2022年02月25日のエントリー

二期会初演!2022年4月プッチーニ『エドガール』~フィデーリア役髙橋絵理インタビュー「プッチーニが愛した繊細で一途な女性像 ―ミミ、蝶々さん、リューのような― がフィデーリアにはあります」

4月公演、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第4弾プッチーニ『エドガール』。キャスト紹介5人目はフィデーリア役で出演するソプラノ髙橋絵理。昨年7月『ファルスタッフ』アリーチェに続いて、大山亜紀子とのダブルでの登場です。
東京二期会では『パリアッチ(道化師)』ネッダでデビュー。その後も、『ホフマン物語』アントニア、『エロディアード』サロメを演じ、持前の清々しく健やかな抒情性をたたえた歌声で、演じる人物のピュアな心情を表現し、高い評価を受けてきました。先日、急遽の開催となった『フィガロの結婚』でも、伯爵夫人を見事務め上げ、賞賛を受けています。 そして、今回のフィデーリア。プッチーニのヒロインに向かう意気込みを聞きました。

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2012年7月 東京二期会オペラ劇場『パリアッチ(道化師)』より ネッダ役

――髙橋さん、おはようございます。

髙橋: おはようございます。

――急遽公演となった『フィガロの結婚』。今回の伯爵夫人では、どのような新しい「発見」がありましたでしょうか。

髙橋: 伯爵夫人はオペラデビューの役であり、そして新国立劇場オペラ研修所の際にも歌わせていただき、節目節目に歌ってきた大事なレパートリーです。今回の宮本亞門さんの演出では、悲しみの中にいる伯爵夫人でも、いつも希望を失わない前向きなキャラクターを目指しました。だからだと思いますが、稽古を重ねるうちに伯爵夫人の生き抜く力、そして逞しさをこんなに深く感じたことがありませんでした。同じ役でもその時々で感じ方が違うのは、演じていて面白い点ですね。

――ファンの方にはぜひ引き続き4月公演『エドガール』にもお越しいただきたいと思います。それでは、フィデーリアは、どのような役、人物でしょうか?

髙橋: フィデーリアの名前の由来は、忠実、敬虔(Fedele a Dio)です。『カルメン』のミカエラに通じるような役どころと思っています。幼馴染みであるエドガールに一途で、エドガールとティグラーナが駆け落ちした後も彼を思い続けます。亡骸となって村へ帰ってきたエドガール(実際は生きていますが)に対して村人が非難しても、彼を庇い、優しく村人を説得する芯の強さもあります。

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2013年8月 東京二期会オペラ劇場『ホフマン物語』より アントニア役

――共同制作『カルメン』でミカエラを演じた経験も、フィデーリアに活かされるのではないでしょうか。それでは、フィデーリアの見どころ、聴きどころのシーンを教えてください。

髙橋: フィデーリアの最も有名なアリア「さようなら、私の甘い愛」です。亡くなってしまった愛するエドガールへの想いを歌うアリアですが、後半に向かうにつれ「天国で待っていてね」と何度も言うフィデーリアの高揚していく音楽に、深い愛情を感じさせられます。

――今回が二期会初演となる『エドガール』。二期会以外でもあまり上演される機会はありませんでしたが、他のプッチーニ作品と比べて、どのような印象がありますか。

髙橋: この作品はプッチーニの2作目のオペラですが、プッチーニ特有の抒情的な音楽はすでに健在で、初めて全幕を聴くお客様にも存分にお楽しみいただけると思います。プッチーニが愛した繊細で一途な女性像のミミ、蝶々さん、リューのようなキャラクターの要素がフィデーリアにはあり、素敵なメロディーが満載です。 また、フィデーリアにはアンサンブルの音楽がほとんどなく3曲のアリアとコンチェルタートのスタイルで描かれています。プッチーニ最後の作品である『トゥーランドット』のリューへ与えられたスタイルとほぼ同じで、大変興味深いです。

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2019年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『エロディアード』より サロメ役

――まさに、プッチーニの人生を貫くヒロイン像がフィデーリアでも描かれようとしているのですね。ところで、渋谷で、髙橋さんおすすめのスポットがあれば教えてください。

髙橋: イタリアンのタロス(Tharros)がおすすめです。前々回Bunkamuraオーチャードホールでの『エロディアード』サロメ役で出演した際に、本番後に家族を連れて行ったことがきっかけで時々伺っています。美味しいですよ!

――最後に、お客様へ向けてメッセージをお願いいたします。

髙橋: 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズは、毎回なかなか上演されない作品に焦点を当てた大変貴重なシリーズです。ぜひプッチーニの素晴らしい作品を、会場にてお楽しみ頂けたら嬉しいです。オーチャードホールでお待ちしております。

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▼『エドガール』公演情報ページはこちら
2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00*、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
*…フィデーリア 髙橋絵理 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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