春・音楽祭『マクベス』から新国立劇場『ドン・カルロ』そして、東京二期会『ファルスタッフ』&「レクイエム」へ

4月19日(月)に開幕した東京・春・音楽祭リッカルド・ムーティ指揮『マクベス』!そして5月には新国立劇場『ドン・カルロ』と、新しい年度にかわって東京ではヴェルディ作品の注目公演が続きます。
東京二期会ではそれらに続いて「東京二期会夏のヴェルディ・フェスティバル」と題して、7月に『ファルスタッフ』、8月に「レクイエム」とヴェルディ後期の名作を連続公演します!

東京・春・音楽祭「リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2『マクベス』には、二期会からマクダフ 芹澤佳通、マルコム 城 宏憲、侍女 北原瑠美、医者 畠山 茂、第二の亡霊 金杉瞳子が出演。また、「リッカルド・ムーティ introduces 若い音楽家による『マクベス』」には、加えてマクベス 青山 貴、バンコ 加藤宏隆、マクベス夫人 谷原めぐみが出演。
東京・春・音楽祭の公式サイトでは、出演者を代表して、青山、谷原、そして城のインタビュー記事が公開されています!

▼青山 貴、谷原めぐみ インタビュー
リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2《マクベス》 アーティスト・インタビュー ~青山 貴(バリトン)&谷原めぐみ(ソプラノ) - 東京・春・音楽祭

青山「マエストロは何度も繰り返し『テアトラーレ(演劇的に)!』とおっしゃって、より劇的な表現を求めています。いつもだと、それがときには喉の負担になったりするのですけど、マエストロと一緒に歌っていると……」
谷原「最初に言われたのが、目のことでした。『君の目! それじゃないよ』。声で演じることも必要ですが、表情、顔つき、すべて役になりきらないと……」

▼城 宏憲インタビュー
リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2《マクベス》 アーティスト・インタビュー ~城 宏憲(テノール) - 東京・春・音楽祭

「マエストロが、まるでヴェルディ本人のように噛み砕いて教えてくれた楽譜の意図。歌手への厳しい要求を、ヴェルディは本当に細かく書き記しています。その小さなピースをモザイク画のようにはめ込んでいって、初めて大きな壁画になるのだということがよくわかりました。」


城 宏憲
インタビューの中でも語っているように、城は新国『ドン・カルロ』、二期会「レクイエム」にもつづけて出演を予定しています。

「運がいいなと思ったのは、今回マエストロの口から、『ここは《レクイエム》と同じ』『ここは《ドン・カルロ》でも同じようにやっているんだ』というたとえをたくさん聞けたことです。とくに《マクベス》の第4幕冒頭の〈虐げられた祖国よ!〉の合唱。死を悼む人々の神への祈り、イタリアの宗教観が、そうした後期の作品にもつながっているように思えます。」

▼東京・春・音楽祭 公演情報ページはこちら
リッカルド・ムーティ指揮《マクベス》(演奏会形式/字幕付) - 東京・春・音楽祭
リッカルド・ムーティ introduces 若い音楽家による《マクベス》(抜粋/演奏会形式/字幕付) - 東京・春・音楽祭

そして、7月『ファルスタッフ』ピストーラ役で出演する加藤宏隆からも、メッセージを受け取りました。


加藤宏隆
加藤「今回、東京・春・音楽祭のリッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミーに参加させていただき、ヴェルディを知り尽くしたマエストロとご一緒できたのはたいへん貴重な経験となりました。マエストロが口を酸っぱくしておっしゃっていたのは、ヴェルディは劇場の作曲家だということ、そして正確に正しくヴェルディが書いた楽譜を再現していくことの大切さです。
7月の東京二期会『ファルスタッフ』ピストーラ役でも、この経験が大いに活かせるのではないかと、今からワクワクしています。実はピストーラは4回目なので、だいぶ慣れている方だとは思っていたのですが、もう一度マエストロ・ムーティからの学びを通して『ファルスタッフ』の楽譜を読み直してみたいと思っています。特に『ファルスタッフ』は演劇やアンサンブルの要素がとても強い作品。楽譜を隅から隅まで読み込んで、緻密さの中に最大限のエネルギーを込めるマエストロ・ムーティのような音楽作りを心掛けてみたいと思います。」

アーティストのメッセージを受けて、あらためて伝統というものは人から人へと受け継がれていくものであり、それに代わる方法などないのだという思いを強くしました。
この春から夏にかけて東京で開かれる奇蹟のようなヴェルディ作品の上演に、ぜひお越しください。

*     *     *


▼東京二期会『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール

▼二期会スペシャルコンサート ヴェルディ「レクイエム」公演情報ページはこちら
二期会スペシャルコンサート G.ヴェルディ「レクイエム」 - 東京二期会
2021年8月12日(木)、13日(金) 両日19:00 東京オペラシティ コンサートホール

●『ファルスタッフ』「レクイエム」のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[5]ファルスタッフ黒田 博「人間的な魅力にあふれたファルスタッフを演じたい」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー第5弾は、お待ちかね、ファルスタッフ役の黒田 博(7/17,19出演)の登場です!
ご存じのとおり、東京二期会のみならず日本を代表するカヴァリエ・バリトン。老いたる騎士で皆から笑い者にされるファルスタッフを演じます。ファルスタッフを「人間的な魅力にあふれている」と語る黒田。その新境地にどうぞご期待ください!


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』ファルスタッフを演じます、黒田 博です。
ファルスタッフは…女性が大好きで、食べることも、お酒を飲むことも大好きで、思ったことを行動に移す行動力がありますし、他の出演者からは、いろいろといじめられたり、ひっかけられたりしますけれども、まあ最終的には自分が自分らしく生きるということに専念しているような男性に思います。非常に、僕は魅力的な人物だと思います。
音楽的にも、このオペラ全体の中で、こまかくてかわいらしいアンサンブルであるとか、難しいソロのパッセージであるとか、それらがそれぞれの役に与えられてて、しっかりしたキャラクターを持っていますので、合唱も加わってアンサンブルをするのが、「このオペラの一番の聴きどころかな、と思います。
『ファルスタッフ』はヴェルディの最後のオペラ。そのひとつ前に書かれた同じシェイクスピア原作の『オテロ』の2作は、それまでのヴェルディの作品とはかなり変わっています。
アリアとして取り出すところももちろんあるんですけど、その前後の音楽とずっとつながっていますし、非常に壮大なそれも混沌とした音楽で、同じ年に生まれたドイツのワーグナーの影響……というと多分ヴェルディが怒って出てくるかもしれませんけれども、でも、その音楽から得たものが非常に出ている気がします。それがイタリアの歌と見事にマッチしているので、とてもワクワクすると思います。
『オテロ』のイアーゴや、今回のファルスタッフとか、それまでのヴェルディ・バリトンとしては毛色が違うかなと。ていねいにそのカンタービレに歌うというよりは、この後に来る時代を先取りしているとうか、自分の感情などを露わに吐き出すかのような。ファルスタッフも、ファルセットやら、「ウエッ!」という肉声やら色んな声が必要になってきて、難しいといえば難しいですけれども、(演技と音楽がマッチしていて)やっていてとても楽しいですし、ある程度の年齢になってきて、そのようなあまり美しくない声を出しても負担にならない方法もだんだんとわかってきましたので、いろいろ駆使してみたいなと思います。

*     *     *


▼『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…ファルスタッフ 黒田 博 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビュー】~(5)アマストレ役 和田美樹子&長田惟子

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』キャスト・インタビュー第5弾は、アマストレ役の和田美樹子(わだ みきこ・5/22出演)、長田惟子(おさだ ゆいこ・5/23出演)です!
アマストレは、セルセ王の許嫁とされる貴族の娘。異国の地に住んでいますが、セルセの姿をひとめ見ようと、男性に変装してペルシャにやってきました。しかし、そこで見た将来の夫の姿は・・・

*     *     *


――『セルセ』出演おめでとうございます。

和田・長田: ありがとうございます!

――アマストレはどんな役ですか?

和田: アマストレは異国にする王女で、ペルシャ王セルセの婚約者です。 変装してペルシャにやってきますが、そこで王が他の女性に惹かれている様子を目の当たりにします。セルセを一途に愛するアマストレは、彼の心変わりに苦しめられます。


和田美樹子

長田: アマストレは小さい時から自分に婚約者がいることを知っていて、彼への熱い想いを胸の片隅で大切に育ててきたと思います。だから彼女にとってセルセは憧れの王子様で、自分だけを永遠に愛してくれる人だと信じていたと思うんです。
女の子は王子様に憧れちゃうんですよ。この人は運命の王子様だわ!と自分ばかりが盛り上がっていたけれど、蓋を開けたら相手の中の「私」の存在は小さいものだった、なあんてこと、よくあるんじゃないでしょうか?(笑)
そんな男性のために喜んだり、ときめいたり、苦しんだり、狂ったり、でも諦めきれなくてあげくの果てに悟ったり…


長田惟子

――インターネットも写真も油絵具もない時代、当たり前ですが、変装して会いにでも行かない限り、婚約者を知ることなんてできないですものね。でも、憧れの人に会いたいという人間の気持ちは今も昔もそれほど変わるものではない、ということでしょうか。
アマストレのアリアについてはいかがですか?


長田: 今回の上演では、アマストレには3つのアリアがあるのですが、色んな姿のアマストレが表現されています。どの姿も、人間味があって、自分のことのように共感してしまうので、彼女のキャラクターを愛さずにはいられないんです。

――それでは3曲の中から、それぞれの1曲を教えてください。

和田: 私は、第2幕で歌われる「Anima infida, tradita io sono」です。
セルセの心変わりを確信したアマストレが、苦しみに耐えられず自殺を図ります。そこにきた王の弟アルサメーネの従者エルヴィーロに止められ、「死ぬ前にあの残酷な心に言ってやる」「不実な心よ 私は裏切られた 来い、私を殺せば お前を許す」と歌うアリアです。

――凄まじい感情ですね。

和田: 愛する人の裏切りによって、常軌を逸したアマストレが、激昂して歌います。
このアリアのあとにエルヴィーロが「È pazzo affé! 本当に気が狂ってる!」と言うのですが、お客様にもそう思って頂けるように演じ歌い上げたいです。

長田: 感情をむき出しにしてしまった2幕とは一転して、3幕の終盤で歌われるアリア「Cagion son io del mio dolore」では、自分を裏切った彼のことを一途な心で愛し過ぎてしまった私自身がこの苦しみの原因なんだ、とひとり静かに歌います。
この曲を最初に聴いたとき、歌詞に反して音楽はあっさりしていて綺麗なのに、どこか胸が締め付けられるような寂しさを感じました。セルセのことになると周りが見えなくなっていたアマストレが、外側から自分のことを見て最終的にあっけらかんとした気持ちでこのアリアを歌っていると思うのですが、そこには押し寄せる寂しさや苛立ちと向き合い、自問自答の末に心の成長をとげた、ちょっぴり切ないアマストレの姿も垣間見えると思います。

――J-Popでも描写されるような、とても現代的な感情にも思えますね。

長田: かなしみの中にもアマストレのさっぱりした気持ちが感じられて、特に共感を覚えるアリアです。
愛してしまった自分自身にも原因がある、なんて思えるアマストレはなんて一途でいい子なんでしょうね!こんなアマストレを苦しめるセルセは許せません!(笑)

――さて、二人は二期会オペラ研修所の同期です。それぞれの印象は?

和田: 長田さんと初めて会ったのは研修所の入所試験の時です。その時にチラッと彼女の歌声が聴こえて、なんと素敵な歌声!!と思ったのを今でも鮮明に覚えています(笑)
その後、マスタークラスで同じクラスになり、切磋琢磨してきました。
彼女は明るくて人柄が良く、音楽に関しても素晴らしい才能を持っていて、人としても歌手としても、とても素敵で魅力的な方です。
今回またご一緒できて、嬉しいです!

長田: いつも呼んでいる名前で呼ばせていただきますが、みっこちゃんは本〜当にしっかり者なんです!みっこちゃんはクラスではインペクといってクラスをまとめ役をされていたのですが、そのくらいリーダーシップがある方です。
観察力や洞察力に優れているだけでなく、相手への思いやりや気遣いも忘れないし、どんなことにも感情的にならないで冷静に対応出来るんです。とにかく頑張り屋さんなので、ちゃんと休んでいるかなってたまに心配になることもあります(笑)
私にない部分をたくさん持っていて、とっても尊敬出来る女性です。

――二期会の研修所同期ならではの絆が伝わってきます。それでは、最後に本番への意気込みを。

和田: 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』で二期会デビューが出来ることを、とても嬉しく思います。
ひたすらにアマストレと向き合い、フレッシュでエネルギッシュな『セルセ』をお届けできるよう、精進して参ります!

長田: 『セルセ』の登場人物は、演じる私たちと等身大の若者たちです。まだまだ未熟な私たちですが、若さを味方にして、バロックオペラの息吹きを現代に伝えられたら、と思います。すばらしい音楽と演出を皆様にお楽しみいただけるよう精一杯頑張ります!

和田・長田: たくさんのお客様のご来場、お待ちしております!

*     *     *


▼『セルセ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2021年5月公演 G.F.ヘンデル『セルセ』 - 東京二期会

2021年5月22日(土)17:00、23日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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Nikikai Days@Blue Rose 2021 各公演ご案内 第1回
オペラ『光太夫』(演奏会形式)~第2日 5/28(金)19時開演

サントリーホールブルーローズで二期会歌手が競演する夢の3日間「NIKIKAI Days@Blue Rose」。今年は、コロナ禍のため中止となりました昨年のプログラムを改めて5月に上演致します。
第1日は5月16日(日)14時、ブラームス・ワルツ集「2つの愛の歌」。少し日にちをおきまして第2日は5月28日(金)19時、オペラ『光太夫』(演奏会形式)。そして第3日は5月29日(土)14時、<タイトルロールな歌姫(ディーヴァ)たち>をお贈りします。

公演まで約1か月となり、チケットも多くご予約頂いている中、ここで各公演のご案内をしてまいります。
初回のご案内は5月28日(金)19時からの第2日、ファルハング・フセイノフ作曲 オペラ『光太夫』は、初演から28年ぶりの待望の再演。ロシア語(日本語字幕付)で上演いたします。
激動の時代を生きた光太夫を今注目のバリトン、加耒 徹が演じます。

こちらの対談動画ではオペラ『光太夫』の魅力と聴きどころを、プロデューサーの岸本 力(ラックスマン役でも出演)と、加耒 徹が語っています。


また、岸本からのメッセージも届いておりますので、ご紹介いたします。

今回のオペラ『光太夫』は、ファルハング・フセイノフ作曲で、井上靖氏著の「おろしや国 酔夢譚(すいむたん)」に描かれた大黒屋光太夫が題材となっています。18世紀の終わりの江戸鎖国時代、異国で過ごした光太夫が、苦難を乗り越え帰国した壮大な男のロマンの物語です。
光太夫は、当時のロシア女帝・エカテリーナにペテルブルグの宮殿で謁見し帰国し、日露文化交流を最初に成し遂げた画期的な偉業の人物とされています。
今回は1993年、日本でロシア語による演奏会形式の世界初演以来、28年ぶりの上演です。二期会Daysの演目として、昨年の5月29日に予定されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により延期され、今回の上演となりました。

本公演チケットはおかげさまで、「プレミアム席」がすでに予定販売数を終了、現在は「普通席」のみのご案内となっております。良いお席はお早目にお求めください。

▼演奏予定曲等、公演情報ページはこちらから
NIKIKAI Days @ Blue Rose 2021 - 主催・制作コンサート - 二期会21

●ご予約・お問合せは 《好評発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

ちらし(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
NIKIKAI Days@Blue Rose 2021
■会場:サントリーホール ブルーローズ
■料金(全席指定・税込):
  プレミアム席6,000円(オリジナルクリアファイル付)、普通席4,500円
<第2日 ファルハング・フセイノフ作曲 オペラ『光太夫』>
■日時:2021年5月28日(金) 19:00開演
■出演:
  長田雅人(指揮)、太田麻衣子(構成)、大山大輔(ナレーター)、松本康子(ピアノ)
  <キャスト>
  光太夫:加耒 徹(バリトン)、ソフィア:内田智子(ソプラノ)、
  ラックスマン:岸本 力(バス)、エカテリーナII:小野綾香(メゾソプラノ)、ほか
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7月公演 ヴェルディ『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー
[4]フェントン山本耕平「フェントンの仕事は、ずばり、恋をすること!」

東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』キャスト・インタビュー第4弾は、フェントン役を演じるテノール山本耕平(7/17,19出演)の登場です。
東京二期会では、2014年『ドン・カルロ』で衝撃のタイトルロール・デビューを果たし、翌年『リゴレット』でもマントヴァ公爵を歌ったテノール山本耕平。その後の二期会公演では、『後宮からの逃走』ベルモンテ、『金閣寺』柏木、『天国と地獄』オルフェと、まるで自分自身の可能性に挑戦するかのように、まったく性格の異なる役を演じレパートリーを広げてきました。
そして、今年、待望のヴェルディ・オペラでの出演。ノーブルな響きで歌われるフェントンのラブソングにどうぞご期待ください!


東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』フェントン役の山本耕平です。
フェントンの仕事は、ずばり、恋をすること!
もうとにかく、恋で頭がいっぱいなんですね。登場人物たちと、わちゃわちゃと話をしているところもあるんですけれど、そうかと思うと、急に、ナンネッタの顔を見て、恋に一気に夢中になってしまう。そうすると、フェントンの恋のフレーズだけが、(他の人物たちのアンサンブルの)上からすっと聴こえてきたりするんです。音楽的にもすごくうまく作られているんです。
後半にアリアのような部分があるんですが、フェントンは、もう…なんですかね。みんながファルスタッフのまわりで、ドンガラガッシャンってやっている中に、風が吹いてくるような、本当に恋へのあこがれを歌うんです。そういう意味では、比重が、恋にある!
『ファルスタッフ』は、お芝居と音楽のバランスが対等といいますか、ファルスタッフが、ふざけたことをずっと言っているのに、それを、もっともらしく、重めかしくしゃべるところなんか、本当にこの原作の雰囲気が音楽に忠実に書いてあるなあ、という印象があります。
そして、何といっても、最後のフーガが僕の好きなところなんですけど。「もう、すべておふざけ、最後に笑った人が、一番多く笑うんだよ」という、このメッセージというのが、なんとも……『ベニスの商人』にある「誰しもが人生の舞台において自分の役を演じねばならぬ」というフレーズが、シェイクスピアらしさというか、その死生観を表していると思うんですけれど、このフィナーレにもそれが出ていると思います。今この鬱屈したたいへんな時に、いろいろあってもそれを笑いとばすといういうエネルギーは、今まさに必要なんじゃないかな。
キャスト表を見ますと、みなさん相当細かいおふざけの芝居を入れ込んでこられることが今もう予想できます(笑)そのような細かい芸をキャッチしていただくために、ぜひ予習をしていただきたいというか、当日までの間も楽しんで過ごしていただけると、本番も一層お楽しみいただけるでしょう!

*     *     *


▼『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…フェントン 山本耕平 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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