11月公演オペレッタ『天国と地獄』~【神々のご紹介シリーズ1】世界を牛耳る兄弟神プルート&ジュピター

東京二期会オペラ劇場、次の公演は11月21日(木)より日比谷の日生劇場にて上演致します、オペレッタ『天国と地獄』です。

二期会blogでは公演に向けて、登場人物のご紹介をしてまいりたいと思います。(11/21,23出演/11/22,24出演)
が、人物といってもご存知のとおり、パロディにされるギリシアの神々ばかり・・・


オペレッタ『天国と地獄』人物(神)相関図


まずは、ギリシアの神々の主神であり天空神である「ジュピター」(大川 博/三戸大久)。冥界の神「プルート」(上原正敏/渡邉公威)とは兄弟です。
ジュピターの妻が「ジュノー」(醍醐園佳/三本久美子)。母の神、結婚の神です。二人の間の息子が、戦いの神「マルス」(野村光洋/的場正剛)。
そして、次にご紹介する神様は、ジュピターの子供たちにあたりますが、すべてジュノーとは人間的にいうところの“腹違い”にあたります。伝令の神、俊足の「マーキュリー」(升島唯博、児玉和弘)、酒と豊穣の神「バッカス」(峰 茂樹/志村文彦)、狩猟と純潔の女神「ダイアナ」(小村朋代/廣森 彩)、美の女神「ヴィーナス」(山本美樹/中野瑠璃子)、知恵の女神「ミネルヴァ」(髙品綾野/吉田愼知子)。
一方、「キューピッド」(吉田桃子/熊田アルベルト彩乃)は世界の始まりをつかさどった神様の一人のようなのですが、ここでは、マルスとヴィーナスの愛人関係の間に生まれた愛の神とする説をとりましょう。
そして、この物語の中心にいるのが「オルフェ」(又吉秀樹/山本耕平)と「ユリディス」(愛 もも胡、高橋 維)夫婦。世界文学史上屈指の深い愛で結ばれた夫婦でありながら、オペレッタ『天国と地獄』では、ご存知のとおり、すでに“倦怠期”を迎えています。
ユリディスが堕ちていった冥界には「ジョン・スティクス」(吉田 連/相山潤平)が。かつてボイオーティアの王でありましたが、今やプルートの召使に。
そして、「世論」(押見朋子/塩崎めぐみ)。人々だけでなく神々をも司る強大な存在です。世論の言葉が道徳とされていますが、果たしてそれは真なのか否か・・・

*     *     *


それでは、キャスト自ら演じる役をご紹介します。まず第1回は、主神ジュピター(ゼウス)と、その兄弟で冥界を司るプルート(ハデス)です!

《プルート》
上原正敏(11/21・23出演)
――プルートは何の神?
私プルートは、かの夢の国の喋るネズミの愛犬ではありませんし、手塚治虫先生の鉄腕アトムにも出演していません。ましてや浦沢直樹さんの漫画にも登場しておりません。ただそれらの作品で名前を使っていただいたので、日本の昔の少年たちには一番名前の知られたローマ神話の神様です。担当は冥府(地獄)です。別府(地獄)ではありません。
――プルートの人物(?)像は?
ジュピターと兄弟でありながら、くじ引きで地獄担当になったかわいそうな私。しかし、天国のやつらが恋愛や悪いことをするときのように、体裁を保ったりしなくても良い立場な私の行動と、住処の地獄に、どうも彼らは興味がありそう。では見せてあげよう私のホームグラウンド!Go to hell!
――公演にむけて意気込みを!
SNSの炎上など、正しいことの押し付けと、悪事への異常なほどの追及…現代の社会の風潮は昔からあったようですね。世間の目を気にしている神様(人間)に対し自由なプルート。悪い役は本当に楽しい!正しいとは何?悪いって?おかしな中にちょっとだけ考えさせられるこのオペレッタ!科学は進歩しても人間ってあんまり変わっていないのかも……
渡邉公威(11/22・24出演)
――プルートは何の神?
英語で冥王星のことをPlutoと言いますが、読んで字の如し、冥府(地獄)を司る王です。 天上を司る兄(神話では兄と弟が逆ですが)ジュピターとは対極をなす関係です。
――プルートの人物(?)像は?
地獄の王という黒い威厳を持ちつつも、なんとも人間味溢れる憎まれないキャラクターだと思います。威厳、人間味と言う点で言えば、対極にあるはずのジュピターとは、やはり兄弟だけあり、一心同体の役なのかなあとも思います。
――プルートの観どころ、聴きどころは?
一幕は、オルフェの妻ユリディスに近づくためにアリステという羊飼いとして登場し、ユリディスの死に際して地獄の王プルートに変身するのですが、まずはここがプルートの一つの見所です。またプルートはこの作品でストーリーをどんどん回していく役ですが、最後の地獄のパーティーまで観客の皆様を一人残らずお連れしたいと思っております。お楽しみ下さい!

《ジュピター》
大川 博(11/21・23出演)
――ジュピターは何の神?
ギリシア神話でいう「ゼウス」です。巨神族との戦いで勝利をおさめ、最高神として讃えられますが、無類の女好きで、妻の目を盗んでは数々の女性と関係を持ち、子供が沢山いるという神様です。
――ジュピターの人物(?)像は?
このオペレッタでは神話がパロディとして面白可笑しく書かれています。自分の欲望は抑えられないのに、他の神様達には「素行が悪い!神としての自覚を!」と厳しくあたり、権力を振りかざしてやりたい放題、しまいには神々から革命を起こされますが、それにも懲りずにまた女性のもとへ(笑)ひどい神様ですが、なんともおかしくて憎めない。そんな役だと思っています。
――公演に向けて意気込みを!
今回、二期会オペラで初めての主役を歌わせていただくことになりました!これまで勉強してきたことを発揮して、心から楽しんでいただけるように頑張ります!ぜひ劇場にお越し下さい!!
三戸大久(11/22・24出演)
――ジュピターは何の神?
自分に甘く人に厳しく、自己中で尊敬されたいという願望が強く、世間体を気にして、傲慢で怒りっぽく、わがままで心が屈折していて、猜疑心があり、パワハラモラハラ当たり前、そして女性が大好きで色んな所に子供がいるという・・・・・・人間の欲を全て網羅している、かなり俗っぽい、まあ終わっている神様です。
――ジュピターの人物(?)像は?
ただ、1つだけ良いところをあげるとしたら、一貫して恐妻家。そして「最後は奥さん」という愛妻家なところです。そこがチャーミングでもあり、最後まで憎めない人物(神様)なのかなと思います。
――公演に向けて意気込みを!
二期会で『天国と地獄』のジュピターといえば、立川清登さん、平野忠彦さんと、往年のスター歌手が歌われている役です。光栄な反面、とても身の引き締まる思いです。
ただ、今回は自分と同世代が多いカンパニーなので、とにかく楽しく、ウキウキするような音楽をみんなで創っていきたいと思っております!

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▼オペレッタ『天国と地獄』公演情報ページはこちら
2019年11月公演 J.オッフェンバック オペレッタ『天国と地獄』 - 東京二期会オペラ劇場

2019年11月21日(木)18:30、22日(金)14:00、23日(土・祝)14:00、24日(日)14:00 日生劇場
指揮:大植英次/演出:鵜山 仁/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会
〈共催〉公益財団法人公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】

●お問合せ・チケットのご予約は
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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