2009年02月14日のエントリー

宮本亜門演出『ラ・トラヴィアータ』の全容が明らかに

遂に宮本亜門演出『ラ・トラヴィアータ』の全容が明らかになった。
12日と13日に澤畑組と安藤組それぞれの1回目の公演が行われた。ヴェルディとデュマ・フィスが同時代人であった19世紀半ば、この『ラ・トラヴィアータ』はまさしく当時の現代劇として、日陰者の人々に目を向けさせた画期的舞台作品であった。宮本亜門演出も現代に生きる同時代人への、メッセージである。
登場人物全てに魂が吹き込まれ、特にかつては、宴会の添え物かアンサンブル上の必要性での色付けに留まりがちであった、ガストン、ドゥフォール、ドビニーたちにキャラクターが正確に与えられている。つまり生きたオペラ芸術は歌唱力については当然のことながら舞台役者以上の演技力と表現力を要求しているのだ。
イタリアオペラはタイトルロールの出来不出来がオペラ全体の水準に直結する。澤畑恵美は過去の豊富な舞台経験を経た今最も充実したヴィオレッタであるが、自己新記録を打ち立てたアスリートのように今回の舞台で更に芸術的完成度を高めた。また、事実上のタイトルロールデビューとなった安藤赴美子を特筆することをお許し願いたい。彼女がこのヴィオレッタ役のためい長い自己研鑽を行ったことは、知る者のみが知る。その努力の成果が見事に花開いた。オペラ歌手とは思えない美しいプロポーションはヴィオレッタの悲劇に切迫感をもたらす。新しきスターの誕生だ。(NY)
公演は14日(土)、15日(日)いずれも14時から。当日券がございますのでお見逃しなく。

2009年2月12日(木)〜15日(日)東京文化会館大ホール
東京二期会オペラ劇場2009年2月公演『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』公演詳細 - 東京二期会
写真入りの記事
【オペラ劇場】12日初日の舞台を特別公開! 宮本亜門演出「ラ・トラヴィアータ」 - MSN産経ニュース
宮本亜門演出「ラ・トラヴィアータ」細やかな人間感情の表出! - classic news:メロディが聴こえるwebサイト

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速報!!〜メゾ・ソプラノ谷口睦美が第19回出光音楽賞を受賞!

主にクラシックの音楽活動を対象に、育成という観点から意欲、素質、将来性などに重きを置き選考される出光音楽賞。
現在第一線で活躍されているアーティストを輩出している事でも知られている出光音楽賞ですが、今年度はメゾ・ソプラノの谷口睦美はじめ、3名の実力派アーティストが受賞しました。
声楽部門では唯一の受賞となる谷口睦美ですが、今後は授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラコンサート」(日時・会場未定)が開催され、この模様はテレビ朝日系で全国放送される予定です。
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<本人からのコメント>
出光音楽賞という素晴らしい賞を頂き光栄に思っております。
そして、今まで私を支えて下さった方々には心から感謝を申し上げたいと思います。
出光音楽賞は新進の音楽家に対して与えられる賞だと伺っております。
今回の受賞を機に、より一層、自分の音楽を高めてゆけるように努力して参りたいと思います。

<参考>
【過去の受賞者】※敬称略、一部掲載(受賞年度順)
声楽:
 勝部太(バリトン)、福井敬(テノール)、木下美穂子(ソプラノ)
指揮:
 沼尻竜典、佐渡裕、大野和士、村中大祐、下野竜也
ピアノ:
 若林顕、大西順子(ジャズ・ピアノ)、梯剛之、松永貴志(ジャズ・ピアノ) 、田村響、小菅優
ヴァイオリン:
 豊嶋泰嗣、竹澤恭子、矢部達哉、樫本大進、庄司紗矢香、神尾真由子
ギター:
 村治佳織、鈴木大介、大萩康司
出光音楽賞 - 出光興産

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