2018年05月11日のエントリー

開幕迫る 5月ヘンデル『アルチーナ』公演~ニューウェーブ・キャスト・インタビュー[5]
~ブラダマンテ役 郷家暁子、和田朝妃

開幕迫る二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』キャスト・インタビュー第5弾は、ブラダマンテ役のメゾソプラノ郷家暁子(19日)と和田朝妃(20日)が登場です。
魔女アルチーナに婚約者を奪われてしまったため、島に救出にやってきた女性ブラダマンテ。上陸にあたり魔女たちに怪しまれないよう「リッチャルド」という婚約者の兄弟に変装しています。このことが、思わぬ事件をもたらすことに…
郷家暁子は、これが二期会オペラ・デビュー。一方、和田朝妃は、昨年『こうもり』オルロフスキー役に抜擢され、演出アンドレアス・ホモキからも高い評価を受けた逸材。二人が向き合うブラマンテ役、その魅力を聞きました。

     *     *     *

――ブラダマンテという役は?

郷家: 魔女アルチーナの魔法でアルチーナに恋してしまった恋人ルッジェーロを救いにアルチーナの島に男装して上陸する女性…複雑ですね(笑)
とても強く、愛情深い女性です。

和田: はい、芯が強く、情に熱く、曲がった事が嫌いで、周りに目もくれずに正しいと思ったことに向かって真っ直ぐ突き進み、心身ともにとても強いけれど、少し不器用、そんな女性です。


郷家暁子

――ご自身が歌われる歌(アリアが中心になると思いますが)の中で、これは、と思う1曲についてお話しいただきます。
まず、どのような内容の歌でしょうか。

郷家: 今回は残念ながら本来3曲あるうちの1曲、そして2曲目のBパートがカットになってしまい、フルで歌うのは第1幕の“E Gelosia, forza d’amore(それは嫉妬、愛の力)”です。
この曲は、元々恋人同士のオロンテとモルガーナ(彼女は男装したブラダマンテに一目惚れしています)の喧嘩を仲裁しようとしながらも、オロンテの嫉妬は自分もルッジェーロに対して同じように感じている事に気付き苦悩する曲です。

和田: 後半のアリア“Vorrei vendicarmi(復讐してやりたい)”もすてきです。
危険も顧みず助けに来たのに、いつまでたっても正気に戻らず、挙句の果てにアルチーナが作り出した魔法だと言い放ってきた夫ルッジェーロに対して、「あなたに復讐してやりたい!」と言い放ちます。

――それぞれの聴きどころは?

郷家: ブラダマンテの力強さと、アジリタ(細かく速い音形)で彼女の繊細さを出しているところでしょうか。

和田: 後半がカットされてしまいましたので、少し短いので寂しいですが、どんなに酷い事を言われても、引き下がらず、泣きつかず、自らを奮い立たせ、むしろ食ってかかる。女性としてのブラダマンテの強さが滲み出ていて、お気に入りです。

――その曲の難しいところは?

郷家: 基本的にブラダマンテの曲は速度が速く、歌い始めてしまうと、修正のきかない難しさがあります。
そして、オロンテとモルガーナに対して交互に一言ずつ言葉をかけるので、その度に「色」を変えないといけないという難しさ…まぁ難しさについては語ると一晩かかりますが(笑)それを感じさせずに彼女の気持ちを音楽にするという事は、とてつもなくやり甲斐を感じます。

和田: 実は当初、技術的に私には難しく、全然上手く歌えませんでした。ワンフレーズがとても長く、そのために息が続かず、声としてしっかり鳴ってくれない。だから、嫌いだったんです(笑)
ですが、演出がつくにつれて、その動きと気持ちが繋がって、少しずつ曲として完成していくことを最近やっと実感できました。


和田朝妃

――『アルチーナ』の見どころ、聴きどころを。

郷家: 初めてご覧になるお客様にも集中力が切れる事なく楽しんで頂ける舞台になると思います。ぜひニューウェーブ版『アルチーナ』をお楽しみ頂けたらと思います!

和田: アルチーナはもちろんのこと、周りのキャラクターにもそれぞれに合った曲がしっかり与えられていて、とても個性が強く描かれています。そして、その役を個性が強い歌手達が歌っているということが、楽しく見て、聴くことができる何よりの見どころ、聴きどころです!
 
 
――最後に、お客様にむけて。

郷家: ニューウェーブ公演は3年に一度です。これを見逃したらあと2年ありません!
我々、58期、59期、60期の精鋭による勢いのある舞台をぜひ生で観にいらしてください!!

和田: ブラダマンテをどのような女性として作り上げるか...皆様の心の片隅にふと残るような、私らしいブラダマンテのために、本番ギリギリまで彼女と向き合っていきますので、ぜひそんな彼女の勇姿を見に来て頂けたら、嬉しいです!

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▼『アルチーナ』公演情報ページはこちら
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 G.F.ヘンデル『アルチーナ』 - 東京二期会

 指揮:鈴木秀美、演出:エヴァ・ブッフマン、管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ(NBO)
 2018年5月19日(土)17時、20日(日)14時 めぐろパーシモンホール大ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
   (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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5月公演 ヘンデル『アルチーナ』~貴重なバロック・オペラの舞台上演!間もなくカーテンアップです!

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場2018年5月公演 G.F.ヘンデル作曲オペラ『アルチーナ』は、公演を間もなくに控え、オーケストラの稽古も開始しています。
今回ピットに入るのはニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ。前回2015年の二期会ニューウェーブ・オペラ公演のために編成された、古楽器によるオーケストラです。指揮でチェリストの鈴木秀美をはじめ、管弦楽は国内外第一線で活躍する奏者と、東京藝術大学古楽科および桐朋学園大学古楽器科の学生も参加しています。
古楽器のオーケストラがオペラのピットに入ることは世界的にも非常に珍しく、それだけでも一聴の価値ありです!


鈴木秀美が指揮するオーケストラ稽古の様子

またキャストたちの立ち稽古も、最後の仕上げに向かっています。
物語を進めるレチタティーヴォの部分を支える通奏低音奏者(※)も通し稽古に出席、各キャラクターの心情を深めていきます。

▼(※)通奏低音の参考ブログ記事
5月『ジューリオ・チェーザレ』~“通奏低音”とは? - オペラの散歩道(二期会blog)2015年4月10日10:10


今回の通奏低音は2台のチェンバロ、チェロ、ハープ、テオルボにて編成

指揮の鈴木秀美、演出のエヴァ・ブッフマンとの連日の稽古により、若きソリストも日々進化しています。
ニューウェーブ・オペラ公演に出演したソリストからは、その後の二期会本公演キャストで活躍を続ける歌手を多く輩出しており、未来のニュースターの誕生をいち早くご覧頂ける機会となります!


稽古後はマエストロから演奏について様々なアドバイスが

『アルチーナ』が初演された283年前のロンドンの聴衆と、現代の私たちをつなげる公演。
本番は間もなくです!是非お誘いあわせの上お越しください。

▼『アルチーナ』公演情報ページはこちら
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 G.F.ヘンデル『アルチーナ』 - 東京二期会

 指揮:鈴木秀美、演出:エヴァ・ブッフマン、管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ(NBO)
 2018年5月19日(土)17時、20日(日)14時 めぐろパーシモンホール大ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
   (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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NIKIKAI Days @ Blue Rose 2018 公演紹介(3)
~6/30(土)「日本の童謡誕生百年を記念して」

Nikikai Days 2018をご紹介するコーナー第3弾は、第2日、6月30日(土)の「日本の童謡誕生百年を記念して ~歌い継がれてきた童謡から現代・朝岡真木子の童謡まで~」に注目します。
コンサートで自身の新作を披露、ピアニストとして出演する作曲家の朝岡真木子さんからメッセージをいただきました。

     *     *     *
「文部省主導による「唱歌」とは別に、文学や音楽の芸術家による文芸運動が起こり、大正7年(1918年)7月1日に児童文芸誌「赤い鳥」が発刊されて、ちょうど100年になります。第1部では時代の流れをふまえ、数々のなつかしい童謡を聴いていただきます。ここ10年位は「歌のおじいさん」として童謡をよく歌われていらっしゃいます中村健先生が花をそえてくださいます。第2部では、私の歌曲的な童謡をご披露致します。金子みすゞ生誕115年にあたる今年に、金子みすゞ童謡全集より5編を選び作曲させていただき、初演致します。やさしい言葉の中に温かい心深さと広がりを感じられ、それを音で表現できたらと思い、作曲致しました。」
     *     *     *

朝岡真木子 (あさおか まきこ:作曲・ピアノ) 略歴
東京藝術大学附属音楽高校を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。2011年「音のポケット」により、第41回日本童謡賞を受賞。洗足音楽大学講師を経て現在、一般社団法人 日本童謡協会 理事。公益社団法人 日本演奏連盟 会員。
〈主な作品〉
歌曲集:「花筏」(全音楽譜出版社)、「愛は光の中に」(音楽之友社)、「万葉の愛」「秋に寄せる四つの叙情」(音楽出版ハピーエコー)、「海六章」(音楽之友社)
合唱曲:「妖精模様」(全音楽譜出版社)、「サトウハチローの詩による五つの歌」(ドレミ楽譜出版社)、「まほろばの大和し美し」(全音楽譜出版社)、「花のなみだ」(全音楽譜出版社)
器楽曲:クラブサンのための4つの小品(日本作曲家協議会)、マンドリンオーケストラのための「リオの海風」「リオの祈り」「イグアスの虹」
オペラ:「葛の葉」「白鷺幻想」「三百年姫」「坦庵 熱き心の火」(国民文化祭参加作品)等

 


チラシ(PDFファイル)
■■■ 公演情報 ■■■
NIKIKAI Days@Blue Rose 2018
第2日 日本の童謡誕生百年を記念して
  ~歌い継がれてきた童謡から現代・朝岡真木子の童謡まで~

日時:2018年6月30日(土) 14:00開演(13:30開場)
会場:サントリーホール ブルーローズ
料金:全指定席 一般¥4,500(税込)
出演:木内弘子(ソプラノ)、黒川京子(ソプラノ)、前澤悦子(ソプラノ)、
    和澤康代(ソプラノ)、清水邦子(ソプラノ)、吉田伸昭(テノール)、
    馬場眞二(バリトン)、朝岡真木子(作曲・ピアノ)、
    中村 健(スペシャルゲスト)

演奏予定曲:
《歌い継がれてきた童謡から》
 かなりや、赤とんぼ、からたちの花、かわいい魚屋さん、
 やぎさんゆうびん、アイスクリームの歌、トマト、
 おはなしゆびさん、バスの歌、ひょっこりひょうたん島 …ほか
《朝岡真木子作曲の童謡から》
 黒豆のなっとう、めをだしたのに、おにぎりの歌、だんごむし、
 流れ星 …ほか
《朝岡真木子作曲》
 金子みすゞの詩による組曲「うた」(仮題)<新作初演>

▼詳細は公演ページをご覧ください
NIKIKAI Days @ Blue Rose 2018 - 二期会21

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
   (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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