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岡田尚之テノールリサイタル“歌曲の夕べ” 開催直前情報!

東京二期会2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』のトゥリッドゥ役で注目を集めた岡田尚之が、来る7月5日(金)に“歌曲のみ”のリサイタルに挑戦します。
五島記念文化賞オペラ新人賞の海外研修制度によりイタリア・ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場オーディションに参加。
全世界から700人を越える参加者のうちテノールとしてただ1人合格し、同劇場に出演した岡田の雄姿を是非ご覧ください。
岡田尚之インタビュー(全編)

■■■公演情報■■■
~五島記念文化賞オペラ新人賞研修帰国記念~
岡田尚之テノールリサイタル 歌曲の夕べ
オペラ界の若きプリモが贈る珠玉の歌曲

日時:2013年7月5日(金) 19:00開演 (18:30開場)
会場:浜離宮朝日ホール(都営大江戸線「築地市場」駅A2出口3分)
出演: 岡田尚之(テノール)、谷池重紬子(ピアノ)
演奏予定曲:
  シューベルト「ミューズの子」
  R.シュトラウス「セレナーデ」
  デュパルク「ロズモンドの館」
  プーランク「ホテル」
  リスト「ペトラルカの3つのソネット」
  プッチーニ「死とは?」
                   ほか
  *全曲日本語字幕付き、原語歌唱
  *演奏予定曲は変更になる場合がございますので予めご了承ください
▼公演情報ページ、チケットご予約はこちら
岡田尚之テノールリサイタル 歌曲の夕べ - 二期会21

▼岡田尚之公式HP
岡田尚之(テノール)ホームページ

▼去る5月31日には、ラジオFMサルース「muse Amuse neo」にゲスト出演しました。トークとその歌声をお聴きいただけます。

横浜市青葉区のコミュニティFM - FMサルース 84.1MHz

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【コンサート速報】「岡田尚之テノールリサイタル」決定!

2012年7月東京二期会公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』にトゥリッドゥ役で出演し、各方面から絶賛されたテノール岡田尚之がリサイタルを開催します。
オペラ界の若きプリモが贈る珠玉の歌曲をお愉しみください。
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■■■公演情報■■■
~五島記念文化賞オペラ新人賞研修帰国記念~
《岡田尚之テノールリサイタル 歌曲の夕べ》
(全曲日本語字幕付き 原語歌唱)
出演:岡田尚之(テノール)、谷池重紬子(ピアノ)
日時:2013年7月5日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:浜離宮朝日ホール
演奏予定曲目:
  シューベルト「ミューズの子」
  R.シュトラウス「セレナーデ」
  デュパルク「ロズモンドの館」
  プーランク「ホテル」
  リスト「ペトラルカの3つのソネット」
  プッチーニ「死とは?」  ほか
料金:全席指定 4,000円、ペア券7,000円
チケット販売:【好評発売中!】
  二期会チケットセンター 03-3796-1831
  朝日ホール・チケットセンター 03-3267-9990
主催:公益財団法人五島記念文化財団
制作:株式会社二期会21
後援:公益財団法人東京二期会
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東京二期会オペラ劇場 2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』で
トゥリッドゥを演じる岡田(撮影:三枝近志)

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【レビュー】『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』無事終演

東京二期会オペラ劇場初登場となる田尾下 哲の新演出が話題となったヴェリズモ・オペラの傑作『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(◇…7月13・15日組、★…7月14・16日組)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>

N.Y.で活躍する、幹子S・マックアダムスの洗練された装置にもご注目ください。

『カヴァレリア・ルスティカーナ』はシンプルでインパクトのあるモノトーン


『パリアッチ』ではポップな色彩と、1960年代を表すTVの撮影セット

指揮はイタリア、ミラノ生まれのパオロ・カリニャーニ。
イタリア各地の歌劇場、ウィーン、パリ、メトロポリタン、ケルン、ジュネーヴ、バルセロナ等、世界一流の歌劇場を指揮し、フランクフルト・オペラの音楽総監督を10年務めたというキャリアながら、毎日、リュックをひょいと担いでプールに通い、颯爽と稽古場に登場。梅雨明けした東京の暑さをものともせず熱の入った稽古を繰り返し、イタリア・オペラの世界を日本で、現代の東京で作り上げました。
『カヴァレリア・ルスティカーナ』の幕開け。

トゥリッドゥ(岡田尚之)と、ローラ(富岡明子)がよりを戻してしまったのを知ったサントゥッツァ(大山亜紀子)の悲しみ。


有名な合唱<オレンジの花は香り>。今回はローラ(澤村翔子)と村の有力者で馬車屋のアルフィオ(松本 進)の結婚式の場面として描かれました。兵役から戻った恋人トゥリッドゥ(大澤一彰)を見て、思わず、ブーケを落とすローラ。


彼の母親ルチア(池田香織)が営む酒屋を訪ねたサントゥッツァ(清水華澄)は、トゥリッドゥの心変わりを訴えます。


サントゥッツァの名アリア<ママも知る通り>。嘆くルチア(栗林朋子)。


トゥリッドゥに戻ってくるように、何度も頼むサントゥッツァ。でもサントゥッツァとの仲は、ローラへのあてつけで始まったのだし、もともと恋仲だったローラとよりを戻したトゥリッドゥは、追いすがれば追いすがるほど冷淡になり、まったく取り合わないのです。


ローラがアルフィオと結婚さえしなければ、サントゥッツァはこんな惨めな思いはしなくて済んだのに、子まで宿して、村人には陰口をたたかれ、哀れでならない。一方、ローラは美人でお金持ち。トゥリッドゥはローラと教会に行ってしまいます。


トゥリッドゥは、村の復讐のしきたりに従い、ローラの夫アルフィオと決闘することになりました。
母親のルチアにそれとなく別れを告げるトゥリッドゥ。<母さん、この酒は強いね>。
そして「もし戻らなかったら、サンタの母親になってやってほしい」と。
岡田は素晴らしく熱く輝く声で、トゥリッドゥを演じました。


アルフィオ(小川裕二)とトゥリッドゥの決闘シーン。トゥリッドゥは殺され、幕となります。

『パリアッチ』

トニオ(上江隼人)が、テレビのインタビュー番組に出ているシーンから、始まります。今回の演出では、トニオがすべての糸を引く。ネッダに横恋慕し、その夫カニオの嫉妬を操る、という難しい役回りでしたが、自在に舞台に出入りし、邪心を隠し持つ野心的な人物を演じて、強い印象を残しました。


鮮やかに降り立つ座長カニオ(大野徹也)とその妻で女優のネッダ(嘉目真木子)。


ネッダのアリア<鳥の歌>。いつの日か大スターになる!新進女優の華麗な演技。


高橋絵理が演じるネッダ。遊び、夢に夢見るような可憐さ。言葉と声と音楽・・・豊かな表現力を開花させました。


トニオ(桝 貴志)がネッダに言い寄りますが、相手にもしないどころかあざ笑うのです。


ネッダにとって、シルヴィオ(塩入功司)こそが本当の愛。
塩入は、艶やかで深みのある美声。


ネッダは、ついにシルヴィオ(与那城 敬)と駆け落ちすることを承知します。
与那城はこれまでにも二期会オペラに数々登場していますが、さすがのいい男ぶり。


一番の聴かせどころカニオのアリア<衣裳をつけろ>。
ネッダの裏切りを知り心ここにあらずですが、芝居の時間です。道化師Pagliaccio。


ネッダは《コロンビーナ》を、ペッペ(小原啓楼)は《アルレッキーノ》を演じます。


ペッペ(与儀 巧)が演じる《アルレッキーノ》のセレナータ。可笑しさと明るさがあって、ペッペの存在がこのオペラの重苦しさを救っている気がします。


芝居と現実の境を見失って次第に正気を失っていくカニオ(片寄純也)。激情と豊かな音楽を堪能させ、客席を沸かせました。


「助けて!」と叫ぶネッダに走り寄ったシルヴィオがカニオを刺し、カニオはシルヴィオを刺す。3人とも死んでしまうという壮絶な結末。

2作品とも惨劇で幕が降ります。人と人との関係で湧き上がる感情、嫉妬、怒り、絶望の究極の結末。生身の人間は、それでも日々演じ、仮面をかぶり、別の顔を見せているものです。本当の自分はどこにいるのか分からなくなっているのは、何も劇中人物だから、なのではなくて、その状況をどこか他人が操作しているような感覚があるからなのではないでしょうか。
この幾層にも重ねられた演出に、見事にこたえた歌手たちに大きな拍手が送られました。そして、楽譜に書かれた言葉が、生きた人間の言葉として歌われたことは、何よりも音楽の力でもあって、大きな感動を呼びました。
ご来場、ありがとうございました。

帆かけ舟

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テノール 岡田尚之一時帰国中☆

テノール岡田尚之が3月までの予定で一時帰国中です。
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11月に放送されたNHK土曜ドラマスペシャル「蝶々さん」(原作・脚本:市川森一、主演:宮崎あおい)<前編>で、岡田は劇中劇・三浦環主演の歌舞伎座公演オペラ『蝶々夫人』舞台で冒頭の場面にピンカートン役で登場しました。
12月10日に逝去した長崎出身の市川森一氏が想いを込めて書いた小説を自ら脚本化した作品で、オペラ『蝶々夫人』の時代背景を知る意味でもとても興味深いドラマです。ご覧になった方もいらっしゃるでしょうか。
▼ドラマの詳細
土曜ドラマスペシャル「蝶々さん」 - NHK長崎放送局
土曜ドラマスペシャル第3弾「蝶々さん」 - NHKオンライン

また、海外では往年の名バリトン、ロランド・パネライ氏に認められ、イタリア ジェノヴァ、カルロ・フェリーチェ劇場のEnsemble Opera Studioオーディションに、全世界から700人を超える参加者のうちテノールとしてはただ一人合格し、同劇場にて2011年~2012年シーズン公演 モーツァルト『魔笛』の僧侶役および武士役、プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』(パネライ演出)のリヌッチョ役を歌って国際デビューを果たしました。
今後、二期会主催公演では2012年3月ワーグナー『タンホイザー』ヴァルター、同7月マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』トゥリッドゥへの出演を控えています。ご注目ください。
▼『タンホイザー』公演詳細はこちらをご覧ください
2012年3月公演R.ワーグナー『タンホイザー』 - オペラ公演ラインアップ|東京二期会
※7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』の公演詳細は近日発表いたします!ご期待ください!!
▼岡田尚之オフィシャルサイト
岡田尚之(テノール)ホームページ

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平成22年度 五島記念文化賞贈呈式

2010年4月7日(水)11:00よりセルリアンタワー東急ホテルにおいて、第21回(平成22年度)五島記念文化賞贈呈式が開催され、オペラ部門新人賞を受賞した岡田尚之(テノール)と大沼徹(バリトン)らに賞が贈られました。
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賞状を手にする大沼(左)と岡田
岡田尚之は東京二期会公演『ウリッセの帰還』テレーマコ役、『オテロ』カッシオ役で好評を博しました。8日に研修地のドイツ・ミュンヘンへ旅立ちます。
大沼徹は同『ウリッセの帰還』タイトル・ロール、『オテロ』イアーゴ役で存在感を示しました。今年9月には東京二期会『魔笛』にパパゲーノ役で出演後、ドイツ・マイセンにて研修を予定しています。
今後の2人にご期待ください。
▼五島記念文化賞についてはこちらをご覧ください
オペラ部門 顕彰助成の内容 - 五島記念文化財団
▼東京二期会『魔笛』の公演詳細はこちらをご覧ください。
2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

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テノール岡田尚之とバリトン大沼 徹が五島記念文化賞オペラ部門新人賞をダブル受賞!

2月公演『オテロ』でも活躍したテノールの岡田尚之とバリトンの大沼徹が、栄えある第21回(平成22年度)五島記念文化賞オペラ部門新人賞を受賞しました。
2人は今後五島記念文化財団の助成を得て海外にて研修を行なう予定です。
さらなる飛躍にご期待ください!!

cassio_okada.jpg岡田 尚之(おかだ なおゆき・32歳) テノール 
研修予定地:ミュンヘン
東京都出身。東京芸術大学卒業、同大学院修了。
故ルイージ・ダル・フィオール神父の下でベルカントの発声法を学びウーヴェ・ハイルマンのマルチェッラ・レアーレ、セルジョ・ベルトッキ、ピアニストのパオラ・モリナーリの各氏等に師事。
新国立劇場オペラ研修所第6期生修了。平成18年度文化庁新進芸術家海外留学制度1年派遣研修員としてイタリア(ボローニャ)に留学。
第3回ラヴェッロ国際声楽コンクールにおいてファイナリストに選ばれ、第14回ジュゼッペ・ディ・ステーファノ国際声楽コンクールにおいてメンツィオーネ・ドノーレ賞を受賞。第3回マダムバタフライ国際声楽コンクール第2位。
『ジャンニ・スキッキ』リヌッチョ役でオペラデビュー。09年二期会ニューウェーブ・オペラ『ウリッセの帰還』テレーマコ役で好評を博す。端正で伸びやかな歌唱で今後の活躍が嘱望される気鋭のテノール。
本年11月、藤沢市民オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』トゥリッドゥ役で出演予定。
二期会会員

jago_oonuma.jpg大沼 徹(おおぬま とおる・31歳) バリトン 
研修予定地:マイセン
福島県出身。東海大学及び同大学院修了。
大学院在学中、東海大学海外派遣留学生としてベルリン・フンボルト大学に留学。
ハルトムート・クレッチュマン、クラウス・ヘーガーに師事する。
二期会オペラ研修所第51期マスタークラス修了。修了時に最優秀賞及び川崎靜子賞受賞。
第71回読売新人演奏会出演。第17回日本声楽コンクール第3位。第75回日本音楽コンクー ル(歌曲部門)入選。第12回世界オペラ歌唱コンクール「新しい声」ドイツ本選出場。
第7回藤沢オペラコンクール奨励賞。2009年第14回日本モーツァルト音楽コンクール声楽部門第1位受賞。宮本亜門演出『ラ・トラヴィアータ』ジェルモンのカヴァーを経て、09年二期会ニューウェーブ・オペラ『ウリッセの帰還』(ヘンツェ版日本初演)タイトル・ロールでは、”力強く輝く””ヴェルディ後期かヴァーグナーのような聴き栄え”と各紙で絶賛を浴び、2010年『オテロ』のイアーゴで、"恵まれた声を生かしてオテロを圧倒”"積極的かつ大胆な役作り”と注目を集めた。スケールの大きな演唱と恵まれた体躯で久しぶりの大型新人登場と期待を集めている。
本年9月、東京二期会『魔笛』のパパゲーノに出演予定。
二期会会員

撮影(2点とも):三枝近志
▼五島記念文化賞についてはこちらをご覧ください
オペラ部門 顕彰助成の内容 - 五島記念文化財団
▼東京二期会『魔笛』の公演詳細はこちらをご覧ください。(3/11~愛好会優先、3/18~一般発売)
2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場

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『ウリッセの帰還』さまざまに姿を変える神々と人間の交感若さあふれるオペラの息吹きを届けました

6月6日(土)・7日(日)に北とぴあさくらホールにて上演いたしました、二期会ニューウェブオペラ劇場モンテヴェルディ『ウリッセの帰還』(ヘンツェ版・日本初演)はおかげさまをもちまして大盛況のうちに幕を下ろしました。
高岸未朝による繊細な演出、高関健の指揮による東京交響楽団の強力なサポートを得て、モンテヴェルディ独特の音世界を、現代オーケストラの響きで構築。若手中心の歌手陣のエネルギーを感じさせました。
モンテヴェルディの音楽による情景描写を“善意と悪意”6人のダンサーが視覚化。踊り、舞台転換、黒子、船などありとあらゆる事象を体現し、羊になり、神になり、召使になり、その効果は劇的でした。
2日間の華麗な舞台をご覧いただきましょう。
【6日(土)の舞台から】撮影:三枝近志

冒頭、プロローグのシーン。はかなさは地球の上にいるが、バランスを崩して今にも落ちそう。はかなさ(彌勒忠史)、愛(村田ゆう子)、時(嘉目真木子)


英雄ウリッセの妻ペネロペ(杣友恵子)は既に20年、夫の帰りを待ち続けている。


女官メラント(醍醐園佳)とエウリマコ(西岡慎介)。
とりとめもない幼い愛人たち。


英雄ウリッセ(大沼徹)。故郷に帰ることが許されない苦しみを力強く歌う。


忠実な羊飼エウメーテ(小林大作)は、安定した歌唱力、自然な演技で、客席を惹き付けた。老人の姿をしたウリッセを、そうとは知らずに心からもてなす。


ペネロペの邸に、息子テレーマコ(宮本英一郎)が帰ってくる。エウメーテとともに、ウリッセの帰還が近いことを告げるが、ペネロペは信じようとしない。


女神ミネルヴァ(大西ゆか)。人間の選択が正しいものであるように導く。ミネルヴァは、いつも明るい光とともに登場する。美しく賢明な女神を見事に演じた。


ついに、夫ウリッセその人と信じることができた瞬間、深い喜びと安堵に満ちた、ペネロペとウリッセ。


カーテンコール(撮影:堀 衛)

【7日(日)の舞台から】撮影:鍔山英次

待つ時間の長さに匹敵する長大なアリアを、魅惑的に歌うペネロペ(金子美香)。
深い表現力を持つメゾ・ソプラノの美声を存分に披露した。


エウリマコ(森田有生)とメラント(中野亮子)。
モンテヴェルディが描く世俗の恋の世界を、鮮やかに聴かせた。

 
変身前のウリッセ(小林昭裕)と、変身後のウリッセ。小林は、しっかりと鍛錬したバリトンの声の魅力を感じさせる。
 
牧童の姿をしたミネルヴァ(佐藤奈加子)がウリッセに、故郷の妻ペネロペの貞節を告げる。
真の姿ミネルヴァへの変身シーンは、歌舞伎の早変わりのよう。
佐藤は、低音から高音まで美しい響きで、気品あふれる女神を歌った。

ウリッセの息子テレーマコ(岡田尚之)が、ミネルヴァに連れられて、スパルタから帰国する。
岡田は明るく力強いテノールで、現在注目されている若手の一人。


3人の求婚者。左から、ピサンドロ(飯田康弘)、アンティノオ(金子宏)、アンフィノモ(高梨英次郎)。調子のいいピサンドロ、気ままな青年貴族アンフィノモ、アンティノオの悪役ぶり、となかなか楽しい演技を見せて飽きさせなかった。


大食漢イーロ(渡邉公威)。ウリッセが帰還し、宮殿を追い出され、食べる楽しみがなくなって死んでしまう。悲哀と可笑しさが同居する役を巧みに演じた。


紫はウリッセの色。


特殊な編成のオーケストラ。打楽器群は、オーケストラピットに入らず、花道に
紗幕貼りの部屋を作って収容された。


カーテンコール(撮影:堀 衛)

ご来場いただき、誠にありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼公演詳細はこちらをご覧ください
2009年6月公演『ウリッセの帰還』- 公演記録|東京二期会

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