タグアーカイブ: 大塚博章

人生のはかなさと愛のうつろい…『ばらの騎士』
東京から、愛知、大分へ

チームばらの騎士、再集結!――
7月に東京文化会館で上演致しました、共同制作公演R.シュトラウス『ばらの騎士』。
東京での4日間の公演はお蔭様で大好評をいただき幕を下ろすことが出来ました。あれから3ヶ月、10月28日・29日の愛知県芸術劇場、11月5日の大分・iichiko総合文化センターでの公演に向け、再びリハーサルを重ねています。

本プロダクションはイギリス・グラインドボーン音楽祭との提携公演。
演出家リチャード・ジョーンズが描く洗練された人間模様と人生に対する深い洞察。そして、ウィーンの20世紀を代表する作曲家リヒャルト・シュトラウスの美しい音楽が心に残る舞台です。

それでは愛知、大分公演のプレミエに向けて、東京公演の舞台を写真で振り返ってみましょう。
◇印の写真は7月26日、29日組/◆印の写真は7月27日、30日組
(撮影:三枝近志)

第1幕


◆元帥夫人マリー・テレーズ(森谷真理)は、元帥の留守中、若い愛人の青年貴族オクタヴィアン(澤村翔子)と朝食を楽しみます。


◇そこへ、レルヒェナウの領主で従兄弟のオックス男爵(妻屋秀和)がやってきます。
オックス男爵は、武器商人で資産家のファーニナル家の娘、ゾフィーと婚約のため、元帥夫人(林 正子)に、貴族の結婚のしきたりとして、婚約申込の「ばらの騎士」を選んでほしい、と頼みに来たのでした。


◇退出する機を失ったオクタヴィアン(小林由佳)は、小間使いの服を着て現れます。オックス男爵はその初々しさに夢中になります。


◆オックス男爵(大塚博章)は、持参金の交渉のため、公証人も紹介してほしいと頼む厚かましさ。


◇帽子屋(藤井玲奈)に動物商(芹沢佳通)、嘆願の孤児たち(大網かおり、松本真代、和田朝妃)、テノール歌手(菅野 敦)たちが元帥夫人のご機嫌伺いにやってきます。


◆大勢の人々が出入りする中、ヴァルツァッキ(升島唯博)とアンニーナ(増田弥生)がオックス男爵に近づき、「お役に立ちますよ」とささやきます。


◆髪を結い、人払いをして、ようやく一人になった元帥夫人は、物思いにとらわれます。

自分も、修道院から出たかばかりで結婚をするように命じられた。
「その娘は今はどこへ行ってしまったのだろう。」
「まるで去年の雪を探すようなものだわ。」


◆やがて、オクタヴィアンが戻ってきます。
でも若く青春の真っただ中にいる彼には、「時は過ぎ去る」というマルシャリンの言葉を理解することはできないのでした。

「今日か明日か、また明後日か。あなたは私から去っていくでしょう。」


◇オクタヴィアンは退出します。マルシャリンが呼び戻そうとしたときには、馬にまたがり風のように去った後でした。
 
 
第2幕


◇オクタヴィアンは、オックス男爵の婚約の使者として、銀のばらを手にファーニナル家を訪れます。ファーニナルの美しい一人娘、ゾフィー(幸田浩子)は緊張の面持ち。


◆オクタヴィアンは、初々しいゾフィー(山口清子)の姿に心を奪われます。


◇やがて現れた花婿、オックス男爵は、ゾフィーをテーブルに乗せ、品定め。その品のなさと不躾な態度に、ゾフィーは驚き、怒ります。


◆部屋を抜け出し、「助けてください」というゾフィー。


◇オクタヴィアンも答えます。
「私たち二人のために。」
そしてお互いの愛を確かめるのでした。


◆ゾフィーが婚約を断り、オクタヴィアンがオックス男爵に剣を抜き、屋敷は大騒ぎ。


◇オックス男爵が、手当を受け、極上のワインを飲んでいたところに、召使いマリアンデルから手紙が来て機嫌を直します。憎めないオックス男爵のワルツ。
 
 
第3幕


◆曖昧屋のようなところでくつろぐ、オックス男爵。しかしこれは、オクタヴィアンのいたずらで、酔いがまわるにつれ、ヘンな化け物が出たり、オックスをパパと呼ぶ子どもたちがまとわりついて、彼の妻と名乗る女も現れる。


◆その騒ぎの最中、呼び出されたファーニナル(清水勇磨)が、あられもない婿殿の姿にあきれ顔。


◆警察沙汰になったところへ元帥夫人が登場。オックス男爵に、潔く、身を引くように迫るのでした。
「すべては終わったのですよ。」
元帥夫人もオクタヴィアンとの恋の終わりを、自ら示したのでした。


Heut oder morgen oder den ubernachsten Tag.
◆「今日か明日か、それとも明後日か。その時が来たのだわ。」
美しい三重唱。ゾフィーにはゾフィーの言葉が、元帥夫人には彼女の音楽が、そしてオクタヴィアンにも。


◇元帥夫人が去った後、ゾフィーとオクタヴィアンの二重唱。
「あなただけを感じています」

・・・終幕

美しい舞台の中に、単なるファンタジーではない、現代を生きる私たちに通じる、慕わしさや哀しみが描かれています。

愛知公演、大分公演でお待ちしています。

▼愛知公演の詳細とお問合せ・ご予約はこちら
R.シュトラウス作曲 オペラ『ばらの騎士』(全3幕、ドイツ語上演)|主催事業|イベント情報 - 愛知芸術文化センター
2017年10月28日(土)14:00開演/29日(日)14:00開演 愛知県芸術劇場大ホール
指揮:ラルフ・ワイケルト 管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

▼大分公演の詳細とお問合せ・ご予約はこちら
オペラ『ばらの騎士』|財団主催・共催事業 - iichiko総合文化センター
2017年11月5日(日)13:00開演 iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
指揮:ラルフ・ワイケルト 管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
 
 

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『魔笛』から7月『ばらの騎士』へ<2> ――オックス男爵 大塚博章にインタビュー

新しい年度がスタートしました!
2016年度を締めくくった共同制作公演『魔笛』でザラストロを演じ、次回7月公演『ばらの騎士』では難役オックス男爵で出演する、バス大塚博章。5月には、新国立劇場オペラパレスでのハイライトコンサートにも登場予定。ドイツオペラの大役が続く大塚に、公演の振り返りと、これからのステージについての意気込みを聞きました。
          *     *     *
――3月の川瀬×勅使川原プロダクションでの大分と神奈川での『魔笛』公演はいかがでしたか?

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大塚博章
大塚: 勅使川原さんと過ごした時間は何か狐につままれた様な感じでした(笑)
多かれ少なかれ私の中にある、「オペラって普通ならこうする」「『魔笛』ではこれがお約束だよね」的なことは排除されて、何故そうするのか?それほど理由がないのならやめましょう、というスタンスで始まりました。
これまで当たり前だと思っていた事が当たり前でなくなり、先入観を捨ててニュートラルな状態で稽古場に立つ時、心の拠り所はモーツァルトの存在以外にはありませんでした。
今まで一番数多く演じている役はザラストロですが、初めてやった時の新鮮な心理状態でこの役をとらえ、『魔笛』を考え、モーツァルトを感じる事ができたのは本当に勅使川原さんのお陰だったと思います。

ご来場頂いたお客様には色々な演出の『魔笛』をご覧になった方もいらっしゃると思いますし、初めて『魔笛』を、また初めてオペラをご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今回のこの『魔笛』は皆様に観て頂いた時に初めて結実したと思います。無の状態にリセットしてから作り上げた「勅使川原魔笛」の時間空間を共有できましたことを心より感謝致します。

――大塚さん自身が熱心なワグネリアンのおひとり。5月には新国立劇場で『ジークフリート』ハイライトコンサートに出演します。楽しみにしていることは?
大塚: 確かに三度の飯よりワーグナーが好きかもしれません。聞くことも演奏することも。
ワーグナーの面白さは、人間の――たまに人間でないときもありますが(笑)――感情の揺れ動き、悩んで決心するまでの過程、愛情から憎しみに変わる経過が音楽に描かれているところだと思います。
ハイライトコンサートではオーケストラ部分を2台のエレクトーンが演奏します。エレクトーンでオペラのオーケストラ部を演奏するのは珍しい事ではないのですが、ワーグナー作品は中々やらないので、エレクトーンの表現力の幅広さを楽しんで頂けると思います。
『ジークフリート』は「ニーベルングの指輪」4部作の3作目、言わば起承転結の転に当たる面白い作品です。
ジークフリートなる主人公は二作目の『ワルキューレ』の主人公ジークムントの息子で父の成し遂げられなかったことに挑みます。
4つの中では上演機会は少ない方なので、この機会に新国立劇場の本公演と合わせて是非ご覧頂きたいと思います。

――そして、7月からはいよいよ『ばらの騎士』東京・愛知そして再び大分公演が待っています。大塚さんが演じるオックス男爵の魅力、聴きどころ、そして本公演への意気込みをお願いします。
大塚: 『ばらの騎士』という作品には今まで他の役で関わったことがありましたが、その時、このオックスはバスの役の中で、世界一難しい役だと思いました。
ドイツ語の言葉は多いし音符も多い。そして早いし歌いっぱなし。音域も3オクターブ近く使う。そしてキャラクターとしてはブサイクなドン・ジョヴァンニとでもいいましょうか、憎まれ役だけど観客からは愛されるファルスタッフのような部分もあります。
これまでにオックス役を演じてこられた先輩方に取り組み方や秘訣などを教えて頂いてやっと勇気が出てきたところです。
この役に選ばれた当初、喜びを両親に伝えたら、早速DVDで『ばらの騎士』を見たそうで、「博章にこんな演技が出来るのか!?」と真剣に心配して電話してきました。「今はそれどころじゃなくて音取り、歌えるようになるまでが大変なんだよ!」という段階が長かったです。
この作品の主役は元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィーもいますが、しっかりお三方から嫌われるオックスを作り上げていきたいと思います。
今までの大塚博章をご存じの方が驚くような(色んな意味で)パフォーマンスをお見せしますとお約束しますので是非劇場にお運び下さい!
          *     *     *
様々な役を自分のものにしてきた大塚にとっても、オックス男爵は大いなる挑戦である、とのこと。『ばらの騎士』では、オオツカ男爵にどうぞご期待ください!
■■■ 公演情報 ■■■
二期会創立65周年・財団設立40周年記念公演
《グラインドボーン音楽祭との提携公演》
東京二期会、愛知県芸術劇場、東京文化会館、iichiko総合文化センター、
読売日本交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団 共同制作

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PDFちらし
R.シュトラウス『ばらの騎士』
オペラ全3幕・日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
日時:2017年7月
    26日(水) 18:00開演★
    27日(木) 14:00開演
    29日(土) 14:00開演(D席 売切)
    30日(日) 14:00開演
    (各日とも開場は開演の60分前)
 <★26日公演ではプレミエ・キャンペーンを開催予定(詳細近日発表)>
会場:東京文化会館 大ホール
料金:S席17,000円~D席5,000円、学生席2,000円
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
演出:リチャード・ジョーンズ
管弦楽:読売日本交響楽団

▼公演情報ページはこちら
2017年7月公演 R.シュトラウス『ばらの騎士』 - 東京二期会オペラ劇場
※大塚博章の出演日は7月27日(木)と30日(日)です
▼チケットのお求め、お問合せは
二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)

Gettii ←24時間受付、予約手数料0円、セブン-イレブン店頭決済&お受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!
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『魔笛』から7月『ばらの騎士』へ ――アンニーナ石井 藍とヴァルツァッキ升島唯博にインタビュー

3月共同制作『魔笛』大分・神奈川公演が終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!
今回の『魔笛』キャストの中で、7月からの『ばらの騎士』に出演する歌手が4人います。両組ザラストロの大塚博章、清水那由太と侍女IIIの石井 藍、そして神官IIの升島唯博です。『魔笛』の振り返りとともに、次なるステージへの意気込みを聞きました。
まずは、石井と升島。
『ばらの騎士』では、出演日は異なりますが、諜報屋コンビのアンニーナとヴァルツァッキを演じます。オペラではコメディの役割を受け持っていて、全幕を通じて顔を出し、オックス男爵についたり、オクタヴィアン側に寝返ったり、と物語を掻き動かします。
          *     *     *
――『魔笛』大分・神奈川公演お疲れさまでした。今回の川瀬賢太郎×勅使河原三郎プロダクションはいかがでしたか?

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升島唯博
升島: 今最も活躍していると言っても過言ではない若手指揮者の川瀬賢太郎マエストロとは今回で3回目の共演となりました。彼の音楽に対する情熱はすさまじく、毎回彼の棒から刺激を受けています。今回の『魔笛』でも彼の作り出す新たな音楽にとても感銘を受けました。
勅使川原さんは現代を代表するダンサーですが、その感性をもって作り上げられた舞台は衝撃的でした。『魔笛』は本場ドイツでも舞台で歌ったこともあり、日本でも様々なところで演じてきましたが、300年前から演じられてきたこの作品の全く知られていなかった部分を発見したような気分です。観方によってはとても難解で理解しがたかったかもしれませんが、今回の舞台で私は魔笛の新たな可能性を見いだせたような気がします。大分や神奈川でご覧になった方々には「うん、よかったね」では終わらず、話のタネになるような公演になったのではないかと思います。ご来場、まことにありがとうございました。
石井: 川瀬さんの緻密かつエネルギッシュな音楽と、勅使川原さんのダンスとオペラを融合させた舞台に圧倒されました。舞台の基本構成は白と黒、その中に唯一色彩である青と赤を纏うタミーノとパミーナ。そこに浮かぶ何本ものリング。想像を掻き立てる舞台でした。
私が演じた侍女はアンサンブルが主ですが、侍女Iの北原瑠美さんと侍女IIの磯地美樹さんととてもいいアンサンブルができたのではないかと思っています。
ご来場いただきましたお客様には厚く御礼申し上げます。

――7月には『ばらの騎士』が待っています。ヴァルツァッキとアンニーナは全3幕とも登場して、『ばらの騎士』の物語を掻き回すキーパーソンではないかと思います。役の魅力、聴きどころ、そして本公演の意気込みをお願いします。

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石井 藍

石井: そうなんです!歌う場面はそんなに多くはないのですが、常にスキャンダルを探しては金儲けを企んでいるので、舞台には登場しています(笑)。機転が利き、ユーモアある役どころなので、お客様が笑って一息つけるようなアンニーナを演じられたらなと思っています。
升島: ヴァルツァッキはウィーンにいるイタリア人の役なのです。イタリア訛りのドイツ語を喋り、面白いことに楽譜に「私は」という1人称単数の「ich(イッヒ)」が「ikk(イック)」と書いてあります。他にも「h」を発音しないので、「haben(ハーベン)」が「aben(アーベン)」と書いてあったり、文法もたくさん間違っています。
しかし、物事を狡猾に観察し、自分の利益になることを嗅ぎ分ける鋭い嗅覚を持っています。今現在はこれから勉強してどんどん役を深めていく段階ですが、このイタリア語訛りのドイツ語を物凄い速さで喋らなくてはいけないところが難しくもあり、とても挑戦しがいのある役だと思っています。物語の美しい部分や表に出ている部分は主役にやらせておいて(笑)、その隙間を埋め、または引っ掻き回し、オペラに色と味をつけていければと思います。是非この素敵で美しいオペラと、奇妙なドイツ語を喋るインテリイタリア人の働きを観に、劇場へお越しください!
石井: 声楽を勉強し、初めて見たオペラが『ばらの騎士』でした。以来、ずっと憧れていたこのオペラに出演が決まり、ワクワクが止まりません。
いい公演になるようしっかり準備して稽古に臨みたいと思います!
          *     *     *
ともにドイツ語圏での生活を経験している二人。石井は7月26日(水)・29日(土)、升島は27日(木)・30日(日)の東京公演に出演します!
■■■ 公演情報 ■■■
二期会創立65周年・財団設立40周年記念公演
《グラインドボーン音楽祭との提携公演》
東京二期会、愛知県芸術劇場、東京文化会館、iichiko総合文化センター、
読売日本交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団 共同制作

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R.シュトラウス『ばらの騎士』
オペラ全3幕・日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
日時:2017年7月
    26日(水) 18:00開演★
    27日(木) 14:00開演
    29日(土) 14:00開演(D席 売切)
    30日(日) 14:00開演
    (各日とも開場は開演の60分前)
 <★26日公演ではプレミエ・キャンペーンを開催予定(詳細近日発表)>
会場:東京文化会館 大ホール
料金:S席17,000円~D席5,000円、学生席2,000円
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
演出:リチャード・ジョーンズ
管弦楽:読売日本交響楽団

▼公演情報ページはこちら
2017年7月公演 R.シュトラウス『ばらの騎士』 - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)

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2016年9月公演『トリスタンとイゾルデ』を予習する~6/16(木)は本キャスト多数出演の《「わ」の会》が第2幕を全曲演奏!

2016年9月公演R.ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』の予習にぴったりの演奏会が、6月16日(木)に すみだトリフォニーホール小ホールで開かれます。
主催をするのはアーティストたち自らが結成した《「わ」の会》。2012年ワーグナー生誕200年記念の年に第1回演奏会を開催し、今回が3回目の主催コンサート。9月二期会公演の本キャストが多数出演し、『トリスタンとイゾルデ』の第2幕が(ハイライトでなく!)全曲演奏されるとのこと!ヴェルディと比べるとワーグナー・オペラの曲が室内楽規模のコンサートで演奏される機会自体が少ないだけに、これは貴重な機会です。どのような演奏会になるのか、出演者のひとりで、本公演のイゾルデ役・池田香織に話を聞きました。
201605_ikeda_kaori.jpg 池田香織

――まずは、「わ」の会のご紹介を。
池田: 「わ」の会とは、ワーグナーのオペラを幕見形式でご紹介し、身近な形で、しかし本格的に楽しんでいただこうという会です。「わ」はワーグナー、ワーグナーの中心的作品であるリング(環)・そして私たちの和をあらわしています。指揮者・ピアニスト・解説や字幕まですべて自前のメンバーなのが自慢です!

――結成のきっかけは?
池田: バスの大塚博章と指揮の城谷正博が発案で、「ワーグナーのオペラを歌うのには経験の積み重ねが必要だけど、なかなかチャンスはないよね」と話していたのです。イタリアオペラやモーツァルトなどは小規模公演なども行われますが、そのようにはいきません。まずはワーグナーのサウンドをピアノで弾きこなせる有能なピアニスト、指導力のある指揮者、そして暗譜にめげない果敢な歌手が必要。あちこちの仕事場でご一緒しながらそんな話をしているうちに、ハイライトならできるんじゃない?と盛り上がって、少しずつ仲間に声をかけたのがはじまりです。
最初は演奏会形式でとか言っていたのですが、やっぱり歌手は動くと表現力が何倍にもなりますし、今ではすっかり「ピアノが舞台にのってるけど演技つきでオペラです」形式が定着しました。普段は舞台の下にいて見られない城谷のプロンプターとしての職人芸を見られるのが楽しみとおっしゃる‘通’なお客様もいらっしゃいます(笑)。

――今回は『タンホイザー』と『トリスタンとイゾルデ』のそれぞれ第2幕を演奏。
   それぞれの聴きどころを。
池田: 『タンホイザー』は、旗揚げ公演で第1幕をやったのですが、その時に演奏していただいたハープの操 美穂子さんが素晴らしかったのです。吟遊詩人の話なので、ハープ伴奏による歌は聴かせどころなのですが、このハープのパートは大変難しい。それをみごとに演奏していただいた操さんを再度お招きでき、また今二期会で大活躍のバリトン大沼 徹のヴォルフラムはきっと素晴らしいことだろう、ということで歌合戦の場を選びました。
『トリスタンとイゾルデ』は、昨年の「わ」の会で第3幕をハイライト上演したのですが、それがとても好評で。最初のイングリッシュホルンのバンダからはじまり、トリスタンの狂乱(?)からイゾルデ到着、愛の死と、少人数でできるかたちながら、しっかりストーリーも味わっていただける構成になりました。これが大変よかった、他の場面も見たいというお声を多数いただいたので、『トリスタンとイゾルデ』は最初から有力候補だったんです。
そして、東京二期会での本公演が決定し、「わ」の会からも池田と大沼が出演することになりましたので、これはやるしかないなと。ワーグナーが好きすぎて、大学のときに試験でワーグナーを歌おうとして止められたというバスバリトン大塚博章のマルケ王も楽しみですし、今まで数々の役を共に作ってきたテノール片寄純也の張りのある「これぞヘルデン」なトリスタンも楽しみです。そして、二期会公演の出演者からメゾソプラノ山下牧子さん、バリトン友清 崇さんに賛助出演いただけることになり、鬼に金棒!の気持ちです。
ここまで揃ったので、もうカットとか言わず、しっかり第2幕を通しで楽しんでいただきましょう!と思い切りました。通常はカットされることの多い「昼の対話」と呼ばれる部分も含めた完全版。簡潔なのに詩的、かつわかりやすいとご高評いただいている吉田 真の字幕で、二期会の全幕上演への予習としてもしっかりお楽しみいただけるんじゃないかなと思います。オケピットがないので歌手が近いですし、ピアノのほうがオケよりも構成がわかりやすい部分もあります。そして、半日かからず、普通のコンサートと同じ時間で終わります!

――6月のステージ、そして9月の本公演にむけて、ご自身の意気込みを。
池田: これまで良い順序でワーグナーのいろいろな役を経験させていただきました。本役ではなく、カヴァーの経験も多いのですが、だからこそ世界のレベルの歌い手と稽古できたり、稽古の様子を見学もできる、そして、声と体をゆっくり育てながら勉強することができる。
そして、ここ5年ぐらいで徐々にイゾルデという役に導かれていったように感じています。小さなホールでの上演、大きなホールでのフルサイズの上演、どちらも違った難しさがありますが、不思議と怖いという気持ちはありません。素晴らしい仲間に支えられて、安心して船に乗り込もうと思います!(『トリスタン』の最初は船旅から始まるんです!)

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山下牧子
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片寄純也
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大沼 徹
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友清 崇
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大塚博章

■■■ 公演情報 ■■■
Richard Wagner 「わ」の会コンサート vol.3
Berauschung:陶酔

日時:2016年6月16日(木) 19:00開演(18:20開場・18:30プレトーク)
会場:すみだトリフォニーホール 小ホール
料金:(全自由席) 4,000円
出演:
  (指揮)城谷正博
  (メゾソプラノ)池田香織、山下牧子
  (テノール)片寄純也
  (バリトン)大沼 徹、友清 崇
  (バスバリトン)大塚博章
  (ピアノ)木下志寿子
  (ハープ)操 美穂子
  (字幕・解説)吉田 真
プログラム:
 ・『タンホイザー』第2幕より 歌合戦の場
 ・『トリスタンとイゾルデ』第2幕全曲
チケットお取扱:
 ・「わ」の会 TEL/FAX 03-5706-3356 メール
 ・Confetti(カンフェティ) TEL 0120-240-540
後援:日本ワーグナー協会、公益財団法人東京二期会
▼公式フェイスブックはこちら
「わ」の会 - facebook

▼9月『トリスタンとイゾルデ』の本公演のページはこちらですよ!
ライプツィヒ歌劇場との提携公演 R.ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』 - 東京二期会オペラ劇場
▼二期会通信第305号掲載、池田香織のインタビュー記事はこちら!
池田香織:多くの作品を歌えば歌うほど壮大かつ繊細なワーグナーに魅せられて|『トリスタンとイゾルデ』キャストインタビュー 横山恵子・池田香織 - 東京二期会

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黒い薔薇歌劇団~旗上げ公演『魔笛』、公演迫る!

皆さんよくご存知の二ノ宮知子さんの漫画「のだめカンタービレ」のオペラ編に登場する、「白い薔薇歌劇団」にあやかって、クラシックをより楽しく身近に感じていただきたいと、二ノ宮さんの許可をいただき命名された、その名も「黒い薔薇歌劇団」。
今月、その「黒い薔薇歌劇団」が旗上げ公演として、モーツァルト『魔笛』をかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで上演致します。
構成・演出を手がけるバリトン宮本益光(パパゲーノ役で出演)を始め、日本を代表するオペラ歌手が大集結。また、俳優の長谷川初範さんをナレーションにお迎えしてお届けします。
ファンタジー溢れる有名な作品を、歌唱は日本語字幕スーパー付きの原語(ドイツ語)演奏で、セリフは日本語で、さらにナレーション付きと、オペラ初心者の方にもわかりやすい形で上演致します。また、会場の持つ音響効果を最大限に発揮するため、あまり過度な演出に傾倒しない構成とし、より美しい音楽、良い演奏をお楽しみいただけますので、『魔笛』ファン、オペラファンにとっても見逃せない公演です。
ぜひお気軽にお越しください!

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PDFちらし
■■■ 公演情報 ■■■
黒い薔薇歌劇団 旗揚げ公演 W.A.モーツアルト『魔笛』
~日本を代表するオペラ歌手たちによる、極上の音楽体験!!~
構成・演出 宮本益光
日時:2015年1月17日(土) 15:00 開演(14:30開場)
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
   (京成線「青砥駅」徒歩5分または「京成立石駅」徒歩7分)
料金:全席指定・税込
   S席5,000円、A席(バルコニー席)4,500円、学生2,500円
   (4歳以上入場可/要チケット)
出演:ザラストロ/大塚博章
   夜の女王/塩田美奈子
   パミーナ/砂川涼子
   タミーノ/鈴木 准
   パパゲーナ/鵜木絵里
   パパゲーノ/宮本益光
   侍女1/髙橋絵理
   侍女2/青木エマ
   侍女3/小林由佳
   モノスタトス/加茂下 稔
   童子/シンフォニーヒルズ少年少女合唱団
   ピアノ/石野真穂
   魔法の笛/難波 薫(フルート)
   魔法の鈴/髙島美沙(ダンサー)
   ナレーション/長谷川初範

▼公演概要ページはこちら
黒い薔薇歌劇団 旗揚げ公演『魔笛』 - 二期会21
▼チケットのお求め、お問合せはこちら
かつしかシンフォニーヒルズ 03-5670-2233 (10:00~19:00)
かめありリリオホール 03-5680-3333 (10:00~19:00)
葛飾区文化施設指定管理者|シンフォニーヒルズ・リリオホール(←ネット予約)

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NHK音楽祭2014 ゲルギエフ指揮/マリインスキー管弦楽団『サロメ』

音楽が持つ“本物の魅力”に触れ、豊かで質の高い文化の創造に貢献すべく2003年に創立された、「NHK音楽祭」。12回目を迎えた本年は、管弦楽の黄金期―後期ロマン派の壮大な調べ―と題し、開催2日目に、生誕150周年を迎えたリヒャルト・シュトラウスを特集。26年に及び芸術監督を務めるマリインスキー劇場管弦楽団を率いて、ワレリー・ゲルギエフが楽劇『サロメ』の指揮を執りました。
圧巻の演奏を盛り上げたのは二期会の層々たるメンバー。普段なかなかお目にかかることのできない豪華出演陣による『サロメ』、一見の価値ありです。
【二期会の出演者】
小姓/奴隷…山下牧子、ユダヤ人1…高田正人、ユダヤ人2…岡本泰寛、
ユダヤ人3…与儀 巧、ユダヤ人4…加茂下 稔、ユダヤ人5…大塚博章、
ナザレ人1…秋谷直之、ナザレ人2…大沼 徹、兵士1…斉木健詞、
兵士2…志村文彦
◆◆◆ 放送情報 ◆◆◆
「クラシック音楽館」
NHK音楽祭2014 ―マリインスキー劇場管弦楽団―

放送日時:2014年11月9日(日) 21:00~22:58
放送局:NHK-Eテレ
内容:
 ●インタビュー/(指揮)ワレリー・ゲルギエフ
 ●リヒャルト・シュトラウス作曲:楽劇『サロメ』
   指揮:ワレリー・ゲルギエフ
   管弦楽:マリインスキー劇場管弦楽団
   (収録:2014年10月17日 NHKホール)
▼番組ホームページはこちら
クラシック音楽館 - NHKオンライン

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【レビュー】9月公演 R.ワーグナー『パルジファル』終演

あらゆる社会的取り決めを超えて、各々が責任を負う心構えがなければ ~ 演出:クラウス・グート
ワーグナー・オペラの第一人者、飯守泰次郎氏を指揮に迎え、二期会随一の実力派の歌手が揃った『パルジファル』。
チューリッヒ歌劇場(スイス)、バルセロナ・リセウ大劇場(スペイン)との共同制作によって、プロジェクターによる映像投影をはじめ、テクニカル面でも高度な課題をクリアし、回り舞台(盆)はリセウから運ばれました。
5時間の長大な作品が内包する、壮大な物語を、単なるファンタジーではない、1913年以降の史実として、あらためて問いかける明晰な演出が、その百年後の日本に届けられたことに、深い感慨を持たずにいられません。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(◇…9月13・16日組、★…9月15・17日組)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>


物語の始まり。老王ティトゥレル(大塚博章・中央)は、アムフォルタス(大沼 徹・左)を後継者に決め、もう一人の息子クリングゾル(友清 崇・右)には冷淡な態度を取る。


クンドリ(田崎尚美・右)が貴重な薬、バルサムを持って駆けこんでくる。左はグルネマンツ(山下浩司)


王アムフォルタス(左上)は、クリングゾルに聖槍を襲われ、槍の傷に苦しむ。


クンドリが長く姿を見せないとき、われわれに不幸なことが起こるのだ。
グルネマンツが語って聞かせる。


老王ティトゥレル(左)は、聖杯の儀式を行うように、アムフォルタスに迫る。右はパルジファル(片寄純也)


クリングゾルの怪しい悪の魅力。


Die Zeit ist da. (時は来た)
クリングゾルに操られるクンドリ(橋爪ゆか)。


クリングゾルの魔術によって、出現した花園と花の乙女たち。


魔性の女、クンドリが「パルジファル」と呼びかけると、たちまちにして、パルジファルは己を自覚する。


クンドリは、パルジファルにパルジファルの母、ヘルツェライデについて語る。


クンドリの誘惑が失敗したことを見てとり、クリングゾル(泉 良平)は、聖槍を振るうが、パルジファル(福井 敬)の頭上で、ぴたりと止まる。


パルジファルは、グルネマンツ(小鉄和広)のもとに帰って来る。


聖杯の騎士たちとともに、王アムフォルタスの城を目指すパルジファル。
パルジファルの歩み、騎士たちの歩みが、第一次世界大戦以後の歴史に重なっていく。


絶対的な庇護者を求めた結果について。
時はやってきて、現実となり、また過去となる。その繰り返し。
ただ苦しい状況であるからといって、決して無自覚でいてはならない。
救いがあるとしたら、それは他者への共感の中にあるのではないか、と。


カーテンコール写真。
(撮影:堀衛)

5日間で、4回の長大な公演を支え続けた読売日本交響楽団の壮大な響きは圧巻でした。
舞台装置、衣裳、小道具は再び、チューリッヒに、回り舞台はバルセロナに帰っていきました。
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

帆かけ舟

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知の巨人リヒャルト・ワーグナー最後の楽劇『パルジファル』ついに開幕!

二期会創立60周年記念の頂点、実に45年ぶりの上演となる、ワーグナーの大作『パルジファル』がついに姿を現しました。(チューリッヒ歌劇場(スイス)、パルセロナ・リセウ大劇場(スペイン)との共同制作)
舞台神聖祝祭劇『パルジファル』は、復活祭、聖杯、贖罪、救済、と信仰と深いかかわりのある物語ですが、演出家クラウス・グートは、多様な文化と歴史を背景に、共に生きる人類の宿命として、一人の若者の成長の姿を描きました。
本場バイロイト劇場と、この東京文化会館の響きを知り尽くしたマエストロ飯守泰次郎氏が、読売日本交響楽団と共に作り出す繊細な美しさ。
5時間という作品は、時間的には長い。けれども、「zum Raum wird hier die Zeit.(ここでは時間は空間となる)」という老騎士グルネマンツの台詞の通り、喧騒の現実を離れて、無意識の世界に降りていく。その瞬間は、やはりワーグナーの魔術というべきものなのでしょう。
舞台の写真を少しご紹介します。
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白鳥を傷つけたことを叱るグルネマンツ(小鉄和広)と、無知にして純粋な少年
パルジファル(福井 敬)
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先王ティトゥレル(大塚博章)と、槍の傷に苦しむアムフォルタス(大沼 徹)
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魔術によって聖物の守護者の地位を狙うクリングゾル(友清 崇)
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クリングゾルによって操られ、また聖なるアンフォルタスの騎士団にも仕える謎めいた女クンドリ(橋爪ゆか)
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パルジファル(片寄純也)は聖なる槍を奪い返し、再びアムフォルタスの館に辿り着く・・・・

公演は17日(月・祝)まで。ぜひ会場でお楽しみください。
休憩は2回。25分ずつを予定しています。
会場の東京文化会館は昨年創立50周年を迎えました。設計は前川國男氏。大ホールのロビーに模型も展示されています。
日本を代表する舞台芸術の殿堂をめぐり、初秋の上野公園を眺めるのもお薦めです。
それでは、上野の東京文化会館でお目にかかりましょう。

▼公演詳細はこちら
二期会創立60周年記念公演 R.ワーグナー『パルジファル』 - 東京二期会オペラ劇場
▼公演当日のタイムテーブル(予定時刻表)はこちら
9月13日(木)開幕!『パルジファル』公演当日のごあんない - 二期会blog
▼チケットのお申し込み・お問い合わせはこちら
二期会チケットセンター TEL 03-3796-1831【『パルジファル』の電話予約は15日(土)15:00で終了
 ◆インターネット予約Gettiiなら24時間受付!しかも公演当日の開場時刻までご予約可能!
   →お近くのセブン-イレブンで決済・受取→余裕の到着!!

帆かけ舟

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二期会WEEK@サントリーホール2012 第二夜は聴けば絶対トクします!

昨夜より「二期会WEEK@サントリーホール2012」が開幕しました!
第一夜はフラワーアーティストの竹田浩子さんによる、一夜限りの緑豊かなフラワーアレンジが華やかに舞台を彩り、千駄ヶ谷スタイルの4人によるソロ、アンサンブルをお楽しみいただきました。
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「千駄ヶ谷スタイル」の4人。左から、与那城 敬、長谷川 忍、田上知穂、高田正人
それでは、ひきつづき公演直前の各夜情報をお届けします。

■6月19日(火)19:00開演
【第二夜】
「ワーグナーからの挑戦状」 ~ワグネリアン養成講座

ワーグナー!? ワグネリアン!? この言葉で尻込みしてしまう人もいるはず。
でもそんなことはありません! 聴き方のコツさえつかんでしまえば、絶対にワーグナーが楽しくなる!ハマる!きっと!
ワグネリアン養成と言ってもマニアになることを強制するわけではありません。ワーグナーを楽しく聴くためのコツをレクチャーと演奏でやさしく伝授します。
“譜面をよーーくよーーく見ると、「この人はこういう人です」「ホントはこう思ってます」ってかなり詳しく書いてあるのがワーグナー。それがお客様にも伝わるといいなーと思ってます。”(池田香織ブログ「だらだらPiyauchen HEUTE」より)
聴けば絶対トクしますよ!
week2012_2_member.jpg リハーサル終了後に皆で揃って。
後列左から、片寄純也、城谷正博、大塚博章
前列左から、木下志寿子、池田香織
▼池田香織ブログはこちら
だらだらPiyauchen HEUTE
▼第二夜の公演情報
二期会WEEK@サントリーホール2012 第二夜「ワーグナーからの挑戦状」 ~ワグネリアン養成講座 - 二期会21
 ※当日券のご用意がございます。18:00よりホールエントランスで発売いたします。

《二期会WEEK@サントリーホール2012》みんなに、うた。~創立60周年を迎えた二期会の歴史に新たなページを刻み、感動をわかちあえるステージとなりますように。

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扉の向こうのドン・ジョヴァンニ、時を超えて、交感する

東京二期会オペラ劇場2011年11月公演『ドン・ジョヴァンニ』は、ベルリン、シュトゥットガルト、ウィーンでキャリアを積み、ドレスデン歌劇場、ウィーン国立歌劇場等、一流の歌劇場で活躍を続ける演出家カロリーネ・グルーバーを迎え、11月23日にライン・ドイツオペラ(デュッセルドルフ/デュイスブルク)との国際共同制作のプレミエ公演が東京・日比谷の日生劇場で幕を開けました。
1カ月以上に及ぶ濃密な稽古の成果を発揮し、観客の心を揺さぶるメッセージ性の強い舞台となりました。
話題の多かった今回の公演を、舞台写真と共に、振り返ります。
★11月23・26出演組(撮影:鍔山英次)
☆11月24・27日出演組(撮影:三枝近志)



ドン・ジョヴァンニ(宮本益光)の屋敷に迷い込んだ、マゼット(近藤 圭)とツェルリーナ(盛田麻央)。皆、生きている時代の異なる人々。後ろでは、ドン・ジョヴァンニが次々と女性と出会っては消えていく。レポレッロは大塚博章。


目に飛び込んでくるのは、アーノルド・ベックリンの「ユリウスとカリプソ」をモチーフにした大きな絵。
ドン・ジョヴァンニとは誰なのか?


奇妙な晩餐会。
テーブルにつくのは左からマゼット(北川辰彦)、レポレッロ(久保和範)、ツェルリーナ(嘉目真木子)。


ドンナ・アンナ(文屋小百合)の父、騎士長(斉木健詞)はドン・ジョヴァンニに殺されてしまいます。婚約者のドン・オッターヴィオ(今尾 滋)が慰めますが、聞き入れる風ではありません。


sentire odor di femmina...
女の匂いがする。ドン・ジョヴァンニ(黒田 博=写真右)は鼻が効くのです。
現れるのは、ドンナ・エルヴィーラ(佐々木典子=写真左)。


レポレッロ(久保和範=中央)のカタログの歌。
Madamina, il catalogo è questo
7つの扉から出入りする登場人物。異なる時をつなぐ扉です。
1887年、1813年、1789年、1848年、…と年号が書かれていました。


Il labbro è mentitor, fallace il ciglio!
唇は嘘つきで、目は偽り。
ドンナ・エルヴィーラ(小林由佳)は、ドン・ジョヴァンニを忘れることはできないのです。
愛の深さと気丈さと執着心は紙一重。魅力的なドンナ・エルヴィーラ像を見せてくれました。


Poverina, poverina! 「可哀そうに!」
このいい男ぶり。


父を殺したのはドン・ジョヴァンニと知りつつ、魅かれているドンナ・アンナ(増田のり子=左)にCosa è stato? 「どうしました?」と暢気に聞くドン・オッターヴィオ(望月哲也=左から2番目)。
2人は同じものを見ても、まるで別の景色、なのですね。
しかし、ドン・オッターヴィオをここまで豊かに聴かせてくれる歌手もそう多くはいないです。
ドンナ・アンナには見えなかったとしても。


ドンナ・アンナが歌う強烈なアリア。
Era già alquanto avanzata la notte, 「私が夜一人でいるときに」
紗幕の後ろで、ドンナ・アンナとドン・ジョヴァンニの逢瀬が映ります。
真実はどちら? まるで、羅生門のような。


ドン・ジョヴァンニは、ツェルリーナを誘惑します。
こちらもマゼットという新婚の夫がいますが、その魅力には抗しきれず。




マゼットがツェルリーナの存在を無いもののようにして踊る中、Batti, batti, 「私をぶっていいから仲直りしましょう」というツェルリーナのアリア。
この複雑な演技をしつつ、アリアを歌うという、離れ技。


リベルタゲーム。Viva la liberta! 「自由万歳!」
びわ湖ホール公演では客席から参加してくださった方がいらっしゃったとか。


登場人物それぞれにカリプソの絵が降りてきます。
人は待ち望み、憧れずにはいられない。


騎士長の亡霊は、今回は“正しき人”として現れます。
長谷川 顯の堂々とした終幕の存在感。


地獄に落ちたドン・ジョヴァンニですが、また出てきて笑っています。
すると、ドンナ・アンナも、ドンナ・エルヴィーラも、ツェルリーナも服を脱ぎ捨てて、
花嫁のようなベールをまとって嬉しそうに踊る、というのは一体、何を表しているのでしょうか。


ハッピーエンドとも取れますが、解けない謎を残したとも。
皆様の心に、ドン・ジョヴァンニと、彼をめぐる人々に思いが残れば、幸せに思います。

マエストロ沼尻竜典と、共に奏でたトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズに支えられた公演でした。
ご来場ありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

そして、日生劇場で4回の公演の後、12月4日に びわ湖ホールへ。
びわ湖ホールの公演当日は、良く晴れて、京都に向かう新幹線の窓から、虹を見ることができました。
びわ湖畔の山々も美しい紅葉に染まっていて、初冬ながら、おだやかな日曜日。
東京公演の様子も風の便りに伝わっていて、「何や観に行こか」という空気が柔らかい。
以下、びわ湖雑記。

前を歩いていた若いカップルの会話。
「ドン・ジョヴァンニの話は知っとるか?」
「知っとぅよ。女たらしが地獄に落ちる話やろ?」
この明快さ。一本!
京都市営地下鉄「蹴上」から「浜大津」に向かう途中。
「あぁ、しんど」「今日は日曜や」「今からアベック出てくる時間や」
京の女子高生恐るべし。

帆かけ舟

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『ドン・ジョヴァンニ』キャストのネット・メディア・リンク集

二期会創立60周年記念公演・東京二期会オペラ劇場2011年11月公演『ドン・ジョヴァンニ』の稽古はいよいよ佳境に。
キャストたちは、稽古中に考えたことや、今回のプロダクションに対する想いをブログやツイッターなどを使って発信しています。
人数は少なめですが、個人でネット・メディアを持っているキャストへのリンクをご紹介します。

▼宮本益光(11/24,27 ドン・ジョヴァンニ)
オフィシャルサイト mas-mits.com 
ブログ「極楽 音楽日記」
▼斉木健詞(11/24,27 騎士長)
斉木健詞ファンクラブ 公式サイト 
・Facebook「斉木健詞」
▼望月哲也(11/23,26 ドン・オッターヴィオ) 
テノール屋さん 望月哲也のブログ
・Facebook「望月哲也」
▼大塚博章(11/24,27 レポレッロ)
オペラ歌手 大塚博章 公式ホームページ
▼北川辰彦(11/23,26 マゼット)
TATSUHIKO KITAGAWAのぶろぐ
・ツイッターアカウント「@tatyan1129」
▼近藤 圭(11/24,27 マゼット)
バリトン歌手 近藤圭のブログ
▼嘉目真木子(11/23,26 ツェルリーナ)
SOPRANO Makiko Yoshime(ブログ)
・ツイッターアカウント「@makiko41」

▼Twitter(ツイッター)ログインページ
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▼Facebook(フェイスブック)ログインページ
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▼公演詳細はこちらです
2011年11月公演W.A.モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』 - 東京二期会オペラ劇場

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迫力の『トゥーランドット』無事に終演しました!(レビュー[2])

東京も30℃を超える暑さが続く中、粟國淳演出『トゥーランドット』の幕を下ろしました。
今回の公演は、「熱気があった」「オーケストラの音に感動した」等、お客様の声もいただき、これまでにないスケール感で盛り上がりを見せました。
公演写真を加え、この夏最大の舞台『トゥーランドット』を振り返ります。
★7月6・9日出演組(撮影:三枝近志)
☆7月7・10日出演組(撮影:鍔山英次)




福井 敬の凛々しいカラフ、横山恵子のたおやかなトゥーランドット姫、完成度の高い演奏を聴かせたピン(萩原 潤)、パン(大川信之)、ポン(村上公太)、ソリスト陣の勢いに乗り、いずれも高い評価を得ました。皇帝アルトゥムは田口興輔。


二期会合唱団も大活躍。トゥーランドットは、合唱の出番も多く大変な演目ですが、マエストロからの厳しい要求にも見事にこたえ、力強く表情豊かな音楽を聴かせました。

総勢130名が舞台に乗ると壮観です。こちらは1幕。


リュー(日比野 幸)の後ろの人物の表情にも注目。ティムールは佐藤泰弘。
群衆も一人一人、劇中で生きているのです。私たちがそうであるように。


ピン(栗原 剛)、パン(西岡慎介)、ポン(菅野 敦)
3人の大臣がそれぞれの故郷への憶いを馳せるシーン。


官吏、役人、美しい侍女たち。天上の人皇帝アルトゥムは牧川修一。
音楽を視覚的に楽しませ、華やかに彩りました。

7日と10日に代役でカラフを歌ったルディ・パークは、韓国出身。スカラ座をはじめ、世界各地の劇場でこのカラフを歌い、絶賛されている逸材です。

今回リューを歌った新垣有希子は、ローマでの研鑽時代、志を共にした友人でもあります。久しぶりの再会もあって、士気も高まりました。


丹藤亜希子も難役トゥーランドット姫を歌い切り、二期会オペラのデビューを飾りました。


ティムール(大塚博章)はリュウの亡骸にすがり悲しむ。


終幕。

たくさんのお客様に盛大な拍手をいただきました。
また、会場ロビーで行われた、東日本大震災被災地への義援金募金にも多くの方がご協力くださり、4日間の公演で合わせて「329,919円」をお預かりいたしました。この義援金は全額、東京都を通じ、被災地へお届けさせていただくことをご報告申し上げます。誠にありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼レビュー[1}もあわせてご覧ください。
粟國淳演出『トゥーランドット』開幕!(レビュー[1]) - 二期会blog(2011/7/7)

ZEN,帆かけ舟

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明日を担う音楽家による特別演奏会

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文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)の成果を披露する特別演奏会が、2010年2月3日(水)19:00より東京オペラシティ・コンサートホールにて開催されます。
今回は平成18~20年度に海外派遣された歌手を中心に出演いたします。
是非ご来場ください!
左の画像をクリックすると、ちらしデータ(PDF)がダウンロードできます。 

■<文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)の成果
 「明日を担う音楽家による特別演奏会」
■2010年2月3日(水)19:00開演(18:30開場)
■東京オペラシティ・コンサートホール(京王新線「初台駅」東口徒歩5分)
■出演
ソプラノ:石上朋美、駒井ゆり子、田口智子、吉田珠代、鷲尾麻衣
メゾソプラノ:小野美咲
バリトン:町 英和
バスバリトン:大塚博章
テノール(ゲスト):塚田裕之
バリトン(司会):成田博之
指揮:現田茂夫
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
■予定プログラム
グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』より“おいで、君の夫についておいで”
モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』より“岩のように動かずに”
ヴェルディ:『エルナーニ』より“エルナーニ、一緒に逃げて”
     『リゴレット』より“悪魔め、鬼め”
     『トロヴァトーレ』より“わかったか 夜が明けたら…”
プッチーニ:『蝶々夫人』より“夕暮れは迫り”
グノー:『ファウスト』より“宝石の歌”
ビゼー:『カルメン』より“母のたよりを聞かせて”
オッフェンバック:『ホフマン物語』より“お前はもう歌わないのか”
プーランク:『ティレジアスの乳房』より“いいえ、だんな様”
バーンスタイン:『キャンディード』より“きらびやかに着飾って”
ワーグナー:『ラインの黄金』より“避けよ、ヴォータン!避けよ!”
     『ワルキューレ』より“さらば 大胆で輝かしき娘よ!”
■入場料金(税込)
S席¥3,000- A席¥2,000- B席¥1,000
■予約・お問合せ
チケットスペース 03-3234-9999
■前売所
チケットぴあ 0570-02-9999[Pコード340-970]
ローソンチケット 0570-084-003[Lコード32067]、0570-000-407(オペレーター)
イープラス
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
■監修:木村俊光 ■美術:荒田 良 ■照明:大塚之英〈(株)ストーリーレーン〉 ■舞台監督:中村眞理
■主催:文化庁 ■制作:(株)二期会21 ■制作協力:佐藤 敦〈(株)ストーリーレーン〉

文化庁では、将来我が国を担う芸術家を養成するため、昭和42年度より若手芸術家を海外に派遣し、研修の機会を提供する本制度を実施しており、これまでに派遣された芸術家は2,700人を超え、現在の我が国芸術界の中核的な存在として国内外で活躍しています。

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