国内外で活躍し、最近ではドイツ・マインフランケン劇場『ニクソン・イン・チャイナ』を手掛けました。
東京二期会では2015年の『ジューリオ・チェーザレ』で振付を務め、今年は『セルセ』に続く8月の『ルル』では振付を担当するとともにソロダンサーとして出演を予定しています。
5月の公演に向けて、二期会の新進オペラ歌手、そして古楽界の世界的マエストロ鈴木秀美とともに、ヘンデルの世界をどのように舞台化するのでしょうか。メッセージをお聴きください!
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』演出の中村 蓉です。
ヘンデルの音楽は、とってもキャッチーですよね!
振付家なので、ふだんいろんな音楽に合わせて踊るんですけど、私にとっては、わかりやすくて、イメージしやすい、情景が浮かびやすい音楽です。
今、指揮の鈴木秀美さんから、ここでオーボエや金管が入ってくる意味とか、昨日の稽古でも「ここで一拍お休みが入るけども、どういう意味だと思う?」って謎かけみたいにして、教わることが多くて、ああ奥深い……!
今回の『セルセ』のテーマは、「恋愛は、原動力」!
いくつかカットしている曲もあるんですけど、7割くらいは恋の歌。その中に、喜怒哀楽が本当に鮮やかに入っています。
たとえば、恋をして走り出す!みたいな、J-POPでいうと、嵐の「Happiness」!「♬走りだせ~」みたいな前向きな曲もあれば、恋愛にうまくいかなくて、悩んで、悲しいとか。また、恋がうまくいかなくて怒る、っていうちょっと特殊な恋もあります。
私が一番好きなのは、恋の苦しみによって恋や愛が何であるかを悟る、という悟りの境地にまでいっちゃっているアリアっていうのもあって、恋や愛を原動力として進んでいく物語だな、と。aikoの「えりあし」みたいな歌詞だなと思うところもあったり、とても共感しやすく、皆様にも共感していただきやすいオペラに出来たらいいな、と思っています。
「結ばれてハッピー」というよりは、走り出したり苦んだりすることが多くて…それってちょっと、私の好みというか、私の恋愛観だなと思いまして、オペラを演出させてもらえるというのは本当にありがたい機会ですけれども、『セルセ』と出会えたのは、偶然じゃなく、必然の出会いかな、と思ってみたり。自分の恋愛観をこんなに投影できるオペラがあってよかったな、と思ってます。
「オンブラ・マイ・フ」という有名な歌があります。
プラタナスの木にセルセが歌いかけるのですけども、プラタナスって、手のひらの形のおっきい葉っぱの落葉樹なんですけれども、成長が早いから新宿御苑や道や公園やいろいろなところに植わっているのだそうです。
成長が早いことって、このニューウェーブ・オペラにぴったりだな、って思っています。声や身体、もう肉体から出てくる生き生きしたエネルギーを、全力で舞台にあげるオペラにしようと思っております!
今回のキャストの方々は、踊らないともったいないぞって。声はもちろん、すごく個性が身体からにじみ出ていて、役柄以前に人間として個性豊かな方々に、今回集まってもらっているんだと思っています。
プラタナスの木のように、どんどん成長していっている私たちが集結して、とにかく生き生きした、できたら今まで見たことないようなフレッシュな、見て元気になるオペラを。 今、舞台に立てるということの喜びと感謝が伝わるような舞台を作っていこうと思っております。ぜひ春、新しい季節、劇場でお待ちしております。ぜひ見に来てください。
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▼『セルセ』公演情報ページはこちら
・二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2021年5月公演 G.F.ヘンデル『セルセ』 - 東京二期会
2021年5月22日(土)17:00、23日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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