2020年03月 アーカイブ

2020年4月〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉『サムソンとデリラ』
デリラ役 池田香織&板波利加の映像メッセージ!

『サムソンとデリラ』は、古代パレスティナの都ガザを舞台にした物語。ユダヤ教を信仰するヘブライの人々の国でしたが、ここに異教徒が進出してきます。ダゴンの神を信仰する、ペリシテの人々です。
平和な日々を奪われたヘブライ人を救うべく立ち上がったのが、神から怪力を授かった英雄サムソン(4月25日 福井 敬/26日 樋口達哉)。彼の活躍により、一度はヘブライ人のための平和が取り戻されます。
武力、腕力、知力ではサムソンにはかなわない。そこで、ペリシテ人がサムソンに差し向けたのが、絶世の美女デリラでした(25日 池田香織/26日 板波利加)。彼女はその美貌を武器に、サムソンを誘惑します。異邦の民らしいエキゾチックで、真実の愛と紛うような官能的な旋律が、デリラの真骨頂。けれども、プライドが高く、また我が民のためとはいえ、敵の武将を裸同然となって迎えようとするデリラの心情たるやいかばかりかと。これこそ、オペラでなければ表現しえない、すさまじい情念。そう思うと、サン=サーンスの音楽は、かえって恐ろしいくらいにエレガントなのですね。
タイトルロールを演じる池田香織と板波利加から、公演に向けて映像メッセージをお届けします!

☆池田香織

デリラは、自分の魅力を最大限に活用し、宗教上の敵であるサムソンの弱みを握ろうとします。現代のように、夜まで明るくなかった時代には、心地よい響きの声というのも異性を惹きつける大きな魅力のひとつだったのではないでしょうか。
男性はおおむね、マザコンかな?と思うので、メゾソプラノの少し低めの声で包まれるような体験をすると、サムソンも抵抗できなくなってしまうのでは?
有名なアリアを3曲歌うのですが彼女の持つ強さ賢さそして女性としての魅力に溢れた名曲揃いです。

これぞフランスオペラと思わせてくれる繊細で濃厚なアリア「あなたの声に心は開く」など数々の名曲があるのですけれども、それ以外にも、どことなく『トリスタンとイゾルデ』を思わせるような、とてもドラマティックな素敵な二重唱、軽やかな勝利の大合唱からのドラマティックな展開、まだまだ皆様に知って頂きたい素敵な音楽のドラマがたくさんあることがわかりました。
ぜひ生のサウンドでお楽しみいただきたいと思います!

☆板波利加

これまでに、私はたくさんの「悪女」を演じてきました。デビュー役の『カルメン』題名役、そして『ナブッコ』のアビガイッレ、『サロメ』のヘロディアス(『エロディアード』の題名役も)、さらに『マクベス』のマクベス夫人……
ただ、これまでの女性は、すべて相手の男の人をとても愛していたので、演じている私からしてみれば、そんなに悪女とは感じませんでした。
ただし、このデリラという役は、サムソンを優しい言葉、甘い旋律で酔わせ、愛する人をだまします。これはもう「悪女」ではないか、と私は思っています。

20年間、私はイタリアで勉強とキャリアを積んできました。当時の私の恩師であるジュリエッタ・シミオナート先生とは、このデリラのアリアを何回も繰り返して勉強してきましたので、とても思い出深い曲なのです。
先生が私に繰り返しおっしゃっていたのは、「デリラという役は、子宮で歌いなさい」。
……私はまだ20代だったので、それがどういう意味なのか、あまり分からなかったんですけれど、今回、もう一度、デリラを勉強しなおしていたときに(気づき始めたことは)、まずは、ベルカント技術について。のどで歌うのではなく、女性としての身体全体を使い、テクニックとして子宮に重心を感じて歌うということ。そして、もうひとつは女性の「本能」で歌いなさい、ということ。そういうこと私に言いたかったのではないかと、最近になって感じています。
先生が亡くなって10年が経ちました。私にとっては大きな年となります。『サムソンとデリラ』の大役を日本で、そして東京二期会で歌わせていただけることは、先生からの天国からプレゼントなのではと個人的には感じています。

*     *     *


▼『サムソンとデリラ』公演情報ページはこちら
2020年4月公演 C.サン=サーンス『サムソンとデリラ』〈セミ・ステージ形式〉 - 東京二期会

2020年4月25日(土)17:00、26日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:準・メルクル/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会、Bunkamura

●公演のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉昨年公演プラッソン指揮『エロディアード』の映像クリップを公開!

東京二期会が4月にBunkamuraオーチャードホールでお贈りする〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉サン=サーンス『サムソンとデリラ』。
この公演に先がけて、昨年の同シリーズ公演マスネ『エロディアード』のステージの様子をご紹介するべく、ショート映像クリップを公開しました。巨匠ミシェル・プラッソン指揮による貴重な映像です!


白い宮殿の壁のような、Bunkamuraオーチャードホールのステージバック全体をスクリーンに見立てることで、圧倒的なパースペクティブで場面展開を実現させることができました。これは、東京二期会とBunkamuraのタッグだからこそ可能となった上演スタイルなのです。


指揮ミシェル・プラッソンと東京フィルハーモニー交響楽団




『エロディアード』公演よりステージの様子

そして今度の上演は、古代パレスティナを舞台に、ヘブライ人とペリシテ人との対立が壮大なスケールで描かれる『サムソンとデリラ』。
ラストシーンでは、拷問にかけられたヘブライの勇者サムソンが最期の力を振り絞り、己もろともペリシテの神殿を崩落させる、という神話的カタストロフィが待っています。このシーンがサン=サーンスの音楽と相まってどのように演出されるかもぜひご注目ください!

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▼『サムソンとデリラ』公演情報ページはこちら
2020年4月公演 C.サン=サーンス『サムソンとデリラ』〈セミ・ステージ形式〉 - 東京二期会

2020年4月25日(土)17:00、26日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:準・メルクル/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会、Bunkamura

●公演のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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7/30(木)開催「高田正人のオペラWhy not? ~理想の結婚はオペラの中に~」
3/19(木)よりチケット発売開始!

二期会が誇るテノール歌手 高田正人が、そのパーソナリティーとしての才能も遺憾なく発揮してお贈りするレクチャーコンサート、「高田正人のオペラWhy not?」。
今回は、本年生誕250周年を迎える楽聖ベートーヴェンの残した唯一のオペラ『フィデリオ』と絡めて、「理想の結婚はオペラの中に」というテーマでお届けします。
テーマに関係する様々な作品をお聴き頂きながら、気が付けばオペラに詳しくなれる、1度で2度おいしいコンサート。
出演歌手は高田正人に加え、東京二期会9月公演『フィデリオ』出演キャストから、ソプラノ木下美穂子、バリトン大沼 徹も登場して、豪華にお贈りします!


講師/テノール
高田正人

ソプラノ
木下美穂子

バリトン
大沼 徹

ピアノ
平塚洋子

スペシャルゲスト
深作健太

当公演で演奏される曲目には日本語字幕を表示致しますので、歌詞の内容もしっかり把握頂けます。
さらに、なんと今回は、同『フィデリオ』公演で演出を務める映画監督・深作健太氏もスペシャルゲストとして登場予定!高田正人と共に、オペラの魅力をたっぷりお届け致します。
どうぞ皆様お誘いあわせの上、ご来場ください。


チラシ(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
高田正人のオペラWhy not?
~理想の結婚はオペラの中に~

日時:2020年7月30日(木) 19:00開演(18:30開演)
会場:文京シビックホール 小ホール
料金:全席自由 一般3,000円、学生1,000円
出演:高田正人(講師/テノール)、木下美穂子(ソプラノ)、
    大沼 徹(バリトン)、平塚洋子(ピアノ)
スペシャルゲスト:深作健太(映画監督、9月公演『フィデリオ』演出家)
演奏予定曲:
ベートーヴェン作曲
・『フィデリオ』より “ああ、なんという瞬間だ”、“悪者よ!どこに急ぐのか”
  ・交響曲第9番より “おお友よ、このような音ではない!”  ほか

▼公演概要ページはこちら
高田正人の「オペラWhy not?」|コンサートラインアップ - 東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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3/12(木)「バリトン4名が贈る White Day とびきり甘い夜2020」開催中止
楽しみにされていた皆様へ

新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止とさせていただきました「バリトン4名が贈る White Day とびきり甘い夜2020」。
公演中止発表による反響は大きく、ハンサム四兄弟へ新たな声援もたくさんお寄せいただきました。
みなさま、ありがとうございます。

この度、ハンサム四兄弟(宮本益光、加耒徹、近藤圭、与那城敬)から、公演を楽しみにしていてくださった方々に歌のメッセージが届きました。
また、公演当日ご来場いただいた方々に配付する予定でしたプログラムも公開させていただきます。
ハンサム四兄弟の想いを是非ご覧ください。

★ハンサム四兄弟から歌のメッセージ


★配付予定だったプログラム

↑画像クリックで誌面(PDF)がご覧いただけます!

そして…今回は大変残念でしたが、ハンサム四兄弟はこれに代わるコンサートを計画しています。決まり次第発表致しますので、もうしばらく待っててくださいね!

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【販売終了間近!】2020-2021シーズン オペラ・セット券のご予約は3月14日(土)まで~オンラインで座席指定も

多くのお客様に、シーズンを通して東京二期会のオペラ公演をお楽しみいただけるよう、2020年9月3日(木)『フィデリオ』プレミエから始まる 2020-2021シーズンのオペラ・セット券を発売中! 今年は3種類のオペラ・シーズン・セット券をご用意しています。ご予約受付は3月14日(土)まで。最良のお席を一番お得にお求めできる機会ですので、ぜひご利用ください!

traviata2020


《東京二期会オペラ劇場》
■ベートーヴェン 『フィデリオ』(新制作)
2020年9月3日(木)/4日(金)/5日(土)/6日(日)
traviata2020
今年はベートーヴェン生誕250周年。楽聖唯一のオペラをシーズン・オープニングに!
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・オペラの音楽監督を務める、日本でも人気の指揮者ダン・エッティンガーが東京二期会初登場。
『ダナエの愛』『ローエングリン』で評判を呼んだ映画監督・演出家の深作健太によるオペラ三作目となる舞台にもご期待ください。

《東京二期会オペラ劇場》 NISSAY OPERA 2020提携
■レハール 『メリー・ウィドー』(新制作)
2020年11月26日(木)/27日(金)/28日(土)/29日(日)
traviata2020
ブザンソン国際指揮者コンクール優勝の沖澤のどか、俳優座気鋭の演出家眞鍋卓嗣が東京二期会初登場!若きリーダーが紡ぐ、極上のオペレッタを。

《東京二期会オペラ劇場》
■ワーグナー 『タンホイザー』(新制作)
~フランス国立ラン歌劇場との提携公演~
2021年2月17日(水)/18日(木)/20日(土)/21日(日)
traviata2020
バイロイト音楽祭常連の指揮者アクセル・コーバーはこれが初来日。《東京リング》の演出キース・ウォーナーとともに起こす奇跡。至高のワーグナー体験がここに!

《二期会ニューウェーブ・オペラ劇場》
■ヘンデル『セルセ』(新制作)
2021年5月22日(土)/23日(日)
traviata2020
東京二期会が贈る3年に1度の本格バロック・オペラの祭典!名曲〈オンブラ・マイ・フ〉が誘う、古代ペルシアを舞台にしたラブストーリー。

《東京二期会オペラ劇場》
■ヴェルディ『ファルスタッフ』(新制作)
~テアトロ・レアル、ベルギー王立モネ劇場、フランス国立ボルドー歌劇場との共同制作公演~
2021年7月16日(金)/17日(土)/18日(日)/19日(月・祝)
traviata2020
欧州で賞賛されたロラン・ペリーの舞台で贈るヴェルディ最晩年の傑作喜劇
NYメトロポリタン・オペラでも活躍する指揮者ベルトラン・ド・ビリーが2018年9月プッチーニ〈三部作〉以来の再登場!

traviata2020

2020-2021シーズン・セット券 セット内容 [選べる2+1のコース]

「ゴージャスにオペラを満喫!」
全演目の最上席(S席)からお好みの座席をいち早く、最安でお求めいただけます
◆プレミエセット券
 全公演のプレミエ(初日)公演のS席(定価73,000円相当)を55,000円で
◆千秋楽セット
 全公演の千秋楽公演のS席(定価76,000円相当)を60,000円で

そして、「もっと気軽に、もっとお得にオペラを楽しみたい!」という方のために
◆オペラ・フレンドパック
 全演目のプレミエ公演または千秋楽公演のB~C席(定価41,000円相当)を30,000円で

もちろん、二期会オペラ愛好会(年会費2,500円~)会員様の特典も!
・「プレミエセット」「千秋楽セット」は上記価格からさらに5,000円割引
・全演目の有料プログラムを会員様1名につき1公演1冊ご進呈。
 (2021年5月『セルセ』はプログラム無料配布となります)
愛好会へはセット券お申込みと同時のご入会も承ります。

▼お問合せ・お申込
二期会チケットセンター TEL 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00)
Gettii ←24時間受付、座席位置選択可能、予約&発券手数料0円、 セブン-イレブン店頭で
お受取のインターネット予約「Gettii(ゲッティ)」を是非ご利用ください!!

《ご案内》
*上記以外の組み合わせのセット券は販売いたしません。
*公演中止の場合を除き、チケットの変更・払戻しはいたしません。

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『ルル』は私の演出家としての集大成~カロリーネ・グルーバー緊急プレトーク・リポート

去る2月22日(土)に開催した演出家カロリーネ・グルーバーのプレトークには、緊急の開催決定にもかかわらず事前のご予約で満席となりました。多くの方のご来場、誠にありがとうございました。
グルーバー氏からは、これまで日本ではあまり語られてこなかった演出家を目指すことになった軌跡についての話があり、そして今『ルル』を演出するにあたっての自身の想いが語られました。
プレトークの内容をテーマごとにご報告します。

*     *     *


<オペラ演出家を目指すまで>
KON-NICHIWA!
東京に戻って来られて、また今回、私自身がオペラ演出家となった軌跡を話す機会をいただいたこと、とてもうれしく思っています。



私の両親はオーストリアの山の中に住んでいて、若いころの私はそこで、クラシック音楽とはまったく無縁の環境で育ってきました。
ただ、「物語」に関することにはとても興味がありました。映画を観たり、本を読んだりすることで、小さいころは「映画監督になりたい」と思っていました。
ウィーンで演劇学を学ぶようになって、友人がウィーン国立歌劇場に連れて行ってくれました。
当時は、学生用の桟敷席が非常に安く買えたので、たくさんのオペラを観ることができたのです。
最初に観た作品は、フランコ・ゼッフィレッリ演出、ジュゼッペ・シノーポリ指揮の『ラ・ボエーム』。ミミ役にはミレッラ・フレーニがいました。
とにかくその他の演目でも、すぐれた指揮者、アーティストが登場して、その世界に夢中になり、頭の中が“BAKUHATSU!”してしまいそう。私が19歳のときです。カルロス・クライバー指揮の『ばらの騎士』は、もう、圧巻でした!
あるときのこと。次に観る演目が『フィガロの結婚』だったので、事前にストーリーを読んでおいたのです。フランス革命前夜の様子や、文明の衝突、そして階級の対立など、さまざまな要素が織り込まれていて、それはとても興味深いものでした。
そして、期待して公演を観たのです。ところが、それが、音楽も舞台も美しいのですが、どうしてももの足りない。事前に読んできたストーリーが見えづらいし、スリルが足りないと感じてしまいました。学校でも、友人たちにそのことを訴えていたのです。すると、私はこう言われました。
「そんなに言うんなら、自分でやれば?」



<オペラを女性の側からとらえなおす>
オペラを演出するとき、私はまずストーリーを見ます。
そして、自分の側から、すなわち、女性の側から物語をとらえなおすのです。
演出を始めたのは私が23歳のとき。まだ女性のオペラ演出家などほとんどいなかったような時代に、当時の劇場のインテンダントは、女性を起用したいという気概を持った方だったので、とてもラッキーでした。
オペラは、これまで男性の視点から描かれ、上演されてきました。たとえば、なぜオペラでは最後に女性が死ななければいけないの?とか。何か別のエンディングがないだろうか、と考えます。オペラは、いつも自分の心の問題とつながっています。どのような作品にも、必ず心を打つ何かがあります。たとえば『リア』では、父と娘の関係性が描かれますが、現代の人々の人生にも関わるテーマです。私の仕事は、そのようにして、作品の中から、人々の心を打ち、胸に迫るものを掘り起こすことなのです。
私のキャリアの中で、一時期、演劇に移ったことがありましたが、やがてオペラに戻ってきました。なぜなら、オペラには音楽があるからです。バロックから現代まであらゆる時代のオペラを演出してきましたが、どの音楽も大好きです。音楽を聴くことで、単なる筋書きではない、物語の深層に迫っていくことができるからです。


カロリーネ・グルーバー演出 2011年11月 東京二期会 モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』より(撮影:三枝近志)

<オペラ『ルル』への特別な想い>
以前から、『ドン・ジョヴァンニ』や『ルル』のような作品を、女性の側から描いてみたいという想いがありました。
『ルル』は私にとって特別な作品です。その理由の一つは、私が、作曲家のアルバン・ベルクと同じオーストリア人であるということ。『ルル』からは、20世紀という、音楽が大きく変化してしていった時代の、ウィーンという町の魂を感じます。ベルクは『ルル』を完成せずして早くに亡くなりましたが、それゆえに『ルル』の価値はさらに高まっていると思います。
また、これまでに、同じ女性のアーティストとして、指揮者のシモーネ・ヤングと5つのプロダクションで協働してきました。彼女とは、会う度に、今度は『ルル』をやろうと話してきました。それはいまだに実現しないままでいますが、私は、今こそ『ルル』を上演するときだと思っています。
#MeToo」運動がさかんに行われる今、『ルル』は、ある意味で「#MeToo」オペラだと思います。ルルは男性と女性で捉えられ方がまるで違います。男性からみればルルは蠱惑的な存在で、そのように描かれてきたことが多いのは事実。ですが、私かからみると、むしろ彼女は哀れな存在です。幼いころに貧民院で育ち、やがてシェーン博士に囲われて成長していく中で、彼女は自分自身の感性や内面を形成していく。ある意味、犠牲者です。今回、私は、ルルの内面、彼女の魂を描きたい。
『ルル』は、私のオペラ演出の集大成になるでしょう。

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7月公演『ルル』を演出するカロリーネ・グルーバー。
今こそ上演されるべき新しい『ルル』にむけて、ルルの内面を表現するために、今回初めてダンサーの起用を決意。気鋭コンテンポラリー・ダンサー中村 蓉が起用されました(中村は、2021年5月公演ヘンデル『セルセ』を演出することも先に決定、発表されています)。

「自身の集大成」とまで語ったグルーバーの『ルル』 に、どうぞご期待ください!

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▼『ルル』公演情報ページはこちら
 《チケット発売中》 ・2020年7月公演 A.ベルク『ルル』〈新制作〉 - 東京二期会オペラ劇場
2020年7月10日(金)18:30、11日(土)14:00、12日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:マキシム・パスカル/演出:カロリーネ・グルーバー/管弦楽:東京交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会

●『ルル』公演のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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