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【『魔弾の射手』キャスト・インタビュー】 マックス役 テノール片寄純也~「マックスの心の苦悩をうまく表現できたら」
(二期会オペラ名場面集付)

類まれなる雄雄しい声をもって、2002年『ニュルンベルクのマイスタージンガー』での二期会デビュー以来、数々の舞台に出演してきたテノール片寄純也。特に2010年代以降の二期会公演での活躍が目覚しく、2011年『サロメ』ヘロデ、12年『パリアッチ(道化師)』カニオ、同年『パルジファル』題名役、16年『ナクソス島のアリアドネ』バッカスと、いずれもその持ち味が存分に活かされた役を歌ってきました。
同時に、『サロメ』のペーター・コンヴィチュニー、『パルジファル』のクラウス・グート、『ナクソス島』のカロリーネ・グルーバーら世界的演出家との協働も成功させてきました。
本年7月の『魔弾の射手』マックス役に向けて、話を聞きました。


片寄純也

     *     *     *

――『魔弾の射手』のマックスはどのような役ですか?

片寄: マックスは若い射撃の名手ですが、最近、調子を崩し深刻なスランプに悩んでいます。愛するアガーテと結婚するためには射撃大会で優勝することが条件でした。不安な気持ちでいっぱいのマックスに悪魔に魂を売った同僚の猟師カスパールが魔弾を使えと誘惑し、その誘惑に負け魔弾を手に入れてしまいます。
 
 
――ワーグナーやR.シュトラウス作品の役とくらべて、マックスはどのような印象がありますか?

片寄: 私はウェーバーという作曲家はモーツァルトからのドイツオペラの伝統を引き継ぎ『魔弾の射手』を作曲しドイツ・ロマン派オペラを確立、後のドイツ・ロマン派オペラの頂点と位置付けられているワーグナーに多大な影響を与えた人物として認識していました。
今回、『魔弾の射手』の譜読みを進めていくと、確かにマックスの歌うアリアの中にもモーツァルトが作曲した『魔笛』やワーグナーが作曲した『さまよえるオランダ人』に似たところがあり、とても興味深かったです。
お客様にもお聴きいただければ、きっと私と同じように感じてもらえると思います。
 
 
――では、『魔弾の射手』の見どころ、聴きどころを。

片寄: マックス、アガーテ、カスパールにも素晴らしいアリアがありますが、やはり3幕で男声合唱が歌う『狩人の合唱』でしょう。一度耳にすれば、すぐに口ずさむことができるくらい親しみやすい明るい曲で一番の聴きどころではないでしょうか。
 
 
――コンヴィチュニー演出の魅力は?

片寄: コンヴィチュニーさんとは2011年『サロメ』でご一緒させていただきました。ふつう、テノール歌手というのは、演じながらも声の出方がすごく気になるものなのですが、『サロメ』の時は与えられた演技をこなしていたらいつの間にかオペラが終わっていた記憶があります。それだけ演じることに集中させてもらえたので、今回も楽しみにしています。
 
 
――最後に、お客様にむけて。

片寄: 不安、絶望、嘲笑、拷問など、マックスの心の中に次々と浮かんでくる「苦悩」がうまく表現できるよう稽古に励みます。ご来場お待ちしております!

     *     *     *

ワーグナー作品を中心にヒロイックな声が求められる役を、著名演出家の舞台で重ねてきた片寄。そうした意味で、今回の『魔弾の射手』マックスは、最新の片寄純也を体感する絶好の機会となるでしょう!

片寄の出演日は、7月18日(水)と21日(土)。良いお席はどうぞお早目に。

▼『魔弾の射手』公演情報ページはこちら
《ハンブルグ州立歌劇場との共同制作》 C.M.v.ウェーバー『魔弾の射手』 - 東京二期会オペラ劇場

 指揮:アレホ・ペレス、演出:ペーター・コンヴィチュニー、管弦楽:読売日本交響楽団
 2018年7月18日(水)18:30、19日(木)14:00、21日(土)14:00、22日(日)14:00 東京文化会館大ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
   (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

 
 
【テノール片寄純也 東京二期会オペラ 名場面集】


 2011年2月 R.シュトラウス『サロメ』ヘロデ役(後列中央)〔撮影:鍔山英次〕


 2012年7月 レオンカヴァッロ『パリアッチ(道化師)』カニオ役(左から2人目)〔撮影:三枝近志〕


 2012年9月 ワーグナー『パルジファル』パルジファル役(中央)〔撮影:三枝近志〕


 2016年11月 R.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』バッカス役(中央後)〔撮影:三枝近志〕
 
 

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アンドレア・バッティストーニ指揮『ナブッコ』公演を振り返る

2月中旬、24歳の指揮者、Andrea Battistoniが、イタリアから来日、会う人すべてを魅了した3日間のオペラ公演『ナブッコ』。
▼『ナブッコ』公演詳細
オペラ公演ラインアップ 2012年2月公演「ナブッコ」 - 東京二期会
イタリア、パルマ王立歌劇場との提携公演が決まり、二期会の機関誌「二期会通信」Vol.288で紹介された、バッティストーニのインタビューでは、音楽に対する真摯な姿勢、そしてその若さでイタリアの主要な劇場、フェスティバルを次々と制覇し、パルマ歌劇場の首席指揮者をつとめるという経歴に、驚かれた方も多いでしょう。
▼「二期会通信」Vol.288掲載インタビュー記事
超新星 アンドレア・バッティストーニに聞く - オペラを楽しむ|東京二期会
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実際に彼が来てからはまさに旋風。ひとたび指揮台に上がれば、その眼に、「吸い込まれるようだ」と教えてくれた若い歌手勢。音楽稽古、通し稽古、オーケストラとの練習、舞台稽古と、ごく短期間の限られた回数のうちに、舞台裏から熱い空気が伝わってきたのです。
「聴きましたか?」「あの指揮者すごいです」「合唱がいいって」「若い!」・・・『ナブッコ』に命を吹き込んだ2週間。ゲネプロ(総通し稽古)を聴いた前理事長は、「たまげたね!」と絶賛。バッティストーニがもたらした音楽への情熱、時を共有する喜びに沸いた一瞬。オペラはやはり、劇場で作られるもの。
バッティストーニの音楽を聴いた人は、自分の中の何かが変わる気がしたのではないでしょうか。
二期会の若い歌手の力を最大限に引き出し、聴かせてくれた功績も大きい。

公演評、舞台写真とともに、この名舞台を振り返ります。
<舞台写真はクリックで拡大表示します>
★2月17日・19日組(撮影:三枝近志)
☆2月18日組(撮影:野村正則)

タイトルロールのナブッコ王を堂々と演じ、存在感も増した上江隼人。5月には、パルマでのバッティストーニの指揮によるヴェルディ『スティッフェリオ』のスタンカー伯爵に抜擢され、7月には、東京二期会オペラ劇場『パリアッチ(道化師)』のトニオで出演します。




ヴェルディ・オペラに欠かせない自尊心が高く美しい女性アビガエッレを歌った岡田昌子。
上江、岡田が五島記念財団の奨学金をダブル受賞しました。


ザッカーリアを歌ったジョン・ハオ。
気高さを感じさせる美声に長身痩躯で衣裳も映えます。この存在感、今後も貴重なバスの一人として、オペラの舞台を担っていくことでしょう。合唱は二期会合唱団。完成度の高い凝縮した響きで深い感動を呼びました。


中島郁子のフェネーナ。
ひとつひとつの表現、たたずまいが美しく、安定していました。


アビガエッレのドラマティックな音色と性格は、このオペラの非常に重要な要素。
このキャラクターは、ヴェルディのこの後の作品に通じていく魅力でもあります。
若手の多かった今回のプロダクションにおいて、イタリアオペラを数多く経験している板波利加がびしり、と引き締めました。


ナブッコ王を演じる若手バリトンの青山 貴。
この公演を通してまた大躍進。5月の東京オペラシティB→Cも期待され、今後が楽しみです。


そして、バッティストーニ。
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「柔軟な身体、楽想の転換時にも揺るがないリズム感、芯のあるフォルテシモなど、どこも魅力的」(読売新聞・沼野雄司氏)
「傑出した才能は序曲だけでも明白で、合唱団にも緻密な指示を送り、緩急自在のダイナミックな音楽」(音楽の友4月号・水谷彰良氏)。
そして熱い拍手を送ってくださったご来場の皆さま、ありがとうございました。

〜本公演のラジオ放送(予定)が決まりました〜(4/11追記)
放送局・番組名:NHK-FM オペラ・ファンタスティカ
放送日時:4月27日(金) 14:00~18:00
▼番組ホームページはこちらをご覧ください
オペラ・ファンタスティカ - NHKオンライン

帆かけ舟

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オペラと楽しむトリュフディナー

今年創立60周年を迎える二期会が、オペラや声楽の新しい楽しみかたをご提案する「オペラと美食のコラボレーション」シリーズ。
来たる2月9日(木)には、予約が取りにくいことで有名なフレンチレストラン「銀座シェ・トモ」での魅惑の宴が実現します。
店内は、女性に大人気なのもうなずける素敵な雰囲気。
▼紹介記事
オペラと楽しむトリュフディナー
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- GraziaWEB

お食事に先立つステージに登場するのは、7月の『カヴァレリア・ルスティカーナ』トゥリッドゥ役の大澤一彰と『パリアッチ(道化師)』ネッダ役の嘉目真木子。
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両作品からのアリアを披露するほか、十八番のアリアも熱唱します。
そしてサービスされるのは、オーナーシェフ市川知志(いちかわ ともじ)氏が腕をふるう、この日のためだけのトリュフずくしのスペシャル・ディナー!
大切な人との大切な時間を極上の音楽、お食事とともにゆったりと過ごしていただく...
最高に贅沢なくつろぎとやすらぎのひとときをお愉しみください。

▼ディナーのお申し込みはこちらから
オペラと楽しむトリュフディナー - 銀座シェ・トモ
限定32名様までの特別企画につき、お早目のお申し込みをお勧めします!
▼こちらでも今回コラボレーションの内容をご覧になれます。
・トリュフ料理とオペラを楽しめる贅沢なイベント開催「銀座シェ・トモ」が2月9日に - 日経レストランONLINE
▼「カヴァ/パリ」公演詳細はこちら
1月19日(木)先行予約開始!『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会

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ウィーン国立歌劇場で活躍の甲斐栄次郎 TV出演情報

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ウィーン国立歌劇場秋のシーズン、ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』の公演が9月3日に初日を迎えます。
劇場の専属ソリストとして活躍するバリトン甲斐栄次郎は、今回も存在感あるパオロ役を演じますが、共演はシモン役にプラシド・ドミンゴ、フィエスコ役にフェルッチョ・フルラネット、アメーリア役にバルバラ・フリットリと非常に豪華な布陣!
指揮は東京二期会2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』で指揮するパオロ・カリニャーニです。

今年、甲斐は6月に新国立劇場『蝶々夫人』シャープレス、7月に故郷熊本での初の本格的リサイタルで一時帰国し、久しぶりに日本のファンを魅了しましたが、11月の東京文化会館50周年記念『古事記』イザナギにも出演致します。
その『古事記』が9月5日(月)のテレビ朝日の東京情報番組「東京サイト」で紹介される予定。甲斐の稽古の様子とコメントが放送されます!是非ご覧ください!

▼ウィーン国立歌劇場公演情報(ドイツ語ページ)
Simon Boccanegra - Staatsoper
▼甲斐の国内スケジュールはこちら
甲斐栄次郎 - 二期会21-アーティスト検索

◆東京文化会館50周年記念フェスティバル◆
=記念オペラ『古事記』=
 イザナギ:甲斐栄次郎
 スサノヲ:高橋 淳
 風の神/見張りの神:門間信樹 ほか
▼詳細はこちら
50周年記念フェスティバル 記念オペラ『古事記』 - 東京文化会館

◆テレビ放送予定◆
=テレビ朝日「東京サイト」(関東ローカル放送)=
 9月5日(月)13:55~13:59「音楽の殿堂」
 東京文化会館50周年『古事記』紹介
 ・音楽監督・大友直人氏の紹介、コメント
 ・甲斐栄次郎の稽古の様子、コメント
▼詳しくはテレビ朝日のホームページをご覧ください
番組表 - テレビ朝日(放送日9月5日の欄をご覧ください)

▼2011 年音楽の友9月号カラーページでも大きく紹介記事が掲載されました。
音楽の友 今月号の内容 - 音楽之友社

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