2019年11月07日のエントリー

11月公演オペレッタ『天国と地獄』~【神々のご紹介シリーズ4】神様ではないけれど…世論&ジョン・スティクス

19世紀パリで一世を風靡したオペレッタ『天国と地獄』は、ご存知のとおりギリシア神話のパロディですが、神様以外の配役も個性的なものばかりです。 今回は、冥界(地獄)でプルートに仕える身となったジョン・スティクスと、世論に登場してもらいましょう。

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《世論(パブリック・オピニオン)》
押見朋子(11/21・23出演)
――「世論」とは、どんな役?
世論(せろん)です。民衆の代表です。登場人物の中では極僅かな人間(擬人化とも言われている)で、「倫理」「道徳」を唱えます。
――難しい質問ですが、どのような人物(?)ですか?
一言でいったら、かなり強めな、お節介おばはんですかね。世直しをしていると真剣に考えているんですから非常に厄介です。ジュピターが唯一恐れている人物でもあります。 この物語、節操なく色々なことが起きるわけですが、「絶対に!!こうしなくては!!いけないんです!!」と楯突く事が出来ないほどに言い負かされるのですから、ちょっと曖昧な人は「仕方ない。。世間体もあるし…」なんて思うんでしょう。。
――「世論」を演じるにあたって、意気込みを!
「世論」は、皆さんの心の中にある感情の代表なのですが、「倫理」「道徳」にこだわる余り、破裂するんじゃないかと思うほど持っている怒りと、何とか正しい道へ導く為の鼻息荒い‘’過ぎたお節介‘’が観ている皆様の色々な感情の共感につながるように演じたいと思っています。
塩崎めぐみ(11/22・24出演)
――「世論」とは、どんな役?
具現化するのがとても難しい役です。ですので、役を演じるにあたり、「世論」とは何か、歴史を調べたり、考えたりしている真っ最中です。
物の本には、「世論」とは、”Public” と “Opinion”という言葉の合成語とありました。 “Public” は、「公の」「大衆」などの意ですし、“Opinion” は、「意見」の意です。 ただし、「意見」は、個人の好き嫌いや、知識の程度によって違いが生まれるものですから、この「世論」という合成語は、ある種、相反する性格を持った言葉ということになる…。「大衆の意見」とは何なのでしょうか…。とっても難しいです…。
――特殊な役回りですが、どのような人物(?)ですか?
人物像としては、時代を先導してきた政治家や運動家、もしくは、もっと身近なところだと、人々が同調できる意見を言ってくれる有名人、というのがイメージしやすいと考えています。「世論」役は、「不倫や浮気は絶対に許せない」と言っているので、ワイドショーのご意見番的な要素もあるのかな、とも考えています。また、「世論」は、神様でさえも怖がる存在ですので、強烈なキャラクターが必要になるとも考えています。
――「世論」役の演じがいのあるところは?
「世論」役の観どころは、世間体を気にするオルフェを追い詰めていくところだと思います。出てくるたびに、何かとオルフェを追い詰めています。しつこいです。
とにかく楽しく、親しみやすい音楽満載の舞台です。皆様、是非劇場へおいで下さいませ!

《ジョン・スティクス》
吉田 連(11/21・23出演)
――ジョン・スティクスは「元人間」というべきでしょうか。どのような役ですか?
かつてはベオティア(ボイオーティア)の王様。今は地獄の門番、冥王プルートの召使です。
――どんな性格ですか?
生前の栄光に対する執着(コンプレックス)を感じます。酒癖の悪さ、ユリディスに対する憧れの根源はそこにあるのかも知れません。
――ジョン・スティクスの観どころを
まだ詳細をお話できませんが、本演出のジョン・スティクスには他の役にはないある特徴を与えられています。演出・鵜山さんの意図をしっかりと汲み取り、お越し頂いた皆様の心にいやらしく絡みつくような演唱をできればと思います。
相山潤平(11/22・24出演)
――ジョン・スティクスはどのような役ですか?
ギリシャ神話において度々登場するボイオティアの自称王様。死後の現在は冥王プルートの召使、地獄(ブラック)勤務しています。
――ジョン・スティクスの人物像は?
きっと今も昔も酒好き女好きのだらしのないダメ男だったのではないかと思います。
実録「ダメ男は死んでも治らない。」
――それでは、本公演に向けての意気込みを!
ジョン・スティックスは地獄からの登場でございます。酒気帯び演唱で麗しのユリディスにいらぬちょっかいを出させて頂きます。数少ない(元)人間役として、神々の思惑の斜め上からのアプローチを出来ましたら幸いです。
どうぞお楽しみにしてください。

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▼オペレッタ『天国と地獄』公演情報ページはこちら
2019年11月公演 J.オッフェンバック オペレッタ『天国と地獄』 - 東京二期会オペラ劇場

2019年11月21日(木)18:30、22日(金)14:00、23日(土・祝)14:00、24日(日)14:00 日生劇場
指揮:大植英次/演出:鵜山 仁/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会
〈共催〉公益財団法人公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】

●お問合せ・チケットのご予約は
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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11/15(金)「第96回二期会オペラ研修所コンサート」まもなく本番!

二期会オペラ研修所の全7クラスより選抜された15名が出演する、「二期会オペラ研修所コンサート」。今月15日の本番に向け、二期会会館では各出演者のピアノ合わせが行われています。





写真は重唱の合わせの様子。講師たちが、1曲ずつ、音楽稽古から演技をつけて歌う段階まで立ち会い、入念な打ち合わせやアドバイスを行いながら進められています。

今年の研修所コンサートでは、出演の研修生全員が、重唱とオペラ・アリアの両方を演奏する、盛りだくさんのプログラムです。
重唱は、授業で取り上げられる頻度の高いシーンを集め、より普段の授業内容を反映させた構成となっています。研修所講師の宮本益光(企画構成/司会)・増田のり子・鈴木 准も、相手役として賛助出演。また、オペラ・アリアには、自身が得意としている曲や、今後演じたい役のアリアを選曲しています。

将来の二期会を担っていく研修生たちと、二期会の第一線で活躍を続ける講師たちの共演。ぜひお聴き逃しなく!

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191115institute_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
《北とぴあ国際音楽祭2019 関連公演》
第96回 二期会オペラ研修所コンサート
「オペラのススメ」Encouragement of OPERA

日時:2019年11月15日(金) 18:30開演(18:00開場)
会場:北とぴあ さくらホール
(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分・地下鉄南北線王子駅5番出口前)
料金:(全席指定)A席¥3,000、B席¥2,000
   《9月4日(水)よりチケット一般発売》
出演:
【第63期マスタークラス】
 大倉由紀枝クラス(ソプラノ) 角南有紀
(メゾソプラノ) 長田惟子 櫻井陽香
(テノール) 宮脇 臣
(バリトン) 菅原洋平
 鹿野由之クラス(ソプラノ) 小村知帆 金治久美子 傳田実咲
(テノール) 秋山和哉 山中志月
【第64期本科】
 小森輝彦クラス(バリトン) 室岡大輝
 川上洋司クラス(ソプラノ) 石野真帆
 佐々木典子クラス(ソプラノ) 杉山紗英
【第65期予科】
 加賀清孝クラス(バリトン) 宮下嘉彦
 宮本益光クラス(ソプラノ) 根本璃音
【賛助出演(研修所講師)】
 (ソプラノ) 増田のり子、(テノール) 鈴木 准、(バリトン/企画構成・司会) 宮本益光
【ピアノ】
 山口佳代
▼予定プログラムはこちらをご覧ください
第96回 二期会オペラ研修所コンサート|コンサートラインアップ - 東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

*車椅子席をご希望の方は、発売日より公演一週間前までに、公益財団法人北区文化振興財団 03-5390-1221へご予約ください(席数に限りがございます)。
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい
*未就学児のご入場はお断り申し上げます


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