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11月公演『後宮からの逃走』コンスタンツェ役キャスト・メッセージ
~フランス、ドイツで活躍する新星ソプラノが主演デビュー!

2018/19のオペラ・シーズンの先陣を切った東京二期会オペラ劇場プッチーニ〈三部作〉が、9月9日(日)に新国立劇場での4日間の公演を終えました。みなさまご来場ありがとうございました。

さて次の東京二期会オペラ劇場公演は、11月22日(木)から日生劇場でのモーツァルト『後宮からの逃走』です!

<『後宮からの逃走』ものがたり>
18世紀のトルコ。スペインの貴族ベルモンテの恋人コンスタンツェは、女中のブロンデとともに海賊に襲われ、トルコ人の太守セリムによって、後宮(ハーレム)に囚われている。ベルモンテは、彼の後宮に乗り込み、召使のペドリッロ(ブロンデと恋仲)とともに2人を救うために奮闘する。
コンスタンツェは、セリムからの執拗な求愛にも応じず、ベルモンテへの愛を貫いていた。後宮の番人オスミンもブロンデに言い寄るが、こちらも相手にされない。
ペドリッロが案じた一計が見事に成功し、4人は再会し喜び合う。いよいよ脱出を試みるのだが、再びオスミンに捕えられ、セリムの部屋に連行される…

 
すでに音楽稽古を中心にキャスト陣のリハーサルが進められている中、二期会blogでは公演の紹介やインタビューなど『後宮からの逃走』の魅力の数々を、公演に向けて皆様にお伝えしてまいります。
まずは出演者から、自分自身が演じる役の紹介と聴きどころを紹介していきましょう。同じ役でも人によって役柄の捉え方は違いますし、キャスト各々が、現代人の一人として、この時代にオペラに取り組むためのテーマを持って臨んでいます!
 
 
<コンスタンツェ>
海賊にさらわれトルコの後宮に幽閉されてしまったコンスタンツェ。しかし、恋人ベルモンテへの愛の忠誠は揺らぐことはなく、太守セリムからの求愛にも毅然とした態度をとります。
今回の公演の最大の注目のひとつ。ヨーロッパで活躍する実力派の新星ソプラノふたりがコンスタンツェ役にて揃って二期会オペラ主演デビューを果たします!
 

松永知史 (まつなが ちふみ)
11月22日(木)・24日(土)出演

すでにドイツ・ミュンヘンで『ラ・ボエーム』のミミを50回以上も演じた実績を誇る松永。2015年には東京二期会『ダナエの愛』ダナエ役のカヴァー・キャストを務めて、いよいよ今回が本役デビューとなります!

《役柄について》
松永: 私の思うコンスタンツェは、とても正直な女性です。恋人ベルモンテへの一途な愛を貫くだけでなく、セリムの自分への愛に対しても、ごまかすことなく、正直に向き合います。自分の葛藤や感情を隠そうともしないし、隠せない。へりくだりもしないし、屈しない。どの人間に対しても真っすぐ向き合う彼女に、真の強さと高貴さ、そして人としての純粋さを感じます。

《コンスタンツェの見どころ・聴きどころ》
松永: コンスタンツェは、自分の愛の在り方を貫くために苦しみながら闘う。一方で、ブロンデは起きたことを受け入れ、その中から楽しみや良いこと探しをしてポジティブに生きる女性です。
その各々の異なる生き方への哲学や、敵から受けた憎しみに対し、同じ憎しみではなく許しと無償の愛という選択で、このオペラをハッピーエンドにしたモーツァルトのねらいや時代背景に思いを馳せながら、彼の音楽に隠れ潜んでいるたくさんのメッセージを探していただくと、よりオペラならではの楽しみを味わっていただけるのではと思います。

《『後宮からの逃走』テーマ、メッセージ》
松永: かたちの違うたくさんの愛と、生き方のスタイルがあります。どれが正しく、間違っているわけではない。その中で、憎しみを受けたとき、同じ憎しみで返すのではなく、どう返すことが愛で、私たち皆の幸せにつながるのかというテーマを、時が経っても、モーツアルトが今の時代を生きる私たちに、改めて強く問いているような気がします。
 

安田麻佑子 (やすだ まゆこ)
11月23日(金・祝)・25日(日)出演

パリを拠点に活躍する安田。フランスでの十分な実績をもって、今年3月、国内での本格的なオペラデビューとなった神奈川県民ホール・オペラ・シリーズにて宮本亜門演出『魔笛』夜の女王を好演したばかり。新たなモーツァルト歌手、コロラトゥーラの新星として、満を持してのコンスタンツェのお披露目となります。

《役柄について》
安田: コンスタンツェは、スペイン貴族ベルモンテの婚約者です。
質の良い教育を受けて、大事に育てられた箱入り娘なのでしょう、思慮深く真面目で誠実な若い娘ですが、少し悲劇的でネガティブ思考な所があり、頑固な性格です。
イギリス人の召使いブロンデには、いつもあきれ顔をしつつ、内心彼女のように楽天的で明るく生きて行けたらどんなに良いだろうと羨ましく思っています。

《コンスタンツェの聴きどころ/観どころ》
安田: 突然捕らえられ、遠い異国の宮殿へ売り飛ばされてしまった自分の運命を半ば絶望しながら、それでも太公セリムに対して臆する事なく強気に振る舞っているコンスタンツェは、アリアの中でそんな自分の感情を抑えきれなくなったのか、一瞬発狂してしまったのかと思うほどのコロラトゥーラ技法を使ってその心情を歌います。声楽的にもドラマ的にもとても難しい役です。
性格の明るいおきゃんなブロンデとは、同じ境遇に置かれても受け止め方が全く違うのです。この2人の性格対比も観どころの1つだと思います。
ベルモンテとコンスタンツェ、ペドリロとブロンデが再会する喜びの4重唱や、後宮からの逃走を試みるもセリムに捕まってしまった時、死を覚悟する若い2人の2重唱など、はっとするほど美しい音楽はお客様にたっぷり聴いていただきたい所だと思いますし、私自身もそれが楽しみです。

《このオペラのテーマ、メッセージ》
安田: 突然自分が異国の太公へ売り飛ばされるというとんでもない非日常。婚約者の迎えは来るのか、来ないのか。無事に後宮から逃げられるのか、一生ここで過ごすのか。
海賊に捕らえられたのち異教の国に売り飛ばされるという物語の始めの部分は、そら恐ろしさを思い浮かべてしまいますが、売り飛ばされて着いた先は豪華絢爛な宮殿で、太公セリムはコンスタンツェに愛を打ち明ける……
どんな状況下でも逞しく順応する力のある女性がいる一方で、コンスタンツェは、生き別れた婚約者ベルモンテとはまた会えるのかすら分からないにもかかわらず、頑なに彼に忠実でいようとするのです。
果たして自分だったらコンスタンツェの様に絶望するのか、それともブロンデの様に楽観するのか。それを考えながらこのオペラを観るのもまた楽しいかもしれません。
 
 
▼『後宮からの逃走』公演情報ページはこちら
2018年11月公演 W.A.モーツァルト『後宮からの逃走』 - 東京二期会オペラ劇場

 2018年11月22日(木)18:30、23日(金・祝)14:00、24日(土)14:00、25日(日)14:00 日生劇場
 指揮:下野竜也、演出:ギー・ヨーステン、管弦楽:東京交響楽団、合唱:二期会合唱団
 〈主催〉公益財団法人東京二期会
 〈共催〉公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】

●お問合せ・チケットのご予約は
 二期会チケットセンター 03-3796-1831
 (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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