2012年06月08日のエントリー

【レビュー】二期会ニューウェーブ・オペラ劇場公演『スペイン時間』『子どもと魔法』

快晴となった5月19日と20日、新国立劇場中劇場で『スペイン時間』『子どもと魔法』が上演されました。
出演者は二期会オペラ研修所を修了した第51期から第54期の若手歌手の中から選抜。若さとチームワークでお洒落な音楽劇を楽しませてくれました。
装置・増田寿子、衣裳・太田雅公、振付・山田うん、照明・齋藤茂男。演出は加藤 直。
写真撮影:三枝近志(◇…19日、★…20日)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>

『スペイン時間』

時計屋の主人、トルケマダ(左・吉田伸昭)。
時計屋のオルゴール人形はダンサーたち。
時間を表して、時に踊りだします。


市役所の時計の修理に行ってしまって、店に残されたロバ曳きのラミーロ(右から2番目・門間信樹)。


主人の留守に、その妻コンセプション(中村洋美)は、恋人の詩人ゴンザルヴェ(新海康仁)を引き入れます。時間がないのに、ゴンザルヴェは詩作に夢中。


カタルーニャ式大時計に隠れたゴンザルヴェ(高柳 圭)。


もう一人の恋人、ドン・イニーゴ・ゴメス(中・佐原壮也)は大時計にお腹が挟まってしまいます。そこへトルケマダ(左・大川信之)が帰ってきました。


コンセプション(経塚果林)が皆で引っ張りますがドン・イニーゴ・ゴメス(狩野賢一)は出て来られません。


素敵な奥さんだなぁとつぶやくラミーロ(中前・佐藤 望)


最後は登場人物がオルゴール時計の人形に。ちょっと昔の映画みたいな終わり方。

『子どもと魔法』

宿題をしないので、子ども(右・澤村翔子)は、お母さん(左・遠藤千寿子)に怒られます。


中国茶碗(左・福間章子)とティーポット(右・木野千晶)。
子どもが中国茶碗を壊してしまったと言っています。


肘掛椅子(左・岩田健志)と安楽椅子(右・伊藤 光)がお喋り。


子どもの仕草、表情をよく見せて、楽しませた宮澤彩子。
柱時計は吉田侍史。


お姫様(湯浅桃子)が、絵本の中から現れます。
子ども(澤村翔子)は夢のような心持ち。幻想的で美しいシーン。


火(守谷由香)。
コロラトゥーラを駆使して、歌います。
衣裳が燃え上がるように見えました。


子どもが苦手な算数を、おかしなリズムで歌う小さな老人(右前・園山正孝)。
短いシーンですが、カラフルで楽しさいっぱい。


りす(香村寛子)。キョロキョロすばしっこく見る動きなど、とても可愛らしく、ふさふさのしっぽは、楽屋でも人気者だったとか。

ラヴェルの母親は、スペイン系の血筋をひき、バスク出身でした。
『スペイン時間』『子どもと魔法』は、母につながる想い出が散りばめられた作品ともいえます。
フランスから指揮者ジェローム・カルタンバックが来日し、東京交響楽団と共に、若手の演奏を支え、ラヴェル独特のリズム、色彩感あふれる音を繊細に聴かせました。
ニューウェーブ公演を機に、さらに大きな舞台に立ち、お客様と再び素晴らしい時を共にできますように。
ご来場、ありがとうございました。

帆かけ舟

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