三角枝里佳、ローマ日本文化会館で未来派の日本歌曲ヨーロッパ初演

イタリアの詩人F.T.マリネッティによって「未来主義創立宣言」が起草され100年記念となる今年、F.ベッティーニ氏(文学評論家・ローマ大学教授)を中心とした文化芸術団体「Mediterranea - festival intercontinentale della letteratura delle arti(地中海フェスティヴァル)」によって、「未来派と前衛 1900年代」と題し開催された、文学、芸術さまざまな企画の中で、ローマ日本文化会館と共催の演奏会「MUSICA E POESIA FUTURISTA GIAPPONESE(日本の未来派音楽)」が6月9日に開催され、ローマ在住、メゾソプラノ会員の三角枝里佳(みすみ えりか)が出演致しました。
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演奏会では、上記の文学評論家F.ベッティーニ氏、作曲家F.ラッツィ氏による解説、そして日本の未来派の画家神原泰による様々な絵画を舞台に映写しながら、日本未来派の詩人平戸廉吉・神原泰の詩の日本語・伊語による朗読、日本未来派作曲家によるピアノ曲・声楽曲の演奏という形で、まさに日本の未来派の文学芸術のコラボレーションによる意欲的な演奏会が行われました。
難しいテーマながらも、音楽のみならず文学、絵画、演劇などあらゆる芸術分野に興味を持つ方々からも関心を集め、当日は日本文化会館のイベント至上最多と言えるほどの盛況となりました。
山田耕作の弟子の世代である作曲家・伊藤昇、石井五郎、倉重舜介らが2つの大戦の間にあたる1930年代に書いたこれまで日本でもほとんど演奏される機会のなかった前衛的で知られざる作品(声楽は「おけら」「太陽の歌(母音AO、鼻音Nによる歌詞)」「接吻のあとに」「青怨譜」「愛慾」)を、三角枝里佳がヨーロッパ初演し、客席からは熱い興奮の拍手と歓声がおくられ、「豊かで多彩な表現力による歌唱」と高い評価を得ました。
▼未来派とは?
未来派 - Wikipedia
▼Mediterranea - festival intercontinentale della letteratura delle arti(地中海フェスティヴァル)
“Il futurismo e le Avanguardie del Novecento(未来派と前衛 1900年代)” - Associazione Culturale Allegorein(イタリア語)
MUSICA E POESIA FUTURISTA GIAPPONESE(日本の未来派音楽)- PDFファイル

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