2009年05月08日のエントリー

“WEBぶらあぼ”サイトから「彌勒忠史×アントネッロ」が聴ける!
ゴールデンコンサート直前情報!

pic_1012_02.jpg 5月10日(日)は、いよいよ
 二期会ゴールデンコンサートin津田ホールvol.25
 「彌勒忠史×アントネッロ」
が開催されます!

コンサートを目前に控え、“WEBぶらあぼ”の音楽配信コーナー“bravissimo!”から、昨年9月に名古屋の宗次ホールで行われた「アントネッロ×弥勒忠史/宗次ホールライヴ2008 "ビバ・チャコーナ!"」のiTunes配信が始まりました!
「彌勒忠史&アントネッロ」のライヴの雰囲気を事前にお知りいただけます。もちろんiTunesですので各曲30秒の試聴もできます。
津田ホールの硬質でストレートな音響は、彼らのパフォーマンスにぴったり。今回のライヴも絶対に聴き逃せません!是非ご来場ください!
▼音楽配信はこちらから(試聴・購入にはiTunesが必要です)
アントネッロ×弥勒忠史/宗次ホールライヴ2008 "ビバ・チャコーナ!" - WEBぶらあぼ|bravissimo!
bravissimo! アントネッロ・フューチャリング・弥勒忠史 宗次ホールライヴ2008 "ビバ・チャコーナ!" - iTunes Store(iTunesアプリケーションが起動します)
▼iTunesのインストールはこちらから
Download iTunes - アップル
▼ゴールデンコンサート公演詳細はこちらから
二期会ゴールデンコンサートin津田ホールVol.25「彌勒忠史×アントネッロ」 - 株式会社二期会21

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「国際共同制作(1)」    オペラの制作現場からーその20

 しばらく〈オペラの制作現場から〉をお休みしていましたが、少し方向を変えたテーマで再開することにしました。よろしくお願いします。
 我が国のオペラは全国で年間千回以上も上演されているにもかかわらず、シーズン制をとって継続的に公演を続けているのは東京の新国立劇場だけという状況です。各都市の中央にオペラ劇場があるオペラ発祥の地欧州のそれとはかなり様相を異にしています。その日本流のやり方を現実としてとらえて、よりよい姿に磨き上げるという発想を持ったのは、オペラとは全く関係のない世界から入ってきて、民間のオペラ制作団体の窮状を実感したからに他なりません。永年の慣習の中で確立していた専門家集団との協業といういわばプロジェクト的な方式は確立していました。しかし財政的なリスクの軽減、オペラの完成度の向上など、団体として目指す方向性ははっきりしているのに、その手段についてはそこ止まりだったのです。これから何度かにわたってお話しするのはそんな状況からのブレークスルーを目指した活動に関する悪戦苦闘の軌跡です。以後何度かにわたって、その軌跡をたどってみましょう。
 二期会では50周年記念公演シリーズを制作した頃から、海外のオペラ劇場と共同制作を進めてきました。その大きな動機は、文化庁が日本のオペラをより大きな視野でレベルアップする方策を模索する中で実現した助成システムがスターとすることが発表されたからでした。2002年の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は二期会50周年の目玉演目でしたが、単独で取り組むには余りにも規模が大きくリスクがありました。そこで、この文化庁の枠組みによる海外との共同制作に着目し、欧州の数劇場と接触を試みました。最終的には、過度にドイツ的ではなく衣裳・装置もユニバーサルな演出のベルギー王立歌劇場(モネ劇場)に決まり、モネ劇場スタッフまで巻き込んだ、同劇場にとっても大規模な再現上演となりました。当時モネ劇場の総裁はオルガニストとしても著名な芸術家であるフォックロール氏で、少し前に文化庁の招聘で来日されたおりに二期会にも来訪されて、お互いに将来の協力について前向きな会話を持っていたことも、この共同制作決定に至る重要なステップとなっており、全面的なモネ劇場の協力を取り付けることができたのです。
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  二期会創立50周年記念公演『ニュルンベルクのマイスタージンガー』フィナーレ(2002年)
 休憩時間を入れて6時間に及ぶ巨大なこのオペラを日本人のみの出演で実現したことによって得られた果実は計り知れないものがあり、共同制作の意義がはっきりと認識できたのです。東京文化会館の本公演の前に、横須賀芸術劇場のご好意で、同劇場の舞台を使って十分の完成度になるまで準備できたこと、特に総勢150名におよぶ出演者達の乱闘騒ぎのシーンでは、モネ劇場の演出部から派遣されたスタッフによる周到な稽古によってダイナミックな動きが実現し、大舞台の成功に結びつけることができたのでした。(常務理事 中山欽吾)

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リチャード・ジョーンズ演出新国立劇場『ムツェンスクのマクベス夫人』に
出来田美智子、高橋淳らが好演!

ドミトリー・ショスタコーヴィチにより1930年代に作曲され、ソビエト時代、共産党政権による制約を受けた作品で、今もなお“衝撃的”。
出来田は、地方の豪商イズマイロフ家の女中アクシーニャを演じています。一幕に集団暴行される過酷なシーンもありますが、2幕以降、コケティッシュな演出もあり、“家政婦”顔負けの演技力を発揮、ロシア人キャストの中にあって、まったく違和感のない堂々とした声も魅力。
高橋は、酔っ払いの役(プログラムではボロ服の男)。酔ってふらつきながら歌う難しいアリアを、面白く聴かせています。アクシーニャ(出来田)と共謀して酒蔵にしのび込み、死体を見つけるシーンから、ドラマが大きく展開します。
警察署長を演じる初鹿野剛も、長台詞をよどみなく歌い、存在感を示しています。署長をぐるりと囲む男声合唱も、組織的な退廃と気だるさを感じさせます。
とっつきやすいとは言えない作品ですが、ジョーンズ演出は、2004年英国ロイヤルオペラで初演され、2007年には大野和士指揮ミラノ・スカラ座デビューとなりました。いずれも話題を呼び、非常にリアリティがあり、また退屈させません。
舞台は、1950年代の共産主義国に設定され、間奏曲も効果的に演出されており、またミハイル・シンケヴィチ率いる東京交響楽団から引き出されるショスタコーヴィチ独特の響きが、背徳的ともいえる美しさです。
透明なアンサンブルを聴かせる合唱団のレベルの高さ、細かい演出に応えた群衆の動きも注目されます。
上演される機会は多くありませんが、深い魅力を秘めた作品です。

▼公演詳細はこちらをご覧ください
ムツェンスク郡のマクベス夫人(舞台写真) - 公演記録|新国立劇場
ムツェンスク郡のマクベス夫人(公演詳細) - オペラ|新国立劇場

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