演出・田尾下 哲の『チャールダーシュの女王』第2幕、第3幕解説!!

演出・田尾下 哲みずからが解説する、二期会『チャールダーシュの女王』。
引き続いて、第2幕、そして第3幕です!
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オペレッタならではの軽妙な展開で目も耳も離せない第2幕、
「1914年6月27日、土曜日。前幕から7週間ちょっと後。ウィーンにあるエドウィンの実家、リッペルト・ヴァイラースハイム公爵の館が舞台」。
「公爵の館で舞踏会が開催されています。公爵夫妻はたくさんのゲストを入場口で迎え、上機嫌です。」

第1幕は、ブダペストのキャバレー劇場でしたので、ウィーンの貴族の館となれば、雰囲気の差は歴然。カールマンの音楽はもちろんのこと、舞台の様子、ダンスの様式感もすっかり変わります。「身分違いの恋物語」の背景が、1幕と2幕の違いをご覧になれば、すぐにおわかりいただけるのではないでしょうか。
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公爵の館で舞踏会が開催されています。公爵夫妻はたくさんのゲストを入場口で迎え、上機嫌です。
公爵夫妻の見守る中、エドウィンとシュターズィもかけてやって来ます。華やかに館に大きな円を描きながらワルツを踊るカップルの姿が会場を充たします。公爵夫妻はエドウィンがシュターズィと楽しそうに踊る姿を見て一安心。このままだと今晩にも婚約発表が出来るかも…公爵夫人が二人の様子を探りに行きます。
幼なじみの二人は、シュターズィの両親が亡くなってからは兄弟同然に育てられ、隠し事なく一緒に育ってきた仲です。シュターズィはエドウィンの両親が二人を結婚させたがっていることを告げます。エドウィンは気のない返事をしますが、シュターズィがシルヴァ・ヴァレスクのことを持ち出すと……
▼このつづき、第2幕解説全文はこちらのファイルをご覧ください!
田尾下 哲『チャールダーシュの女王』第2幕解説全文 (PDFファイル)
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そして第3幕では、さらにストーリーの展開が加速していきます!
「1914年6月27日(土)。ウィーンのヴィンケルバウムホテル。豪華ではないですが、貴族たちに好まれているホテルで、特に家族を連れずにウィーンにやって来た貴族に好まれているというホテルです。2幕終了から15分後の真夜中が舞台になります。」
「夜空を眺めることが出来るホテルのロビーに、オルフェルムの引っ越し公演でウィーンに来ているフェリとダンサーたちもやっています。
そこへ公爵の館を辞したシルヴァとボニが駆け込んできます」

実際に、2幕と3幕の間の休憩は15分の予定です。
シルヴァとボニが、真夜中のウィーンの街を駆けていく姿をご想像いただくと、臨場感を高めていただけるかもしれません。
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そこへ公爵の館を辞したシルヴァとボニが駆け込んできます。エドウィンは自分のことを恥じていたのだと大荒れのシルヴァですが、フェリの姿を認めて偶然の出会いを喜びます。もうヨーロッパには戻ってこないのではと思っていたフェリは仲間を呼び、仲間たちも大喜び。ですが、シルヴァはもう劇場へは戻らない、ボニと結婚するから、といいます。驚く一同ですが、フェリは二人だけにして欲しい、と一同に請います。ボニはシルヴァをフェリに託し、自分に出来ることを考えます。
二人きりになり、エドウィンのことで傷ついているんだね、といわれてもシルヴァは心を閉ざしたまま。男爵であるフェリには自分の気持ちは理解できないと思うのです。ですが、フェリは語り続けます。
フェリ 「私も経験をしたことがある。身分違いの恋ってやつをね……
▼第3幕解説続き全文はこちらのファイルをご覧ください!
田尾下 哲『チャールダーシュの女王』第3幕解説全文 (PDFファイル)
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最後に、ハンガリーの粋な男爵フェリとエドウィンの父ヴァイラースハイム公爵との会話を。第3幕のクライマックスから。
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フェリ 「お言葉ですが、私も下級かもしれませんが、貴族です。そして、その身分の差のために、愛した女性と結婚できず、その間違いに気づいた時には、その人は人妻になっていました。未だにそのことを引きずって、独身を通しています。」
公爵 「随分けなげな話だが…その相手も芸人だったのかね?」
フェリ 「はい。その頃、ミスコルツの舞台に出ていたプリマドンナを私は崇めていました。今でも写真を肌身離さず持っています。結婚は出来ませんでしたが、彼女を愛したことは私の誇りです。」
フェリはいつも持ち歩いている一枚の写真を公爵に見せます。すると公爵は……
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この続きは、劇場で!

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2014年11月公演E.カールマン『チャールダーシュの女王』 - 東京二期会
▼ご予約・お問合せは
二期会チケットセンター TEL:03-3796-1831

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