2012年05月18日のエントリー

『スペイン時間』『子どもと魔法』キャストによるオススメ・シーン

あまり上演機会のない2作品。今回見逃したら次に出会えるのは、もういつのことになるやらわかりません。
そこで、両演目キャストにオススメの場面、音楽をあげてもらいました。
全員分紹介できないのは残念ですが、ご鑑賞の参考にどうぞ!

【スペイン時間】
★コンセプション 経塚果林
「Mais l'heure fuit,prends garde:Le temps nous est mesure sans pitie!(でも時は逃げるわ、気をつけて:私たちの時間は無情にも制限されているんだから!」
女の花盛りは短く、限りあるものである、という意味でしょうか。急いでくれなきゃ、あっという間におばさんになっちゃう!浮気は受け入れられないものですが、女性としての時間を謳歌しようと形振りかまわない彼女を、どこかうらやましく思ってしまう自分がいます。
★ゴンザルヴェ 高柳 圭
コンセプションと二人きりの時は詩作意欲が掻き立てられます!少し度が過ぎてしまい彼女は呆れ顔ですが、溢れだすインスピレーションを止めることは出来ないのです!
★ラミーロ 佐藤 望
ラミーロの口癖で、「Voila」というのがあります。「さぁ!」「では!」ていどの意味ですが、働き者の彼らしさが出ていて、様々な場面で出てきます。彼の心境によって歌い分けられたらと思っています。
★ドン・イニーゴ・ゴメス 狩野賢一
僕にとってこのオペラの中で最も印象的な音楽は、ラミーロの後半のアリア(?)です。
非常に幻想的で感動的、しかも今回はその曲中にある仕掛けが用意されていて、
稽古でその場面を見る度、じ~んと来ています。
★ラミーロ 門間信樹
陽気なラテンのリズムが印象的です。官能であったり、怒りであったり、現れ方は様々ですが、やはりフィナーレの五重唱でもハバネラのリズムが使われています。
★トルケマダ 大川信之
全体としてはオペラブッファの様式に従っていながら、それを上手く利用して古くて新しい、ラヴェルの独自の世界観。彼が何が表現したかったのかを、演者も探しています。その謎をお客様自身も意図を想像しながら探してもらえると大変楽しめるはずです!

【子どもと魔法】
★夜鳴き鶯 佐藤優子
基本的にみんな一回しか出てきませんので、全てのシーンに目を凝らして耳を澄まして鑑賞して頂きたいです!!
★安楽椅子/ふくろう 森 真奈美
安楽椅子と肘掛椅子は、子どもが出会う最初のキャラクター。登場シーンを楽しみに!
★雄猫/柱時計 吉田侍史
柱時計はテンポが早く短い曲ですが、その中に怒りや悲しみや切なさなど凝縮されています。
★中国茶碗/とんぼ 奥野恵子
歌もさることながら衣装がとても素敵です!「toujour l'airs chinoa(いつも中国風よ)」
★中国茶碗/とんぼ 福間章子
お茶碗のシーンでは山田うんさんによる可愛いダンスが入りました。ポットとお茶碗のダンスだなんて…なんて楽しそうだと思いませんか!?歌詞ほとんど意味不明の言葉の羅列で、ちゃらんぽらんな英語やフランス語の造語…果ては日本語まで出てきますよー!
★ティーポット 木野千晶
「火のアリア」と「お姫様のアリア」は素晴らしい名曲です!
★火 熊坂真里
忘れてはならないのが、様々な場面で華を添えて下さるダンサーの皆さんです!
火のシーンでもダンサーの方々がキレのあるダンスで場面を引き締めてくださっています!
★羊飼いの娘 金澤梨恵子
仲間の羊飼いたちが出し続けているバグパイプ(遊牧民が使う楽器)を思い出させる「ズー」という音が、あるときとぎれます。その瞬間の、世界変わったようになる場面が羊飼いのシーンでのイチオシです。
★お姫様 湯浅桃子
お姫様がいなくなったあと、男の子がひとりで歌うメロディがとても印象的です。観れば必ずその意味がおわかりいただけるはず。
★小さな老人/雨蛙 新津耕平
リスの衣裳は可愛いです。とにかく可愛い。ズルいくらい可愛いです。それと、子どもがお姫様に歌う、僕が君を守る!というような内容のところの音楽が個人的にとても好きです。
★肘掛椅子/木 岩田健志
小さな老人がひたすらメチャクチャに数字や単位を言っているところも楽しくて好きです。「常識に囚われるな」というメッセージがあると思います。
★雄猫/柱時計 野村光洋
数字の老人の合唱と老人のコラボレーションが非常に面白いです。猫は次に登場するのですが、そでで笑ってしまって出るのが大変です。自分はフランス猫なので、おしゃれにかっこよく雌猫を口説く…はずです。うまく雌猫をモノにできるのか、雌猫と雄猫の行方にも注目してください。
★牝猫 志岐かさね
“Moaraiin…Maraon…Meraon…”
★安楽椅子/ふくろう 伊藤 光
クライマックスにかけて愛情がどんどん溢れてきます。愛に包まれた音楽は、こんなにも幸せなのだと思いました。
★りす 香村寛子/清水多恵子
(香村)子どもに「この美しい瞳に何が映っていたか知ってる?」と歌うシーン…
カゴに捕らえられ、仲間が自由に跳んでいるのを独りで見ていることしかできなかった傷みを子どもに訴えます。音楽がとにかく綺麗です。
(清水)このシーンは「言い訳なんてしないで、自分の心としっかり向き合いなさい。」ということなのではないかと私は思います。りすのアリアは短いですが、とっても重要な場面だと思いますのでお聴き逃しなく。 ※お薦め第2位
★子ども 澤村翔子
やはり何と言っても最後の美しいフーガです!それまでにも、色味や色気や空気や、熱や、四角や、とても多様な音楽が出てきますけれども、それを全てひっくるめて一つの球体にしてしまうのがこのフーガです。私は歌いませんが、いつも歌いたくて稽古場ではコッソリ口ずさんでいます。思わず涙が出る、聴き所です! ※お薦め第1位
★お母さん 遠藤千寿子
終盤の場面でコロスが何度もMaman(ママ)と歌います。その時はまだお母さんは登場していないのですが、いつもその場面になると自分が呼ばれている気がしてソワソワしてしまいます(笑) 続いて「この子は本当に良い子です」と歌われるアンサンブルは美しくすぎて、涙腺が緩みそうになります。
★お母さん 安本ゆか
お母さんは優しさ、怒り、哀愁…と、コロコロ感情が変わります。怒りもネチネチ迫るものから、感情的なものまで。これを短い音楽の中で表現していますのでご注目ください。
最後、寝ている子どもが美しいハーモニーに包まれていて、とても印象的です。
★子ども 宮澤彩子
(寝ながら)合唱が美しすぎて毎回涙を堪えるのに必死です!

 
zen

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5月19日・20日 M.ラヴェル『スペイン時間』『子どもと魔法』公演当日のごあんない

いよいよ19日(土)と20日(日)の2日間、新国立劇場中劇場にて、
二期会創立60周年記念公演、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『スペイン時間』『子どもと魔法』の幕が開けます!
カルタンバックのタクトに踊るモーリス・ラヴェルの音楽、スタイリッシュな舞台と演出、是非お楽しみください!
こちらに公演当日についてのごあんないをいたします。

二期会ニューウェーブオペラ劇場・二期会創立60周年記念公演
M.ラヴェル作曲 『スペイン時間』音楽喜劇全1幕・『子どもと魔法』音楽幻想劇全2部
日本語字幕付き原語(フランス語)上演
指揮:ジェローム・カルタンバック/演出:加藤 直
当日券と公演タイムテーブルのご案内
5月19日(土)
5月20日(日)
当日券
S のみ
S のみ
当日券販売開始
16:00~
13:00~
開場
16:30
13:30
開演
17:00
14:00
『スペイン時間』
約45分
休憩予定時刻
17:45~18:05
14:45~15:05
『子どもと魔法』
約45分
終演予定
18:50
15:50
新国立劇場
=アクセス=
<鉄道>
[京王新線(都営新宿線乗入)]=「初台駅」中央口(新国立劇場口)直結
※東口(東京オペラシティ口)ではありませんのでご注意ください。
※京王線は止まりません。

お車やバスでご来場のお客様は新国立劇場ウェブサイトをご覧ください
>>アクセスマップ - 新国立劇場

※当日券は状況により販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

《便利!》
◎二期会チケットセンターのオペラ公演インターネット予約【Gettii(ゲッティ)】では、前売券が公演当日の開場時刻までご予約が可能です!!
チケットはご来場の途中にお近くのセブン-イレブンでお支払&お受取いただけますので、余裕をもってお越しいただけます!どうぞご利用ください!!(※PCのみの対応となります)
▼公演案内ページにある【ゲッティへGO!】ボタンをクリックしてお申込ください!!
 ↓↓↓こちら↓↓↓
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 M.ラヴェル『スペイン時間』『子どもと魔法』- 東京二期会

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ニューウェーブオペラ☆いよいよ開幕です

明日から新国立劇場中劇場で開催される、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『スペイン時間』&『子どもと魔法』のゲネラルプローベが行われています。
すてきな仕上がりです。
モーリス・ラヴェルの音楽がきらきらと弾け、舞台や演出もスタイリッシュでいいですね。マエストロはフランスの名匠カルタンバックにオーケストラは東響交響楽団。加藤直演出の新制作。
昨日のゲネプロも『スペイン時間』の奔放な時計屋の女房の経塚(つねづか)果林、力持ちの驢馬引きラミーロの門間直樹、『子どもと魔法』では少年役で大活躍の澤村翔子、お母さん役の遠藤千寿子、お姫さまの衣裳も美しく着こなす湯浅桃子をはじめ、皆本当に粒揃いの精鋭ばかり。今日のキャストも楽しみです。
もうあまり残券もないようですが、おとぎの国から抜き出てきたような衣裳や動きも可愛らしくて、子供時代に観たらきっといい思い出になりそうですし、大人も幸せな気持になりますね。
休憩をはさんで45分ずつの作品なので、ぜひ家族で愉しんでほしいですね。
▼こちらから出演者たちのメッセージをお読みいただけます。
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 出演者からのメッセージ(1)
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 出演者からのメッセージ(2)
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 出演者からのメッセージ(3)
▼公演詳細はこちら
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『スペイン時間』『子どもと魔法』 - 東京二期会

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