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9月公演プッチーニ〈三部作〉:キャストから登場人物紹介『外套』編~20世紀初頭パリに生きた貧しくもバイタリティ溢れる人々

1910年、舞台はパリのセーヌ川の倉庫が立ち並ぶ船着場。登場人物たちはそこで働く市井の人々。〈三部作〉の最初に幕を開ける『外套』では、そうした貧しいながらもバイタリティ溢れる人物たちが登場します。幼児の死、妻の不貞、愛人の殺害といった非常に重苦しいドラマの展開の中で描こうとしているものは、人間の強烈な個性と、生きていくことの意味と力なのかもしれません。それぞれの登場人物と見どころをキャスト自らがご紹介いたします。

<ミケーレ>
今井俊輔(7日・9日)「貨物船の船長でミケーレという役を演じさせていただきます。年老いていて妻のジョルジェッタとは25歳の年齢差があります(ミケーレの年齢設定は50歳)」
上江隼人(6日・8日)「ミケーレはバリトンにとって発声的にも、芝居的にもとても難易度の高い役です。譜面を通して感じたことは、『外套』は他の作品に比べてぎこちない世界観が見事に音楽になっているように感じます」
今井 「ミケーレはジョルジェッタとの子を無くし、打ちひしがれ、時も過ぎ髪の毛も灰色になってしまった。その過程で、貝のように自分を守るかのように「外套」を身にまとい、殻に閉じこもってしまった。無口ながらも、それでもなんとか妻と幸せだった頃に戻りたいと切実に願っている。また、とても父性に溢れる人物だと感じます」
上江 「子供の事を今でも背負いながら生きている彼はいつしか、妻に対しても自分を閉ざし、屈折してしまったのかもしれません。ぎこちなさ、もどかしさをどう表現するかがネックになってくると思います」
<ジョルジェッタ>
北原瑠美(6日・8日)「ジョルジェッタはミケーレの妻です。幼い息子を亡くしてしまったことから夫婦の間は冷め、ジョルジェッタは年若いルイージとの不倫に走ります。」
文屋小百合(7日・9日)「ジョルジェッタは、夫と仕事の話もでき、部下の世話もこなすしっかりした女性です。子どもを亡くしたことをきっかけに夫婦の関係も冷めてしまっています。悲しみを引きずっている夫にはうんざり…私だって悲しいのに!子どもがいたらきっとよい夫婦でいられたかもしれない…」
北原 「彼女自身は決して特別なヒロインでも、悪女でもありません。ごく平凡な女性なのだと思います。しかし、そんな等身大の彼女の渇望する姿に共感し、魅力を感じます。ジョルジェッタのアリアには陸上の生活に焦がれる若い女性らしいエネルギーが満ち溢れており、ルイージとの二重唱における切羽詰まった熱情、ミケーレとの苦悩をぶつけ合うシーンなども見ごたえ、聴き応えがあると思います」
<ルイージ>
芹澤佳通(7日・9日)「ルイージは20才の青年で、ミケーレ船長のもとで積み荷の荷降ろしをしています。彼はミケーレの妻、ジョルジェッタと不倫関係にあり、ミケーレの目を盗んでは逢い引きを重ねています」
樋口達哉(6日・8日)「感情を直線的に表してしまう若い船乗り。
いつまで経っても、どこまで行っても何一つ変わらない現実、今の暮らしには絶望しかなく、早くこの生活から抜け出したいという思い。心の中でも「負のスパイラル」が続くというやるせなさ。もう、どうしようもないというツラさ。――俺はこのままでいいのか?―― 過ぎてゆく青春をアリアで嘆きます」
芹澤 「ルイージには2曲のアリアがあり、2曲目のアリア「お前の唇が欲しい」は、感情のたがが外れ、ジョルジェッタへの溢れ出る思いが狂気へと変貌していくほど激しい曲。命がけで歌います…」
樋口 「2つのジョルジェッタとの二重唱も聴かせます!辛いながらも暗い情熱に溢れたジョルジェッタ。同じ旋律を追いかけながらの甘美で優美な旋律。しかしながら、お互いの気持ちには微妙なズレが……後半の二重唱も、ダメだとわかっちゃいるけど、盛り上がったら止まらない想いが溢れてきます!」
<ティンカ>
児玉和弘(6日・8日)「私が演じるティンカは、港で働く中年(設定では35歳)で、肉体労働者。アル中です」
新津耕平(7日・9日)「『外套』に出演する男性はそれぞれ共通する点、重なる点があると思っています。ルイージが仕事に邁進すればミケーレになり、家庭の幸福を選べばタルパになり、どちらも選ばず、逃げ出すこともしないと、酒に溺れるティンカになる。だからなのか、自分にない「若さ」と「女」を持つルイージには嫉妬しています」
<タルパ>
北川辰彦(7日・9日)「タルパは人生に大きな欲もなく、ただ毎日同じ日々を過ごしてきたのではないでしょうか。毎日同じように起きて、仕事して、帰って妻と飼い猫と一杯のワインを愛でる。そしてまた明日のために寝る。唯一夢見るは、小さな家を買うこと。何もないことが幸せ(設定では55歳)」
清水那由太(6日・8日)「日常に閉塞感を覚えつつもそれをどうすることもできない、どうにかする術を知らないひとりの人間として、本番当日の舞台にいられたらと思います」
<フルーゴラ>
塩崎めぐみ(6日・8日)「私が演じるフルーゴラは、「ゴミ拾い」を生業にしていながら、他の登場人物とは違い、人生を前向きに捉えています。「個々の価値観で、状況は色々な風に捉える事が出来る」と言うメッセージが、この役を通して訴えられているように感じつつ、役作りに取り組んでおります」
小林紗季子(7日・9日)「イタリア語のfrugolare(くまなく探す)からフルーゴラとあだ名がつけられました。他の人にはゴミであっても彼女にとっては宝物であり、毎日色々なものを探しだし、旦那のタルパに見せています。また、フルーゴラが拾い集めてきたものをジョルジェッタに見せるアリアがあります!オペラの内容はドロドロな人間模様ですが音楽はとても美しく素晴らしいです」
<流しの唄うたい>
高田正人(6日・8日)「流しの歌うたいです。一見物語に関係の無い、気楽なキャラクターに見えますが、「恋に生きたものは、恋に死んで行く」という歌詞は、ある意味この「外套」という物語の本質を突いているのかもしれません」
西岡慎介(7日・9日)「ヨーロッパを旅したり、生活をすれば、今でもレストランや、街の通りなどで良く見ることができる、街から街へと渡り歩く歌い手です。それが流しの唄うたいの姿です」
<若い恋人たち>を代表して
新海康仁(6日・8日)「ストーリーの中心にあるドロドロした恋愛模様とは真逆で、幸せいっぱいのカップルで、突然現れます。陰湿な物語の中にあって爽やかな印象を与え、それによってより暗さが強調されるのです」
新垣有希子(6日・8日)
「今回の演出では、『ジャンニ・スキッキ』の娘ラウレッタと、リヌッチョが一瞬だけここに登場します。本当に一瞬ですので、皆様、お見逃がしなく!!」

 
▼プッチーニ〈三部作〉公演情報ページはこちら
2018年9月公演 G.プッチーニ〈三部作〉 外套/修道女アンジェリカ/ジャンニ・スキッキ - 東京二期会オペラ劇場

 2018年9月6日(木)18:30、7日(金)14:00、8日(土)14:00、9日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
 指揮:ベルトラン・ド・ビリー、演出:ダミアーノ・ミキエレット、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
 合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
 〈主催〉公益財団法人東京二期会
 〈共催〉公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会

▼プッチーニ〈三部作〉プレ講座&ミニ・ライブ(入場無料)開催迫る!ご予約はお早めに
プッチーニの魅力を語りつくし、歌いつくす!8/16(木)は、すみだパークギャラリーで〈三部作〉プレイベント開催! - オペラの散歩道(二期会blog)

●プレ・イベントおよび〈三部作〉のお問合せ・ご予約は
 二期会チケットセンター 03-3796-1831
 (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!

 
 

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ドイツ・フライブルク歌劇場で専属歌手として活躍するテノール西岡慎介・近況

ドイツ・フライブルク歌劇場でヴェルディ『シチリアの晩鐘』に出演中のテノール、西岡慎介が無事に新制作公演の初日を終えました。
今回は劇場専属歌手になって初めて出演する演目ですが、出足も好調。この先も13回出演します。
また、2014年4月26日にプレミエを迎える、同歌劇場公演プッチーニ『外套』にティンカ役での出演が決定致しました。
その西岡よりメッセージが届いておりますので、ご紹介致します。
  = = = = = = = =
「昨日、フライブルク市立歌劇場公演『シチリアの晩鐘』のプレミエが終演いたしました。本来は11月2日のプレミエの予定でしたが、諸事情により3週間遅れての公演となりました。専属歌手として初めての新制作のプロダクションということで、僕にとっていつもとは違った緊張感がありましたが、無事に終えることができてホッとしております。『シチリアの晩鐘』は残り13公演です。最後まで全力で頑張ります。西岡慎介」
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Foto: MAURICE KORBEL
第2幕より ニネッタ役(専属歌手チュー・イン・ドゥ)とのシーン
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Foto: MAURICE KORBEL
第2幕より
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Foto: MAURICE KORBEL
第3幕より 舞踏会のシーン
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Foto: MAURICE KORBEL
第3幕より 三重唱のシーン(左から、専属歌手ジンソク・リー、ゲスト歌手クリスティーナ・ヴァジレバ、西岡)
▼フライブルク歌劇場『シチリアの晩鐘』11/23のプレミエのページ(ドイツ語)
Die sizilianische Vesper - PREMIERE - Theater Freiburg
▼フライブルク歌劇場、西岡慎介プロフィールページ
Shinsuke Nishioka (Tenor) - Theater Freiburg
▼西岡のブログ
「シチリアの晩鐘」のプルミエでした - にっしーのブログ

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テノール西岡慎介がドイツで活躍中!

ドイツ・フライブルク在住のテノール西岡慎介の最新情報です。
nishioka_shinsuke_1208.jpg 西岡慎介
フライブルク市立歌劇場2012/13シーズン(来シーズン)公演において、G.ヴェルディ『ナブッコ』(指揮Fabrice Bollon・演出Michael Sturm)にアブダッロ役で、R.ワーグナー『ローエングリン』(指揮Fabrice Bollon・演出Stefan Hilbrich)にブラバントの貴族役で出演します。
『ナブッコ』のプレミエ(初日公演)は2012年10月6日で、公演は来年2月まで続きます。『ローエングリン』は2013年1月12日からの出演予定。
また、12月にはスイスのヴィンタートゥア歌劇場への引っ越し公演にも出演を予定しています。今後の活躍にどうぞご注目ください。

▼ドイツ・フライブルク市立歌劇場のWebサイト
Theater Freiburg
 「SPIELPLAN」をクリック~「nächster Monat »」をクリックして当該月表示で
 公演スケジュールと概要・キャストなどがご覧になれます。(ドイツ語ページ)
▼引っ越し公演先のスイス・ヴィンタートゥア歌劇場のWebサイト
Theater Winterthur
▼西岡慎介のブログはこちらです
にっしーのブログ

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【速報】ドイツ・フライブルクにて留学中のテノール西岡慎介が、栄えあるエスタハージー音楽祭に出演!

2012年4月、フライブルク音楽大学大学院アドバンスドディプロムコースに合格し、南ドイツで研鑽を積むテノール西岡慎介より、オーストリア・アイゼンシュタットにて開催中の【Festival Esterházy 2012】(エスターハージー音楽祭2012)出演直後の速報と写真が届きました。

出演を果たしたのは、2012年4月28日(土)、ヨーゼフ・ヴァイグル(Joseph Weigl)作曲、サロンカンタータ「IL Sacrifizio」(原語:イタリア語上演/指揮:Philipp Vogler/演出:Nico Trees)Jaeger(狩人)役。
エスターハージー音楽祭2012はオーストリアの都市、アイゼンシュタット(Eisenstadt)で4月から10月まで開催され、今年で17回目を迎えます。同じくアイゼンシュタットで開かれる「ハイドン音楽祭」と並ぶ、規模の大きな注目の音楽祭。
今年はジョセフ・カレヤとアナ・マリア・マルティネスのオペラ・ガラコンサートや、ミュンヘン・カンマーオーパーによるロッシーニ『チェネレントラ』等、多数の演奏会が予定され、非常に華やかなラインナップとなっています。
castle_Esterhazy.jpg エスターハージー城(音楽祭会場)
「IL Sacrifizio」は、ヴァイグルが当時の神聖ローマ皇帝フランツ2世の誕生日の祝賀のために作曲したサロンオペラ作品で、1806年2月12日にウィーンで初演され、その高い音楽性と美しい旋律で聴衆を大いに魅了しましたが、初演から5ヵ月後の、1806年7月にナポレオン戦争により神聖ローマ皇帝は消滅、神聖ローマ皇帝としてのフランツ2世も退位し、この作品も歴史の激動に翻弄される形で、長い間忘れ去られることになりましたが、今回、バイエルン国立歌劇場の演出家でもあるNico Trees氏演出による、復活公演プロジェクトとして「エスターハージー音楽祭2012」での上演が決定したものです。
演奏会場はアイゼンシュタットにある、エスターハージー城内のハイドンザール(Haydnsaal)。エスターハージー家に宮廷音楽家として仕えていたヨーゼフ・ハイドンのために、エスターハージー公爵が造った歴史あるホールです。
Haydnsaal.jpg ハイドンザール
「それ自体が芸術作品といわれている、ハイドンザールで演奏することが出来、身の引き締まる思いでした。出演キャストは私を含め8人で、ドイツ、アメリカ、スウェーデン、セルビア、ギリシャ、日本、中国の各国からの歌手で構成されました。
私は一昨年(2010年)、Frankfurt an der Oderにて開催された、Oper Oder Spree国際音楽祭でNico Trees氏より評価を頂き、出演の機会を与えて頂きました。本当に光栄です。
今回のプロダクションへの出演機会を得るにあたり、2009年に出演した『ウリッセの帰還』が<ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ版>であったこと、ペーター・コンヴィチュニー演出の『サロメ』に出演した事などにも制作委員会が興味を持ったとのことで、ヨーロッパで大きな舞台を踏むことが出来たきっかけを、2つの二期会オペラの出演経験から得ることが出来ました。この経験をしっかり自分のものとし、また二期会公演に出演できるよう、精一杯努力してまいります。」と西岡は語っています。
nishioka_and_trees.jpg 終演後、西岡(左)と演出家のNico Trees氏

演出のNico Trees氏は、2013年7月にバイエルン州立歌劇場(ミュンヘン)で『ファルスタッフ』の再演を手掛ける俊英。
▼Nico Trees氏について(バイエルン州立歌劇場HPより)
Biographie Nico Trees - Bayerische Staatsoper
今回の演奏はオーストリアのCDレーベル(Newplay Classical-Recordings)より今年度中に発売される予定。
▼レーベルのウェブサイト
Newplay Entertainment
▼西岡慎介のブログ
にっしーのブログ
▼二期会ブログ関連記事
【受賞報告】テノール西岡慎介、「Oper Oder Spree 2010」で全部門総合第1位受賞! - 2010年10月15日|オペラの散歩道(二期会blog)

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迫力の『トゥーランドット』無事に終演しました!(レビュー[2])

東京も30℃を超える暑さが続く中、粟國淳演出『トゥーランドット』の幕を下ろしました。
今回の公演は、「熱気があった」「オーケストラの音に感動した」等、お客様の声もいただき、これまでにないスケール感で盛り上がりを見せました。
公演写真を加え、この夏最大の舞台『トゥーランドット』を振り返ります。
★7月6・9日出演組(撮影:三枝近志)
☆7月7・10日出演組(撮影:鍔山英次)




福井 敬の凛々しいカラフ、横山恵子のたおやかなトゥーランドット姫、完成度の高い演奏を聴かせたピン(萩原 潤)、パン(大川信之)、ポン(村上公太)、ソリスト陣の勢いに乗り、いずれも高い評価を得ました。皇帝アルトゥムは田口興輔。


二期会合唱団も大活躍。トゥーランドットは、合唱の出番も多く大変な演目ですが、マエストロからの厳しい要求にも見事にこたえ、力強く表情豊かな音楽を聴かせました。

総勢130名が舞台に乗ると壮観です。こちらは1幕。


リュー(日比野 幸)の後ろの人物の表情にも注目。ティムールは佐藤泰弘。
群衆も一人一人、劇中で生きているのです。私たちがそうであるように。


ピン(栗原 剛)、パン(西岡慎介)、ポン(菅野 敦)
3人の大臣がそれぞれの故郷への憶いを馳せるシーン。


官吏、役人、美しい侍女たち。天上の人皇帝アルトゥムは牧川修一。
音楽を視覚的に楽しませ、華やかに彩りました。

7日と10日に代役でカラフを歌ったルディ・パークは、韓国出身。スカラ座をはじめ、世界各地の劇場でこのカラフを歌い、絶賛されている逸材です。

今回リューを歌った新垣有希子は、ローマでの研鑽時代、志を共にした友人でもあります。久しぶりの再会もあって、士気も高まりました。


丹藤亜希子も難役トゥーランドット姫を歌い切り、二期会オペラのデビューを飾りました。


ティムール(大塚博章)はリュウの亡骸にすがり悲しむ。


終幕。

たくさんのお客様に盛大な拍手をいただきました。
また、会場ロビーで行われた、東日本大震災被災地への義援金募金にも多くの方がご協力くださり、4日間の公演で合わせて「329,919円」をお預かりいたしました。この義援金は全額、東京都を通じ、被災地へお届けさせていただくことをご報告申し上げます。誠にありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼レビュー[1}もあわせてご覧ください。
粟國淳演出『トゥーランドット』開幕!(レビュー[1]) - 二期会blog(2011/7/7)

ZEN,帆かけ舟

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トゥーランドットの稽古場から

一晩中降った雨がやみ、日差しが強くなって、蒸し暑さも感じる午後、初日まで2週間となった『トゥーランドット』稽古場を訪ねました。
この日は3幕最後の場面。70人近い合唱、カラフ(松村英行:写真右)、トゥーランドット姫(丹藤亜希子)、ピン(栗原 剛)、パン(西岡慎介)、ポン(菅野 敦)等、勢揃いして舞台を埋め尽くし、大迫力の終幕です。
ダンサーたちは、稽古場に入ると、長い手足をゆっくり伸ばし、入念なストレッチを繰り返した後、時間をかけてアップします。
鍛えられた筋肉の繊細な動きに心を奪われます。日々の鍛錬のたまもの。
turandot_reh_1438.jpg
演出の粟國 淳氏(写真:左)は、舞台全体を見ながら、個々の動きを丁寧に修正し、稽古場をまとめていきます。
公演が近づくにつれ、次第に緊迫感が増してくる現場の空気に身が引き締まり、エネルギーを感じます。
7月の公演、待ち遠しくなってきました。

帆かけ舟

▼公演情報・チケットのご予約はこちらから
2011年7月公演『トゥーランドット』 - 東京二期会オペラ劇場
▼こちらに最新の残席情報をお知らせしています
7月公演『トゥーランドット』残席状況 - 二期会blog オペラの散歩道

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テノール西岡慎介、『トゥーランドット』出演のため留学先のドイツより一時帰国中

2月公演『サロメ』出演後、再び渡独していたテノールの西岡慎介が『トゥーランドット』出演の為、帰国しています。
東京藝術大学大学院を修了し、二期会オペラ研修所マスタークラス優秀賞を受賞した後も次々と二期会オペラに起用される逸材。
磨きのかかった美声に周囲の期待も高まっています。
過日4月10日(日)には、ドイツ・フライブルク市内の語学学校(Sprachenkolleg)に併設されたホールにて開催された、東北関東大震災へのチャリティコンサート【Benefizkonzert für Erdbeben und Tsunamiopfer in Japan】にも出演し好評を博しました。
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西岡慎介(テノール)と倉谷千明(ソプラノ)
この演奏会にはフライブルクを中心に活躍しているヴァイオリニスト、2009年にフライブルクで行われたレプティーン国際ピアノコンクールで優勝したピアニストに加え、テノールの西岡とやはり二期会のソプラノ、倉谷が出演致しました。
西岡慎介は2010年、Frankfurt an der Oderにて開催された、Oper Oder Spree国際音楽祭で受賞したグランプリを受賞、現地でも「しなやかで柔らかい声と、ドラマティックな歌曲解釈がひときわ輝いていた」と評され、また倉谷千明は、2011年度よりドイツ国立フライブルク音楽大学大学院アドバンスドディプロマコースの難関に合格したことなどから出演を依頼されたものです。
コンサートには満員のお客様が訪れ、日本歌曲「泊まり船」、オペラ『魔弾の射手』よりマックスのアリア“Durch die Wälder”、オペレッタ『微笑みの国』よりアリア“Dein ist mein ganzes Herz”(以上、西岡)、中田喜直作曲「さくら横ちょう」オペラ『魔弾の射手』よりアガーテのアリア“Und ob die Wolke sie verhülle”、オペレッタ『パガニーニ』よりアリア“Liebe du Himmel auf Erden...”(以上、倉谷)を演奏、さらに二人のデュエットによる『椿姫』乾杯の歌、滝廉太郎作曲「花」の演奏に盛大な拍手が送られ、収益の全額は日本赤十字社へ義捐金として送金されました。
前日には地元新聞(Badische Zeitung)にも紹介記事が掲載されています。

▼期待の高まる『トゥーランドット』公演情報はこちら
2011年7月公演『トゥーランドット』 - 東京二期会オペラ劇場

7月公演『トゥーランドット』は本当に理想的な配役で、紹介しきれないほど粒ぞろいの歌手たちが揃っていますね!
今後、少しずつご紹介して参ります。
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【受賞報告】テノール西岡慎介、「Oper Oder Spree 2010」で全部門総合第1位受賞!

2009年6月、二期会ニューウェーブオペラ『ウリッセの帰還』のエウリマコや11月『カプリッチョ』にも続けて出演し美声を聴かせたテノール会員・西岡慎介(にしおか しんすけ)がドイツ、フランクフルト・アン・デア・オーダーにて開催された国際音楽祭「Oper Oder Spree 2010」にてドイツ歌曲・オペラハイライト・オペラガラ全部門総合1位(グランプリ)を受賞いたしました。
この音楽祭は今年で20回目を迎え、7月19日〜8月8日までの3週間にわたって、事前の予備審査(音源審査と書類審査)で選抜された31名の参加者に、さらにオーディションを行い選抜されるもの。
西岡は第1回目のコンサートでシューベルト「美しき水車小屋の娘」より〈仕事を終えて〉を歌い、7月26日付Markische Oderzeitung新聞社発行のOder-Spree Journal新聞に「日本人男性、西岡慎介は、すばらしい、しなやかな柔らかい声と、ドラマティックな歌曲解釈に客席は沸きあがり、ブラボーとともに拍手喝采を受けた。」と出演者の中で唯一評されました。
続くRAGOWER MÜHLEにて行われた4回のコンサート「Oper in der Scheune」では、妻でソプラノ準会員の倉谷千明(くらたに ちあき)とともに『ランメルモールのルチア』より、ルチアとエドガルドの二重唱を演奏、7月31日付Markische Oderzeitung新聞で「2人の"ルチア"のデュエットは観客の心を大きく揺さぶった。ソプラノの曲の歴史の中でも特に難度の高いこの作品を、抜きん出た歌唱で歌った日本人の倉谷千明そして同国出身西岡慎介は、ひときわ輝いていた。」と評され、倉谷も7回のコンサート全てに出演、実力を発揮しました。
さらに続く、「Festliche Operngala」コンサートでは、西岡がオペラ「魔弾の射手」よりマックスのアリア「Durch die Walder」を歌い見事第一位(グランプリ)を受賞。
nishioka_award_certificate.jpg グランプリの賞状
8月7日の演奏会の後、授賞式が行われ、8月9日付Markische Oderzeitung新聞では「彼は1回目のコンサートでは、その柔らかい声でシューベルト作曲の歌曲を歌い上げ、嵐のような拍手喝さいを呼び起こした。そして今日はオペラ「魔弾の射手」のアリアを演奏しこの上ない最高得点を獲得した。」と評されました。
2位はドイツ人ソプラノ、3位はリトアニア人のバリトンで、日本からの2人がこの3週間を通しての
音楽祭で高い評価を得たことは国際的にも邦人歌手のレベルの高さを強く印象付けるものとなりました。
西岡はバイエルン国立歌劇場で09年にも『オテロ』や『ファルスタッフ』の新演出を手掛けた演出家の
Nico Trees氏からも格段の評価を得ています。
kuratani_nishioka_2010_08.jpg
2010年7月24日歌曲コンサート終演パーティにて
左からNico Trees氏、倉谷千明、西岡慎介
今後、西岡は東京二期会2011年2月公演『サロメ』にナザレ人役で出演します。
2人のさらなる活躍にご注目ください。

▼西岡出演予定の『サロメ』の情報はこちら
2011年2月公演R.シュトラウス『サロメ』- 東京二期会オペラ劇場
▼西岡慎介のブログ
にっしーのブログ
▼倉谷千明のウェブサイト、ブログ
ソプラノ歌手 倉谷千明オフィシャルサイト
ちむのドイツ滞在記(ブログ)

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『ウリッセの帰還』さまざまに姿を変える神々と人間の交感若さあふれるオペラの息吹きを届けました

6月6日(土)・7日(日)に北とぴあさくらホールにて上演いたしました、二期会ニューウェブオペラ劇場モンテヴェルディ『ウリッセの帰還』(ヘンツェ版・日本初演)はおかげさまをもちまして大盛況のうちに幕を下ろしました。
高岸未朝による繊細な演出、高関健の指揮による東京交響楽団の強力なサポートを得て、モンテヴェルディ独特の音世界を、現代オーケストラの響きで構築。若手中心の歌手陣のエネルギーを感じさせました。
モンテヴェルディの音楽による情景描写を“善意と悪意”6人のダンサーが視覚化。踊り、舞台転換、黒子、船などありとあらゆる事象を体現し、羊になり、神になり、召使になり、その効果は劇的でした。
2日間の華麗な舞台をご覧いただきましょう。
【6日(土)の舞台から】撮影:三枝近志

冒頭、プロローグのシーン。はかなさは地球の上にいるが、バランスを崩して今にも落ちそう。はかなさ(彌勒忠史)、愛(村田ゆう子)、時(嘉目真木子)


英雄ウリッセの妻ペネロペ(杣友恵子)は既に20年、夫の帰りを待ち続けている。


女官メラント(醍醐園佳)とエウリマコ(西岡慎介)。
とりとめもない幼い愛人たち。


英雄ウリッセ(大沼徹)。故郷に帰ることが許されない苦しみを力強く歌う。


忠実な羊飼エウメーテ(小林大作)は、安定した歌唱力、自然な演技で、客席を惹き付けた。老人の姿をしたウリッセを、そうとは知らずに心からもてなす。


ペネロペの邸に、息子テレーマコ(宮本英一郎)が帰ってくる。エウメーテとともに、ウリッセの帰還が近いことを告げるが、ペネロペは信じようとしない。


女神ミネルヴァ(大西ゆか)。人間の選択が正しいものであるように導く。ミネルヴァは、いつも明るい光とともに登場する。美しく賢明な女神を見事に演じた。


ついに、夫ウリッセその人と信じることができた瞬間、深い喜びと安堵に満ちた、ペネロペとウリッセ。


カーテンコール(撮影:堀 衛)

【7日(日)の舞台から】撮影:鍔山英次

待つ時間の長さに匹敵する長大なアリアを、魅惑的に歌うペネロペ(金子美香)。
深い表現力を持つメゾ・ソプラノの美声を存分に披露した。


エウリマコ(森田有生)とメラント(中野亮子)。
モンテヴェルディが描く世俗の恋の世界を、鮮やかに聴かせた。

 
変身前のウリッセ(小林昭裕)と、変身後のウリッセ。小林は、しっかりと鍛錬したバリトンの声の魅力を感じさせる。
 
牧童の姿をしたミネルヴァ(佐藤奈加子)がウリッセに、故郷の妻ペネロペの貞節を告げる。
真の姿ミネルヴァへの変身シーンは、歌舞伎の早変わりのよう。
佐藤は、低音から高音まで美しい響きで、気品あふれる女神を歌った。

ウリッセの息子テレーマコ(岡田尚之)が、ミネルヴァに連れられて、スパルタから帰国する。
岡田は明るく力強いテノールで、現在注目されている若手の一人。


3人の求婚者。左から、ピサンドロ(飯田康弘)、アンティノオ(金子宏)、アンフィノモ(高梨英次郎)。調子のいいピサンドロ、気ままな青年貴族アンフィノモ、アンティノオの悪役ぶり、となかなか楽しい演技を見せて飽きさせなかった。


大食漢イーロ(渡邉公威)。ウリッセが帰還し、宮殿を追い出され、食べる楽しみがなくなって死んでしまう。悲哀と可笑しさが同居する役を巧みに演じた。


紫はウリッセの色。


特殊な編成のオーケストラ。打楽器群は、オーケストラピットに入らず、花道に
紗幕貼りの部屋を作って収容された。


カーテンコール(撮影:堀 衛)

ご来場いただき、誠にありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼公演詳細はこちらをご覧ください
2009年6月公演『ウリッセの帰還』- 公演記録|東京二期会

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テノール西岡慎介が、奏楽堂日本歌曲コンクール・奨励賞受賞!

去る5月24日に本選が行われた奏楽堂日本歌曲コンクールで、テノール・西岡慎介が奨励賞を受賞しました。
近年ではバリトン・与那城敬(第18回・第1位)やメゾソプラノ・金子美香(第18回・第3位)が入賞しています。
西岡は、6月6日(土)初日を迎える「ウリッセの帰還」で、エウリマコ役に出演予定。
旬の若手テノールに注目です!
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http://www.taitocity.net/taito/sougakudou/conkours1.htm

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二期会ニューウェーブオペラ劇場『ウリッセの帰還』- 公演詳細|東京二期会
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