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オペラ国内共同制作(2) オペラの制作現場からーその25

 文化庁の先導モデル国内共同制作によるオペラ『カルメン』が、日本のオペラ史に新たな歴史を作りました。今回は兵庫県立芸術文化センターの佐渡芸術監督がプロデュースし、共同制作4団体が協力して制作を行い、出演者・スタッフもインターナショナルな規模で選ぶという、画期的なプロジェクトでした。兵庫と二期会で合同の合唱団を結成すると共に、少年少女合唱団は参加3団体が地元の合唱団を起用しました。そして全15回公演の大半で満席、残りも90%をはるかに超えるお客様で会場が埋まり、しめて入場者3万1千人という驚異的な結果をもたらしました。
 フランスでも活躍する佐渡裕の選んだ演出家は、パリオペラ座の総裁も務めた名演出家ジャン=ルイ・マルティノーティ。彼の卓越した演出力と出演者達一人一人への根気強いしかも厳しい指導によって、参加者全員参加によるドラマ作りとなって、自信溢れる舞台を作り上げたのです。
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        写真は林美智子の演じたカルメン ©小林孝良
 公演に漕ぎ着けるまでには、それぞれの参加団体が個別の要求を控えて一つの目標を設定するまでの膨大な議論と試行錯誤がありました。採用する楽譜も結果的にはセリフが入るオペラコミック版に部分的にギローの手が入ったレチタティーボ版(グランドオペラ版)を混ぜた上演となったのもその一つです。しかし、それらの全ての苦労は結果によって報われるということが証明されたわけです。一人一人の歌手達のレベルアップも著しいものがありましたが、我が国最高の舞台を目指すという目標がありますから、国籍や所属に拘らずオーディションを行い、佐渡芸術監督主導で歌手を選考し、結果的に今望み得る最高レベルの公演となったと思います。
 結局は、自分たちがやりたいオペラをやるというのではなく、どうすればもっとお客様に感動していただけるオペラが作れるのかを追求した取り組みに、はっきりと成果がついて来たということだと思います。
 オペラ公演をやりたいとお考えの団体にとって、経済的リスクを軽減する目的で共同制作を行おうとすれば、多かれ少なかれこのような準備作業が必要となります。それを大変と見て逡巡するか、その準備があったればこそ単独では為し得ない感動的な公演ができると考えるかによって、結果はまるで違ってくると確信しています。(常務理事 中山欽吾)

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佐渡裕プロデュースオペラ『カルメン』いよいよ東京公演

佐渡裕氏が芸術監督を務める兵庫県立芸術文化センターで9回の公演を無事終演した、佐渡裕プロデュースオペラ『カルメン』。現在は出演者、スタッフも東京に移動して、東京公演の最終調整中です。
6月25日から今月5日まで公演を行なった兵庫県立芸術文化センターの舞台は各誌から好評を得て、丹念に創り上げた美しい舞台が注目されました。その最終日には、満場のお客様から喝采を浴び、出演者も感激の様子でした。
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写真:カルメン=林美智子(左)、ドン・ホセ=佐野成宏
(撮影:飯島隆)
佐渡氏がイメージする“素足の似合う軽やかなカルメン”は、二期会の華メゾ・ソプラノ林美智子が、ステラ・グリゴリアンとダブルで演じています。ほかにも、ホセにはルカ・ロンバルドと佐野成宏、ミカエラには木下美穂子と安藤赴美子、エスカミーリョにジャン=フランソワ・ラポワントと成田博之、と多彩な顔ぶれが揃っていて、演出のジャン=ルイ・マルティノーティをはじめ、照明、衣裳と舞台裏も多国籍。日本オペラ連盟、兵庫県立芸術文化センター、東京二期会、愛知県文化振興事業団の共催が可能にした、プロジェクトです。
佐渡裕プロデュースオペラ『カルメン』東京公演はいよいよ17日(金)から東京文化会館で開幕。皆様のご来場を心よりお待ちしています。
東京公演の残席状況は、7月13日16:00現在で次の通りとなっております。

7月17日(金)
18:30開演
7月18日(土)
14:00開演
7月19日(日)
14:00開演
7月20日(祝)
14:00開演
S席
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A席
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B席
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C席
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D席
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凡例 ◎…余裕あり ○…あり △…残りわずか  ×…予定販売数終了
19日の公演は全席予定販売数終了となりました。
また、各日とも売り切れが予想されます。お急ぎお求めください!
チケットのお申込は:二期会チケットセンター 電話03-3796-1831 ファクス03-3796-4710
▼公演詳細はこちらをご覧ください
『カルメン』公演詳細 - 東京二期会オペラ劇場

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テレビ朝日「題名のない音楽会 オペラ・女ののど自慢」に旬の歌姫 腰越満美 と林 美智子 が登場します!

koshigoe_e_hayashi.jpg6月14日(日)放送の『題名のない音楽会』は、女性の主人公が登場するオペラに注目し「蝶々夫人」や「トスカ」「カルメン」の主人公にスポットを当てています。
二期会Week in サントリーホール(6/15)で「ジャパニーズポップスの魅力」を存分に披露する腰越満美と、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ『カルメン』の兵庫公演も間近に迫った林 美智子が登場し、懐かしのテレビ番組「ドキュメント女ののど自慢」風にオペラを親しみやすく紹介しています。

写真=林 美智子(左)と腰越満美(右)

=『題名のない音楽会』放送予定=
6月14日(日)9:00〜 テレビ朝日系
出演:腰越満美(ソプラノ)・林 美智子(メゾ・ソプラノ)
指揮:佐渡 裕  演奏:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
※BS朝日では6月20日(土)18:30〜と、6月21日(日)23:00〜の放送
▼詳細は番組ホームページをご覧ください。
題名のない音楽会 - テレビ朝日



番組をお楽しみ頂いた後は、ぜひ生の舞台にもお運びください!
【腰越満美 出演情報】
二期会Week in サントリーホール 愉しみの刻2009
「第1日」“時を駆ける歌声”服部克久が贈るにほんのうたの旅

2009年6月15日(月)19:00開演 サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
案内人:ソプラノ 腰越満美、ピアノ・作曲 丸山和範、構成・司会 服部克久
この公演では亡き父服部良一氏が作曲した名曲(「別れのブルース」「蘇州夜曲」「東京ブギウギ」)をご子息の服部克久氏のスペシャルアレンジでお聴き頂けます。使用する楽器はスタインウェイとローランド社製デジタル・グランドピアノ。腰越満美の沁みる歌声とNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」の音楽も担当した作編曲家の丸山和範という豪華な布陣が実現しました。
▼公演詳細はこちらをご覧ください。
二期会Week inサントリーホール 愉しみの刻2009 - 主催・制作コンサート|二期会21
【林 美智子 出演情報】
日本オペラ連盟・兵庫県立芸術文化センター・東京二期会・愛知県文化振興事業団共同制作
佐渡 裕 芸術監督プロデュースオペラ2009
ビゼー作曲オペラ『カルメン』
(林はカルメン役で出演)
兵庫公演:2009年6月25日(木)〜7月5日(日)
     兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
東京公演:2009年7月17日(金)〜20日(月・祝)
     東京文化会館 大ホール
愛知公演:2009年7月25日(土)・26日(日)
     愛知県芸術劇場 大ホール
▼公演詳細はこちらをご覧ください
佐渡 裕 芸術監督プロデュースオペラ2009『カルメン』
 →公演共通ページ
 →東京公演詳細 - 東京二期会
一同ご来場をお待ち致しております。

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