2014年09月11日のエントリー

二期会『イドメネオ』演出ダミアーノ・ミキエレットからごあいさつ

いよいよ明日開幕!
開幕前日は、私たちスタッフも、思わず胸が高鳴ります!
さて、先日9月7日に実施した「ダミアーノ・ミキエレットのプレトークon USTREAM」はご覧いただけましたでしょうか?
「オペラは、国や言葉の壁を越えて、人間の本質に迫るテーマを多くの人に伝えることができる」静かながら情熱のこもった口調から、ミキエレット氏の、オペラという芸術にかける想いや信念を強く感じました。
ミキエレット氏からのごあいさつは、当日の映像でどうぞご覧ください!

9.7.ダミアーノ・ミキエレット『イドメネオ』プレトーク on USTREAM
みなさん、こんにちは。ダミアーノ・ミキエレットです。今回この東京での『イドメネオ』の演出のためにヴェネツィアからやって来ました。
私が仕事で日本に来るのは2回目になりますが、来る度に、ヨーロッパとの違いから、日本の都市は特殊だということを思います。ヨーロッパとの違いがたくさんあるということもありまして、日本のみなさんと接し、日本の皆さんのメンタルな部分を知ることはとても興味深いです。
私がオペラの稽古をしていく段階で大切にしているのは、歌い手と話をすることです。それによって歌い手がどんな人間性なのかを知ることができ、観客のみなさんにどんなことを伝えるのかのヒントにもなります。
今回この『イドメネオ』の舞台は新国立劇場で上演されます。観に来て下さる方には、ドラマの中にある人間性のクローズアップを観ていただきたいです。何年も前に書かれた作品ですが、私たちの持っている苦しみ、問題、夢、そういったものを表現したいのです。
とにかくこの劇場に観に来てほしいです。感じてほしいのはまずモーツァルトの音楽、そして音楽と共にストーリーを語っていくというとてつもなく素晴らしい形式の芸術を体験していただきたいと思います。
オペラを観に来てもわからないと思っている人も、クオリティーの高いものであれば、芸術は、特にオペラは音楽を媒介にしていることもあって、人種や言語を越えて通じるものがありますから、ぜひおいでいただきたいと思います。
このオペラは、実際はギリシャ神話をもとに書かれています。これはモーツァルトの他のオペラとは違う状況です。しかし神話に登場する人や時代ではなく、現代にうつしても問題のない時代背景を持った作品がこの『イドメネオ』だと思っていますので、そのように演出しています。
このお話では、戦争(=破壊や苦しみ、勝者と敗者との差)が終わって王イドメネオが帰還するときに、彼の乗った船が嵐で沈没しようとします。そのときに王は、海岸で初めて会った人を殺せば助かるという約束を神とします。それで生きのびることができます。
王が初めて会うのが息子イダマンテです。ここでパラドクスが生まれます。どうして人はたくさんいるのに自分の息子を殺さなくてはならないのか?ここにドラマがあるのです。
イダマンテにとっては、父との対立、これが彼を成長させます。自分を自由にし、解放し、恐怖に打ち勝ち、父からも解放されて、彼は王になるのです。
このオペラの中にはもう一つの物語、愛の物語があります。イダマンテはイリアを愛しています。しかし彼女は敵の国の王女で、さらに、父がイダマンテと結婚させたいのはエレットラ――ここにも父の望みと息子の願望との対立があるのです。
今回神話的なものは脇に置き、時代背景も特定のものは設定していません。一番描きたかったのが父と子の対立です。子にとって父は、絶対に間違うことのない、神のような存在と捉えられます。子の目から見れば、親は身体的に大きいだけでなく、正しくても間違っていてもその意見は絶対であり、神に通じるものがあります。
息子が成長してくると、身体的には背が大きくなってきますし、それに従って対立がうまれてきます。父の言うことに疑問を持ったり批判したりするようになります。
時が過ぎ、子が成長し、子が親になっていく――父が子に伝えたいこと、子が拒否したいことがあり、「それは親の人生の一部であって、自分の人生ではない」という対立が時には苦痛を伴うものであり、そのサークルが続いていくのです。
『イドメネオ』の中で語られるのは愛です。愛を得るための困難な状況、恐怖心に打ち勝つということがテーマです。
日本のお客様に、声、ハーモニー、想像力を伴う音楽を感じてもらいたいと思っています。音楽は言葉の壁を越えて心に通じるものですので、ぜひおいでいただきたいです。

▼公演詳細はこちらをご覧ください。
2014年9月公演モーツァルト『イドメネオ』 - 東京二期会
 9月12日・13日・14日・15日 新国立劇場オペラパレス
▼チケット情報・お申込みはこちら!
二期会チケットセンター TEL.03-3796-1831
 D席は全日程完売!14日・15日のA席が残りわずかとなりました!
 《電話予約は各公演の前営業日まで、ネット予約は公演当日開演1時間前まで》
▼公演当日の情報はこちら
9月公演W.A.モーツァルト『イドメネオ』~公演当日のごあんない

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ソプラノ板波利加がロンドンでチャリティ・ソロコンサートに出演

7月の二期会ゴールデンコンサートではそのドラマティックな声を聴かせてくれた、ウィーン在住のソプラノ板波利加より便りが届きましたので、ご紹介いたします。
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   *    *    *
現在私はウィーン在住ですが、イギリスのエージェントから急にお話を頂き、ボスニアへのチャリティとして、9/15(月)にイギリスで「板波 利加・ソロコンサート」を行うことになりました。場所はロンドンのボスニア・ヘルツェゴビナ大使館です。
ボスニアからは東北大震災の時に温かい支援を受けたそうで、この夏に大水害にあったボスニアに今度は日本から支援をということで、チャリティコンサートを3回に分けて開催するそうです。
第一回目はソプラノの鮫島由美子さんだったそうで、第二回目は私にお声を掛けて頂きました。
私にお話がきた理由は「二期会のプリマである」ということだそうで、チラシやホームページ宣伝にもそのように掲載されております。エージェントのホームページ、ロンドンの「コンサートダイアリー」という有名なサイトのホームページにすでに宣伝されております。
Sep.15th 7:00 Rika Itanami Opera Aria Charity Concert - mcsyaf.com
Embassy of Bosnia Herzgovina, London - Rika Itanami(soprano dramatico) and Yoshio Hamano(piano) Charity Opera Aria Gala - Concert Diary
また、ロンドン・ボスニア大使館ホームページ、近日中に毎日新聞にも記事が載るそうです。
チャリティコンサート出演は初めてですが、日本の、そして二期会の歌手として、愛のある歌を精一杯歌いたいと思います。

ウィーンにて 板波 利加

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9月公演W.A.モーツァルト『イドメネオ』~公演当日のごあんない

いよいよ明日、9月12日(金)から新国立劇場オペラパレスにて、W.A.モーツァルト作曲オペラ『イドメネオ』が開幕します!
こちらに公演当日についてのご案内を致します。

《ウィーン・オリジナル・プロダクション》アン・デア・ウィーン劇場との共同制作
東京二期会オペラ劇場 2014年9月公演 W.A.モーツァルト作曲 『イドメネオ』 オペラ全3幕
<日本語字幕付原語(イタリア語)上演>
指揮:準・メルクル/演出:ダミアーノ・ミキエレット
当日券と公演タイムテーブルのご案内
9月12日(金)
9月13日(土)
9月14日(日)
9月15日(月・祝)
当日券
S,A,B,C
S,A,B,C
S,A,B,C
S,A,B,C
当日券販売開始
14:00~
14:00~
12:00~
12:00~
開場
14:30
14:30
12:30
12:30
開演
15:00
15:00
13:00
13:00
第1・2幕
約90分
休憩予定時刻
16:30~16:55
16:30~16:55
14:30~14:55
14:30~14:55
第3幕
約70分
終演予定
18:05
18:05
16:05
16:05
新国立劇場
=アクセス=
<鉄道>
京王新線(都営地下鉄新宿線直通)=「初台駅」中央口(新国立劇場口)直結

お車・バスなどでご来場のお客様は新国立劇場ウェブサイトをご覧ください
>>アクセス - 新国立劇場

※販売状況により券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

《便利!》
◎二期会チケットセンターのオペラ公演インターネット予約【Gettii(ゲッティ)】では、前売券が公演当日の開演1時間前までご予約が可能です!!
チケットはご来場の途中にお近くのセブン-イレブンでお支払&お受取いただけますので、余裕をもってお越しいただけます!どうぞご利用ください。
▼公演案内ページにある【ゲッティへGO!】ボタンをクリックしてお申込ください
 ↓↓↓こちら↓↓↓
2014年9月公演 『イドメネオ』- 東京二期会オペラ劇場

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