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6月公演『サロメ』~ドイツオペラのテノールの王道を歩む!ヘロデ役・今尾 滋インタビュー

6月公演『サロメ』でヘロデ王役を演じる、テノール今尾 滋。
もともとはバリトンとして十分すぎるほどのキャリアを積んだ後、テノールに転向。とりわけドイツオペラでの活躍が著しく、東京二期会では11年『ドン・ジョヴァンニ』ドン・オッターヴィオを好演。
往年のワーグナー・テノールであるルネ・コロからも絶賛されたという、その硬質できらめくような響きの歌唱は、2013年日生劇場のベートーヴェン『フィデリオ』フロレスタン役でも絶賛され、ドイツオペラのテノールとしての地位を確立しました。
そして、今回、R.シュトラウス『サロメ』の大役ヘロデ王として舞台に立ちます。本公演に向けて、話を聞きました。

 テノール 今尾 滋

      *     *     *

Q. 今回のヴィリー・デッカー演出『サロメ』のヘロデ王は、どのような人物でしょうか。

今尾: 常に「不安である」というのが、ヘロデの特徴だと思います。彼は、先王ヘロデ大王(オペラには登場しないヘロデの父)と違って、自分の実力、能力で王になったわけではありません。それゆえに、将来の不穏さや洗礼者ヨハネ(ヨカナーン)の力を読みぬく勘の良さみたいなものは持っていて、でもいつも自分では決められない、リーダーシップのない、王族の中で例外的に弱い存在だと思います。


2011年11月『ドン・ジョヴァンニ』ドン・オッターヴィオ役

Q. 不安であるがゆえに注意深い、用心深いということでしょうか

今尾: いつも逃げ場を探している、という感じですね。
ヘロディアスのことをもはや愛の対象と見られなくなっていても、その存在には頼らざるを得ない。酒池肉林の宴を催すのも、「これはローマ皇帝からいただいた酒だ」といって権威づけて飲み干すのも、そうした心象のあらわれでしょうし、サロメにあれほどまで迫っていくのも、おそらく現実の不安から逃れたい一心なのではないかと思っています。


2013年 日生劇場『フィデリオ』フロレスタン役
撮影:三枝近志 写真提供:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場]

Q. すでに舞台装置である巨大な階段の上で稽古をしていますが、いかがですか?

今尾: 膝がキツイです(笑)
若い頃は、こんなのなんともなかったのですけど・・・役作りと言いたいところですが、いや、「地」でもう足元が・・・お客様にも、そんな姿を見ていただきたいな、と(笑)。 演出に触れることですが、下手から上手に向かって緩やかに斜め下がりになっていて、単に階段というだけでなく、とても不安定ですよね。ある意味、ヘロデ自身の心象の中で演技をしているような感じかな。わからないですけどね。


2016年9月『トリスタンとイゾルデ』メロート役(中央)

Q. 最後に、着実に拓いきたドイツオペラのレパートリーの道。自身ではどのように考えているのでしょうか。

今尾: もとより、歌手になろうと思う前からワーグナーが大好きだったんですね。声楽を始めてからも、当初はバリトンで、自分の声はワーグナーのバリトン役には合わないな、と思っていました。サントリーホール・オペラ・アカデミーの講師をしていたとき、指揮者のニコラ・ルイゾッティ氏から「君は絶対テノールだ」と言われたことが、私の心を熱く動かしまして、それまでも実は何度か試みてはうまくいかなかった声種転向を、これが最後というつもりでチャレンジしました。すると、テクニックもついてきていたのでしょう、手ごたえを感じることができたのでした。テノールとして最初に歌ったのが『ヴァルキューレ』のジークムントでした。
ドイツオペラのテノールは、内面的な充実があってやりがいがあります。また、やはり自分の声にも合っていると思います。これからも、ワーグナー作品は、もう歌えるだけ歌いたいですし、ベートーヴェンの『フィデリオ』もまた歌いたいですし、そしてリヒャルト・シュトラウスも。理想ばっかりで、すみません(笑)。
ヘロデ、聴きにいらしてください!

      *     *     *

▼『サロメ』の本公演情報はこちらから 《チケット発売中!》
・〈ハンブルク州立歌劇場との共同制作公演〉2019年6月公演 R.シュトラウス『サロメ』 - 東京二期会オペラ劇場

2019年6月5日(水)18:30、6日(木)14:00、8日(土)14:00、9日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/演出:ヴィリー・デッカー/管弦楽:読売日本交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会/〈共催〉公益財団法人読売日本交響楽団

●本公演のお問合せ・チケットのご予約は
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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東京二期会9月公演ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』開幕レポート!
<公演は9月18日(日)まで開催>

9月10日(土)、11日(日)、R.ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』二期会初演が東京文化会館大ホールで開幕致しました!
二期会創立以来64年、ついにこのワーグナーの不朽の名作をお客様にお届けすることができました。多くのお客様のご来場、誠にありがとうございます。
本公演は、残すところ17日(土)、18日(日)の2公演となりました。こちらに初日、2日目の舞台をご紹介します。
★…9/10(レジスター、横山組)/☆…9/11(福井、池田組)
撮影:三枝近志 (写真をクリックすると拡大表示でご覧いただけます)

【第1幕】 アイルランドからコーンウォールへむかう海の上
☆
アイルランド王女イゾルデ(池田香織:左)をコーンウォール王マルケの妃に迎えるため、船を進める英雄トリスタン(福井 敬)。二人の胸の内には、すでに秘められた想いが。
☆
かつてイゾルデの婚約者を倒したトリスタンの英雄伝を語る忠臣クルヴェナール(友清 崇:左から2人目)。
★
物語の最初のカギを握るブランゲーネ(加納悦子:左)。イゾルデの侍女。死の薬を所望するイゾルデ(横山恵子:中央)に渡したのは、愛の薬。
★
愛の薬によって心の鍵が開かれたトリスタン(ブライアン・レジスター:左)とイゾルデ。船はまもなくコーンウォールの港に。
【第2幕】  
☆
マルケ王の妃となったイゾルデ。主人が夜狩に出かけているうちにトリスタンが来るのを待つ。「これは罠です!」と警告するブランゲーネ(山下牧子:右)に対しても…
★
トリスタンとイゾルデによる名曲〈愛の二重唱〉
「降りよ、愛の夜よ…」
見張り塔の上から「お気をつけください、まもなく夜が明けてしまいます!」とブランゲーネ。その警句も、二人にとっては安らかな子守唄のように。
★
マルケ王(清水那由太:左から2人目)の突然の帰還。すべては王の忠臣メロート(今尾 滋:左奥)により仕組まれていた罠でした。
王の嘆きのモノローグ。トリスタンを信じイゾルデを妃に迎えた経緯を語ります。「トリスタンよ、お前の忠誠はどこへ?私は心に深い傷を負った」
☆
嘆くマルケ王(小鉄和広:右奥)に、「あなたにはわからない」とトリスタン。ここで、かつての英雄は、自分が母の死と引きかえに生まれたことを語りはじめ、出生から闇こそが真実であったことを伺わせます。

そして、衝撃の幕切れへ――

【第3幕】  
★
トリスタンの故郷カレオールの城
★
深手を負い瀕死のトリスタン。彼が目覚めると、家来のクルヴェナール(大沼 徹:左)が励まします。「ここはあなたの故郷です。平和で安全な!牧童は今もあなたの羊を飼っていますよ。領民たちはこの城を、この領地を守ってきたのです!」(しかし、牧童はすでに年を増し、城内は何もかもが荒れ果てています)
★
トリスタンの最期のモノローグ。父を喪った過去。戦いが宿命づけられ「英雄」としてでなければ命をつなぎとめることができなかったトリスタン。その「栄光」の人生にあらわれたのがイゾルデでした。
イゾルデの船がカレオールに到着します。再会の期待に、湧き上がる気力とともにトリスタンの肉体から流れ出る血が生気を失わせて…
☆
悔恨のマルケ王。「妄想が苦しみの山を築いてしまった」
☆
自分の仕業のすべてを王に話したブランゲーネ(右)。深い懺悔とそれ以上に深い愛情をイゾルデに。
★
イゾルデの愛の死。
★
初日組のカーテンコールより(撮影:堀 衛)

■お客様の声
「たくさんのきれいな“音”を聴くことができて幸せでした」(20代女性)
「ダブルキャストで聴きくらべができたことが、とにかくすごい事、二期会だからこそ!!舞台がとてもきれいなのも良かったです」(40代男性)
「演出もシンプルながら細かな所まで気が配られており情景の理解が良くできてわかり易く良かった」(70代男性)
さて今週末の残り2公演、17日(土)は福井・池田組、18日(日)レジスター・横山組の出演となります。
最後の最後まで、ワーグナー・オペラの感動をお伝えいたします!
多くの皆様のご来場お待ちしております!

▼公演情報ページはこちら
・2016年9月公演 R.ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』 - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
・二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)

Gettii 《便利!》
◎二期会チケットセンターのオペラ公演インターネット予約【Gettii(ゲッティ)】では、前売券が公演当日の開演1時間前までご予約が可能です!!
チケットはご来場の途中にお近くのセブン-イレブンでお支払&お受取いただけます(※)ので、余裕をもってお越しいただけます!公演直前は大変便利です!是非ご利用ください!!
24時間受付、予約手数料0円。左の「Gettii」ボタンからお進みください。
(※…Gettii予約券は公演会場、二期会チケットセンターでの支払・受取は出来ません)

※※学生席も販売中!※※
『トリスタンとイゾルデ』はもちろん、二期会オペラ公演は28歳未満の学生さんなら2,000円でご鑑賞頂けます!
『トリスタン』が2,000円で観られる最後のチャンス!お急ぎください!
・受付は、公演の前日まで二期会チケットセンター電話(03-3796-1831)のみ。
・事前の決裁が必要です。
▼学生席のお求め方法等、詳しいご案内はこちらをご覧ください。
・学生席について - 二期会チケットセンター

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出演者メッセージ~「二期会サロンコンサートVol.180」ソプラノ西 友加

お待たせいたしました。毎回ご好評いただいております「二期会サロンコンサート」シリーズは、いよいよ来月に2015-2016シーズンの初回を迎えます。
今シーズンの初回はソプラノ西 友加、テノール今尾 滋、バリトン藤山仁志が、素敵な歌の一夜をお贈りします。
今日は公演を前に、出演者を代表して、ソプラノ西 友加よりコンサートに向けてのメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。
      *    *    *
今回は素晴らしい方々と共演させていただく機会を頂き、とてもワクワクしています!
今回のコンサートではイタリア・スペイン・フランスのラテン3国からアリアや歌曲を“いいとこ取り”で集めてみました。
コンサートタイトルはそれぞれの国のイメージを藤山さんと話している中で決まったものです。「情熱=イタリア」「憂い=スペイン」「気品高い=フランス」皆様はそれぞれの国にどんなイメージをお持ちでしょうか?
スペインの作品というのは演奏されることは多くはないですが、スペイン語の持つ独特な色っぽさや、内から燃え上がる鼓動のようなリズム感等は、初めて聴く人にも親しみやすく、ぜひ一度触れていただきたいと思います。イタリア・フランスの作品も、その国らしさを存分に楽しんでいただける曲ばかりです。
「情熱と憂いと気品高い愛」の世界を、是非聴きにいらしてください!
  ―― ソプラノ 西 友加
      *    *    *

salon180_thumb.jpg ■■■ 公演情報 ■■■
二期会サロンコンサート 2015-2016シーズン
Vol.180 情熱と憂いと気品高い愛を求めて
~イタリア・スペイン・フランスの音楽から~

日時:2015年6月4日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン パウゼ
料金:全席自由 3,500円(税込・ワンドリンク付)
出演:西 友加(ソプラノ)、今尾 滋(テノール)、
   藤山仁志(バリトン)、安田有里(ピアノ)

▼予定演奏曲等、コンサート情報ページはこちら
・二期会サロンコンサート 2015-2016シーズンラインアップ - 東京二期会

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「二期会サロンコンサート」新シーズンの幕開けは6月4日!

二期会ならではの実力歌手の出演と充実の演奏内容で、毎回大好評の「二期会サロンコンサート」も2015年の新たなシーズンを迎えます。
〈2015-2016シーズン〉の幕開け、通算第180回となる今回は、これからの活躍がますます期待される新進気鋭のソプラノ西 友加、二期会オペラをはじめ、数々のオペラ公演で主要な役をこなすテノール今尾 滋、安定した歌唱で各方面での活躍をみせるバリトン藤山仁志によるコンサート。
この3人での共演は今回が初めてとなりますが、今回のテーマにもあるイタリア・スペイン・フランスの音楽から、それぞれが得意とするオペラアリアや歌曲をお届けします。
アットホームな空間の中で贅沢で優雅なひとときを、皆さまどうぞお楽しみください。

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西 友加
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今尾 滋
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藤山仁志
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安田有里

PDFちらし
■■■ 公演情報 ■■■
二期会サロンコンサート 2015-2016シーズン
Vol.180 情熱と憂いと気品高い愛を求めて
~イタリア・スペイン・フランスの音楽から~

日時:2015年6月4日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン パウゼ
   (地下鉄 表参道駅A1出口より徒歩2分)
料金:全席自由 3,500円(税込・1ドリンク付)
出演:西 友加(ソプラノ)、今尾 滋(テノール)、
    藤山仁志(バリトン)、安田有里(ピアノ)
予定演奏曲目:
   トスティ 「君なんかもう」
   ララ 「グラナダ」
   プッチーニ 〈オペラ〉『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」
   グレーロ 〈サルスエラ〉『はやぶさ』より「私の村」
   ビゼー 〈オペラ〉『真珠採り』より「聖なる神殿の奥深く」
                         ほか

チケットは3月4日(水)より販売開始!
今回も売り切れ必至です。どうぞお早めにお求めください!
▼お問合せ・ご予約は
・二期会チケットセンター 03-3796-1831

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扉の向こうのドン・ジョヴァンニ、時を超えて、交感する

東京二期会オペラ劇場2011年11月公演『ドン・ジョヴァンニ』は、ベルリン、シュトゥットガルト、ウィーンでキャリアを積み、ドレスデン歌劇場、ウィーン国立歌劇場等、一流の歌劇場で活躍を続ける演出家カロリーネ・グルーバーを迎え、11月23日にライン・ドイツオペラ(デュッセルドルフ/デュイスブルク)との国際共同制作のプレミエ公演が東京・日比谷の日生劇場で幕を開けました。
1カ月以上に及ぶ濃密な稽古の成果を発揮し、観客の心を揺さぶるメッセージ性の強い舞台となりました。
話題の多かった今回の公演を、舞台写真と共に、振り返ります。
★11月23・26出演組(撮影:鍔山英次)
☆11月24・27日出演組(撮影:三枝近志)
☆

☆
ドン・ジョヴァンニ(宮本益光)の屋敷に迷い込んだ、マゼット(近藤 圭)とツェルリーナ(盛田麻央)。皆、生きている時代の異なる人々。後ろでは、ドン・ジョヴァンニが次々と女性と出会っては消えていく。レポレッロは大塚博章。

☆
目に飛び込んでくるのは、アーノルド・ベックリンの「ユリウスとカリプソ」をモチーフにした大きな絵。
ドン・ジョヴァンニとは誰なのか?

★
奇妙な晩餐会。
テーブルにつくのは左からマゼット(北川辰彦)、レポレッロ(久保和範)、ツェルリーナ(嘉目真木子)。

☆
ドンナ・アンナ(文屋小百合)の父、騎士長(斉木健詞)はドン・ジョヴァンニに殺されてしまいます。婚約者のドン・オッターヴィオ(今尾 滋)が慰めますが、聞き入れる風ではありません。

★
sentire odor di femmina...
女の匂いがする。ドン・ジョヴァンニ(黒田 博=写真右)は鼻が効くのです。
現れるのは、ドンナ・エルヴィーラ(佐々木典子=写真左)。

★
レポレッロ(久保和範=中央)のカタログの歌。
Madamina, il catalogo è questo
7つの扉から出入りする登場人物。異なる時をつなぐ扉です。
1887年、1813年、1789年、1848年、…と年号が書かれていました。

☆
Il labbro è mentitor, fallace il ciglio!
唇は嘘つきで、目は偽り。
ドンナ・エルヴィーラ(小林由佳)は、ドン・ジョヴァンニを忘れることはできないのです。
愛の深さと気丈さと執着心は紙一重。魅力的なドンナ・エルヴィーラ像を見せてくれました。

☆
Poverina, poverina! 「可哀そうに!」
このいい男ぶり。

★
父を殺したのはドン・ジョヴァンニと知りつつ、魅かれているドンナ・アンナ(増田のり子=左)にCosa è stato? 「どうしました?」と暢気に聞くドン・オッターヴィオ(望月哲也=左から2番目)。
2人は同じものを見ても、まるで別の景色、なのですね。
しかし、ドン・オッターヴィオをここまで豊かに聴かせてくれる歌手もそう多くはいないです。
ドンナ・アンナには見えなかったとしても。

★
ドンナ・アンナが歌う強烈なアリア。
Era già alquanto avanzata la notte, 「私が夜一人でいるときに」
紗幕の後ろで、ドンナ・アンナとドン・ジョヴァンニの逢瀬が映ります。
真実はどちら? まるで、羅生門のような。

☆
ドン・ジョヴァンニは、ツェルリーナを誘惑します。
こちらもマゼットという新婚の夫がいますが、その魅力には抗しきれず。

★

☆
マゼットがツェルリーナの存在を無いもののようにして踊る中、Batti, batti, 「私をぶっていいから仲直りしましょう」というツェルリーナのアリア。
この複雑な演技をしつつ、アリアを歌うという、離れ技。

★
リベルタゲーム。Viva la liberta! 「自由万歳!」
びわ湖ホール公演では客席から参加してくださった方がいらっしゃったとか。

★
登場人物それぞれにカリプソの絵が降りてきます。
人は待ち望み、憧れずにはいられない。

★
騎士長の亡霊は、今回は“正しき人”として現れます。
長谷川 顯の堂々とした終幕の存在感。

★
地獄に落ちたドン・ジョヴァンニですが、また出てきて笑っています。
すると、ドンナ・アンナも、ドンナ・エルヴィーラも、ツェルリーナも服を脱ぎ捨てて、
花嫁のようなベールをまとって嬉しそうに踊る、というのは一体、何を表しているのでしょうか。

☆
ハッピーエンドとも取れますが、解けない謎を残したとも。
皆様の心に、ドン・ジョヴァンニと、彼をめぐる人々に思いが残れば、幸せに思います。

マエストロ沼尻竜典と、共に奏でたトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズに支えられた公演でした。
ご来場ありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

そして、日生劇場で4回の公演の後、12月4日に びわ湖ホールへ。
びわ湖ホールの公演当日は、良く晴れて、京都に向かう新幹線の窓から、虹を見ることができました。
びわ湖畔の山々も美しい紅葉に染まっていて、初冬ながら、おだやかな日曜日。
東京公演の様子も風の便りに伝わっていて、「何や観に行こか」という空気が柔らかい。
以下、びわ湖雑記。

前を歩いていた若いカップルの会話。
「ドン・ジョヴァンニの話は知っとるか?」
「知っとぅよ。女たらしが地獄に落ちる話やろ?」
この明快さ。一本!
京都市営地下鉄「蹴上」から「浜大津」に向かう途中。
「あぁ、しんど」「今日は日曜や」「今からアベック出てくる時間や」
京の女子高生恐るべし。

帆かけ舟

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